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(短編集)
時をとめた少女
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時をとめた少女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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記載通りでしたが、目立った破損キズなどなく満足しています。 | ||||
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昔、まだ十代の文学少女だった頃、初めて読んでヤングにハマるきっかけとなった作品が、この短編集にも入っている、山田順子さん訳による『真鍮の都』でした。 それから数十年経った今、改めて読み返して、最初にこれに出会えたのは本当にラッキーだったのだなあ、と思います。 ヤングは本物の詩人の魂を持つ人ですが、それを異なる言語で伝えるのは全く至難の業だと感じます。詩は頭ではなく、ハートとソウルで受け止めるものだからです。 言葉を通じてハートからハートへ伝えなければならない、それをやってのけちゃった山田さんは、自身も詩人の魂を持つ方なのでしょう。 この短編集は複数の翻訳家さんが、一、二篇づつ訳を担当してらっしゃいますが、どの人もそれなりにお上手です。物語の面白さは伝わってきます。だけど、魂は伝わって来ないんですよねぇ、残念ながら。 それであっても、山田さん担当の『真鍮の都』と『約束の惑星』この二篇を味わうためだけでも、詩の分かる人には、充分買う価値あり、と思います。 | ||||
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「我が愛はひとつ One Love Have I」 光速航法による宇宙旅行に付き物のウラシマ効果を、 思い切りロマンチックに使った小品。 収録中いちばん気に入った。 表題作「時をとめた少女 The Girl Who Made Time Stop」は 最近のマンガで云うところの“ハーレムもの”の走りみたい。 高橋留美子センセイの挿し絵付で読んでみたい。 巻末の解説でヤング自身の“大柄な女性に対する偏愛”を指摘されている 「花崗岩の女神 Goddess in Granie」だが、 ソレを言うなら「妖精の棲む木 ToFell a Tree」に登場する異星の巨木なんかも、 その最もたる存在だろう? 「赤い小さな学校 Litll Red Scoolhouse」 現代では、余りに多くの同工異音な作品が溢れかえって古びてしまった感が強い。 恐らく初出誌やSFマガジンに載ったッきり、埋もれた作品群の多くも、多分…。 ヤングの“忘れられた作家”たる所以か? 間違ってもバラードやウ゛ォネガット、ブラウンの如く 短編全集を編んでもらえる作家でないのは重々承知。 ・・・ではあるけれど、 本書や「ジョナサンと宇宙クジラ」「たんぽぽ娘」に入ってるみたいな、 ちょっとイイ話を見つけてまた本にまとめて欲しいものだ。 | ||||
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日本では短編『たんぽぽ娘』で有名なロバート・F・ヤングのSF短編集です(本短編集には『たんぽぽ娘』は収めされていません)。ヤングの短編集としては、先に出ている「たんぽぽ娘」(河出書房)と「ジョナサンと宇宙クジラ」(ハヤカワ文庫SF)を補完する、良い取り合わせだと思います。先の2冊には収められていない初期の代表的な作品や、後に長編化された作品を収めています。最近、『たんぽぽ娘』も含むヤングの本国アメリカでの第一短編集「The Worlds of Robert F. Young」(初版1965年)がペーパーバックで再刊されましたが、本短編集「時をとめた少女」には、この第一短編集から4編が翻訳されています(『時をとめた少女』『花崗岩の女神』『約束の惑星』『赤い小さな学校』)。 各短編の詳細は他のレビュワーの方々、yukkie_cervezaさんやデイン・ソーソン14さんが詳しく書かれていて参考になります。1点補足すると、短編『妖精の棲む樹』は「THE LAST YGGDRASIL」として後に長編化されているようです。ヤング本人にとっても、自信作だったのだと思います。 本書の表紙の絵は、他の2冊の短編集「たんぽぽ娘」、「ジョナサンと宇宙クジラ」(今の版の表紙)に比べると、少々気恥しいように感じますが、日本人として、なんとか許容範囲かなと思います。上記の英語版「The Worlds of Robert F. Young」は1965年の初版、今年の再刊ともに、表紙の絵は、『たんぽぽ娘』のようなヤングの作品の雰囲気からはほど遠いものなので、アメリカでのヤングの受け入れられ方が日本とは異なっている面があることが伺われます。 | ||||
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「時を止めた少女」は、ユーモアセンスにたけている。ヤングお得意のSFタイムトラベル・ロマンスだが、たんぽぽ娘とは違ってくすくす笑えた。キャラクターに深みを持たせ、もっと長編に発展して欲しかった作品だ。 | ||||
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◎『わが愛はひとつ』(深町眞理子 訳) 2046年、独裁的政府に疑問を呈する書を著したばかりにフィリップは拘束され、百年の人工冬眠の刑に処せられる。刑が解かれるころには最愛の妻ミランダはもうこの世にいないだろう。しかしミランダは百年の時を超えて夫フィリップと再会するために大きな決断をする…。 時間を超越するロマンスで日本の読者の胸をキュンとさせることに長けたロバート・F・ヤングらしい佳品です。百年もの間、老いることなく眠り続ける夫といかに再会するのか、ミランダが選んだ解決策は気宇壮大なSF的手段です。愛を貫くためにここまで人はできるのかと、心地よい眩暈がしました。 ▲『妖精の棲む樹』(深町眞理子 訳) 鯨座オミクロン星の惑星で人類は森林伐採事業に取り掛かる。主人公ストロングはその樹木技術員(ツリーマン)のひとり。彼はある日、ドライアド(樹の精)と思しき不思議な女性と樹林の中で出会う…。 宇宙の果てで人類が未知の種族と出逢う時、そこには侵略と被侵略の関係が繰り返されるしかないのでしょうか。ロマンチックな時間SF作家の側面ばかりに光があたりがちなロバート・F・ヤングにしては珍しく、辛口のエンディングが待ち構える作品です。 それにしてもこれはジェームズ・キャメロン監督の映画『アバター』(2009)に実によく似ています。もちろんヤングの小説は1959年発表ですから、映画のほうが小説に酷似しているというべきですが。 〇『時をとめた少女』(小尾芙佐 訳) ロジャー・トンプソンは公園でブルネットの娘ベッキーと知り合い恋に落ちるが、同じ公園でブロンド娘アレインと出会う。アレインはアルタイル星の第6惑星のブゼンボルグ国から宇宙船に乗ってやってきたという。イカレ娘の戯言と相手にしていなかったロジャーだが、やがてベッキーとアレインが知り合いだとわかり…。 30頁に満たない表題作は、不思議なユーモアをたたえた掌品でした。アレインが(疑似)科学の知識を駆使してロジャーの恋路を邪魔するのにはわけがありますが、それは読んでのお楽しみ。 ▲『花崗岩の女神』(岡部宏之 訳) おとめ座アルファ星第四惑星でマーテンは女体型の山脈を登攀しながら、来し方を回想する。出会った美しい妻レリアのこと、妻が雇った異星人のメイド、ザイラのこと…。 主人公が歩く大地や山谷が女の身体の形をしているとは。ヤングってこんなエロスを書く作家なんでしたっけ。 訳者の岡部宏之さんはもう引退されているのでこの翻訳はかなり昔になされたもののようです。「午後の飲み物をすすっていた」(172頁)には面喰いました。いまどき「sip」を「すする」と訳す翻訳者はいないでしょう。 また「かれはぎゃふんとばかり、うつ伏せに倒れた」(181頁)にある「ぎゃふん」はもはや死語です。 ▲『真鍮の都』(山田順子 訳) 22世紀のマーカス・N・ビリングズは、自動マネキン博物館の展示ロボット用に型どりするために歴史的重要人物を様々な時代から一時的に拉致してくるのが仕事だ。9世紀に遡ってアラビアの地から語り部シェヘラザードを連れて帰ろうとするが、自分の時代に戻る前に手違いで10万141年の未来に飛んでしまう。そこに魔人が現れ、ビリングズの前に立ちはだかる…。 時間飛行SFに千一夜物語のシェヘラザードとの恋を混ぜ合わせたヤングらしいファンタジー中編です。エンディングはこれまたヤングの願望的妄想がいかんなく発揮され、ロマンチックに幕を閉じます。後に長篇化されて『』になったとのことです。 〇『赤い小さな学校』(小尾芙佐 訳) ロニー・メドウズはかつて暮らしていた村に戻ってきた。そこには本当の親のノラとジムがいて、さらには懐かしい赤い小さな学校にはミス・スミスがいるはずだ。だが駅に着くとロニーはまずカーティン校長の部屋へと連れていかれて…。 教育が体制にとって望ましい人材を作っていく制度に過ぎないことを突き付ける、ホラー色の強いSFといえます。『』にこうした国家教育の恐怖を描いた物語『Examination Day』がありました(第1シーズン第6話)(原作はヘンリー・スレッサー『受験日』(小鷹信光編『』ハヤカワ文庫NV))。 〇『約束の惑星』(山田順子 訳) 抑圧された東欧の一党独裁国家のおのおのに、地球から遠く離れた惑星がひとつずつ割り当てられた。東欧圏の人々は各惑星へと旅立っていったが、ポーランド人を乗せた船だけがエンジントラブルに見舞われ目的地にたどり着けなかった…。 ポーランド人たちは予定していたのとは別の惑星にたどり着くもなんとかコミュニティを築いていきます。ですが、彼らを乗せた宇宙船のパイロットだったレストンだけはポーランド人ではありません。地球に帰還できなくなった彼は、言葉も生活習慣も異なるポーランド社会の中で暮らさざるをえません。ただひとりの異邦人レストンが感じる寂寥の念たるや、彼を押しつぶさんとするほどの巨大さです。 それでも彼が最後にたどり着いた居場所と役割を目にすると読者は確信するはずです。主人公が長年月をかけて、異邦への移住という一大事業を逞しく達成していったことを。読了後は胸に迫るものがありました。 これは宇宙を舞台にしながらも、移民国家アメリカの寓意として読むことができるSFです。 | ||||
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恋愛小説とも言えるし、純粋なSF作品とも言えるし、いくつかの観点で読める短編集。さっと読めてしまう作品なので、気分を変えたいときに読みたくなるかもしれない。個人的に気に入った作品は、「わが愛はひとつ」「時をとめた少女」。既読だった「妖精の棲む樹」は最初に読んだときより作者が主張したことを理解できた気がするくらいは楽しめた。 | ||||
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内容は本より良い事は承知して購入しております、新しい装丁もとてもきれいで気に入っています。 | ||||
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ヤングが活躍した時期を、デビューした1953年から86年までの約30年と考えると、本書には前期の作品が集められています。解説の発表年で見ると、全部で7つの中短編のうち、55年が2編で、後は56年、57年、59年、61年、65年が各1篇です。ヤングは1915年生まれですから、50歳までに発表された作品と言うこともできます。 内容のボリュームで分けると、中編が2編と短編が5編。日本での紹介歴で分けると、1970年代を中心にSFマガジンに訳載されたものが5編(うち中編2作は、創元のアンソロジーに再録されています。)、本書のために初訳されたものが2編です。 個人的には、ヤングの3冊目の短編集になります。中編2作は創元のアンソロジーで読んでいたので、再読になりました。 一番気に入ったのは冒頭の短編、「わが愛はひとつ」。1955年の作品です。「たんぽぽ娘」と同じテーマで、雰囲気も良く似ています。多分「たんぽぽ娘」の元になった作品。掲載誌の関係だと思いますが、こちらの方がSF的です。「たんぽぽ娘」より好きかも。 他の作品では、やはり中編2作が読みごたえがあります。特に65年の「真鍮の都」は、娯楽作品としては言うことがありません。小説家ヤングとして、一番脂がのっていた時期の作品ではないでしょうか?ヒロインがメイドさんみたいでそそります。オタク小説の原点ととらえたらヤングに失礼でしょうか? もう一篇の中編「妖精の棲む樹」は、失われていくものに対する感傷と時の流れの無慈悲さの対比がアンバランスな気がします。他の作品もそうですが、ヤングの小説は理屈で読む小説ではないと分かっているのですが、ついつい理屈で理解しようと思ってしまうと戸惑ってしまう話が多いように思います。 短編集「ジョナサンと宇宙クジラ」は素直に読めたのですが、すれてきたかしらん。 表紙のイラストも大好きなのですが、ちょっとあざとい気がしないでもない。「たんぽぽ娘」の方が上品ですね。イラストの元になった短編は、ラブコメなのですが、読み方によってはまったく違う印象を受けることに気が付きました。 | ||||
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