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港の酒場で
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港の酒場での評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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人間の心情、関係を濃密が濃密に描かれた名作のひとつだと思います。 決して、謎解きや犯人当てを主眼としたミステリではありませんが、閉鎖された船内、それよりは開けているとはいえ決して開放的ではない港町の濃厚な人間関係を丹念に描かれています。 ほとんどの登場人物は、決して見た目のまま、第一印象のままの平坦な人物ではなく、単純な善悪、損得では割り切れない、より複雑な要因がせめぎあった人物として描かれています。 犯人、事件の様子が明らかになることよりも、事件が関係者に及ぼした影響を丹念に描くことに力を入れたような作品ですが、それらを読み解くこともまた読書の楽しみではないでしょうか。 | ||||
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メグレものの中では、話の組み立ての立体感や臨場感に乏しい | ||||
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ご存知メグレ警部シリーズの第9作。1931年7月脱稿、8月Fayard社より出版。シムノン28歳。 興味深いことに、本作含めシムノン初期の傑作の幾つかは、全長10メートルの帆船「オストロゴート号」船上のタイプライターから生まれている。「アルザス山峡の宿」「怪盗ルトン」「霧の港」など、いずれも1931-32年出版。 原題は Au Rendez-Vous des Terre-Neuvas. フランス北部の漁港フェカンの港酒場「ニューフォンドランド」 邦訳は木村尚三郎「港の酒場で」があるが古書に属し価格も安くはない。が今回Kindle シリーズに採録され手軽に入手可能となった。 6月のパリ。ヴァカンス・シーズンの到来である。メグレ夫人は恒例のようにアルザス地方に出かける準備に余念がない。そこに小学校教師をやっているメグレの級友から手紙が舞い込む。 北洋トロール船の通信士である彼の教え子が、船長殺害の容疑で逮捕拘留されている。状況は芳しくなく有罪となる可能性が高い。ここは一つメグレに出馬願い事件真相を解明願えまいか、というもの。夫妻は急きょ問題のトロール船が停泊するフェカンに向かう。 メグレは時を移さず船を下りた船員がたむろする酒場「ニューフォンドランド」に急行するが、「今回の航海は何か呪われていた、、、」という反応の他はかばかしい情報は得られない。が、やがて意外な事実が明らかになってくる。 フェカンはパリの真北。海を好むシムノンはここにはよく出かけており、彼の帆船もこの地で建造させている。3か月ほどかけて北米ニューフォンドランド漁場に出かけ収穫するタラはフェカンの主要産業となっている。シムノンには十分な土地勘があり港や船員たちの気質も熟知しているのであろう、叙述はリアルでいきいきしている。 物語の核心は生来生真面目な男たちを悩殺し、狂わせてしまう女の出現である。何十人もの売春婦を相手にして来たシムノンだけにこのあたりの男女の機微も現実感がある。 | ||||
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フランスが生んだ最も有名で偉大な名探偵〈運命の修繕人〉メグレ警部シリーズの第9作です。本書は原題「ニューファウンドランドのつどい」に沿った更に理解し易い訳題「港の酒場で」となっていますが、私はむしろ「げんの悪い航海」の方が(多少スマートさには欠けますが)ふさわしいだろうと思いますね。それから本書は昭和52年刊行の旺文社文庫で定価220円也の今から39年前の絶版本という事で今回久々に読み返しましたが本当に改めて時の流れを強く感じましたね。 メグレは教師をしている旧友からの手紙でトロール船の船長が殺された事件を知らされ教え子の電信係の青年が逮捕されたのでぜひとも事件を調査して欲しいと依頼される。メグレは一週間の休暇を過ごす場所を事件の起きた港町フェカンに変更して夫人と共に出掛け《海浜ホテル》に着くとすぐに港の酒場「ニューファウンドランドのつどい」へと繰り出すのだった。 メグレ警部の推理方法は科学的捜査とは全く無縁の長い人生経験に裏打ちされた独特の分析力によって微妙な人間心理を読み切るという言わば神がかり的な人智を超えた領域の凄い才能に思えてもう唯々感服するばかりですね。想像するにきっと作者のシムノン氏にも筆を進めながら突然こういった特異な人間ドラマの物語がすっと心に降りて来て一気呵成に書き上げられるのだろうなと思えますね。うーん、既に読み終えられた方でしたら肯かれるだろうと思いますが、程度の差はあれども男ならばきっと誰もが一度は経験するだろう苦く悲痛な事件だったなと感じましたね。しっかりした55歳の退職間際のベテラン船長にさえ起きた悲劇なのですから、人生経験の浅い男性諸君には本書を読んでくれぐれもご注意される様にと強く忠告したいですね。被害者の船長については今回の航海で最初から完全に誤った選択をしてしまったのは事実で、せめて正々堂々と起きた事を申し出ておれば死ぬ事もなかったのでしょうけれど、これもある意味で魔が差したとも言える冷静さを欠く間違った行動の連続で自分を死に追い込んでしまったのでしょうね。そして若き電信係の青年も若気の至りでこれまた血迷って罪な行動に出てしまった訳で全くの潔白とも言えませんが、やがて内心で苦しみ抜いた挙句に自殺を図ってあわやという事態にまでなりますから、迷いますが若く未熟ですので仕方なくまあ許すしかないかなと思いますね。まあこの事件で唯一の光明はメグレ警部が全てを不問に付す大人の判断をしたお陰で関係者を覆う暗雲がすっきりと振り払われて平凡だけど普通の幸せな人生が一つ救われ迎えたハッピーエンドなラスト・シーンにメグレ警部と共にニヤリと微笑を浮かべられた事でしょうね。 | ||||
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ベルギー出身の作家ジョルジュ・シムノンによる警察小説。メグレ警視シリーズの一作。伏線やトリックに変わったものはないので、推理マニアには受けが悪い。ただメグレ警視が捜査していくうちに犯罪者や被害者の生活、その生活意識や発想法について理解し犯人を突きとめるという独特の方法は、街の情景描写や作品全体の雰囲気づくりと相まって、その魅力はやみつきになる。旺文社文庫にも翻訳がある作品だ。 六月のある朝、パリのメグレ警部のもとへ、ある事件を知らせるとともに真相の究明にあたって欲しいという旧友からの依頼状が届いた。大西洋に出漁したトロール漁船が帰港したその夜、船長の死体が波止場に浮きあがり、若い電信技手が犯人として逮捕されたというのだ。この技手は旧友の教え子だった。メグレ夫妻はアルザスヘ行く休暇旅行を変更して、英仏海峡にのぞむ港町へとやってくる。魚くさい波止場、右往左往する船乗りたち、メグレはその人混みをかきわけて、酒場“ニューファウンドランド”のドアを押す…。 | ||||
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いいね!と致しましたがカバー付無し、然も全く同じ本3冊!! ★評価は、5. | ||||
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