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日輪の賦
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日輪の賦の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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亡き夫である大海人大王の志を継いで、中央集権体制の構築に命を懸ける持統天皇の時代の日本を描いた力作である。持統天皇に関しては昔の日本史でも女帝という以外はさほど印象に残っていないが、廣手という若者の眼を通して展開される、日本独自の律令制度制定に抵抗する豪族との凄まじい抗争の迫力は圧倒的だ。中国によってつけられた「倭」という名前から、自ら名付けた「日本」という国名への転換がなされたのもこの時代であったことを初めて知った。 | ||||
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古代史の律令の成立と持統天皇朝を物語の中で堪能しました。古代史は、史料も少なく小説は少ないのですが、作者に今後も期待します。 | ||||
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読み始めは、持統天皇が讃良大王(さららのおおきみ)、壬申の乱が乙巳の変(いっしのへん)などと、学校で習う日本史の用語などではなく、かなり専門的と思われる言葉で書かれているし、難しい漢字熟語も多用されているため、難解な本かと思ったが、内容は平易で分かりやすく、物語のテンポも良く、古代史を分かりやすく読ませる小説としてお薦めできる。 ただ、あまりにも讃良大王を美化し、勧善懲悪的な書き方をされているため、近時流行の「愛国エンタメ」小説な要素も感じさせ、また、主人公ともいうべき阿古志連廣手(あこしのむらじひろて)や、その他が自分のことを「僕」というのがどうも違和感があるため星一つ減らして4としておきます。 | ||||
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本作の舞台は7世紀末、藤原京遷都後の飛鳥時代後期。主な登場人物は讃良大王(さららのおおきみ)、のちの持統天皇、と彼女の命により律令制定に取り組む人々である。 当時倭の国は、白村江の戦に敗北し、先進国唐・新羅の侵攻に怯え国家存亡の危機に直面している後進国であった。国が滅亡しないためには、官僚制度・政治制度を整備し、国力充実を計り、唐・新羅の侵略に備える富国強兵策以外に道はなかった。そのためには律令制定による国体の整備が必須であり、それは讃良の父(葛城大王、のちに天智)、夫(大海人大王、のちに天武)時代からの懸案であったが、それに本格的に取り組んだのが女帝讃良であったとするのが本書の創作意図である。 新体制を目指せば、それに旧勢力の反動・抵抗が起こるのは時代を問わない。新旧両勢力間の渦巻く陰謀、壮絶な戦い、そして新勢力の勝利から大宝律令発布に至るのが本小説の内容である。 史実にに基づいて展開する歴史小説であるが、対象が古代のこと故確定した史実は限られ、その分著者の構想力・創作力を発揮し得る余地が大きいといえる。 大宝律令の制定を迎えるところで、この話は終わるが、これを機に国号は国外からの蔑称「倭」を廃して「日本(ひのもと)」となる。大王(おおきみ)に代わって「天皇(すめらみこと)」が、それまで紛争殺戮の絶えなかった大王・豪族支配に代わって、律令に基づく法治国家としての新生日本を率いることになり、時代は奈良時代へと発展していくのである。 本作は飛鳥時代末期を描いたものであるが、現在日本の混迷する政治とそれによる危機状況を打開するには官僚・政治改革(憲法改正による)に命をかけねばならないとの危機意識が強く読み取れる。歴史上の著名人物たちがどのように考え、活躍したか、作者の創作とはいえ、実際に起こったであろうことと大きな懸隔はないと思われ、興味深く読みました。 古代史に興味のある方におすすめです。 | ||||
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7世紀末、藤原京で唐と新羅の脅威にさらされていた讃良大王(さららのおおきみ、持統)は、亡き夫・大海人大王(天武天皇)の志を継いで強力な中央集権体制を目指す。そのために国の仕組みを根本的に変革する律令の編纂に着手する。皆さんも、日本史で習われたように、古代中央集権国家の基本法典は『律』と『令』で、太上天皇だった持統が701年に完成させた『大宝律令』がよく知られている。 本書は、この大宝律令が編纂されていく過程を廟堂内の権力争奪と重ね合わせながら記述した歴史長編小説である。主人公は、壬申の乱後の政情不安な都に、大舎人(おおとねり、下級職員)として出仕することになった阿古志連廣手(あこしのむらじひろて)である。律令編纂の部署への移動で、讃良(持統)の改革に反対する有力豪族たちの襲撃に遭遇する。律令の編纂が政争の具として使われ、壮絶なる戦いを巻き起こしてゆくさまの描写は詳細である。が、今1人の主人公は、幾多の哀しみを乗り越えて日本という国号の誕生と律令の完成を見届けて逝く讃良大王(持統天皇)である。讃良の腹心である、魅力的な男装の女官・忍裳(おしも)とともに。彼女ら女人が自らの性を棄ててまで挑まざるを得なかった戦のさまに深い陰影を感じざるを得なかった。 小説ながら、女性は凄い!と感ずる読書の日々であった。 面白く読みました。 | ||||
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