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闇の子供たち
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闇の子供たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全116件 101~116 6/6ページ
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あまりの生々しい性描写の連続に途中何度も読み進めるのを止めようと思った。後半、人権団体の組織活動を中心に大人の?恋愛に話が移っていくことにより、なんとか最後まで読むことができた。この設定は梁先生の小説の中でも珍しい部類ではないだろうか。展開は、春江先生の「カリナン」と似ているかもしれない。逆にこのような場面を盛り込み、前半のエグさを中和しなければ最後まで読むことはできなかった。「おれと一緒に日本へ帰ろう」と彼が語りかける場面、どこかで聞いたことのあるフレーズだと思った。そうだ。ビルマの竪琴だ。彼女は現代の水島上等兵であり、重い十字架を背負って生きることを決意した女性である。なにもなかったかのような彼女の台詞「さあ、みんなで食事を作りましょう」このフレーズに自分はシュールなものを感じるとともに涙が止まらなかった。結局、問題は何も解決しておらず、中途半端な結末と思うかもしれない。コンビニのレジ横の募金箱に小銭を入れる。男はこの程度のことで贖罪が成り立つと感じている。「自責と他責」物事を自分自身のこととして捉えることができるか?一人の女性から教えられることが、男には多すぎる。国家、政治、宗教すべてを超越して、打算のない善意という尺度で見ると、彼女の姿はあまりに神々しく、無条件に尊敬されるべきと思う。「寄付」は物乞いではない。「ボランティア」という言葉のもつ意味をもう一度考えたくなった。 | ||||
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幼児売春や臓器売買のことは知識として知っていたが、その実情はあまりにも酷いものだった。もちろん、本書は完全なフィクションである。だが、ここに描かれている惨状が醜く強調された絵空事だとは思えない。これは信じたくはないが、現実に起こっていることなのだ。 この問題は、おそらくとても根が深い。貧困だけでなく、政治、思想、宗教までもが絡んでくる。この悲惨な現状を阻止しようと地道な活動を広げているボランティア団体の活躍も空しく、闇の組織に一矢を報いることもできない。 子どもたちは身を守る術もなく、蹂躙の運命に呑み込まれてゆく。読んでいて涙が止まらなかった。八歳で売られたヤイルーンとその妹センフーの悲惨な運命には憤りで胸が苦しくなった。この姉妹は、いったいなんのためにこの世に生を受けたのか。 本書は確かに問題作である。読み通すには、限りない忍耐と痛みに耐えなければならない。 梁石日の筆は、いつになく性急だ。本書の内容ゆえのことだろうか?少し違和感があった。 しかし、それだからこそ鬼気迫る筆勢に圧倒されたのも事実だ。 もう一度言おう。本書は問題作だ。 あらゆる意味でこれほど絶望感を与える本もないのではないだろうか。 子どもは無条件に守られる存在である。子どもは庇護を必要とする存在である。子どもは無条件の愛で包まれるべき存在である。すべての人に問いかけたい。そうではないのですか? | ||||
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限りなくフィクションです。 タイやベトナムなどで今も行われてる人身売買・・ 人は自分の環境と全く違う物は意識して見ないようにしたいです。 「闇の子供たち」を単純に小説としてアラ探しするような事は違うと思う。 よくぞここまでリアルに生々しく書いてくれたものだ・・ これぐらいインパクト与えないと 僕ら平和な日本にいてる人間は理解できん ペドファイル(小児性愛者) 全員死ねーーーーーー!!!! | ||||
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前半のタイでの人身売買・売春の実態の凄まじいばかりの描写は著者の真骨頂ともいうべきもの。 貧困がひと一人の命の価値を限りなく軽くする。 ただ後半の展開は微妙。犠牲になる子供を救おうとする主人公の日本人NGO職員の葛藤。 根底の原因が貧困である以上、NGO活動の対症療法が問題の根治には繋がらないという著者・読者の共通認識があるからどうリアリティを出そうとしても偽善臭が消せない、と思うのはあまりにもうがった見方でしょうか。 一人や二人の子供を救ったところでどうなる、というメッセージは本書でも繰り返し発せられていますが、わたしは中途半端な希望を見出すような展開は不要、興醒めであると思いました。 | ||||
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世の中には、小説の形をとったノンフィクションの作品がたくさんあります。 これも、その一冊といえると思いますが、だからこそ「世の中の現実」がリアルに見えてくるような気がしました。 「苦痛は高いところから低いところに流れる」とは、だれが言った言葉か忘れましたが、悲しくもそんな悲惨な現実がまだこの地球上には存在する、それを実感した一冊です。 | ||||
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幼児売買春、臓器売買など、他山の石のように思っていましたが、リアルで残酷な実態を突きつけられ、改めて、日本の豊かさや平和を実感した次第です。ベトファイルの実情が余すことなく描かれており、興味・関心がある方は、ぜひ、一読する価値のある本だと思います。また著者の梁氏の、いつもながらに人間の暗部を真正面から描く手法に、ついつい引き込まれてしまう一冊でした。 | ||||
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「これは小説なんだ…」何度もそう思いながら読み進めました。 この小説はタイを舞台に幼児が売春宿に売り飛ばされ、挙げ句生きたまま臓器売買されるというショッキングな内容と並行して、それを阻止しようとする現地NPO団体の苦悩を描いたものです。 あまりにも後味の悪い結末とともに途中何度も憤怒の涙を流した私は、気になって他の方(有名無名を問わず)のレビューも読んでみました。 大体が「取材不足」や「リアリティ不足」などとありましたが、ルポルタージュではないにしろ、ここまで肉迫した文章を小説として世に出した梁 石日氏に私は拍手を送りたい気持ちでいっぱいです。 なぜなら、フィクション、ノンフィクションの違いはあれど、火のないところに煙は立たないのです。 取材不足といわれる所以となった現実味に乏しいと言われる文脈も、あえて『小説』という仮面をかぶせたら普段問題意識のない市井の人にも提起できると感じたからです。 それは普段平和の中に身を委ねた私自身が、作中涙も枯れ果てたこども達に魂を重ね合わせられた瞬間だったからです。 | ||||
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アジアの子供を利用した幼児売春、臓器売買について書かれているが、 はじめのうちは、強烈な描写にちょっととまどいを感じました。 そのまま目をそむけたくなるような内容で簡潔するのかと思っていたら、後半はそれを阻止する社会福祉法人に焦点がおかれてきます。 読み終わってちょっと中途半端な感じをうけました。 確かにかすかな望みや、光の見える完結ではあるのですが、それにしては前半のリアルさが、後をひきます。 作者の強烈な描写が好きな人には、すっきりしない読後感があるかもしれません。 私もその1人です。 | ||||
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タイが舞台となった今回、タイが舞台というとマンゴーレイン(馳星周)などを思い浮かべるが梁石日による話の進め方が非常に不気味で、読んでいて嫌悪というより背中にヌメっとした汗をかきそうだ。 途上国と先進国のエゴ、きれいごとばかりが語られるなかで、この小説は人身売買や臓器売買といった「裏=闇」をたんたんと語る。 主人公音羽の理想論はある意味、作者流の風刺でもある、美辞麗句を並べても先進国の奢りがあるかぎりは当事者には決して伝わらない。ラストに主人公が本当のNGOへの脱皮が垣間見られるのが救いである。闇から闇へ流れる悲劇の連鎖「光」をあてる方法を我々は考えなくてはならない。 | ||||
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本書は挑発的な啓蒙書である。タイにおいて、子供たちがどのように幼児性愛者に犯されているのか、幼児の生命や身体がどのように売買されているのか、小説家の想像力によって具体的に描かれたのが、梁石日『闇の子供たち』なのである。 だが、幼児への暴力を除けば、全体としてリアリティが欠如していると言わざるを得ない。梁石日にタイ社会を描けとは言わない。問題は、日本人やNGOの描き方がなっていないことである。後半の主人公は日本人の若い女性で、日本からタイのNGOに派遣されたことになっている。彼女は、幼児売買・幼児売春に立ち向かうことになっている。普通に考えれば、彼女はタイ語や北タイ語の習得に何年も四苦八苦しなくてはならない。言葉が出来なければ、NGOの仕事にはならないからである。タイ語はかなり難しいのだ。ところが、この小説では、そういった言葉の苦労が全然書かれていない。さらに、ここに出てくるタイのNGOの設定も、全然なっていない。素人くさい職員からなる、かなり小規模なNGOということになっているのだが、機動力・資金力・政治力が信じられないほど豊富なのである。こんなNGOが存在するわけがない。 外国の社会悪を理解し、ましてや、関与するのは、この小説に描かれているほど簡単ではない。梁石日は、タイの社会悪の一部を描いてみたが、そこに立ち向かう回路を描くことはできなかった。梁石日の取材力の無さだとも言える。とまれ、梁石日をこれ以上責めるのはやめよう。社会悪と立ち向かう回路を築くのは、小説家の役割というよりは、むしろ現実の私たちの課題だからだ。露骨な暴力と悪とが、すぐ身近に存在しているのに、そのことを無視してきた私たちがいたことを本書で確認し、目覚めようではないか。そして、その問題解決に何からの貢献をしようとしている個々人がいることに、希望を持とうではないか。 | ||||
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この本はキツイよ、残酷シーンのオンパレード、正直、読んでて辛かった。タイの幼児売買、幼児売春、幼児臓器売買について書かれた本。だけどこれが日本にいては分からない世界のリアルだと思いました。現実を正面からビシッと見つめたい人にはいいかも。ヤンソギル初心者はやはり夜を賭けて、血と骨、Z,あたりがおすすめです。心臓の強い人は闇の子供たちを読んでください。悲惨だが価値はあります。 | ||||
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幼児売買、幼児売買春、幼児臓器売買…唾棄すべき重いテーマであるにもかかわらずなぜか軽く感じてしまうのは、このテーマを小説という手法で表現したからだろうか。 もしも実ルポならそこまで表現できないだろう究極の秘部も、小説だからフィクションとして表現してしまえる。それで逆に想像力の余地も残さずの状態に。 あくまでもフィクションとして表現したかったのならば、登場人物それぞれに、もっと気持ちが添いたくなるようなふくらみが欲しい。 ところで、「現代老後の基礎知識(新潮新書)」では、『タイでリッチに老後を』案も提示されていたが、この「闇の子供たち」の実態の上に成り立つ老後など許されはしない。 | ||||
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かなり評判になっていた本書をやっと手に入れて読んでみました。 貧困や暴力、差別など世界中にはこんなにあるんだな、と 改めて実感させられました。 本書に登場する子供たちに比べれば、日本の子供はなんて恵まれて いるのでしょうか? 中学生や高校生の方にもぜひ読んで欲しいと思います。 途中、冗長な部分があり星は4個にしましたが、子供たちの悲惨さを あますところなく表現している作者の表現力には脱帽しました。 読んでいて、思わず手が震えるほどのおぞましさと言ってよいでしょうか? 平和な日本で暮らす子供たちや、親たちに読んで欲しい作品だと思います。 | ||||
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海外には、貧しい人々がたくさんいるらしい。 貧しい人=お金がない人。 そんな認識しかなかった。でも違った。彼らは、 何一つとしてもってはいない。絶望すら持ってはいない。 なぜなら絶望とは希望があって初めて成立するものだからだ。 売られた子供はなにもわからぬまま、外国人の性の奴隷として訓練され、使えなくなったらゴミ収集車にポイ。 政府警察 裏でニヤニヤ私腹を肥やす。 | ||||
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梁石日にしては珍しく物語の舞台はほとんど全面的にタイ。北部山岳地帯の貧村から買ってきた幼児を売買するマフィアのルートと、これに対抗するボランティア組織の社会福祉センターのスタッフがスラムで日々幼児売買と闘う。 ニュースでも雑誌でもしばしば取り上げられる売買→売買春→臓器売買といったこの世における最も悪魔的な所業である闇のシステムに真っ向から挑んだのが本書。ノンフィクションではなくいつもながらの非情極まりないタッチで梁石日が今回抉ってみせたのは、子供たちの生ける地獄の数々。 不毛なタイの土壌の上に泥まみれ、糞尿まみれで飼育され、売買される子供たち。腎臓を売って小金を稼ぐ親たち。センターの協力者に紛れ込むマフィアの手先。薬物漬けになって子供を弄ぶ幼児性愛者たち。 所詮、外国のことではあるのだが、我が子の心臓移植のために臓器売買組織に大金を払って生きたままのタイの幼児から心臓を買おうとする日本人夫婦の拝金主義のエゴは異常に恐ろしく見えてくる。 さまざまな本で幼児虐待や売買については取り上げられているものの、本書では梁石日が有無を言わせぬ描写力でリアルなむご過ぎる部分をも世に照射してみせる。目を背けたくなるほどの地獄のページの数々。闘うボランティアたちが血に染まって倒れてゆく姿には、救いのなさ以外感じることができない。 それでも命を顧みずに不毛な闘いを挑み続ける国際ボランティアスタッフたちの闘志だけが、生きる上での絶対条件のように本の中で唯一の弱いが、それでも光であり輝きである。 悲惨さが目立つのもいつものこと。他のやり方ではこの本は書き切れなかっただろう。ノワールと言われる作風だからこそ、妥協のない現実の悲惨に梁石日は真っ向、立ち向かい得ているのだと思う。 | ||||
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前半の貧困、暴力、悲惨な子供の末路は、読んでいて苦しくなるのどの内容だ。そして、このような絶望的な状況はを解決できることはできるだろうか?と不安になりつつ、引き込まれて、どんどん読み進むことができた。 このような、状況は長いスパンでは解決できると思う。しかし、その“解決”とはいわゆる“グローバル化”と呼ばれるもので、(経済的に)悲惨さを広く薄くばら撒くもので、その“解決”が広がっていく最前線にはやはり常に、悲惨さが伴うものと思う。そして、そのスパンは数十年で、悲惨な短い一生を終える子供の生涯よりも明らかに長いものであることも、私たちは知っており、時間軸を考慮すると、現在の個々の子供たちにとっては、実際には解決策は無いことを理解できてしまう、本であった。こういった子供の状況は環境破壊(公害輸出等)とまったく同じ構図であることも、衝撃的であった。 | ||||
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