バルト海の復讐



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    初公開日(参考)2001年09月
    分類

    長編小説

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    バルト海の復讐 (光文社文庫)

    2008年12月09日 バルト海の復讐 (光文社文庫)

    ハンザ同盟の豪商から船を任された若き船長エリック。だが、高価な琥珀を買い付けた帰路、船員の裏切りに遭い、海に投げ込まれてしまう。魔女だという老婆に助けられ命拾いをした彼は、事件の裏にある陰謀の存在を知る。自らの誇りを守るため、腕利きの騎士や黒猫の「白」とともにエリックは立ち上がる。15世紀の北ドイツを舞台にした大冒険が始まった。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt

    バルト海の復讐の総合評価:6.18/10点レビュー 11件。Dランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (4pt)

    あっさり風味

    田中氏によるジュヴナイル小説のような読み物。14世紀のドイツならびにバルト海を舞台にした復讐譚。
    ときおり挿入される当時のヨーロッパの情勢と風習が薀蓄のスパイスとしてまぶしてあるのはこの作者ならではといったところか。

    ただ復讐譚と書いて想像するのは、不当に虐げられた人物が、その怨みを晴らすために情念を募らせるため、感情的な物語を想像してしまいがちになるが、本書においては史実に基づいて著しているせいか『銀河英雄伝説』、『アルスラーン戦記』、『創竜伝』といった、田中氏を代表する一連のシリーズに比べると、その筆致はかなり抑制された物となっている。作者特有の皮肉を混ぜた饒舌さも成りを潜め、淡々とした物語運びだ。だから読後感も非常にあっさりとしている。

    そして題名ならびに若き船長という主人公の設定から、私は田中氏初の海洋冒険小説もしくは帆船小説なのかと想像したが、さにあらず、上にも書いたがやはり14世紀のドイツを描いた歴史小説となっている。
    あとがきによれば小学生の頃に百科事典で出合った「ハンザ同盟」という言葉がこの物語を書く動機になっているとのことだ。

    博学な田中氏のこと、物語に散りばめられた当時の風習や生活様式など、細かな知識、情報は我々が学校の歴史の授業では教わらない事が多く、また断片的に教わった情報を上手く物語に反映する事で、作中人物らの生活が非常にリアルに伝わってくる。

    作中人物の中でとりわけ印象に残るのは漂着した主人公を助けるホゲ婆さんなる人物。この女性、数百年生きた魔女などとも呼ばれており、世界各地の豪商、貴族、騎士らがなんらかの形で助けられ、助成を受けた人物それぞれがその正体を憶測し、そのどれもが違っていながらもさもありなんと思わせる謎めいた女性である。

    誰でも抵抗なく、すっと読み終わってしまう作品だが、それが故に残る物もあまりない。恐らく1ヵ月後にはどんなストーリーだったかも忘れてしまうのではないか。
    小さく纏まったがために、物足りなさが残る作品であるのは残念である。


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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.10:
    (3pt)

    歴史モノの蘊蓄は多すぎても少なすぎてもダメ

    残念ながら、田中先生の作品としてはあまり面白いとは思えなかった。本作品が発表されたのは2001年で、1999年頃から作者は取材等をして企画として準備していたらしい。私が本作品を読んだのは2018年。つまり平成最後の夏だった。せめて本書が刊行されたリアルタイムで読んでいたら違った感想になっていたかもしれない。
    本作品に限らないが、田中先生の歴史物の特徴の一つとして、蘊蓄の多さがある。巻末には参考文献が多く挙げられているし、もちろん田中先生は文献にあたって調べて書いているのは分かる。あとがきにあるようにドイツに取材にも行っているようだ。だが、この手の蘊蓄というのは、今ならネットでググればある程度容易に出てくる部分も多いため、蘊蓄自体のありがたみが、刊行時と平成最後とでは価値が違ってきているので「へぇ」ポイントが低いというべきか。 またその蘊蓄を物語の展開や描写の中に自然に盛り込んでいるならまだしも、物語の流れをぶった切って横道に逸れての説明が多かったので、説教臭い上にストーリーの流れが悪い。
    そして一冊読み切りという分量の作品で、その中で蘊蓄に要する文章量が多いということは、自ずとストーリーが簡略に成らざるを得ない。なので復讐譚自体は悪いものではないが、テンポは悪い上に展開も広がってゆかず、物足りなさを感じる。
    田中作品というと、その大きな魅力を形成しているのはキャラだろう。ただ本作には、魅力的なキャラというのもいないかな。例えば歴史上の実在人物なら、史実という部分で行動に制限を受けることもあるが、十分に魅力を持ちうる。史実の人物であっても名前だけとか、あるいは完全な架空人物ならば、作者の裁量でその人物をいかに魅力的に描けるか変わってくる。 田中先生の作品だと、短編なら荀灌やイシハ、一冊読み切りなら天竺熱風録の王玄策や彼岸法師など、いずれも良いキャラだった。彼岸法師などは特に物語を面白くする役割をよく担っていたものだと今更ながらにも思う。 翻って本作品はどうか。主人公のエリックが実在なのかあるいはどこかの資料に名前だけレベルなのか架空なのかは不明だが、少なくとも歴史上の有名人ではないはず。
    ならば、序盤でそのキャラクター性に共感を持てれば良かったのだが、先述の通りこの時代のハンザ同盟の舞台設定の説明蘊蓄が多く、主人公キャラに入り込めない。だったら美人のヒロインでもほしいところ。だが、出てくるのはホゲ婆さん。いやBBAだから駄目というよりは、本作中にかなり多いご都合主義部分を担っていたキャラであるためあまり好きになれなかった。 ウィットのきいた会話の応酬なども少なく、そういうことでキャラの魅力という点でも弱かったと思う。
    また、刊行当初ならまだ良かったかもしれないけど、今、読むと鼻につくのが、過度な中華至上主義。ヨーロッパが世界史を常にリードしてきたわけじゃなく、同時代のヨーロッパに較べて中華が進んでいることは多々あった、というのは、中華を舞台にした作品で言うならまだいいとしても、ヨーロッパが舞台の作品でわざわざ中華を引き合いに出してヨーロッパを貶める必要は無いと思った。 まあそういうことなので小説としての面白さよりも、ハンザ同盟まわりについての概説をプチ物語仕立てで行ったものとして見れば、確かに興味深いとはいえる。★3
    バルト海の復讐 (カッパノベルス)Amazon書評・レビュー:バルト海の復讐 (カッパノベルス)より
    4334075886
    No.9:
    (2pt)

    すべてが物足りない小さな復讐劇

    タイトルにあるように復讐劇の物語ですが,描かれるそれはとても小さくまとまり,
    そこへと至る計画や準備もなく,ただ淡々と流れて終わってしまった感は拭えません.

    船乗りらしく船の上でとなる終盤も,見せ場のはずなのにこちらもあっさりと片付き,
    そこにあるであろう重苦しい感情や雰囲気は,最後まで感じることができませんでした.

    このほか,魔女や何かありそうな黒猫など,おもしろそうな素材も中途半端な扱いで,
    印象に残っているのが,当時の文化にまつわる豆知識というのはあまりに残念過ぎます.
    バルト海の復讐 (カッパノベルス)Amazon書評・レビュー:バルト海の復讐 (カッパノベルス)より
    4334075886
    No.8:
    (5pt)

    普通におもしろい

    最初、この本のレビューがひどかったので読もうか迷いましたが、読んでみると普通におもしろかったです。当時の十五世紀の北ドイツという普段なじみのない舞台は新鮮で、歴史小説としても楽しめました。
    バルト海の復讐 (カッパノベルス)Amazon書評・レビュー:バルト海の復讐 (カッパノベルス)より
    4334075886
    No.7:
    (2pt)

    いい加減文庫の乱造を止めろ。

    正直 最近の田中氏の本の売り方はおかしいです。 名作をリーズナブルに読者にと言うのも判りますが、この作品自体もハードカバーからソフトカバーそして文庫へと安直に出版されてます。
     もう田中氏には執筆能力は無くなってしまったのでしょうか?
    落胆と失望と氏のやる気の無さに怒りを感じます。
    バルト海の復讐 (カッパノベルス)Amazon書評・レビュー:バルト海の復讐 (カッパノベルス)より
    4334075886
    No.6:
    (4pt)

    面白いけど。

    私は、もう3回ぐらい読み返してるけど、面白い。深すぎず、浅すぎず。読者に人生や世界の無常を考えさせるような小説は、苦痛だ。でも、小説には何か新しい発見がほしい。そんなのにはピッタリだと思う。田中芳樹の小説は続編が必ず出るとは約束されてないから、1刊で完結しているこの本は、お買い得。
    バルト海の復讐 (カッパノベルス)Amazon書評・レビュー:バルト海の復讐 (カッパノベルス)より
    4334075886



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