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月光



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【この小説が収録されている参考書籍】
月光 (電撃文庫)

月光の評価: 4.10/5点 レビュー 41件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.10pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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No.1:
(5pt)

捻くれものとキュートな悪女!

日常に退屈を覚えるシニカリストな少年、野々宮。同じクラスにいるゴシップの絶えない完璧美少女、月森葉子。野々宮がある時、放課後の教室で彼女のノートを拾った際に見つけた一枚の紙切れ。「殺しのレシピ」というタイトルとその内容に、野々宮は興味を抱き、彼女に接触する。が、特にこれといったことも起こらないまままた退屈な日常が始まると思われたとき、彼女の父親が不運な事故死を遂げる。だがその内容は、「レシピ」に基づいた殺人計画に非常によく似通っていた。そして、それからというもの、「レシピ」の持ち主の月森が野々宮に積極的にアプローチをしてきて・・・
難解トリックを用いたミステリーものに思えますが、そうではありません。野々宮と月森の駆け引き的なものを交えた会話の応酬と野々宮の人間観察がメインです。
主人公の野々宮。すんごく捻くれています。趣味が人間観察とそれから派生する妄想。「日常に退屈を覚え、人間観察を趣味とする」というキャラは割りといるように思えますが、彼はそれが徹底してますね。「偶然レシピを見つけた」とはいえ、持ち主の家族の告別式に興味ゆえに行きたいと思うくらいですし、家捜しをしようとするなど積極的に行動します。また、クラスメイトの好意に気づいていたり、ほんの数分の短い間とはいえ、女性を支配している状況に高揚感を覚えたりと最近のラノベの主人公らしくないところがありますね。新鮮です。この人物像、すごく好きだなぁ。
キュートな悪女、月森葉子。身内が亡くなった直後だというのに野々宮に交際を申し込むなど、その行動は謎の一言。周りは彼女を完璧な人間と捉えていますが、「レシピ」の存在のため野々宮は彼女を疑う。「親を殺したのか?自分を殺すつもり?それとも、とりこむつもり?そもそも本心なのか?あるいは・・・。」「だけど、楽しい」奔放な言動と行動に振り回されつつも、彼女と交流を深めていくうちに、野々宮は「月森葉子」という存在を興味深い特別なものとしていく。もちろん、異性への想いとは違う形で。捻くれた性格なものだから、彼の独占欲もまた捻くれているんですよね。「引っかかるものか」と抵抗する彼を手玉にとる月森の姿もいい。ラストシーンとかいろいろやられました。伏線とはこういうものなんだなと改めて認識しましたよ。「悪女」ですが「キュート」。これがポイントです。
イラストも綺麗ですし、この二人の関係はいいですね。ラストの写真撮影のところとか。この二人以外の登場人物も魅力があります。宇佐美の可愛さが異常。一巻完結もののようですが、続きが読みたいなぁ。しかし、続いたらこの作品のよさを潰してしまうような気もする・・・難しいところです。評価は星五つとさせてもらいます。
月光 (電撃文庫)Amazon書評・レビュー:月光 (電撃文庫)より
4048687220

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