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ヒュウガ・ウイルス: 五分後の世界2
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ヒュウガ・ウイルス: 五分後の世界2の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 1~20 1/2ページ
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結局、この小説でいいたかったこととは、オクヤマの「ウイルスの出現は何を象徴するのか?」という問いなのだと思う。冒頭サカグチの「知性と危機感」のセリフから始まり、ミツイの生存理由、エピローグの手紙にその答えがあるわけであるが、最後にコウリーにはっきり言わせた時点で、作者の創作意欲は途切れてしまった。 欲をいえば、この世界がその後どうなったのかまで書いてほしかった。知性と危機感をもったUGは生き残り、新たな日本が形成され、世界人口の大部分が死んだ世界には、新しい秩序が築かれるのだろうか。よく学び、危機感を持って生きなければ、人は滅ぶ。 | ||||
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去年というか2020年の4月に、< 東京 >に新型コロナの< 第1回緊急事態宣言 >が発動された時には、巨大マスコミは、カミュの『 ペスト 』を読むことを推奨していましたが、< 東京 >に< 第4回緊急事態宣言 >が発動される2021年7月現在では、『 ペスト 』だけでなく、村上先生の『 ヒューガウイルス 』を読むことも< 推奨 >できるのではないか?と思いました。 カミュの『 ペスト 』が< ペストに立ち向かう医者 >が主人公であるのに対して、この『 ヒューガウイルス 』という< 小説のモチーフ >になっているのは、< ウイルス、免疫、遺伝子 >であって、これらを中心に物語は展開していきます。 それにしても、< 新型コロナの緊急事態宣言が発動されている最中(さなか)にオリンピックを開催する! >とは、、、、、。 < 著しく具体的妥当性を欠く! >と共に、JOCや東京都知事、あるいは政府与党やそれを支持する人たちは、< 完全に新型コロナウイルスを舐め過ぎて >いますね!! | ||||
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コロナ禍の今こそ読まれるべき作品だと思う。 20年以上も前の作品だが、畑中正一京大名誉教授ほか、当代一流のウイルス学者の協力を得て、解説まで書いている。 ヒュウガウイルスがもたらす最大の重症化要因として、サイトカインの名も出てくる(サイトカインの代表的な暴走例としてアナフィラキシーショックが挙げられている)。 それはそうと、村上龍作品全般に見られる「制度」に対するアンビヴァレンスが、現在のコロナ禍への感染症対策に含まれる自由をめぐるアンビヴァレンスにそのまま重なるように思える。 アメリカの自由主義に育てられた制度に対する反発と、基地の街で育ったアメリカへの本能的反発が、本作でいえばUGのような統制国家への憧憬となって現れる。 それは我々日本人が今まさに、欧米や中国、我が日本のコロナ禍対策を見比べた時に感じるアンビヴァレンスと同じものではないか。 | ||||
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2020/01 コロナウィルスの世界的流行を目の当たりにしてこの小説を思い出しました。さすが、村上龍ですね。彼の SF小説は、規模や内容は当然その通りではないものの、ほぼ実現しているように思えます。コロナウィルスもヒュウガウィルスほど厳しき人類を裁くものではありませんが、必然として我々の前に現れています。改めて読み直そうと思いました。 | ||||
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五分後の世界と同じ設定ですが、続編ではないです。 前作では見たこともない世界に迷い込み葛藤し模索する小田切が好きでした。 知らない世界の町や人々との出会いはワクワクし、何が起こるのかとハラハラしました。 何十ページにも及ぶ戦闘描写も一気に読ませてしまう緊張感がありました。 本作は主人公がジャーナリストの女性になります。 前作に出てきた人物は司令官以外いませんし、前作の主人公についても一切触れません。 専門的知識に圧倒されましたが正直、退屈で投げ出したくなることのほうが多かったです。 つまらなくはないが、おもしろいと絶賛するほどでもないです。 前作の流れるようなストーリー展開を期待していましたが、小説の面白みとしてはいまひとつでした。 それから、五分後の世界、ヒュウガ・ウイルスともに文庫版は装画が新しいものに変わっています。 | ||||
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前作「五分後の世界」の続編です。ストーリーテラーは前作の小田切のように五分後の世界に転がり込んできた人物ではなく、キャサリン・コウリーという米国CNNのタフな女性記者となっていて、以前生きていた世界と比較するようなことはありません。 目次を見ると分かりますが、ある依頼による救出作戦においてUG(アンダーグラウンド)軍の行動をウイルスや免疫、遺伝子などに例えて非常に綿密に語られる箇所が多々あります。しかしあくまで小説なので生物学の知識は全く必要なく、むしろ知的好奇心をくすぐられながら読み進めることができると思います。 UG軍の高度で無駄のない行動や、ヒュウガ・ウイルス感染者のグロテスクな描写に目が行きがちですが、日本人の好学欲の強さ、レイという女性が再構築する失われた「歌」、ウイルスが象徴するもの、「向現」はなぜ日本人にしか作れないのかなど、システムの明部と暗部が交差する部分もあり、本来の日本人が持ち合わせているはずの独特の繊細さや能力の高さの秘密を思い出させてくれ、励まされる部分もずいぶんありました。 また、生化学の専門家であるオクヤマ中佐の抗体やウイルスの話は、常に「戦う事の困難さ」を前提として語られます。終盤に出てくる混血の兵士であるミツイと少年ジャン・モノーの対比は見事で、人は如何なる状況でも自分で考え自分を訓練しながら生き延びるしかないのだということを、自分が駆り立てられる気持ちで読むことができました。だからこそ実際的な戦いがないように見える現代でおいて、自分達の敵は穏便で巧妙な世間でもあり世界でもあるといえるのではないでしょうか。村上龍の多くの作品で語られる「危機感を持つことの重要さ」をこの作品で再確認できたように思います。 | ||||
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生温い、ありきたりの小説ではないです。世界観、描写、内容が綿密で面白く、自分の深いところで何かが動かされる。 | ||||
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「5分後の世界」に続き、アンダー・グラウンドの世界を取り扱った作品。「5分後の世界」とのストーリーの繋がりはない。アンダー・グランドの日本人像は、作者が意図的に、あるいは無意識に日本人が達成できる日本人の理想像を描いていると思う。本当は、アポロンのような肉体を持ち、知性も世俗的な能力も高い人種というのが理想だと思うが、そうとう意識改革をして具体的に取り組まないと500年たっても達成しえない課題になってしまう。アンダー・グランドの兵士像は、日本人が比較的達成しやすい、世界に受け入れられる人種像だと考える。 追い越し車線をちんたら走っているやつ、混んでる電車で吊革に掴まらずノウノウと人に寄りかかる馬鹿、朝の通勤時間に下りのエスカレーターでボケーと立っているやつ、こういうのは危機感の無い人間は、劣勢人間なので淘汰されて良いと思う。そういう健全な判断を啓蒙してくれる物語である。 | ||||
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村上龍が本書を書くきっかけとなったのは、当時ヒットしたバイオホラー小説「パラサイトイヴ」だという。 瀬名 秀明は「パラサイトイヴ」において科学者でありながら、ミトコンドリアを擬人化(アニミズム)して物語を構築したが、本書ではウィルスや細胞器官を擬人化することは絶対に避けることを目的に執筆したという。 アニミズムは知と想像力の最大の敵なのだ。 五分後の世界におけるアンダーグラウンド(UG)は、少数の先進国による正義なき支配に対し戦いを続行すると宣言した戦闘国家であるが、いかなる意味の差別もない国として知られている。 国民が一番に大切だと思っていることは「自分が一番大切に思う人と共に、その日を生き延びること」だという。 アンダーグラウンドの兵士は、いつも非常に冷静で自信に充ち、簡潔に必要なことだけ話す。 UGのディスカッションは恐ろしく速い。それは最優先事項がはっきりしているからだ。 「最優先事項を決め、すぐにできることから始め、厳密に作業を行い、終えると次の最優先事項にとりかかる。」 UGに受け入れられた女性ジャーナリストのコウリーは、致死率が異常に高い感染症が発生している日本西部へ、UG兵士とともに行動を許され取材を行うことになる。 本書でも前作「五分後の世界」同様、「生き延びること」「危機感を持つこと」は主要なベースとなっています。 危機感を持った人間は敵の言葉を必至で学ぶ。したがってUG兵士は皆英語を理解しています。 本書であつかわれるウィルスが象徴しているものも、やはり同様です。 自身に対する戒めの書です。 | ||||
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私の人生にとって、宝のような示唆を、娯楽小説の形で与えていただいたような気がします。読んでよかった。感謝します。 | ||||
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五分後の世界を読み、居ても立ってもいられず購入。一気に読み切りました。一つ一つの情景を克明に写しだす描写が圧巻です。日本人の持っていたもの…誇りや美徳について考えさせられます。 | ||||
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SF小説だと思って読み始めたら全然違うのでかなり違う意味でのショックを覚えた。こういう小説は今まで読んだことがなかった。 | ||||
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ok no problem fine. good enough nice | ||||
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なんだかんだ言って面白いです。 コンテンツ不足の日本にあっては、そのうちスピンオフ作品が生まれるなり、映画になったりすることでしょう。 読んで損はないです。 | ||||
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生物学の論文を読まされてるような苦痛があった。 作者が必死に勉強してかき集められたであろう専門知識を 披露するのは結構だがそんなもの読んでも面白くもなんともない。 専門用語が多くそのたびにつっかかり読み進めるのが苦痛な小説だった。 荒唐無稽で幼稚なSFストーリーなのだがその幼稚さを覆うように 気取った造語や専門知識が多用されてるのがさらに幼稚さを際立たせるのである。 SFの真の醍醐味、面白みはそこにはなく作者の専門知識を披露するためのような 本になってしまった。文学性もなくかと言ってエンターテイメント性もない。 間の抜けた論文である。 | ||||
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この世界と時空が5分だけずれた世界 その世界では日本は太平洋戦争に本土決戦の末に破れ、アメリカ・イギリス・ソ連によって植民地化されていた そこでは数々の都市がスラム化し、人間とは思えないような生活を営む集落がいくつも出現している そんななかビルマ・ニューギニアから帰還した大日本帝国軍の将校たちが新たな日本国を地下に作った それは UG__アンダーグラウンド軍と呼ばれ独自の国家を形成してきた そんな中旧九州のある村で謎のウイルスが発見される 世界有数の医療コンプレックス「ビッグ・バン」で確認され世界中の資産家が利用する特A地区で皮肉にも発見された致死率100%のそのウイルス 名前はヒュウガ・ウイルス 今回も村上龍は期待を裏切らなかった その設定の緻密さ すべて架空の世界だというのにあたかも現実に存在しているような世界観を作るのはさすがとしかいえない そこがありきたりな最近パニックの小説とは一線を画する点だと思う 今回の作品は比較的短くてページ数が少なくなるにつれこんな展開で収集がつくのかなとも心配したがラストもとてもいい味を出していた ちなみにぼくは全く気づかなかったんですがこれは5分後の世界という作品の続編の位置づけらしいです ぼくは先にこちらを読んでしまったので5分後の世界もぜひ読んでみたいと思いました | ||||
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村上龍の初期の作品の大ファンは、最近の彼の小説を物足りなく感じていると思う。私もそうだ。しかしながら、本書はいかにも村上龍らしい作品であり、村上龍にしか書けない内容となっており、大満足した。『五分後の世界』の世界観をそのままに、もう一つのストーリーが展開する。村上龍が自ら最高傑作と見なすほど、私は『五分後の世界』を優れた作品とは考えていないが、その独特の世界観が本作によって掘り下げられている。地下に潜った日本軍司令部、連合国によって占領された日本、半ば奴隷と化したネイティブ・ジャパニーズ、そして圧倒的な破壊力を持つヒュウガ・ウィルス。このような言葉の羅列のみでは本書が単なるSFのように勘違いされてしまいかねないが、本書は強烈なメッセージを有した文学作品である。すなわち、本書は、強烈な危機感を有した人間のみが克服できるヒュウガ・ウィルスを描くことで、危機感というものを失った現代人、そして現代の日本人を批判し、生き方をあらためて問うているのだ。無口で、頭が良く、身体が強靭で、強烈な危機感を持つUG兵士は、村上龍の作品でこれまで繰り返されて来た言わば理想の人物像であり、現代の日本人を挑発している。 『コインロッカー・ベイビーズ』や『愛と幻想のファシズム』に比べると、本書は読み応え、エロティシズム、美的さ等について決定的に劣っているものの、村上龍の代表作の一つと言っていいだけの出来である。本書が発表されたのが今からもう10年以上も前のことであり、それ以降の村上龍の作品がイマイチ冴えないことと、今に至るまで本書を手に取らなかったことは返す返すも残念である。 | ||||
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「5分後の世界」の出来が良かったので本作も期待していましたが、その内容については「がっかり」としか表現できないものでした。氏独特の勢いのある言葉や、リアリティのある描写が少なく、キレに欠ける作品だと思います。 | ||||
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「半島を出よ」とか、この作品を読むと、村上龍という作家の馬力を感じてしまう。 テーマを選択するマーケティング、データを集めて専門家に検証するリサーチ、フレームを構築するデザインエンジニアリング、そして読者をぐいぐいと引っ張っていく筆致と言うプロダクションが揃っていると思う。正当なジャーナリスト、もしくは建築家の仕事のようだ。これは彼がホストを勤めるテレビ番組を見ていても同じだ。もともと美術大学出身で風俗的な作品で衝撃的なデビューを飾った作家の進化、敢えて進化と言おう、の経緯が非常に興味深い。 本作品ではウイルスと抗体の戦いが、ミクロの世界と現実の世界で平行して進んでいる。それをもうひとつ別の世界の近未来史の中において、力関係を観察しているという風情だ。そして役者が出そろったところで物語は突然終わりを向える。作家にとっては、このフレームワークを完結することが重要であり、物語の結末は押して知るべし、と言うことなのだろう。「5分後の未来」の世界を舞台にしたアナザーストーリーであるが、独立した作品として近未来シミュレーション、SF作品としても秀作だと思う。 | ||||
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スピード感、存在感、世界観が前作に比べるといまひとつ。 なんとなく不満が残る。 | ||||
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