忘れられた巨人

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忘れられた巨人の評価:

3.88/5点 レビュー 139件。 A ランク

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平均点3.88pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全178件 1〜20 1/9ページ
No.178
(5pt)

ファンタジーの設定を借りた、現代の問題に取り組んだ大傑作!

物語の導入は限りなく地味である。
4~5世紀のイギリスを舞台に、ドラゴンや悪鬼の存在する世界を老夫婦が旅をする。
単行本を買った当初、そのファンタジー的な設定になじめず、未読状態であった。
最近になって、ふとしたきっかけで読み進めてみると、確かに設定はファンタジーではあるが、現代に生きる私たちが抱える問題に深くコミットした、まさに純文学の大傑作であった。
そのテーマは「共同体(もしくは国家)は、何を忘れ、何を記憶すべきか」という問いである。
また、導入は地味でも、物語が進むにつれて戦士やわけありの少年も旅に加わり、手に汗を握る戦闘シーンもある。三人称や一人称、伝聞等の様々な視点を取り入れながら、見事な文体ですらすらと読ませる力は、さすがノーベル文学賞作家。
深いテーマに取り組みながら、読み終わっても登場人物たちと別れがたい印象が残る、心の深くに届く大傑作だと思う。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.177
(5pt)

ファンタジーの設定を借りた、現代の問題に取り組んだ大傑作!

物語の導入は限りなく地味である。
4~5世紀のイギリスを舞台に、ドラゴンや悪鬼の存在する世界を老夫婦が旅をする。
単行本を買った当初、そのファンタジー的な設定になじめず、未読状態であった。
最近になって、ふとしたきっかけで読み進めてみると、確かに設定はファンタジーではあるが、現代に生きる私たちが抱える問題に深くコミットした、まさに純文学の大傑作であった。
そのテーマは「共同体(もしくは国家)は、何を忘れ、何を記憶すべきか」という問いである。
また、導入は地味でも、物語が進むにつれて戦士やわけありの少年も旅に加わり、手に汗を握る戦闘シーンもある。三人称や一人称、伝聞等の様々な視点を取り入れながら、見事な文体ですらすらと読ませる力は、さすがノーベル文学賞作家。
深いテーマに取り組みながら、読み終わっても登場人物たちと別れがたい印象が残る、心の深くに届く大傑作だと思う。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.176
(5pt)

忘れていいの

「国民投票でイギリスのEU離脱(いわゆるブレグジット)が決まったとき、カズオ・イシグロはたいへん怒っていた」と訳者あとがきにあるとおり、本作はそのことをかなり意識したうえで書かれた、民族の融和、受容、対立、排斥といったことがモチーフの中世ファンタジーである。

「殺戮の循環は途切れることがなく、復讐への欲望は途絶えることがありません」、「憎しみの連鎖は途切れるどころか、今日の出来事によって鍛えられ、強化されるでしょう」(どちらもP321)というようなセリフからは、パレスチナ情勢など昨今の紛争にも思いをはせずにはいられない。

サクソン人の戦士ウィスタンが言う。「もしまた会うことがあれば、平和のうちにお進みなさいと言うでしょう。ま、もはや平和などありえませんが」(P441)。それに対してブリトン人のアクセルが問う。「平和のうちに進めと言いながら、もはや平和などありえないとも言われました。(中略)ここで説明したいただけませんか」(P445)

話としては全体的にスローな感じで、いささか眠気を誘うのだが、印象的なシーンや登場人物のやりとりも多く、結果的には満足度の高い読書だった。主人公の老夫婦が家出した息子を「取り繕いの言葉に騙されるほど幼くなく、心の複雑な綾(あや)を知るには若すぎ、もう戻らないと言って去りました」(P469)と表現するのも心に残った。

何もよりも、「忘れる」というのは素晴らしいことではないか、と本書を読みながら思っていた。日本には「水に流す」という良い言葉があるけれど、「忘れたふりをする」のもみんなと仲良くやっていく知恵である。何もかも覚えているなんて、つらいことだと思う。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.175
(5pt)

忘れていいの

「国民投票でイギリスのEU離脱(いわゆるブレグジット)が決まったとき、カズオ・イシグロはたいへん怒っていた」と訳者あとがきにあるとおり、本作はそのことをかなり意識したうえで書かれた、民族の融和、受容、対立、排斥といったことがモチーフの中世ファンタジーである。

「殺戮の循環は途切れることがなく、復讐への欲望は途絶えることがありません」、「憎しみの連鎖は途切れるどころか、今日の出来事によって鍛えられ、強化されるでしょう」(どちらもP321)というようなセリフからは、パレスチナ情勢など昨今の紛争にも思いをはせずにはいられない。

サクソン人の戦士ウィスタンが言う。「もしまた会うことがあれば、平和のうちにお進みなさいと言うでしょう。ま、もはや平和などありえませんが」(P441)。それに対してブリトン人のアクセルが問う。「平和のうちに進めと言いながら、もはや平和などありえないとも言われました。(中略)ここで説明したいただけませんか」(P445)

話としては全体的にスローな感じで、いささか眠気を誘うのだが、印象的なシーンや登場人物のやりとりも多く、結果的には満足度の高い読書だった。主人公の老夫婦が家出した息子を「取り繕いの言葉に騙されるほど幼くなく、心の複雑な綾(あや)を知るには若すぎ、もう戻らないと言って去りました」(P469)と表現するのも心に残った。

何もよりも、「忘れる」というのは素晴らしいことではないか、と本書を読みながら思っていた。日本には「水に流す」という良い言葉があるけれど、「忘れたふりをする」のもみんなと仲良くやっていく知恵である。何もかも覚えているなんて、つらいことだと思う。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.174
(4pt)

高尚なテーマのファンタジー

大作だと思います。大人のためのファンタジーですね。ただ、もう一つ、のめり込めなかったのは、中世イギリス、ブリテン島という特殊な舞台設定。日本人には、あまりにもその情景が浮かびにくかったこと。私自身がイギリスの歴史に詳しくないため、民族間の争いがどのようなものだったのか、知識が不足していたためだと思います。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.173
(4pt)

高尚なテーマのファンタジー

大作だと思います。大人のためのファンタジーですね。ただ、もう一つ、のめり込めなかったのは、中世イギリス、ブリテン島という特殊な舞台設定。日本人には、あまりにもその情景が浮かびにくかったこと。私自身がイギリスの歴史に詳しくないため、民族間の争いがどのようなものだったのか、知識が不足していたためだと思います。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.172
(5pt)

ノーベル文学賞作家、カズオ イシグロの長編!

2017年にノーベル文学賞を受賞したことで、日本でも一躍その名が日本でも広く知られるようになったカズオ イシグロの長編小説。発売されたときは厚くて重くて、これ以上本を増やせないと買うのをあきらめたが、文庫本になって手にとりやすくなった。アーサー王を主題としているので、そのあたりの情報がないと難解かもしれないが、固定概念なくひとつの読み物としても愉しめる。これをきっかけに、過去のイシグロ作品も読んでみるのも。映画化された『日の名残り』や日本でドラマ化された『わたしを離さないで』も必読。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.171
(5pt)

ノーベル文学賞作家、カズオ イシグロの長編!

2017年にノーベル文学賞を受賞したことで、日本でも一躍その名が日本でも広く知られるようになったカズオ イシグロの長編小説。発売されたときは厚くて重くて、これ以上本を増やせないと買うのをあきらめたが、文庫本になって手にとりやすくなった。アーサー王を主題としているので、そのあたりの情報がないと難解かもしれないが、固定概念なくひとつの読み物としても愉しめる。これをきっかけに、過去のイシグロ作品も読んでみるのも。映画化された『日の名残り』や日本でドラマ化された『わたしを離さないで』も必読。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.170
(5pt)

忘却の功罪

ノーベル賞受賞作家とかなると敷居が高すぎて読む気も失せるのだけど、映画監督のギレルモデルトロが映画化するとかいうニュースがあって、それで興味を持って読んだ。

以下、あらすじでは無いけれどネタバレ的要素のある感想となります。

アーサー王伝説を下敷きに忘れるという事の是非を個人と国家という極端な物差で量ろうとした労作と感じた。苦しみや恨みを忘れることは楽しさや幸せをも忘れることだ。それでも社会というあるいは人生という歯車が回っていれば許容出来る、のだろうか?そのきしみは社会を蝕み人間から心を奪っていく。だが思い出した時その感情の大部分を占めるのは恨みか、幸せか。彼らは国家を揺るがす戦争に手を染めるのか。老夫婦はかつての過ちからのこだわりを捨て2人で島に行けるのだろうか?
その答えは読者のそれぞれの胸のうちにあるのだろう。そうした意味ではっきりとした結末を用意した作品に慣れ親しんだものには中途半端な物語ととられるのかも知れないが、そのダイナミックな文章とアーサー王伝説の味付けが効いて物足りなさは無い。物語として満足させながらさりげなく深く考察をさせるような作り方は流石な作家なのだなと思った。以上ネタバレにはなったけれどそれを凌駕する面白さがあると思う。一読の価値は十分にあると思います。

企画が進み、もしギレルモデルトロが映画化するとすればどこに力点を置くのだろうか。ワクワクが止まらないけれど、忙しい監督さんだからね。期待半分で。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.169
(5pt)

忘却の功罪

ノーベル賞受賞作家とかなると敷居が高すぎて読む気も失せるのだけど、映画監督のギレルモデルトロが映画化するとかいうニュースがあって、それで興味を持って読んだ。

以下、あらすじでは無いけれどネタバレ的要素のある感想となります。

アーサー王伝説を下敷きに忘れるという事の是非を個人と国家という極端な物差で量ろうとした労作と感じた。苦しみや恨みを忘れることは楽しさや幸せをも忘れることだ。それでも社会というあるいは人生という歯車が回っていれば許容出来る、のだろうか?そのきしみは社会を蝕み人間から心を奪っていく。だが思い出した時その感情の大部分を占めるのは恨みか、幸せか。彼らは国家を揺るがす戦争に手を染めるのか。老夫婦はかつての過ちからのこだわりを捨て2人で島に行けるのだろうか?
その答えは読者のそれぞれの胸のうちにあるのだろう。そうした意味ではっきりとした結末を用意した作品に慣れ親しんだものには中途半端な物語ととられるのかも知れないが、そのダイナミックな文章とアーサー王伝説の味付けが効いて物足りなさは無い。物語として満足させながらさりげなく深く考察をさせるような作り方は流石な作家なのだなと思った。以上ネタバレにはなったけれどそれを凌駕する面白さがあると思う。一読の価値は十分にあると思います。

企画が進み、もしギレルモデルトロが映画化するとすればどこに力点を置くのだろうか。ワクワクが止まらないけれど、忙しい監督さんだからね。期待半分で。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.168
(4pt)

純粋小説の労作

支離滅裂な欠陥小説。小説を読むというのは一応書かれた記述を信じて読まねばならない。書き手もそれを信じて書いているはずだ。記述に矛盾があれば先行き解消されると信じて読む。それが放棄された小説なのだ。だいたい、主人公の老夫婦の旅立ちの目的が、失踪した息子を訪ねてというのだが、どこか上の空で具体的な記述がない。老夫婦の関係も怪しげで、夫が妻を頻繁に「お姫様(princess)」と呼ぶのだが、日本語として違和感があって不自然である。説明不足や矛盾に満ちた小説なのだ、それを前提と読まないと読めない。どなたかの感想に最後の数頁の記述だけで足りる小説とあったが、確かにそんな感もしないではない。そのシーンは冒頭も似たような記述があって、膨大な記述は読むに値しないと思われてくる。要するに、死を意味する島への渡航が、例えどんなに愛し合っている夫婦でも、船頭の小舟は一人ずつしか乗せられないという。死の象徴なのだろうが、ありふれた陳腐なフィクションである。しかし、考えて見れば、人生とは、小説とは違って、支離滅裂なものでストーリーの整合性がない、それを表現して、記憶喪失の社会を、古代の竜の吐く息として描いて、竜退治が設定されている。戦士によって退治されたが、その後もストーリーの進展はほとんどない。妻が訪ねていた息子はすでに死んでいて、自分たちが向う死の浄土の島に墓があるのを思い出す。以上、ネタバレ的に描いたが、ネタがばれたとしても、人生矛盾に満ちたものとすれば、ストーリーを知っていて、思わせぶりに、退屈しながら読む「純粋小説」なのかも知れない。もし、バルカン半島の戦争が下地にあるとしたら、DVD「ロープ、戦場の生命線」の方がずっとリアリティーに満ちた切実な労作である。アーサー王伝説題材では、アガサ・クリスティー作の名探偵ミス・マーブルものがある。彼女に登場願って、イシグロの心の秘密を暴いてもらいたいものだ。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.167
(4pt)

純粋小説の労作

支離滅裂な欠陥小説。小説を読むというのは一応書かれた記述を信じて読まねばならない。書き手もそれを信じて書いているはずだ。記述に矛盾があれば先行き解消されると信じて読む。それが放棄された小説なのだ。だいたい、主人公の老夫婦の旅立ちの目的が、失踪した息子を訪ねてというのだが、どこか上の空で具体的な記述がない。老夫婦の関係も怪しげで、夫が妻を頻繁に「お姫様(princess)」と呼ぶのだが、日本語として違和感があって不自然である。説明不足や矛盾に満ちた小説なのだ、それを前提と読まないと読めない。どなたかの感想に最後の数頁の記述だけで足りる小説とあったが、確かにそんな感もしないではない。そのシーンは冒頭も似たような記述があって、膨大な記述は読むに値しないと思われてくる。要するに、死を意味する島への渡航が、例えどんなに愛し合っている夫婦でも、船頭の小舟は一人ずつしか乗せられないという。死の象徴なのだろうが、ありふれた陳腐なフィクションである。しかし、考えて見れば、人生とは、小説とは違って、支離滅裂なものでストーリーの整合性がない、それを表現して、記憶喪失の社会を、古代の竜の吐く息として描いて、竜退治が設定されている。戦士によって退治されたが、その後もストーリーの進展はほとんどない。妻が訪ねていた息子はすでに死んでいて、自分たちが向う死の浄土の島に墓があるのを思い出す。以上、ネタバレ的に描いたが、ネタがばれたとしても、人生矛盾に満ちたものとすれば、ストーリーを知っていて、思わせぶりに、退屈しながら読む「純粋小説」なのかも知れない。もし、バルカン半島の戦争が下地にあるとしたら、DVD「ロープ、戦場の生命線」の方がずっとリアリティーに満ちた切実な労作である。アーサー王伝説題材では、アガサ・クリスティー作の名探偵ミス・マーブルものがある。彼女に登場願って、イシグロの心の秘密を暴いてもらいたいものだ。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.166
(4pt)

イメージ通りの作品

イメージ通りの作品で、購入してよかったと思います。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.165
(4pt)

イメージ通りの作品

イメージ通りの作品で、購入してよかったと思います。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.164
(5pt)

巨人の肩に乗る小人

忘れられた巨人 というタイトルを見て
「巨人の肩に立つ……」というニュートンの手紙の言葉を思い出した。

本を読み進めると、
登場人物はどうやらいろいろ「忘れている」ようで
身近な環境の「今」しか見えていない。
多くの人が、非科学的な
よくわからない動機で行動しているように思え、
もどかしい。

ただ、現代の日本人もそうなんじゃないかと思える。
自分の親や祖父母の生きた歴史を
よく知らないし、
特別知ろうとも思わない。
合理的、効率的に行動しているようで、
何のための合理性なのか効率なのか。
先人は何を積み上げてきたのか、
金を集めることか?
何か大切なことを忘れているのではないか。

大きな話をしているのではなくて
もっと小さな範囲で、
そして、周囲の人が持つ……「巨人性」とでも言うのだろうか、
知識や、技術、生きる力に関心を寄せることが
相手に対する本当の愛情なんだろうと、そう考えさせられた。

過疎の町を尋ねると、もうすぐ、
ここに人が暮らしていた痕跡が消えてなくなるのだろうと
思うことがある。

ただ、思い出せばいいというものでは無い、
巨人の肩の上に乗ることを忘れた人たちが迎える末路を、
この物語は暗示しているように思えた。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.163
(5pt)

巨人の肩に乗る小人

忘れられた巨人 というタイトルを見て
「巨人の肩に乗って……」というニュートンの言葉を思い出した。

本を読み進めると、
登場人物はどうやらいろいろ「忘れている」ようで
身近な環境の「今」しか見えていない。
多くの人が、非科学的な
よくわからない動機で行動しているように思え、
もどかしい。

ただ、現代の日本人もそうなんじゃないかと思える。
自分の親や祖父母の生きた歴史を
よく知らないし、
特別知ろうとも思わない。
合理的、効率的に行動しているようで、
何のための合理性なのか効率なのか。
先人は何を積み上げてきたのか、
金を集めることか?
何か大切なことを忘れているのではないか。

大きな話をしているのではなくて
もっと小さな範囲で、
そして、周囲の人が持つ……「巨人性」とでも言うのだろうか、
知識や、技術、生きる力に関心を寄せることが
相手に対する本当の愛情なんだろうと、そう考えさせられた。

過疎の町を尋ねると、もうすぐ、
ここに人が暮らしていた痕跡が消えてなくなるのだろうと
思うことがある。

ただ、思い出せばいいというものでは無い、
巨人の肩の上に乗ることを忘れた人たちが迎える末路を、
この物語は暗示しているように思えた。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.162
(5pt)

もっと先を読みたい

少しずつ少しずつ、読みました。時間をかけて読み進みながらも、いつでもその場に戻れる作品でした。
初めてのイシグロさんの作品でしたが、もっと先が読みたい、と思わせるものでした。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.161
(5pt)

もっと先を読みたい

少しずつ少しずつ、読みました。時間をかけて読み進みながらも、いつでもその場に戻れる作品でした。
初めてのイシグロさんの作品でしたが、もっと先が読みたい、と思わせるものでした。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369
No.160
(4pt)

恐ろしい選択の予感と僅かの希望

老夫婦の、些細なことを忘れているという疑問から始まる旅路の結果はとんでもなかった。
個人の記憶の忘却どころか、民族間の歴史まで忘れられていたというスケールのでかさに驚いた。ううむ、これは悩む。本当にこれでよかったのかと悩む。忘却の霧がはれたら、待っているのは血で血を洗う未来……。しかし忘れたままの歴史の積み重ねは不自然。ならば痛みを伴っても、人間はあるがままの記憶を受け入れなければいけないのだろう。
唯一の救いは、戦士との約束「すべてのブリトン人を憎む義務がある」を徹底しようとするサクソン人の少年が「でもこのやさしい夫婦も含めろとは言わないだろう」と思う部分。民族間の憎しみのなかにも、個と個とのつながりから生じる希望が感じられる。但し、その老夫婦は最期には離れてしまっている。それもまた人の罪と罰なのだとしたら、やるせない。

内容は文句なしの☆5ヶ。ただ基本は三人称なのに、時々一人称になったり。妻への語りかけが「お姫様」連発なのが少々気になりました。
忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)より
4151200916
No.159
(4pt)

恐ろしい選択の予感と僅かの希望

老夫婦の、些細なことを忘れているという疑問から始まる旅路の結果はとんでもなかった。
個人の記憶の忘却どころか、民族間の歴史まで忘れられていたというスケールのでかさに驚いた。ううむ、これは悩む。本当にこれでよかったのかと悩む。忘却の霧がはれたら、待っているのは血で血を洗う未来……。しかし忘れたままの歴史の積み重ねは不自然。ならば痛みを伴っても、人間はあるがままの記憶を受け入れなければいけないのだろう。
唯一の救いは、戦士との約束「すべてのブリトン人を憎む義務がある」を徹底しようとするサクソン人の少年が「でもこのやさしい夫婦も含めろとは言わないだろう」と思う部分。民族間の憎しみのなかにも、個と個とのつながりから生じる希望が感じられる。但し、その老夫婦は最期には離れてしまっている。それもまた人の罪と罰なのだとしたら、やるせない。

内容は文句なしの☆5ヶ。ただ基本は三人称なのに、時々一人称になったり。妻への語りかけが「お姫様」連発なのが少々気になりました。
忘れられた巨人 Amazon書評・レビュー: 忘れられた巨人より
4152095369