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怪物はささやく
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怪物はささやくの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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A Monster Callsは文字、デザイン、レイアウトとも実に計算されていて美しいのだが、訳書は、ここにこの文字の白抜きはないだろう!?という感じでした。特に、本文頁を拝見したときのなんともいえない違和感は、本書の最高の魅力であるイラストを裏焼きした結果であることが分かって納得。絵の左右を逆にするくらいなら、原書のイラストを裏焼きせず、開きを逆にして、もとのイラストを活かす方がまだましである。この本を所有したいならば原書を得ると満足感が高い。 | ||||
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タイトルや表紙の感じから、ちょっと怖い系かなという印象を持ちましたが、予想外に感動的な命の話で、ラストで明かされる怪物がコナーの前に現れた理由や言葉に私は涙が止まりませんでした。 重い病気にかかり苦しむ母親、学校では皆に家庭の事情が知られてしまい、腫れ物に触るような扱いやいじめまで受けてしまうコナー。そんな折イチイの木の怪物が彼のもとへやってきます。怪物はコナーに3つの物語を語り、4つ目の物語はコナーから語るように命令します。さて、コナーが語る真実の物語、本当の気持ちは―…。 物語は読む人だけを癒すでない、それを語る者の苦しみや闇を解放することでもある。そんな事実を再認識させられる話でした。 | ||||
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主人公はコナー・オマリー13歳。 両親は離婚。父は新しい家庭を築き、 現在は母と二人で暮らしていますが、 その母は重病、コナーは学校でも孤立し、いじめを受けています。 息苦しい毎日の中で、怪物の姿をしたイチイの木が現れ、 コナーも読者も別世界へいざなわれます。 イラストの力を借りて奇妙な世界を作り出すことに成功していますが、 物語がどこへ向かっていくのかもまったく分からず、とまどい 何度か本を置いてしまいました。 母の命がいよいよ危うくなってきて、 少年は自分の内面と戦い、向かい合うあたりから、 (予想外の展開に)一気に引き込まれていきました。 2009年カーネギー賞受賞作『』の 作者シヴォーン・ダウド(ガンのため死去・享年47歳)が遺した原案を SFアドベンチャー3部作"Chaos Walking"の完結編 『』で 2011年同じくカーネギー賞を受賞された パトリック・ネスが描かれた作品です。 ダウドさんご自身おかれましては、さぞかし執筆されたかった内容でしょう。 母の状態やメッセージはダウドさんのそれだったのでしょうか? 今となりましては、知る由もありません。 しかしながら、パトリック・ネスのスピード感溢れるコンパクトなまとめ方、 ジム・ケイの単行本における斬新なイラストレーションは ダウドさんの文章とはまったく別の方法で、成功しているような気がします。 Y.A.のニューウェイブかもしれません。 | ||||
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少年の心理をホラー小説として著した作品に、 ロバート・ウェストールの『』がある。 この『怪物はささやく』はそれに勝るとも劣らない小説だ。 ひとは、時にじぶんの感情を押し殺してしまうことがある。 感じていないふりをすれば、何事もなかったことになるかのように。 そんなことをしても事態は変わりはしないとわかってもいるのに、だ。 主人公コナーのもとに、怪物はやって来た。 「真実の物語」を語れと。 両親の離婚に母親の病気、学校でのいじめ、馬の合わない祖母との暮らし…。 負の連鎖を断ち切るために、コナーはじぶんのこころと向かい合う。 『』のシヴォーン・ダウドの原案を “”でカーネギー賞を獲得したパトリック・ネスが小説化した。 いじめっ子ハリーの心理や離れて暮らす父親、祖母の背景までダウドなら書いただろうと思われるが ジム・ケイのイラストが挿絵の範疇を超えてそれを補い、読者に想像させる。 年をとってからのヤングアダルト小説の楽しみは、 親やそのまた親の世代にも感情移入して読めることだ。 この本はそれも充分満たしてくれる。 《2012年6月18日追記》 6月14日発表のカーネギー賞とケイト・グリーナウェイ賞の結果を、ただ驚嘆して受け入れた。 この本の原作である""が史上初のダブル受賞。 しかも、パトリック・ネスは昨年に続く受賞なのだ。 もっともっとこのひとの作品を読みたいものである。 | ||||
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故シヴォーン・ダウトのアイデアを膨らませてパトリック・ネスが物語ります。 ガンである母親のことで頭がいっぱいなのに、学校ではいじめられてしまってシンドイコナーの目の前に怪物が現れる。それは家の庭にあるイチイの木。こいつはコナーの状況に同情はしない、それどころかコナーに非難めいた問いかけもする。3つの物語を聞かせるからそのあとお前が4つ目を物語れ。それも真実を、と迫る。 読者もコナーもそれがなんのことかはわからない。ガンで苦しむ母親を心配し、そうした沈みがちな雰囲気のためかいじめられているのだから、コナーは同情されてしかるべきなのに、何故? 物語と真実を巡るメタ要素と、コナーが抱える過酷さが重なり、やがて何かが見えてくる。 ウエストールの『かかし』を彷彿とさせる物語。挿絵もいいぞ。 | ||||
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