銀河英雄伝説外伝4 螺旋迷宮
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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外伝においても物語の属性としては派手な演出が繰り出される“動”のラインハルト編、気のおけない仲間たちのエピソードを描く“静”のヤン編という風に明確に色分けされているのが興味深い。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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1991年に読みました。(1989年にSF誌SFアドベンチャー」に連載後、徳間書店から新書で発行) 31年後に再読したので、幾つかの「歳月は過ぎ去ったものだなあ」というありふれた感慨を覚えましたので、そのあたりを少々点綴。 ①文体と内容の高度さが、他の田中芳樹作品(創竜伝、タイタニア、アルスラーン戦記、マヴァール年代記)と比べても際立っている。洞察といい、レトリックといい、銀河英雄伝説は田中作品の中でも追随を許さない。 ②「創竜伝」ではより直截に出てきた現代社会批判が、独裁制の銀河帝国と民主制の自由惑星同盟の双方の比較の上で、総体的にどちらの利点と弱点を指摘できている ③結論を明示しないことで、「創竜伝」のように読者を憤らせ、呆れさせたのと異なり、現実の多様性、結論の無さから読者に結論を委ね、あるいは考えさせる方向へと誘う。 1980年代の田中芳樹は、まぎれもなき天才だったことを確認しました。 2010年代でも、「創竜伝」完結編の末尾2冊はかつての片鱗をのぞかせましたが、この作品は密度も品位も達成も、同一人物とはいえ段違いです。 まあ、そのほか、レトリックは全般的にみなぎり渡っているところで、時折やりすぎと思えるような過剰性があることと、女性の描き方が均一に「一筋縄ではいかない、斜に構えて回りまわったセリフを吐く」ヒロインタイプの女性は遍在、とか、それはまあ田中文学では普遍的現象ですが… 30年前は気づかなかった事ですが、田中芳樹は銀河帝国と自由惑星同盟の専制政と共和政の抗争を描きながら、ことにこの外伝では無常観のような国家の永遠性への懐疑や、政治の優劣には不信を、ただし現実の政治の腐敗と変質には憤りと是正への努力をはっきりと書いている部分を読み取りました。 (10台の少年では、この時間的無常観はまだとても理解できなかったです。また、政治の変質に対する驚愕と懐疑も、例えば1990年代のポスト冷戦が新秩序を作ることはなかった現実や、2000年代の小泉内閣の政治的権謀の駆使、2010年代の内向きな日本政治を見たことによる自己の変化によってもたらされたものに思われます) 戦争についての洞察と、戦争を通じた国家がどのように変質していくのかを透徹した史観で描出した傑作だと思います。本伝ではないだけ、時空の流れ方も奔流ではありませんし、ややのんびりした時間の流れ方の中で、「田中史観」が伺われる作品になっていると思います。 一世代を隔ててやっと気づきました。田中芳樹を抽象的に眺めれば、彼の生涯の主題は、人類における戦争と軍事であり、人が人に殺人を合法的に命じることができるのか、どうかについて、またそれを自立した人間が判断できるのかどうか(その決定がどのようなものであれ)という問いであることに。 この葛藤について、田中文学の評価として、まだ深甚に問われているとは言えない気がしています。 以下は個人的回想。少年期に読んだとはいえ、同じ本を30年が経過したあとでまた読めるだけ生きてこられたことに有難さを感じました。大袈裟かも知れませんし、今の時代の医療があれば、さらに20年後に読めたりするかもしれませんが、それは20世紀以前でしたら当然のことではありませんし、21世紀でも当たり前のこととは言えません(と、ウクライナで20世紀型戦争が現在進行形であることを見て。それもまたこの外伝を手に取ることになった動機かもしれません) | ||||
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エル・ファシルの英雄と呼ばれ注目度の上がるヤン・ウェンリーが、歴史の謎解きをしながら多くの出遇い(出遭い)をしていく物語。 パトリチェフ、ムライとはここで顔を合わせたのか~! 結局謎解き部分は、なんの証拠もないために仮説でしかない。不思議なことに、物語のなかで物語を読んで推理するんだよな。言語の力はすごいと全然別の感想がでてきてしまった。 | ||||
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昔の出来事に対しての調査依頼を受け調査するが 最後の730年マフィアの生き残りに話を聞くもなくなってしまう、そして調査されてはまずいかのように、遠く離れた惑星に赴任させられるが…ここで出会う人々と本編で色々と関わって行く、調査の重要な証拠というか一人の老人が解答と言うか…謎の糸口を見せて、ヤン·ウエンリーが謎を考察して行く。 本当かどうかは、明確に示されていないが、 帝国側·自由惑星同盟側共に表には出せない内容であろう…、歴史家志望のヤン·ウェンリーにとっては…良かったであろうが…読者としては、中途半端で物語の展開が都合が良すぎるように思われた。まぁ、外伝なのでよきとしますか(^-^ | ||||
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外伝に相応しい、ゆるいスパイ・ミステリ仕立ての長編です。主人公は、ヤン・ウェンリーで、パトリチェフやムライといった、本編の登場人物との出会いが描かれています。 というわけで、本編の余韻として楽しむべきものです。 | ||||
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外伝、というと ・前日譚(本編世界の時間より前のエピソード) ・スピンオフ(本編の登場人物で主人公以外のエピソード) ・後日譚(本編世界の時間より後のエピソード) などがありますが 本書は本編での主人公の一人、ヤンの前日譚となります。 長編として面白いだけでなく 本編の全10冊を読んだ人にとっては ヤンの人物像、そして世界観が深掘りされていることも 同時に楽しめることと思います。 特に、 その後の時間軸である本編でヤンの同僚として働く人物の ムライやパトリチェフとの出会いのシーンなどが楽しめました。 本編では当たり前の間柄である登場人物同士が 初対面から信頼を得て仲良くなっていく辺りはワクワクしますね。 以上が、本作品のレビューですが ここからは、本編との関連も併せて これから銀河英雄伝説を読む方への 本編10巻、外伝が5巻の位置づけ について書いてみたいと思います。 ざっくり(私の理解で)本編&外伝の位置づけをいうと 本編10巻は 帝国軍ラインハルトと同盟軍ヤンを中心に据えた一連の物語 外伝1は本編前日譚で、帝国軍ラインハルトが中心の長編 外伝2は本編の別視点、ヤンの養子であるミンツが視点の日記形式の長編 外伝3は本編前日譚で、同盟軍シェーンコップが主役級の長編 外伝4は本編前日譚で、同盟軍ヤンが中心の長編 外伝5は4つの短編と著者インタビュー となります。 銀河英雄伝説のファンによっては、 オススメの読み進めていく順番が色々あるようで 小説のフォーマットごとに ・本編1→10、外伝1→5 といった順番だけでなく ・雑誌発表順に読む ・作中の時系列順に読む などもあるようです。 確かに発表順や作中の時系列順という読み方にも 惹かれるので、私自身も迷いました。 外伝の位置づけを分かってなかったので 文庫本のフォーマット順で鑑賞しましたが それで十分に楽しめると思います。 多くの方がその順番で読むことを 著者も出版社も期待していると思うので ハズレではないと思います。 「物語の時系列順に読みたい」と思う読者の気持ちも わかります。 しかし、物語の作者というのは 「意図的に時系列順を入れ替え、物語を効果的に 演出する」ということを考え併せれば 作品としての成果物であるフォーマット順というのは 順当かと思います。 なので個人的には本編1→10を読む際に 「外伝を途中で挟んだほうがいいのか?」と迷わずに 先に読んで良いと思います。 とは言え、本編全10巻を読み終わった後に 「外伝の1→5の順が一番良いのか?」というと ”興味があるもの順でいい”と思いますので 外伝はどの順番で読んでもいいと思います。 しかしながら外伝5収録の著者インタビューは いちばん最後のほうがいいかなぁって 個人的には思います。 ちなみに外伝5収録の短編は ”作品内世界の時系列順”です。 しかし、外伝1から4の長編を 併せて考慮すると、外伝自体は 時系列順ではないです。 本編、外伝併せて 作品世界の時系列順の中に並べると 下記のようになります。 注)基本的に長編単位で、・がついているのは章単位 --本編の前史(主人公たちが生まれる前) ・本編-6 地球衰亡の記録【六巻序章】 ・本編-1 銀河系史概略【一巻序章】 ・外伝-5 ダゴン星域会戦記(短編) --以降、ラインハルトとヤンの物語--- 外伝-4 螺旋迷宮 ・外伝-5 白銀の谷(短編) ラインハルトがメイン ・外伝-5 黄金の翼(短編) ラインハルトがメイン ・外伝-5 朝の夢、夜の歌(短編) ラインハルトがメイン 外伝-3 千億の星、千億の光 外伝-1 星を砕く者 ・外伝-5 汚名(短編) ラインハルトがメイン 本編-1 黎明篇 外伝-2 ユリアンのイゼルローン日記 本編-2 野望篇 本編-3 雌伏篇 本編-4 策謀篇 本編-5 風雲篇 本編-6 飛翔篇 本編-7 怒濤篇 本編-8 乱離篇 本編-9 回天篇 本編-10 落日篇 ・外伝-5 著者インタビュー 最初は文庫フォーマット順、 再読時に時系列順、などにすると 面白いかもしれませんね。 参考まで | ||||
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