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きいろいゾウ
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きいろいゾウの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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かつて15年ほど前に某雑誌で紹介されているところを見てから気になっている西加奈子さん。独特の言葉遣いをされる方です。 内容は田舎に越してきた夫婦のお話しです。自然や霊などの周囲の声が聞こえてしまうツマとそれを温かく見守るムコ。お互いに過去を抱えており、その過去が壊れそうになりますが。。。という話です。ツマがいわゆる”見えてしまう”人であり、ホラーに足を突っ込むかと思うような展開もあり。また夫婦の男女の仲が崩れかける展開は島尾敏雄・ミホ夫妻の『死の棘』『海辺の生と死』を思わせる展開。ぞっとします。で結末はというと。。。ご自身でお確かめください笑。私は楽しく読ませて頂きました(ただ欲を言えば、最後の終わり方がちょっと単純だったかなあ)。 作者の西加奈子さんにはとても特徴があり、ひらがな・カタカナの多用や同一語の繰り返しが多く、小説でありながら詩を読んでいるような感覚を感じさせる作者だと思いました。ムコ、ツマ、アレチさん、コソク、カンユさんなど登場キャラの多くはカタカナです(所謂あだ名で通しているのでカタカナ表現なのかもしれませんが)。 次に関西弁の多用に特色があります。他の作品もそうですが、登場人物の発言を関西弁で進行させます。この作品の場合はムコさんの発言は関西弁。私は大阪と兵庫に二年ずつ住んだことがありますが、音が忠実に文字になっているなと感じました笑。 あと、ちょくちょくギャグっぽい内容が出てくるのですが、年代が合う方はヒットするかと。例えばキン肉マン。屁のツッパリって覚えていますか。1970年代生まれ前後の方はくすっ笑える内容が散見されます。 全体的には内容もさることながらその文体のユニークさや言葉の繊細さを味わう作品なのかなと感じました。ただ、この作風が合わない方には拒否反応が出そうです。私は結構好きなタイプですが笑。 | ||||
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田舎に越してきた都会育ちの夫婦の物語。 売れない作家のムコさん(夫)は、生まれつき小さな心臓で体の弱いツマ(妻)と、つつましい暮らしを営んでいる。ムコさんとツマ、そして周囲の人々(動物たち)の、ほっこり長閑な日々がつづられていく。 シアワセいっぱいのムコさんとツマ...のはずなのだが、ムコさんの背中には大きな鳥のタトゥーが彫られており、ツマは生き物の声が聞こえるという特異(?)体質。毎晩、ひとり部屋に閉じこもって日記をしたためるムコさん。突然、激しい感情にとらわれるツマ。所々、挿入されるツマの夢とおぼしき童話「きいろいゾウ」。ツマは、ムコさんの心に忘れられない誰かが住んでいることを感じ取っているようだ。この、じれったさ、恋愛小説の王道フォーマットではないか(夫婦だけど)。 暗雲たちこめ始める二人の行く末は...。予想通りの結末ではあるものの、その表現の仕方がステキと思うかどうか、分かれてしまいそう。 | ||||
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愛の溢れる物語でした。 ほっこりするようで、現実味のある内容で結婚とは何かを考える本でした。 結構前に実写化されたみたいで、それも見てみたいです。 | ||||
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売れない作家と動植物の声が聞こえるフシギちゃんが出会った瞬間、恋に落ちた(Fall in love)。 二人は、ツインソウルだから。 何気ない日常が、実は幸せなことだって、得難いものだって、二人の関係がぎくしゃくしてはじめて気づく。 過去のモヤモヤを清算したとき、お互いがかけがえのない存在であることを、再認識する。 また、貴方に恋してもいいですか? | ||||
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アメトークで紹介された本です(たぶん) 西加奈子を推す芸人さんは多いです。 代表作と思って手に取って読みました。 が、あまり面白くなかったです。 私は文学に合わないと思いました。 | ||||
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妻の感じる日常の描写と、夫が毎日つける日記での描写が対比されて日が進むので、夫婦で微妙に感じ方が違うなぁて、興味深く読みました。また、いろいろな小物を出してきて、面白くさせてると関心しました。例えば、どんじゃらってコトバは30年ぶりに聞きました。黄色いゾウとの繋がりが終止分からなかったのは、反省。 | ||||
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繊細な心理描写には感服したが、読後、心に残るものはあまりなかった。 | ||||
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ふたりの関係性と、それぞれの性格&感情に「ハラハラ」でした。 その他の登場人物も個性的で、それぞれの物語があり、読み応えがありました。 オモシロかったです。 | ||||
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背中に色鮮やかな鳥の入れ墨を持ち、過去を背負ったムコさんと、動物や虫や花の言葉が分かるツマさん。このちょっと変わった夫婦の日常が綴られた話は、最初から最後まで非常に穏やかに流れている。 序盤から中判にかけては、この一風変わった夫婦の、やはり一風変わった、だけど暖かい日常を描いている。良くある田舎の生活を描いているようでいて、なんだか皆が憧れる夫婦の形がそこにある。 後半は、ムコさんの過去と、そしてそれに向き合う夫婦の話となるが、重たいテーマでありながら、やはり終始、穏やかな感じで話は進んで行く。まるで、何かの童話のようにどこか幻想的に、そしてすごくリアルな日常として書かれている。 この夫婦の形は非常に理想的なようにも見えるが、現実にはこんな夫婦はいないだろうと穿った見方もしてしまう。この辺は読む人の価値観に大きく左右されるような気がする。たぶん、好き嫌いがかなりはっきりでる話ではないだろうか。また、終始、穏やかな感じで進んで行く話を、ちょっと物足りないと感じてしまうかもしれない。 | ||||
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田舎暮らし、スローライフを推奨する作品なんだと、最初は思いました。 速読派の私までスローペースになり、第3章を読み終わるまでに4日間を要しました。 エンジンが掛かったのは、第4章から。 「ムコさん」が、上京することを決意するあたりからです。 そこからギア・チェンジ。 一気にアクセルを踏んで、猛スピードで読了。 単なる、田舎好きな、ほのぼの夫婦の話ではありませんでした。 誰もがいろんな顔を持っていて、他人に見せている部分は、ほんの一部なのだということを再認識。 でも、知らない面があるからこそ、人は面白いのかもしれない……とも。 来月、公開の映画では、不思議な「ツマ」役に宮崎あおい。彼女は、ほぼ私のイメージどおりですが、「ムコさん」が向井理というのは、ちょっと違うんじゃないかなぁ……。ベストというわけではないかもしれないけれども、瑛太の方がベターだと思うのですが、そのコンビだと「篤姫」になってしまうかぁ……。 9歳の大地君役も、作品を左右する大切な人なのですが、誰が演じるのでしょうか? 「(略)……。それでこのてがみは何をかこうとしていたのか、そんなことはわかりません。てがみってそういうもんでしょう?天気のことをかいたり、にわの花のことをかいたり、けっこうくだらなかったりするよね。でもかきたいからかくんだよね。てがみってふしぎだね。ツマさん、しあわせでいてください。(略)………」と、大地君が「ツマさん」に書いた、この一文が一番好きです。 | ||||
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まるでぎらぎらした夏の日みたいに、 ささやかだけれど無闇にはしゃいだ日常と まるで閉ざされた冬の日みたいに、 静かだけれど悪戯に心を揺さぶる情景を 奇跡みたいに出会った二人の 必然みたいな愛にとっぷりと浸したお話 ***** 映画化されるから読んだわけではなく、なんだかだらだら読みかけのままだったものをやっと読了。 大好きな、どきどきするような、夏の風景。 ささやかでくだらなくて、愛すべき日常。 おいしいごはん。 おいしい風景。 大好きな人が隣にいる毎日。 だけどもそこに巣くう、暗い影。 押し込めた感情。 お互いの向こうにチラつく、決して踏み込めない場所。 …否、踏み込まないでいる場所。 草や木や動物の声が聞こえる、身体の弱いツマ。 穏やかだけれど、過去に何かを抱えているような、ムコさん。 きいろいゾウの絵本を軸に織り成す柔らかくてファンタジックな世界。 それでも覗くのを躊躇うような深い闇がぽっかりとまん中に開いていて、 それがこの物語をちゃんと地に足のついたものにしている。 言葉運びも話運びも、童話のそれのように優しくて柔らか。 それなのに、ページが進まなかったのはなぜか。 出来すぎている。 ぜんぶ、ぜんぶが、そこに孕む闇さえもが、幸せの為に存在してる。 自分のココロに余裕のある時に読めば、 ほっこり幸せが伝播するのかもしれない。 でも、コンディションの良くない時に読むには、向かない。 要するに、嫉妬するのだ。 この物語の隅から隅まで、あらゆる言葉に、あらゆるシーンに、嫉妬するのだ。 どんな苦悩も、悲しみも、痛みも、 幸せに繋がる道すがらで出逢う嵐みたいなものだよと、 目的地には幸せが待っていますよと、 どのページからも幸せが透かして見えるから。 出逢うタイミングが悪かったと言うべきか。 でも、つまりは、嫉妬するほどに、美しい話であることは確かです。 | ||||
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穏やかにゆっくりと進んで行くストーリーは心地よく、登場人物にも好感が持てて、ムコさんとツマさんの愛情表現もなんだかふわっとしてて素敵な夫婦感が良かったが、あまりにも非現実的なツマさんの能力? ムコさんの過去の出来事も、あまりにも陳腐… そして、最後までわからなかった日記の真相… ちょっと惜しい、残念な感想でした。 | ||||
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宮崎あおいが帯で絶賛していたのを店頭で 見たので購入してみました。 文体がけだるい感じなので好みに合いませんでしたが ストリーは◎なので★3つ。 | ||||
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最初は、夫婦のちょっとした会話や「私」の独り言をつづった、 はやりの、“空気感”のある透き通った文章が続く、小説・・・ そんなふうに思いながら読んでいた。 ところが、読み進むうちに、思いもかけず、話は深く、 ドキドキと胸に迫る展開を見せていった。 一組の夫婦(ムコさんとツマ)と、かかわる人びと―― 隣のアレチさんに、ツマを慕う大地君に、ムコさんの昔の彼女に、 いつもごはんをもらいにくる犬のカンユ。そして、大地君を慕う洋子に 洋子のおばあさんの平木直子。ムコさんが面倒を見ている足利さんに ムコさんのおばの“ない姉ちゃん”などなど。 彼らの存在が影響し合って、ふたりの、そして彼らの人生を 気づかないうちにかなり劇的に変えていく。 夫婦って不思議なもの、そんな台詞が後半に出てくる。 運命のような出会いと、ふたりがまだ知らない過去の共通点。 ふたりは、何かがあっても、ちゃんと結びついている。 その結びつきを、東京からはなれた場所という、ある種の異空間を通して、 また、少年(過去&今のムコさん)が大人(これからのムコさん)に なるような、どことなくビルドゥングスロマン的なものを通して、 この話は私たちに示してくれる。センチメンタルになりすぎず、 非現実的になりすぎずに。 (最後の2ページはちょっといらないけど) | ||||
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