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ふくわらい
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ふくわらいの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全70件 61~70 4/4ページ
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西さんの本を初めて読みました。イランはテヘラン生まれという作者の珍しい経歴と、キノベス1位の称号に惹かれてつい手を伸ばしました。個性豊かな登場人物がたくさん出てきて、それぞれに愛着がわき、読んでいてとても楽しかったです。個人的に、森口廃尊のモデルはプロレスラーの高山善廣さんではないかと思いました。途中がそんな風に楽しかっただけに、それだけに最後のオチがちょっと…。なぜそうなったのかよくわからず、腑に落ちない印象で残念でした。ハッピーエンドなんだろうけど、何だか無理やり終わった感がします。 表紙のカラフルな絵は西さん作だそうです。1つ1つが主人公・定の体に刻まれているタトゥーの模様で、読み進めながら、「あ、今この絵柄を入れたんだな」と確認するのも楽しかったです。 | ||||
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人は社会で経験を重ねると物事を頭でばかり考えて、ありのままを体感することを忘れてしまう。 本文に出てくるようにプロレスというものは十代までに観戦しないと「体感」できない、と言う。 しかし終盤、26歳の主人公はプロレスを「体感」するのである。 若き頃の経験は体に宿り、社会人となってからの経験は頭に宿るというようなものか。しかし、大人になってからも体感することは、主人公のようにちょっと変わった人種でなくとも「頭のネジを緩めれば」可能である。そして、これができることによって、面白い魅力的な大人に近づけるのかもしれない。 そんなことを思いました。 | ||||
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風変わりな親に育てられた女性の物語。 雑誌の編集者をしているが、世間一般の常識は学んでこなかった、25歳になる主人公鳴木戸定が人とのかかわりの中で、自分の言葉を、そして自分を理解する。西加奈子さんらしい描写や会話で面白く読み進んでいきました。 彼女の気持ちや、周りの人たちとの話にも感情移入ができるし、涙がこぼれるような描写もたくさんありました。 ただ、最後の部分ですっかりひいてしまいました。 あの終わり方、私には理解ができなかったので、★三つです。 | ||||
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エログロとも下品とも言える言葉が溢れているのに、登場人物達に対する切なさと愛しさを感じる。 この、グロさを受け入れられるかどうかで、好悪がわかれるだろうが。 読まないと感じることができない、西ワールドで溢れている。 変わり者と呼ばれる人達を軸に、周囲に壁を作っていた主人公・定が、“その人をその人たらしめているもの”感じることができるまで。 「漁港の肉子ちゃん」にはあと少し及ばないものの、輝きと愛しさを感じた作品だった。 | ||||
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西さんらしいユニークな登場人物がいっぱいで、 面白さの中にも切ないような愛しいような感じがあって、 テイストとしてはすごく好きだったんですが。 なんだろう、私にはラストがちょっと「へ?」という感じでした。 もちろんそもそも最初から突拍子もない設定だけど、 ラストで一瞬にして「ないない!」と夢から現実に引き戻されたというか。 読んでる最中にも時々感じた小さな違和感が、 最後でどーんと大きくなって目の前に現れたような。 何にも知らないと、タイトルと装丁画にギャップを感じるけど、 読むと「そういうことね」って思いますね。 西さんの絵、好きです。 | ||||
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鳴木戸定の名は、「マルキ・ド・サド」をもじってつけられたものだった。彼女が幼い頃に母と ふくわらいをして遊んだことが、その後の彼女の人間性に強い影響を与えることになる。さらに、 特殊な家庭環境が定と「普通の人」たちとの間に見えない壁を作り出していた。定の進むべき 道は・・・? 母とふくわらいをして遊んだことがよほど楽しかったのか、定はふくわらいにのめりこんでいった。 このことと、母の死後に父とともに体験した特異なできごとが、彼女の人間性に大きな影響を 与えた。定は、自分とまわりの人たちとの間に壁があるのを強く意識するようになる。しかし、 彼女はよく分かっていなかったのではないのか。ほかの人と自分はどこが違うのかを。定は、 人を平面的にしか見ていなかった。他人が泣いたり笑ったり怒ったりするのは、ふくわらいの ように、単に目・口・鼻・眉の位置の変化だと思っていた。そんな定が少しずつだが変わり始める。 顔は立体的だということにも気づく。そんな当たり前のことさえ定は今まで気づかずにいたのだ。 人には顔があり、体があり、心がある。そしてそれらは繋がっている。そのことを知ったときの 定の衝撃は大きかった。この瞬間、定は自分自身を解き放つ。それは、せき止められた水が 一気にあふれ出すようだった。プロレスラーの守口の部屋で定に起こった異変は、彼女が「ヒト」と して再生していくための一歩だったのだ。これからが、彼女の本当に人生なのだと思う。ラストは、 うるっときた。定の光り輝く姿はいじらしくもあり、切なくもあり・・・。不思議な感動を与えてくれる、 異色の作品だった。 | ||||
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不器用な人たちが、それでもそれぞれのやり方で懸命に生き、必死につながっていく物語です。 西さん独特の表現で、けっこうしばしば笑ったり、ギョッとしたりさせてもらえますが、 やはり最後まで読んで残るのは、じんわりした温かさ(あとちょっぴり涙)。 痛みをかかえ、穴ぼこだらけの心を持っているのに、 懸命に人とつながろうとしている切なさ。必死さ。 愛すべき人たちが大勢出てきます。 くじけそうになったとき、思い出したい仲間たちです。 何度でも読み返したいな、と思いました。おすすめです。 | ||||
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「ふくわらい」読みました!読んでよかった。最近はついつい自己啓発な本を読んでいたけど・・やっぱり「物語=ふくわらい=小説」って読んだひとにしか味わえない世界を感じられる。当たりなことだけど、生きていること、生きていくことって、自分の周囲に起る出来事のすべてを、受け入れていくことなんだ!と実感できたかな。 | ||||
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書籍編集者の“鳴木戸定(なるきどさだ)、Marquis de Sadeのもじり)は、幼い頃、紀行作家の父に伴って秘境の地で特異な体験を重ねた。その経験は彼女自身の心にも大きな影響を与え、自分と外世界とを意識過剰ともいえる程の壁を意識して育つ。そして、彼女は自分の存在理由を確認するために、或ることをします(本著でお読みください)。彼女の稀な感性は編集業に生かされはするが、25歳の定は・・・友情、恋愛、人を想うというのはどういう感情であるのか、なぞることさえ知らなかった。 しかし、さまざまな無理難題をいう作家たちとの仕事の中で・・・出会った個性的(どんな個性?読んでね)プロレスラーとの交流を通して、定の精神世界に変化が見られてゆく・・・。 変人・父親の記述も、定の経験も唯一の趣味も、“ふくわらい”の意味も・・・実際に読んで情動で感じてください。たまには若い作家の作品も好い。 | ||||
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面白かった。西さんワールド全開で、あっという間に読んでしまいました。登場人物がとにかく個性的で滑稽で でも愛すべき人達で、笑いのツボをツンツン突かれ、、、、参りました。ラッシャー木村を思わせるプロレスラーの廃尊さんが特に気に入りました。主人公の女性としての変化というか成長というか そういうところを描かせたら西さんはホント上手ですね。「こうふくあかの」に通じるプロレスラーへの愛を感じる小説です。「先っちょだけ」のくだりにも笑っちゃいました。 大好きです。 ただ 「漁港の肉子ちゃん」や「通天閣」、「円卓」ほど読後の 何とも言えぬ深み?みたいなものが少ないように、僕は感じました。この辺は好みや個人的思い入れによるところでしょう。 | ||||
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