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白いしるし
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白いしるしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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主人公が純粋すぎる。ひたむきな恋もひたむきな過ぎると、こうなってしまうのか。しかし、それでもこういう生き方になってしまう。そんな業が剥き出しになったお話。 | ||||
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恋愛小説。主人公は32歳の女性、フリーターで画家。場所は東京だが、主要登場人物は関西弁。約190ページ。 夏目はバーのアルバイトで生計を立てる32歳の女性である。自宅ではあまり金にならない油絵を描いている。現在は独身で恋人もいない。東京には19歳の失恋をきっかけに出てきて以来だ。夏目はある日、顔の広い友人である瀬田という男性に間島という画家の個展に誘われる。個展で間島による、白い絵の具だけを使って描かれた富士山の絵を前にした夏目は、ひと目見て画家に好意をもつことを予感する。直後に繊細で真摯な雰囲気をもつ間島自身と対面した夏目は、予感が現実になったことを悟る。 短く一筆書きのような勢いのある直線的な恋愛小説だった。主要な登場人物も前述の夏目、間島、瀬田を含めて4人のみで、物語の舞台となる場所すらも数えられる程度と、とてもシンプルだ。描かれる恋愛の種類は、おしゃれでファッション感覚のそれと対極にあり、人間の業を感じさせる。同著者のほのぼのとした『きいろいゾウ』とは印象が違っていた。展開としては、もっと引っ張ってそれぞれの登場人物に決着をつけてもおかしくないところを、潔く完結する点も特徴だ。 夏目がまさに「恋に落ちる」、間島との出会いを、「出会う」ではなく「出遭う」と表記している点が読書中に幾度も目についたが、読み終えて相応の表現だと納得した。回想にある過去の夏目の恋愛遍歴も含め、夏目にとって恋愛は天災のように自ら制御できない出来事との「遭遇」として現れ、はたから見ると禍福すら判別しかねる。本作で描かれる夏目の激しい恋を自分事だと仮定すれば、憧れどころかむしろ厄介だと捉える向きも少なくないのでは。本来の恋愛は、むしろこのようなものともと思わされる。 | ||||
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恋愛小説と知らずに読み始めてしまい後悔。しかもドロドロしていて後悔。 後悔しながらも読むのをやめられなかった。 「恋愛はどちらかというと精神病にちかいものである」という恋愛観を持つ 私でもキツイ小説だった。それなのに読んだ後、不思議とスッキリした。 「少量の毒を摂取して体内の毒を出す」特殊な健康法を体験してみました。 みたいな感じかな?デトックス? | ||||
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傷ついても傷ついても、それでもどうしても心惹かれてしまう。 あれだけ傷つき、気が狂い、ふと振り返ると狂気の沙汰になっていたとわかっていてもまた同じことをしてしまう。 それでも一歩ずつ、前を向き歩んでゆく。 年を重ねるごとに辛い気持ちを抱えながら、それでも力強く歩いていく主人公の姿に勇気をもらいました。 私はおかしくない、みんな同じなんだ、と安心しました。 失恋したての人にはちょっと辛いかもしれませんが・・・笑 でもこの作品と共感できることが、今までの辛さを経験してよかった、この作品を理解するための経験になってよかった、と思わせてくれる作品でした。 | ||||
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非常に面白かった。 恋ゆえの狂気をみることができた。 過剰なクレイジーさが人物の輪郭をより強める。 | ||||
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小説をあまり読まない私だけど、西加奈子さんの本はよく読む。 この本も期待を裏切らない面白さ。手をとめることなく一気に読んだ。 主人公の夏目が見て感じた描写が、私の心をぐわっと掴む感じ。 西加奈子さんの本を読んで、この感覚がたまらない、といつも思う。 | ||||
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どちらかといえば万人ウケする趣向の本ではなかったと思う が、わたしは好きだった。というか、とても印象に残った 正直内容を全部理解するのは困難だろう また主に出てくる4人に対しては賛否両論分かれるが、個性的で良いキャラだと思う 西加奈子さんの巧みな言葉も実に読んでいて心揺さぶられた この著者の作品はこれが1冊目なので、総合的には分からないが新鮮さ、斬新さという点では最近読んだ中で良かった 残念なところはおそらく友人に勧めても、「意味が分からない、感情移入が難しい」と言われることが目に見えてることだけだ | ||||
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引っ越す際に何十冊も本を処分したのですがこの作品は 捨てずに持ってきました。この物語に出てくる人、流れる 空気、時間すべてが心地よく大好きです。 | ||||
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この人とは結ばれないと知っているのに好きになってその人の魅力に吸い込まれていく。そんな経験がある人は読むのが辛くなるかも。私は大泣きしながら読みました(笑) | ||||
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白いものに、白いものを描く。どうとでも感じてくれ! と。 アウトサイダーアート。私の母が、最近、やり始めました。 美大卒の妹の勧めで、思うが儘に、キャンバスに色を塗り人物を入れたり…と。 私は、写実を子供時代、大変な田舎で地元プロフェッショナルの画家に習い、後、妹の美大の先輩に、日本画デッサンを習いました。日本画は、線。の追求です。 これを、なんというのかな? と、カテゴライズを暫し考えてしまいました。因みに私の絵は、色がありません。デッサンしか出来ません。抽象画の色彩を勧められ、色をつける時に、苦痛を感じました。色の無い世界。 芸術家は、皆、魅力的です。惚れ易いように見えます。だって。表現者だから。無から産み出す苦悩と快楽をいつも、命懸けでやっていますから。…作家も然りですね。 主人公とその友人、そして主人公と恋し実らなかったアウトサイダーアートアーティスト? そこまでは、まぁ良くある話ですか。 如何ともし難い理由での、恋の終焉でした。 良くありそうで… あるか⁉ なんでもあり得る世界でも、実際に起こると、情報なんて想定内だって、頭からすっ飛んで慌てます。 人間の人間らしいお話。 恋は、情熱的に出来ない性格、なので… こういう悶え苦しむ恋の話に憧れますね。 | ||||
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「西さんが恋のつらさから救ってくれる」書店のポップをにおもわず手が伸びました。だけど、このポップは大嘘つきだった。 好きになってはいけない人を好きになった、傷つくと分かっていても相手の魅力にひきづりこまれていく。 「あの感覚」を西加奈子がみごとなまでに書ききってくれるせいで、恋のつらさから救われるどころか打ちのめされる作品です。 「僕、もうわからないんです。どうしたらええのんか。あいつとくっついてしまっている気がするんです。俺の腕とか、腕とか目の片方が同時に、あいつのもんのような気がするんです。あいつと離れるのは、離れるというより、剥がす、剥がれる感じなんです。」私ならこんなことを言われたら死んでしまう。 西のつづる言葉のひとつひとつは、辛い恋を知る女たちの心をえぐっていくでしょう。とりあえず、あのポップを書いた店員には西加奈子の腕を甘くみすぎだ、とクレームをいれたい。 | ||||
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西かなこさんの本の主人公には、いつも感情がぐいぐい引っ張られてしまいます。 この本もそうでした。どこか不器用で、でも正直に生きている30代の女性が恋をする。もうどうしようもなくなると分かっていて、ある人を追いかける。生きるって、人を好きになって、苦しんでもがいて、でも、次の日を生きていくことなんだなって改めて思いました。人生の一つ一つの出会いがいとおしい、そんなことを感じさせてくれる、元気をくれる小説です。読み終わったあと、何だかこの本を抱きしめてしまう、そんな本でした。 | ||||
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