忘れられた巨人

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忘れられた巨人の評価:

3.88/5点 レビュー 139件。 A ランク

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平均点3.88pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全267件 41〜60 3/14ページ
No.227
(5pt)

船頭のメタファー、なにより息子に会いたい母親の愛。

船頭が象徴するのは、離別である。日本人的には三途の川を渡るということである。つまり、死別。最初に出てきた船頭が示したのがこれじゃないかと思っていた。そうして最後に出てきた船頭のシーンで確信した。アクセルはそれ(死別)を悟って歩き出していた。クエリグはマインドコントロールのメタファーですね。戦士が少年に引き継いだ憎悪の連鎖は、きっと永遠に消えないということなのですね。自分の世界ではここまでの激情は感じないですが、それはやられた側でないとわからないことか。妻の不貞にも耐えた、アクセルの最後がかわいそうでした。しかし、お姫様は息子が待つ死の世界へと旅立つのでした。一刻も早く息子に会いたいのです。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.226
(5pt)

船頭のメタファー、なにより息子に会いたい母親の愛。

船頭が象徴するのは、離別である。日本人的には三途の川を渡るということである。つまり、死別。最初に出てきた船頭が示したのがこれじゃないかと思っていた。そうして最後に出てきた船頭のシーンで確信した。アクセルはそれ(死別)を悟って歩き出していた。クエリグはマインドコントロールのメタファーですね。戦士が少年に引き継いだ憎悪の連鎖は、きっと永遠に消えないということなのですね。自分の世界ではここまでの激情は感じないですが、それはやられた側でないとわからないことか。妻の不貞にも耐えた、アクセルの最後がかわいそうでした。しかし、お姫様は息子が待つ死の世界へと旅立つのでした。一刻も早く息子に会いたいのです。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.225
(2pt)

物語は完結しない

読み終えても、結局、最後どうなったかがわかりません。
そういう終わり方が好きな方や、受け入れられる方は良いかもしれません。私はそういうのは受け入れられず、心の霧は残ったままです。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.224
(2pt)

物語は完結しない

読み終えても、結局、最後どうなったかがわかりません。
そういう終わり方が好きな方や、受け入れられる方は良いかもしれません。私はそういうのは受け入れられず、心の霧は残ったままです。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.223
(3pt)

忘却の意味

題名で買ったので石黒さんとはしりませんでしたが、こんな本を書く人だったかな。
最後までどうしたいのか謎でしたが。イシグロさん日本人だということを
忘れたかったんでしょうね、最後の最後にそう思いました。アーサー王の時代とは違うような
気がしましたが真実を知る人はいませんしね。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.222
(3pt)

忘却の意味

題名で買ったので石黒さんとはしりませんでしたが、こんな本を書く人だったかな。
最後までどうしたいのか謎でしたが。イシグロさん日本人だということを
忘れたかったんでしょうね、最後の最後にそう思いました。アーサー王の時代とは違うような
気がしましたが真実を知る人はいませんしね。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.221
(5pt)

よかった

オーディオブックで聞きました。
自分では読みきれないほどの本も
聞くことができてよかったです。朗読者は一人なのに
人物の声を見事に使い分けていて感心しました。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.220
(5pt)

よかった

オーディオブックで聞きました。
自分では読みきれないほどの本も
聞くことができてよかったです。朗読者は一人なのに
人物の声を見事に使い分けていて感心しました。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.219
(4pt)

霧が晴れぬまま余韻を残して終わった作品

読後に余韻の残る秀作だと感じるが、その解釈は難しい。所々矛盾した場面もあるし、象徴的で、どうとでも捉えることのできる表現もある。霧に包まれたような作品である。クライマックスの終盤は、どのような結末を迎えるのか、最期の最期まで分からず、結局、読者の想像に委ねる終わり方であった。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.218
(4pt)

霧が晴れぬまま余韻を残して終わった作品

読後に余韻の残る秀作だと感じるが、その解釈は難しい。所々矛盾した場面もあるし、象徴的で、どうとでも捉えることのできる表現もある。霧に包まれたような作品である。クライマックスの終盤は、どのような結末を迎えるのか、最期の最期まで分からず、結局、読者の想像に委ねる終わり方であった。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.217
(5pt)

There is the berried giant beyond in our imaginations , not in the book.

英語版を先に読んでから、図書館で日本語版を読んで、やはり原書とは物語のニュアンスが僅かに違いますね。ただ、作者のインタビューも見ましたが、結局過去の世界的悲劇を投影している、そして、見える巨人(列強国アメリカなど)とそれを生み出した根源(忘れられた巨人)は終わらない憎悪を本書で描いていると思います。つまり、各々のキャラクターを深く考えず、KAZUO ISHIGUROの投影したい全体像を意識して読めば、霧は晴れていくと思います。良作でした!
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.216
(5pt)

There is the berried giant beyond in our imaginations , not in the book.

英語版を先に読んでから、図書館で日本語版を読んで、やはり原書とは物語のニュアンスが僅かに違いますね。ただ、作者のインタビューも見ましたが、結局過去の世界的悲劇を投影している、そして、見える巨人(列強国アメリカなど)とそれを生み出した根源(忘れられた巨人)は終わらない憎悪を本書で描いていると思います。つまり、各々のキャラクターを深く考えず、KAZUO ISHIGUROの投影したい全体像を意識して読めば、霧は晴れていくと思います。良作でした!
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.215
(5pt)

記憶、忘却の意味

カズオ・イシグロの本にはそれぞれ大きなテーマが設定されている。今回は、記憶と忘却。
亡くなった人の思い出や、悲しい事件や戦争など。その記憶をいつまでも心にとどめることが、
反省や救いにつながるが、一方で、忘れることによって平和や調和がもたらされ、前に進めることもある。
この作品のモチーフは旧ユーゴスラビア紛争のようだが、読み進めるうちに、ナチスドイツによるホロコースト、日中関係、日韓関係、原爆、そして身の回りで起きた些細な事柄、恨む気持ち、許す気持ちなど、記憶にまつわるさまざまなテーマに思いを巡らせた。ファンタジックな物語に引き込みながら、深く重いテーマを読者に考えさせる技法はやはり秀逸だと感じた。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.214
(5pt)

記憶、忘却の意味

カズオ・イシグロの本にはそれぞれ大きなテーマが設定されている。今回は、記憶と忘却。
亡くなった人の思い出や、悲しい事件や戦争など。その記憶をいつまでも心にとどめることが、
反省や救いにつながるが、一方で、忘れることによって平和や調和がもたらされ、前に進めることもある。
この作品のモチーフは旧ユーゴスラビア紛争のようだが、読み進めるうちに、ナチスドイツによるホロコースト、日中関係、日韓関係、原爆、そして身の回りで起きた些細な事柄、恨む気持ち、許す気持ちなど、記憶にまつわるさまざまなテーマに思いを巡らせた。ファンタジックな物語に引き込みながら、深く重いテーマを読者に考えさせる技法はやはり秀逸だと感じた。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.213
(5pt)

『忘れられた巨人』で、カズオ・イシグロは何を訴えたかったのか

寡作で知られ、一作ごとに新たな作風に果敢に挑戦することを自分に課しているカズオ・イシグロという作家は、文学界の修行僧を思わせる。『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ著、土屋政雄訳、ハヤカワepi文庫)では、ファンタジー的要素を存分に取り込んでいる。

5~6世紀に、ブリテン島(グレイト・ブリテン島)に住むケルト系のブリトン人を率いて、侵略してきたゲルマン系のサクソン人を撃退したとされる伝説上の人物・アーサー王の死後間もなくという時代に舞台が設定されている。

ブリトン人のアクセルとベアトリスという老夫婦は、記憶がもう一つ定かではないのだが、自分たちの下を去った息子に会うため、長年暮らした村を後にする。ブリトン人が後ろ盾としている雌竜・クエリグを殺すことを自分たちの王から命じられているサクソン人の勇敢な若い戦士・ウェスタン、悪鬼に噛まれた者はいずれ悪鬼になるという迷信から、ブリトン人たちに迫害され、ウェスタンに助け出されたサクソン人の少年・エドウィン、雌竜を守ることを自らの使命と考えている、アーサー王の甥の老騎士・ガウェイン卿、サクソン人と戦うため修道院に集う大勢のブリトン人修道僧たち、不思議な船頭、悪鬼、薄気味わるい妖精、人々の記憶を奪う息を吐き続ける雌竜などとの――その旅の途上における、さまざまな出会いが描かれていく。

繰り返される民族間の対立・抗争を終わらせるにはどうすればいいのか、自分の過去を知ることが幸せなのか、知らないままのほうが幸せなのか、相手の不倫も寛容に許すのが愛なのか――民族間の対立、記憶、愛について、君は真剣に考えたことがあるのかと、イシグロは問い掛けているのだろう。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.212
(5pt)

『忘れられた巨人』で、カズオ・イシグロは何を訴えたかったのか

寡作で知られ、一作ごとに新たな作風に果敢に挑戦することを自分に課しているカズオ・イシグロという作家は、文学界の修行僧を思わせる。『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ著、土屋政雄訳、ハヤカワepi文庫)では、ファンタジー的要素を存分に取り込んでいる。

5~6世紀に、ブリテン島(グレイト・ブリテン島)に住むケルト系のブリトン人を率いて、侵略してきたゲルマン系のサクソン人を撃退したとされる伝説上の人物・アーサー王の死後間もなくという時代に舞台が設定されている。

ブリトン人のアクセルとベアトリスという老夫婦は、記憶がもう一つ定かではないのだが、自分たちの下を去った息子に会うため、長年暮らした村を後にする。ブリトン人が後ろ盾としている雌竜・クエリグを殺すことを自分たちの王から命じられているサクソン人の勇敢な若い戦士・ウェスタン、悪鬼に噛まれた者はいずれ悪鬼になるという迷信から、ブリトン人たちに迫害され、ウェスタンに助け出されたサクソン人の少年・エドウィン、雌竜を守ることを自らの使命と考えている、アーサー王の甥の老騎士・ガウェイン卿、サクソン人と戦うため修道院に集う大勢のブリトン人修道僧たち、不思議な船頭、悪鬼、薄気味わるい妖精、人々の記憶を奪う息を吐き続ける雌竜などとの――その旅の途上における、さまざまな出会いが描かれていく。

繰り返される民族間の対立・抗争を終わらせるにはどうすればいいのか、自分の過去を知ることが幸せなのか、知らないままのほうが幸せなのか、相手の不倫も寛容に許すのが愛なのか――民族間の対立、記憶、愛について、君は真剣に考えたことがあるのかと、イシグロは問い掛けているのだろう。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.211
(2pt)

テーマは単純。読んでいてほとんど楽しめない欠陥小説。

私もカズオ・イシグロ氏が2017年のノーベル文学賞を受賞した日系英国人ということでその名前を知り読み始めた人間です。
カズオ・イシグロという作家はかなり寡作で、現時点での公式なアナウンスでは「長編小説7作品」と「短編集」ですから、彼の年齢を考えてもやはり相当に寡作なのは事実でしょう。
この『忘れられた巨人』は完成するまでに10年かかったそうですが、その長い執筆期間はそもそも本作にとってあまりいい影響を与えてはいないようにも感じてしまいました。
私は本作を読みすすめるのが大変でしたし、おそらく他の多くの読者も似たような思いをしながら読んでいるのではないかと思います。
この小説は「寓話」や「神話」の形式をベースにした、スムーズでリズムのいい文章にはなっていません。
むしろ大仰で不自然な語り口と、かなり退屈なストーリーというのが正直なもので、難解・晦渋な小説だといっていいのではないでしょうか。
ただ「文章」そのものはむしろ平易なのですが、著者によるテーマは非常にコンセプチャルで、読む楽しみよりは作者の単純な意図の表現という意味あいの方が強いという難儀な作品です。

原題は『The Buried Giant』ですから「埋葬された巨人」が直訳になるでしょう。
本書の詳細までは書きませんが、大きなテーマは「記憶」で「国家間・人種間の問題」などは「大きな記憶」としてあり、それぞれの個人的な人間関係における記憶は「小さな記憶」であり、「大きな記憶」というのはなかなか消し去ることは難しくいつまでも深く残り続けるのに対して、「小さな記憶」というのはそれぞれの個人レベルでのことなので「ゆるし(許し・赦し)」というものは納得できればすぐにでもおこりえるということを、イシグロ氏はこれら二種類の「記憶」を対比することで作品の主テーマにしているようですが、はっきりいってそれだけがテーマの小説でもあります。

私もこうした作品テーマについて読後に理解してからは「ああ、なるほど」とは思いましたが、それでもそうしたテーマに比して、そもそも小説としてあまりにも出来が悪いという致命的な欠点の方を強く感じてしかたがありません。
そういうテーマを読み取って考えることは大変重要なことだと理解は出来ますが、ほぼそのためだけに延々と綴られた長くて退屈な文章を読まされるのは、小説として重要な要素が完全に欠落しているのではないかという不満ばかりを感じます。
個人間の争いはなんとかなるが、国家間・民族間の戦争というものはそうそう簡単には解決できないということが言いたいだけならば、新聞のコラム数行程度でそもそも伝達できることではありませんか?それを全く楽しめない長編小説にされても・・・というのが私の本音です。

本作の英語圏での一般評価が気になったので「amazon.com」で検索してみたところ、英語圏でも本作の評価は辛いものでした。3.7★(1,049 customer reviews)です。
ちなみにamazon.comでのカズオ・イシグロ氏の最高評価作品は『日の名残り』で4.4★でした。
英語圏の読者にとっても「かなり読みにくい作品」という感想は多かったので、これは邦訳の問題ではありません。
頁も終わりのほうになって色々なことが明らかになってはいきますが、それらの話し上のつながりがとても悪いです。
とってつけたようなそれぞれの細かいエピソード展開と、これまた適当感が拭えないお粗末な結末のせいで、余計に読後感を削がれているようにしか思えなかったです。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.210
(2pt)

テーマは単純。読んでいてほとんど楽しめない欠陥小説。

私もカズオ・イシグロ氏が2017年のノーベル文学賞を受賞した日系英国人ということでその名前を知り読み始めた人間です。
カズオ・イシグロという作家はかなり寡作で、現時点での公式なアナウンスでは「長編小説7作品」と「短編集」ですから、彼の年齢を考えてもやはり相当に寡作なのは事実でしょう。
この『忘れられた巨人』は完成するまでに10年かかったそうですが、その長い執筆期間はそもそも本作にとってあまりいい影響を与えてはいないようにも感じてしまいました。
私は本作を読みすすめるのが大変でしたし、おそらく他の多くの読者も似たような思いをしながら読んでいるのではないかと思います。
この小説は「寓話」や「神話」の形式をベースにした、スムーズでリズムのいい文章にはなっていません。
むしろ大仰で不自然な語り口と、かなり退屈なストーリーというのが正直なもので、難解・晦渋な小説だといっていいのではないでしょうか。
ただ「文章」そのものはむしろ平易なのですが、著者によるテーマは非常にコンセプチャルで、読む楽しみよりは作者の単純な意図の表現という意味あいの方が強いという難儀な作品です。

原題は『The Buried Giant』ですから「埋葬された巨人」が直訳になるでしょう。
本書の詳細までは書きませんが、大きなテーマは「記憶」で「国家間・人種間の問題」などは「大きな記憶」としてあり、それぞれの個人的な人間関係における記憶は「小さな記憶」であり、「大きな記憶」というのはなかなか消し去ることは難しくいつまでも深く残り続けるのに対して、「小さな記憶」というのはそれぞれの個人レベルでのことなので「ゆるし(許し・赦し)」というものは納得できればすぐにでもおこりえるということを、イシグロ氏はこれら二種類の「記憶」を対比することで作品の主テーマにしているようですが、はっきりいってそれだけがテーマの小説でもあります。

私もこうした作品テーマについて読後に理解してからは「ああ、なるほど」とは思いましたが、それでもそうしたテーマに比して、そもそも小説としてあまりにも出来が悪いという致命的な欠点の方を強く感じてしかたがありません。
そういうテーマを読み取って考えることは大変重要なことだと理解は出来ますが、ほぼそのためだけに延々と綴られた長くて退屈な文章を読まされるのは、小説として重要な要素が完全に欠落しているのではないかという不満ばかりを感じます。
個人間の争いはなんとかなるが、国家間・民族間の戦争というものはそうそう簡単には解決できないということが言いたいだけならば、新聞のコラム数行程度でそもそも伝達できることではありませんか?それを全く楽しめない長編小説にされても・・・というのが私の本音です。

本作の英語圏での一般評価が気になったので「amazon.com」で検索してみたところ、英語圏でも本作の評価は辛いものでした。3.7★(1,049 customer reviews)です。
ちなみにamazon.comでのカズオ・イシグロ氏の最高評価作品は『日の名残り』で4.4★でした。
英語圏の読者にとっても「かなり読みにくい作品」という感想は多かったので、これは邦訳の問題ではありません。
頁も終わりのほうになって色々なことが明らかになってはいきますが、それらの話し上のつながりがとても悪いです。
とってつけたようなそれぞれの細かいエピソード展開と、これまた適当感が拭えないお粗末な結末のせいで、余計に読後感を削がれているようにしか思えなかったです。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.209
(3pt)

テーマはともかく、読んでいてほとんど楽しめない小説。

私もカズオ・イシグロ氏が2017年のノーベル文学賞を受賞した日系英国人ということでその名前を知り読み始めた人間です。
カズオ・イシグロという作家はかなり寡作で、現時点での公式なアナウンスでは「長編小説7作品」と「短編集」ですから、彼の年齢を考えてもやはり相当に寡作でるのは事実でしょう。
この『忘れられた巨人』は完成するまでに10年かかったそうですが、その長い執筆期間は本作にとってあまりいい影響を与えてはいないようにも感じてしまいました。
私はこの小説を読みすすめるのが大変でしたし、おそらく多くの読者が似たような思いをしながら読んでいたのではないかと思います。
この小説は「寓話」や「神話」の形式をベースにして、スムーズでリズムのいい展開にはなっていません。
むしろ大仰で不自然な語り口と、かなり退屈なストーリーというのが正直なもので、難解な小説だといっていいでしょう。
ただ「文章」はむしろ平易ですが、非常にコンセプチャルな作品で、読む楽しみよりは作者の意図の表現という意味あいの方が圧倒的強いという難儀な作品です。

原題は『The Buried Giant』ですから「埋葬された巨人」が直訳になるでしょう。
本書の詳細までは書きませんが、大きなテーマは「記憶」で「人種間の問題」などは「大きな記憶」として、それぞれの個人的な人間関係における色々な出来事の記憶は「小さな記憶」としてあり、「大きな記憶」というのはなかなか消し去ることは難しくいつまでも深く残り続けるのに対して、「小さな記憶」というのはそれぞれの個人レベルでのことなので「ゆるし(許し・赦し)」というものは納得できればすぐにでもおこりえます。
イシグロ氏はこの二種類の「記憶」を対比することでこの作品のテーマにしているようです。

私もこうしたテーマについて読後に理解してからは「なるほど」とは思いましたが、それでもそうしたテーマと小説としての出来に大きな隔たりを感じてしかたがありません。
そういうテーマを読み取って考えることは大変重要なことだと理解は出来ますが、ほぼそのためだけに延々と綴られた
長い文章を何度見直しても、これは小説として重要な要素が完全に欠落しているのではないかという不満は解消されませんでした。
もちろんたかだか私ごときの感想ですからこれが正しいとは言えません。
本作の英語圏での一般評価が気になったので「amazon.com」で検索してみたところ、英語圏でも本作の評価は辛いものでした。
3.7★(1,049 customer reviews)です。
ちなみにamazon.comでのカズオ・イシグロ氏の最高評価作品は『日の名残り』で4.4★でした。
英語圏の読者にとっても「読みにくい作品」という感想は多かったので、これはことさら邦訳の問題だとは思えまん。
頁も終わりのほうになって色々なことが明らかになっていきますが、それらとの話上のつながりがとても悪いです。
とってつけたようなそれぞれのエピソード展開と結末が余計に読後感を削いでいるように思えてなりませんでした・・・。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.208
(3pt)

テーマはともかく、読んでいてほとんど楽しめない小説。

私もカズオ・イシグロ氏が2017年のノーベル文学賞を受賞した日系英国人ということでその名前を知り読み始めた人間です。
カズオ・イシグロという作家はかなり寡作で、現時点での公式なアナウンスでは「長編小説7作品」と「短編集」ですから、彼の年齢を考えてもやはり相当に寡作でるのは事実でしょう。
この『忘れられた巨人』は完成するまでに10年かかったそうですが、その長い執筆期間は本作にとってあまりいい影響を与えてはいないようにも感じてしまいました。
私はこの小説を読みすすめるのが大変でしたし、おそらく多くの読者が似たような思いをしながら読んでいたのではないかと思います。
この小説は「寓話」や「神話」の形式をベースにして、スムーズでリズムのいい展開にはなっていません。
むしろ大仰で不自然な語り口と、かなり退屈なストーリーというのが正直なもので、難解な小説だといっていいでしょう。
ただ「文章」はむしろ平易ですが、非常にコンセプチャルな作品で、読む楽しみよりは作者の意図の表現という意味あいの方が圧倒的強いという難儀な作品です。

原題は『The Buried Giant』ですから「埋葬された巨人」が直訳になるでしょう。
本書の詳細までは書きませんが、大きなテーマは「記憶」で「人種間の問題」などは「大きな記憶」として、それぞれの個人的な人間関係における色々な出来事の記憶は「小さな記憶」としてあり、「大きな記憶」というのはなかなか消し去ることは難しくいつまでも深く残り続けるのに対して、「小さな記憶」というのはそれぞれの個人レベルでのことなので「ゆるし(許し・赦し)」というものは納得できればすぐにでもおこりえます。
イシグロ氏はこの二種類の「記憶」を対比することでこの作品のテーマにしているようです。

私もこうしたテーマについて読後に理解してからは「なるほど」とは思いましたが、それでもそうしたテーマと小説としての出来に大きな隔たりを感じてしかたがありません。
そういうテーマを読み取って考えることは大変重要なことだと理解は出来ますが、ほぼそのためだけに延々と綴られた
長い文章を何度見直しても、これは小説として重要な要素が完全に欠落しているのではないかという不満は解消されませんでした。
もちろんたかだか私ごときの感想ですからこれが正しいとは言えません。
本作の英語圏での一般評価が気になったので「amazon.com」で検索してみたところ、英語圏でも本作の評価は辛いものでした。
3.7★(1,049 customer reviews)です。
ちなみにamazon.comでのカズオ・イシグロ氏の最高評価作品は『日の名残り』で4.4★でした。
英語圏の読者にとっても「読みにくい作品」という感想は多かったので、これはことさら邦訳の問題だとは思えまん。
頁も終わりのほうになって色々なことが明らかになっていきますが、それらとの話上のつながりがとても悪いです。
とってつけたようなそれぞれのエピソード展開と結末が余計に読後感を削いでいるように思えてなりませんでした・・・。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369