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潔白
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潔白の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 21~40 2/3ページ
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この本の題材には、直接的には明示されませんが元ネタの事件があります そしてこわいことに、問題のあるDNA鑑定を参考にした事件で現実に死刑がなされていること… 小説の形をとっていますが、検察、裁判所のグダグダな馴れ合いも実にリアル 最終的には同じ穴の狢です なおこの小説を読むと沢口靖子の「科捜検の女」が正義でないことがわかります | ||||
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大手出版社が大々的に宣伝した割には、愚作が多い中、この小説は面白いです。 | ||||
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恐ろしい小説である。ホラーより怖い社会派ミステリ。 テーマは「冤罪」。死刑執行後の再審請求が認められるのかという、日本では前例のない事柄を扱っている。 死刑制度反対派の最舌鋒は「冤罪の可能性」である。無実の人間を死刑台に送るというあってはならないことが、自白の強要や精度の低い過去のDNA鑑定により実際に起こっている可能性を指摘している。 もしも冤罪死刑が発覚した時の検察側の論理、司法の論理、国家の論理など社会の病や、保身に走る人間の心理なども見事に描かれており、小説の域を超えた作品に仕上がっている。ミステリとしても見事に騙される。 「‘‘社会のために‘‘という検事になった頃の初心が、いつの間にか‘‘組織のために‘‘にすり替わっていた」 という検事・高瀬の言葉が突き刺さった。初心を忘れかけた時、まともな人間に戻るのか、恥ずべき人間になるのか「私」が問われるのだ。もう一度言う、恐ろしい小説である。 | ||||
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検察組織の構造的な問題を実際の事件を通してあぶり出しながら、一方で登場人物の個々の現実描写によりリアリティがしっかりとされているので読んでいて真に迫る読み応えのある小説でした。さらに、犯人特定も二転三転あり、読んでいて全く人を飽きさせない。どんどん読み進めてしまうももでした。最後は、人としての在り方を問われているようで深く考えさせる重厚な小説でした。 | ||||
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読み始めて、すっごい勢いで読み切ってしまいました。そして、冤罪を信じる娘が家族を想う気持ちを想像しながら読むと、何度も泣きそうになった。実は、このような本は、朗読に向くかもしれないと思う。誰かの声でこの物語を聴いたとしたらどうだったかな?時々ページを捲るたびに、あれ?2ページ分めくっちゃった?と思うくらい話が飛んでいる気がして、ちょっと不思議な気分になりました。これも狙ってたりするの? | ||||
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検察と法務省が悪意で動くとき、誰も止めることができない、という現在の法機構の恐怖をグロテスクなまでに描きだした名作。 読後感はとても重い。 それ故に名作である。 | ||||
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昔の不完全なDNA鑑定によるえん罪が無かったとは到底言い切れないだろう。 警察、検察というのが、容疑者を逮捕したら事実を探求するのではなく、なにがなんでも有罪に持ち込むのが仕事だとは今では周知の事実だが、こういう作品を読むと死刑という断罪が如何に重いかということが分かる。 | ||||
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任意に開いたページを見て詩の一部かと思った。短い1行ずつが頭揃えで並び、下部はみごとに空白。少ない枚数の作品を無理くり260ページにふくらませて1500円の価格設定にするために、句点(「。」)ごとに改行するなんて、作者と読者を愚弄していませんか。こういう編集・出版サイドの横暴に対して、作者や読者ははっきりと怒りと抗議の声をあげるべきだ。 | ||||
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死刑執行後、冤罪と分かる、という衝撃的な内容。再審請求を何とか阻止しようという検察と、父の無実を知り生涯をかけて汚名返上を戦う娘。中で出てくる実際の冤罪事件や清水潔氏の本の中の引用も、私自身が過去に読んだ内容と全く同じである。 テーマも興味深く、引き込まれる様に読んだが、真犯人への展開は無理があったように思う。 衝撃のラストは、実話であってこその衝撃であって、創作小説の中でそれを披露されても、あまりにも都合が良過ぎて、返って、ストーリーの価値を下げてしまったように思う。 | ||||
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になるかもだけど、結構早い段階で犯人が分かってしまった。それでもなお面白く読み進めれるのだが 断罪の仕方が?だった。ある意味一番楽な方法だと思うので。 | ||||
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事件の犯人として逮捕・起訴されたら、ほとんどが有罪になる。 不起訴や起訴猶予も結構あるそうだから、確実に有罪にできる容疑者だけ 起訴していると言われるかもしれない。だが、この小説に書かれたよ うに、証拠をでっち上げて犯人を作ってしまうと言ったことも実際に 行われているのは、再審で無罪が確定したいくつもの冤罪事件を見れば明らかだ。 「組織を守るために」「権威を守るために」警察・検察と裁判所までがグルに なって、不真正な証拠で有罪判決を確定させ、再審の道も閉ざしてしまうのは、 フィクション小説の世界だけではなく、現実の世界でも起こっている。 いったん「犯人」という濡れ衣を着せられたら、無罪を勝ち取るのがいかに 難しいかが改めて分かり、恐ろしくなった。 ただ、現実の世界では、こういう結末になることはまずないだろうと思われるので、 ラストで少し興ざめした。 | ||||
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司法の腐敗は現実。最近、発見して驚愕したのは、最高裁判事に昨年就任した木澤克之は、加計孝太郎の同窓同期、前職は加計学園監事、 立教大学出身者初の最高裁判事である事。権力者による国家の私物化が三権の府である司法でも行われているわけです。この国で権力機構、 権力者と対峙した場合、一般国民が小説のようなハッピーエンドを迎えられる事案はますます減少するでしょう。第二、第三の前川氏の 登場をリアルに望みます。 | ||||
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初期のDNA鑑定による法の裁きに対して一石を投じています。 それと検察の権力を行使した強引な手法に対して痛烈に批判しています。 延いては、人を省みず、司法の絶対的な威信に対して問題提起しています。 合わせ技のような煮え切らない情況証拠による判決にも煮え切らなさを力説しています。 決して組織として成り立つように、人を裁くものではないこと。 疑わしきは罰せず、三現主義に基づく科学的な証拠により裁くものであること。 法の裁きは、本人だけではなく、家族や親族を巻き込み、多くの人たちの人生を狂わせてしまうのです。 頁数の少ないミステリー小説ですが、中身は濃く、要所要所を切り返し、しっかり押さえています。 | ||||
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死刑が執行されてからの再審請求という意味では、ほかの方も触れられているが「飯塚事件」がモデルになっている。加えて、1990年代前半のDNA鑑定が証拠として採用されていることなどを含め、ほかにも類似点はいくつかある。ただし本作が描きたかったのは、第一が司法の“暴力”で、第二は冤罪は真犯人を結果的に野放しにしていること、さらに“世間の目”ということだろう。 検察や警察が一度出た結果に固執すること、証拠の隠蔽・ねつ造が行われていること、裁判官と検察官の“近さ”、出世しか頭にない裁判官たち。これらは、お隣の中国以上に高い99.9%の有罪率と無関係ではあるまい。そういった意味では、高瀬検事の存在に救われる部分は少なくない。 また、本作のなかで免田事件に関する一般の人の反応の一つが書かれているが、同じような問題は冤罪事件のほとんどであり得ることだ。マスコミなどの対応を見ても、一見弱者寄りでありながらも実は司法行政を背後から支えている実態に触れられている。 ミステリーとしての仕掛けについては、“伏線”が微妙だが、それなりに面白い。ただ、ガチガチの本格ではないのだから、登場人物それぞれの心理や苦悩などが、もう少し深く掘り下げてあったらと思ってしまう。 | ||||
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のめり込んで一気に読みました。”冤罪”、加害者とされた家族の苦しみや悲しみ。まるで映画を観ているようで目の前に映像が広がっていきました。登場人物全てが個性的で人間味があふれていました。悪意も良心も持ち合わせているのが人間。権力を得たいと思い、保身に走るのも人間だし、後悔を胸に苦しみ続けるのも人間。批判的なご意見も少しあるようですが、間違いなく楽しめた一冊でした。次の作品に今から期待してしまいます。 | ||||
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死刑執行済み案件の冤罪をめぐる被害者遺族と検察の駆け引きは手に汗握る展開で、最初から最後まで一気読みするほどおもしろかった。 MCT118というDNA鑑定の欠陥性の隠蔽、証拠物件を巡る言い訳、最高裁の人事異動など、なりふり構わず組織防衛に走る検察の仕打ちは凄まじかった。また、灰色の無罪という、無罪であっても誰もがそれを信じるわけではなく、罪を被せたまま形だけ無罪にするという卑劣な方法もあり、何が正義なのか分からなくなってくる。 「社会のために」という初心の気持ちがいつしか「組織のために」にすり替わり、組織防衛の論理を積み重ねていつか人を殺すことになり、それを見て見ぬふりをする。ある検事が語った腹の内はまさに核心をついていると思った。 それでも、決して諦めず父親の無罪を証明しようとするひかりの姿勢には感銘を受けた。最後には衝撃の真実が明らかになり、何度も驚かされた。 | ||||
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何かを批判するならよりよい物を提案する創造性が必要になります。事実を多少混ぜることによりフィクションを現実と錯誤させたいのでしょうがそちらの想像は暴走してます。 | ||||
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手に汗握って一気に読了!話題になった「文庫本X」を読んで感銘を受けた人は、引き込まれることだろう。リアリティのあるサスペンスドラマ。おそらく筆者は、「飯塚事件」をモチーフにしていると思う。 | ||||
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これだけならネタバレにはならないだろう。この作品の冒頭、とういうよりエピローグは、件の死刑囚が房から出され、執行される場面で始まる。これがいけない。教誨師として、カトリックの若い神父が来ていて、死刑囚とのやりとりがある。ところがどうやら仏教の僧侶もいるらしく、執行直後に読経と続く。これはあり得ないだろう。死刑を扱う作品として、これは不注意にすぎる。以後、没入しては読めなくなってしまった。何か、あらを探すという読み方になり、非常に残念である。死と宗教はことの表裏とも言える。こういうテーマで作品を書くなら、そこは軽く扱ってほしくない。 | ||||
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冤罪を防げない検察と司法の組織的な腐敗。非常に重いテーマが上質のエンタテインメント性と結びついた稀有な作品。 冒頭、事件を語る登場人物のモノローグが並び、通奏低音のように作品全体の重いトーンを奏でる。ヴィスコンティの「ルードヴィッヒ」のような重厚感。するっと引き込まれた。 第2章ではヒロインの人生が淡々と、しかしゆかしく語られる。男性陣も面白いが、わたしはとりわけこのヒロインが気に入った。彼女への共感で一気に最後まで読んでしまう。「見たこともない女の影」として現れる登場の仕方も絶妙。 とにかく作品の構成がオリジナルでとても上手い。あす早く起きなくてはと思っていても本を手放せない。視聴者の関心を引き付けることが命のテレビ業界でキャリアを積んだ作者の力量か。読み手をぐいぐいと引っ張っていく。 個人的には、作者の最大の魅力は日本の作家にはあまりない本当のロマンチシズムとエレガンスだと思っている。人生にはこんな心震える瞬間もあるのだという充足感を何度も感じさせてくれた。 アート作品の評価には満点をつけない主義です。次を見たいから。 | ||||
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