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ふくわらい
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ふくわらいの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 1~20 1/3ページ
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| 他人に合わせてしまう性格の人は憧れてしまう性質かも知れない。 | ||||
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| 本作を語るに際し、巻末の解説で上橋菜穂子さんが書いているこの一言がすべてを言い表している気がします。 『物語としてしか命を持ちえない作品』 これに膝を打ちました。ポイントを突きすぎて膝を強打したといっても過言ではありません。 そう、理由・理屈を考える前に、この言葉が、すとん、と腹に落ちました。 ・・・ 編集者として働く鳴木戸定(なるきどさだ)。命名は旅行作家の父親がマルキ・ド・サドにひっかけて命名したという。病弱だった母親は定が小さい頃亡くなった。その後は父の旅行取材に同行し、知られざる民族の習俗等を父親と経験。 物語では、感情の表し方・動かし方が分からない定が、個性豊かな作家たちや同僚、知り合いと時を共にするに従い、人間らしい感情を回復するというストーリー。 ・・・ 私が一番しっくり来たのが、定の「死」への対峙の姿勢です。 母の死、父の死(加えてその見送り方も)、また多くの旅行先での死の儀式、作家水森の死とその妻の偽装工作、乳母の悦子のガンの罹患、プロレスラー作家守口の死との境界での執筆及びプロレス活動。 一般に忌避することが多い死。 これに対峙してきた定は、死に対する一定の受け止め方を持っているように思います。他方、いち読者としては、このいづれ誰にもやってくる死をまざまざと見せつけられ、心が揺れます。 そのうえで、生きている方のさまに感銘を受けます。作家水森として筆をとった妻のヨシ、体の異常を理解しつつプロレスに臨む森口廃尊、ストレートに定への性欲を表明する盲目のイタリア人ハーフの武智。 ・・・ こういうのを読んでいるとですね、なんというか、やっぱりやりたいことを素直にやらねばなあという気になります。日本ではしづらいのですが、空気とか忖度とかそういうのはいらんのではないかと。シニシズムではなく、どうせ死ぬのだから、ストレートに行こうよと。 昔からまあ個人的にはこういう方向で進んでまいりましたが、一層意を強くした次第であります。 定の醒めた目と、その周辺のキャラクターから私は勝手に上のようなメッセージを受け取った気分です。 ・・・ ということでひと月ちょいぶりの西作品でした。 これまでは「関西弁」「キャラ強め」「表現の美しさ」と、テーマ性が見えづらいけど美しい言葉を楽しむという側面を強く感じてきました。 今回、なんというか、強い「生」への渇望?「生」への賛歌(言い過ぎ)?うまく表現できませんが、生きることへの肯定感のようなもの、を感じました。 西作品への固定観念みたいなある方には是非読んでもらいたい一作。 | ||||
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| 大切な大切な作品。 登場人物に誰一人嫌な人がいません。いや、みんなそれぞれいやなところも、ダメなところも、あるけどその物語で生きた人間なんです。守口や定にずっと「外道」と言われた外山さん、定を異様な目で見ながらもなんだかんだ受け入れてる編集部の皆。ラスト「もう少し警察が来るのが遅れればいい」と思っていた通行人達。登場人物みんながいとおしい。小暮さんと定が友達になった時、本当に嬉しかった。いつまでも友達同士でいてほしいと思った。なにかに悩んだ時、またこの本を開くと思う。定が、守口が、みんなが癒してくれる。 | ||||
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| 精神的にガラスの中に閉じ込められていた主人公がさまざまな体験を通して、そのガラスを壊して自分の身体との関係を取り戻し、本当の意味での人との繋がりを作り上げていくそのプロセスが丁寧に描かれています。 著者の作品をすべて読んでいるわけではないのですが、私が読んだ中ではこの作品が最も心に響くものがありました。 | ||||
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| めちゃくちゃ面白い | ||||
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| 自分のこれまで読んできた本で1番は何?と聞かれたら悩み、回答は出せないけど 間違いなく候補に入る作品。 ただそれほど私にはドンピシャで救われる本ですが 私にとってこんなにドンピシャなものは、きっとドンピシャどころかピンとこない人もいるのかなぁと思います それは私が変わってるからじゃなく だれかにとってすごくハマるものって、どっか尖ってて そのぶんハマらない人出てしまうものだから それくらい私にはドンピシャ! もちろん西さんが読みやすく 面白くしてるから大勢に刺さるしハマるんだけど 本当に好きな作品! ハードも文庫も買ってます | ||||
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| 2015年頃「共感百景」というお正月やってた番組で西加奈子さんが話題の女流作家さんと知りました。 その初めての本。表紙と題で選びましたが私には合いました。ラストは違った形もありかと思いますが、テーマがよかったと思います。言葉と顔とその人の生きる形というか。関わる人に丁寧に向き合う。(主人公の育つ環境が奇異なことで伝わりにくく感じる人もいると思うが。)まさかのプロレスラーに思わず懐かしい!気持ちになりました。ラスト主人公は25歳くらいと思うが心と体をオープンにできてラッキーな成長をしたと思う。 | ||||
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| 他人の顔を妄想でふくわらいする癖をもつ女子の物語。 主人公は、有能な編集者だが、周囲を氷つかせるほどのエキセントリックな性格のもちぬし。そのまわりに集う作家さんや、主人公に想いを寄せる男性、亡き父等、奇人変人のオンパレードだ(特に、プロレスラ兼作家の守口廃尊が破壊力抜群)。 登場人物たちの交わす会話から、主人公のチャーミングさが浮彫になってくる。 クスクスぐらいの笑いあり(そもそも、主人公の名前 鳴木戸定(なるきどさだ)の由来が...)。そして過激。 著者の作品では、本作品のようなちょいオモロイ系が良いね。 | ||||
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| 喜怒哀楽という「感情」の波がわからない主人公 自我を持つことができない・わからない それゆえに 恐ろしいほどの純粋さで人と接することができる 羨ましい | ||||
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| 『アメトーーーク』の読書芸人の回に触発されて読んでみました。この著者の作品は初めてなのですが、独特の感性の持ち主ですね。 著者の西さんはイランの首都テヘラン生まれ。視点がユニークなのはそのせいでしょうか。『サラバ!』で直木賞を受賞してますが、本作も同賞の候補作だったんですね。 凄く楽しいお話で、登場人物も皆キャラが立ってる。いつか映像化されないかなと思いながら読んでました。主人公の定は誰がいいかな、なんて想像したりして。 けれど、ラストシーンでちょっとずっこけた。あー、こりゃ映像化は無理だわー。悲しいような、どこか嬉しいような。 | ||||
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| 友人に勧められて読み始めたものの、序盤がやや入りにくく、、、 でも、読了して本当によかったです。 好き嫌いがはっきり分かれる作品かと思います。 特にグロな描写が苦手な人には、ちょっと、、かも知れません。 絶対に映像化できない、文章でしか表現できない感動的な場面の数々、、 特にエンディングのシーンのでは、慟哭がこみ上げて止みませんでした。 | ||||
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| 人生は賭けである。 過去を積み重ねた今の貴方が、貴方そのもの。 笑っちゃうようなことも、泣き出したくなるようなことも、後悔したくなることさえも、すべてが、貴方が貴方であるための構成要素であり、経験が、貴方を創りたもうた。 そんな私でも愛してくれる、必要としてくれる存在が、世界のどこかに必ずいて、必ず出会えるもの。 その者たちの愛が、私を高みへといざなう。 想いを言葉にすることで、そこに,意志が生まれる。 言葉にできないもどかしささえも、糧になる。 | ||||
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| 福笑いを題材にして、一冊の小説を描けるとは、流石です。それにしても、毎度毎度、一風変わった主人公を描きますよね。今回の女子キャラクターは面白いを通り越して若干怖い一面もありましたが、人や社会と付き合うことが苦手な女子の心情の変化が独特でした。 | ||||
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| 心の中で何かが溶けてくようなステキな作品でした。西加奈子さんは、文章でしか成立しないだろうなと感じる作品がいくつかあると思いますが、この作品もその一つだと思います。 | ||||
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| 話題の作家ということで、普段あまり読まない文学を手に取った。 一言で言うと普通に面白い。変な親に育てられたふくわらい好きの主人公、それを取り巻くプロレスラーや盲人。人物描写が丁寧で、ストーリー展開も、途中だれる箇所もあったが、うまく飽きさせないようになってる。 自己啓発よりも、登場人物の行動や考え方に、はっとさせられる部分があるため、実生活にも役に立ちそう。 | ||||
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| 世界中を回って、放浪記を書く作家を父を持ち、ばあやのいる家庭で育った主人公「定」。 他の子よりも好奇心が薄く、あまり感情を表に出すことをしない子供だったが、 目隠しをして顔を作って遊ぶ「ふくわらい」だけは大好きで、 それ以降、出会った人の顔も、想像で動かしたり取り替えたりしながら、過ごしている。 本文を引用すると、 《定は、旅先ですれ違う人間の、顔を、見て、見て、見続けた。 そして、彼らのパーツを、彼らからやすやすと取り上げ、掌で、舌で、慈しんだ。 モスクワで会った少女の、灰色の大きな目を持ち帰り、内モンゴルの草原に住む少年の、針のように細い目と取り替えた。ハバナで見た老人の木細工のような鼻を、ザクレブで給仕してくれた男性の、鷲のような鼻と取り替えた。ポートモレスビーのガイドの厚い唇は、香港の露天商の男の歪んだ唇と替え、アムステルダムのタトゥー職人女性のアーチ型の眉を、モントリオールの漁師の立派なそれと替えた。》 こんな感じ。 また、このような具体例で出てくる都市名や、人の選び方が、なんとなく作家のセンスを感じる部分だ。 まあ、こうやって一人遊びというか、この主人公なりの物事の捉え方、の象徴となるものが、「ふくわらい」なのだろうと思うが、 この物語が、例えば映像化された時には、CGでぐるぐる登場人物の顔のパーツを動かしたりする映像になったりするのかな? と思えて、面白かった。 そして、 クライマックスに近づくにつれて、あまり心・気持ちが無いクールな主人公に感情が芽生えるような展開になっていく。 《「恋。」 定が恋を思うとき、脳裏に浮かぶのは、父と共に歩いた道であったり、母の乳房であったり、悦子の光を失った目であったり、小暮しずくのつやつやした唇であったり、守口廃尊の体が発するばちん、という音であったり、武智次郎の白杖の美しい軌跡であったり、アイスコーヒーの氷の涼しい音であったり、プラタナスが恥ずかしそうに揺れる様であったり、アフリカの仮面のひょうきんなたたずまいであったり、月に一度股の間から流れる血の赤さであったり、今、こうして眼の前を、小さな粒子が飛びまわっている様であったりした。》 ちょっとくどそうな文だけれど、 この物語のおさらいのようなポイントになっていて、 父との放浪旅のエピソードや、守口廃尊の真摯なプロレスに対する思いなどが、思い起こされるようになる。 そう考えると、これは愛に溢れた物語なんだと思う。 また、特に落ち目のプロレスラーの話などは、 ダーレン・アロノフスキーの「レスラー」などを思い起こされて、 切ない気持ちと共に、その登場人物たちに肩入れしたいと思えた、 この物語に引き込まれたんだなと感じた。 | ||||
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| これほどまでにプロレスラーの想いを、表現した作品が今までに存在したか? 主人公は数奇な体験を経て、様々な出会いの中で自分自身を見つけて行く。 主人公の定を取り巻く、"自分"をさらけ出す者たちが、西加奈子の文字を…言葉を…繋いだ文章となり、I編集の「活字プロレス」を作り上げている。 これは決してプロレスの本ではなく、作中に登場する守口廃尊が実在するレスラーでもない。 ないにも関わらず、プロレスファン歴40年のキャリアをも凌駕する文章に心奪われる。 西加奈子の世界と言えば"大阪弁"なのだが、今回は一切登場する事なく、西加奈子を表現している。 賛否両論あるが、何も驚く事はない。 西加奈子は西加奈子の文字の、言葉のプロレスを見事にスウィングさせている。 ラストの開放感は、それはそれは素晴らしく、興奮のあまり言葉が後を絶たなかった。 | ||||
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| 「父親の顔を食べられなかった」 というのが、 「本当は顔を食べたかった」 と言えるのならば、 (ふとももは食べている) 定達の弔い方、愛し方の他に、 顔=「その人をその人たらしめているもの」 その人自身を一番感じられる箇所であるからであるのか。 このシーンでの父親の著書「大河紀行」 が定の目に映る描写は、凄惨な守口の一室とは裏腹に、 非常に胸が打たれるものがあった。 | ||||
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| 特殊な環境で世間からスポイルされた主人公。私にとっては、その特殊な環境こそ本来の人間の本能であるように思える。しかし現実にはなかなかそんな生き方は受け入れられないし、生き辛い。世間の平たい価値観に迎合して生きている主人公の同僚の美人社員は読者としては一番親近感を持てる登場人物なのではないだろうか。彼女は幸いにも持ち得た感受性のおかげで主人公と接するうち、個というものを真っ当にとらえていく。 人と関わる日常のなかで、それは当たり前だよ、普通こうだよ、わかってるよね、と、私たちは都合よく解釈し生き易くしてているんだな。 先っちょ=いまを生きる、ということ。 西さんの著作ではほかに、きりこについて、が好きですが、進まない著作もあり、手探り状態。でもふくわらいはとても大切な一冊になりました。 レビューが賛否両論なのには、納得。 | ||||
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| 今、読み終わったところです 日々もやもやとした気持ちで過ごしている自分に、なにかズドンと来るものがあって後半から読み終わってしばらく涙が止まりませんでした。 人間関係や自分の生き方に悩んでいる人は一読してみてください。 合う合わないがある内容かと思いますが、私はこの本と出会えてよかったです。 | ||||
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