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クロスファイア
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【この小説が収録されている参考書籍】
クロスファイアの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 41~60 3/5ページ
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| 「正義とは何か」を問いかける、超能力者小説の完結編。上巻同様にこの問いかけは変わりませんが、下巻が上巻と異なる点が2つあります。1つ目は、上巻では「装填された銃」として孤独な戦闘を続けていた青木淳子が、木戸浩一との運命的な出会いを経て、どんどん女性らしく活き活きと輝いていく事。2つ目は、上巻で淳子に接触を図り、下巻で徐々に全貌が明かされる、強硬で超法規的な自警組織「ガーディアン」と、地道に真の正義を追及しようとする石津ちか子刑事との、信念のぶつかり合いが始まる事です。 「正義とは何か」という問いかけは、下巻では淳子よりもこの自警組織に向けられています。その上で重要な登場人物が、倉田かおりとその家族でしょう。淳子と同様の能力を持つ事で、苦しみ傷ついている幼い少女。苦しみながらも娘を必死に守り育てている母親。そして、娘の超能力を手放しに喜び、娘を暗殺者に育て上げようとする父親。この父親は自身も心に傷を負い、彼なりの信念や正義感を持つ事は確かですが、それでも異様で不気味だと言う他ありません。幼い実の子どもに人殺しをさせて、どんな社会を築けるのでしょう。 人間味が感じられない自警組織と対照的に、淳子はどんどん女性らしくなっていきます。本当に木戸浩一と幸せな人生を掴むようにも見えました。淳子と自警組織を一直線に結ぶ真実と、やがて訪れる結末には胸が張り裂けるような悲しさを覚えましたが、束の間であれ淳子が幸せを手にできたのであれば、それは大きな意味があったのだと思います。 主に女性としての淳子の悲しみを描いた下巻ですが、他の人間の描写も秀逸です。肉親を殺された伊崎刑事や牧原刑事や多田一樹の悲しみや怒りも丁寧に描かれ、ラストに再び登場する伊藤信恵もとても微笑ましい。超能力という一見荒唐無稽な物語の中にも、様々な人たちの絆の尊さが深く心に残る事が、宮部さんの小説の最大の魅力だと言えます。 | ||||
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| 超能力者小説とかSF小説は、実際には有り得ないものとして普通はある程度距離を置いて読むものです。そうした小説の中にはメッセージが薄い故に、娯楽と割り切って楽しめる物も多くあります。しかし宮部さんの小説にはただの娯楽としては割り切り難い、読めば決して軽い気持ちではいられなくなる、重い問いかけに満ちています。 本書を貫く問いかけは、「正義とは何か」、もっと正確に言えば、「法で裁かれない凶悪犯罪者を処刑するのは正義か」と言う事です。人間と呼ぶに値しない凶悪な犯罪者たちを、主人公が躊躇せずに焼き払って倒していく場面は、下手なアクション映画より遥かに痛快です。でもそれが果たして本当に正しい事なのかという問いかけを、様々な出来事や登場人物を通して訴えかけていく部分は、いかにも宮部さんらしい上手さだと思います。 そのための貴重な登場人物の1人が、伊藤信恵です。一時期凶悪な不良たちとつるんでいたものの、彼らに殺されかけた事で非行から手を引き、それ以来家族もろとも脅迫されている少女。この子は確かに一時期ぐれていたかもしれませんし、全くの無垢な被害者とは言えないのですが、それでもとてもやさしい少女である事が、最後まで読めばよく分かります。間違っても人を殺したり傷つけたりはしないでしょう。でもそういう人間でも標的にしかねない所に、青木淳子が考える「正義」の危うさがあるように思えます。 凶悪犯たちがメディアで英雄の如く褒め称えられながら罪を逃れ、被害者が見捨てられ苦しめられ続ける社会。犯人たちを絶対に許せない、傷つけられた人たちのために自分の特別な力を使いたいという青木淳子の気持ちは、痛いほど理解できます。しかしそれが本当に被害者の望む事なのか、法で裁かれない悪とどう戦うべきなのか、正義とは何か。単なるアクション小説と割り切らず、本書から色々な事を考えて頂きたいと思います。 | ||||
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| 発火能力者と聞けば、火を出して燃やしまくるイメージだが、この本では発火の衝撃で敵を倒したりするというイメージが素敵。 終盤にかけてのわくわく感は読んでて楽しいですよ。 ただ少しエピローグが物足りない感がしました。 | ||||
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| 他の方々も多く指摘していますが、この本はSFでもホラーでもミステリーでもなく、紛れも無いラブストーリーです。 上巻は戦い続ける孤独なヒロインを描写し、下巻ではその相手との出逢いを書いています。不幸続きで自我を守るために戦うヒロインがようやくたどり着いた愛の末の悲しい結末。 彼女の気持ちを思うと実に切ない。何とか幸せになって欲しいと思いました。なんともやりきれない最悪の形のバッドエンドだけど、熱いバトルとの対比でしみじみとした読後感でした。傑作。 | ||||
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| 実は宮部作品を読むのは、この小説が初めてです。 主要登場人物に女性が多く、彼女達の心理描写の細やかさとリアリティが、超能力処刑人という設定の荒唐無稽さをカバーしていて自然に読めました。(これは結構凄いことだと思う。) 逆に、細かい心理描写は女性キャラについてしか書かないという徹底した姿勢は潔くもある一方で、僕のような男性読者には読み足りないものがあったのも事実です。特に処刑シーンが続いてパワーで押せる上巻と違い、恋愛が絡んできて心理描写が中心になっていくこの下巻にはその傾向を感じました。 とはいえ、総合的にはクライマックスからラストの主人公の哀しさには十分感情移入できたので、星を4つつけます。 | ||||
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| 実は宮部作品を読むのは、この小説が初めてです。 主要登場人物に女性が多く、彼女達の心理描写の細やかさとリアリティが、超能力処刑人という設定の荒唐無稽さをカバーしていて自然に読めました。(これは結構凄いことだと思う。) 逆に、細かい心理描写は女性キャラについてしか書かないという徹底した姿勢は潔くもある一方で、僕のような男性読者には読み足りないものがあったのも事実です。特に処刑シーンが続いてパワーで押せる上巻と違い、恋愛が絡んできて心理描写が中心になっていくこの下巻にはその傾向を感じました。 とはいえ、総合的にはクライマックスからラストの主人公の哀しさには十分感情移入できたので、星を4つつけます。 | ||||
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| この時代の宮部みゆきは、彼女の一つの頂点だったと思う。 (近年の作品は、あまりに庶民オバサン的体臭が強すぎ、読んでいてワクワク出来ない) 欲を言えば、短編である姉妹作品「燔祭」の方が、より凝縮されていて魅力的。「燔祭」なら間違いなく星5つだった。 なんと言っても、名前からして目立たない「青木淳子」というキャラが魅力なのだが、映画でこの役を矢田亜希子がやってしまい、「どう見ても『平凡で地味で目立たない』とは思えねーだろ!?」と不満だった。 | ||||
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| 宮部さんの作品は結構超能力とかを取り扱っている作品が多いのですが、その中でクロスファイアはなかなか読み応えのある物だと思います。 同作者の「龍は眠る」も秀逸の内容でしたが、この作品は少し古くささを感じさせます。反対にこちらは、新しさみたいなものを感じさせます。 現代小説といった所にテーマを合わせているのでしょうか、時間の無い現代人に非常に読み進めやすい文章で、どんどん読者を物語に魅了させます。 そしてラストは、非常に綺麗な終わり方でした。バッドエンドのように思えるかもしれませんが、これはきっと主人公の淳子にとって、ハッピーエンドなのかもしれない。読み終わった後そう思いました。 | ||||
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| 超能力を持った人間が、悪人を成敗する。当然、公的権力=警察権力と対立する。この構図は「デスノート」を思い起こさせる。似たような展開があり共通点がある。ただし、順序から言えば「クロスファイア」は1996年からの作品、「デスノート」の文庫化は2004年である。 「デスノート」原作者大場つぐみが本書を読んだことは間違いないだろう。もちろん「デスノート」は魅力ある作品で独自性もあるので難癖をつけるつもりはまったくない。ということで「クロスファイア」は「デスノート」を思い出しながら、比較しながら読むという面白さがあった。 | ||||
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| 今までで一番好きな作品です。上巻の1ページ目で泣けます。 淳子に関してはみなさんのおっしゃるとおり。 それでも、人間になって、恋して迎えた結末以外の結末を、願って止まない本です。 そしてもう一人の主人公といっても過言ではない木戸浩一を憎めないのはなぜでしょうか。 私の住む北海道は半年が冬です。 白い息を吐くたびに、この恋を思い出します。 | ||||
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| 今までで一番好きな作品です。上巻の1ページ目で泣けます。 淳子に関してはみなさんのおっしゃるとおり。 それでも、人間になって、恋して迎えた結末以外の結末を、願って止まない本です。 そしてもう一人の主人公といっても過言ではない木戸浩一を憎めないのはなぜでしょうか。 私の住む北海道は半年が冬です。 白い息を吐くたびに、この恋を思い出します。 | ||||
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| 友人にすすめられて読みました。 切ないです、とっても。 ラストは泣いてしまいました。 上巻はばっさばっさと悪い奴らをやっつけていきますが、 下巻は仲間と出会いラブストーリーな展開さえあります。 がしかし・・・。 何が正義だろう?と考えさせられます。 悲しい。かわいそうな淳子。でも納得。 実に読み応えのある作品でした。面白かったです。 | ||||
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| 友人にすすめられて読みました。 切ないです、とっても。 ラストは泣いてしまいました。 上巻はばっさばっさと悪い奴らをやっつけていきますが、 下巻は仲間と出会いラブストーリーな展開さえあります。 がしかし・・・。 何が正義だろう?と考えさせられます。 悲しい。かわいそうな淳子。でも納得。 実に読み応えのある作品でした。面白かったです。 | ||||
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| 正直なところ題名のいかにもSFなところと、出版社が幾分マイナー気味なイメージがあったところから、宮部みゆきの作品とはいえ、あまり期待していなかった。 が、やっぱりおもしろい。あっという間に読めてしまう。同時に読み始めた「県庁の星」はまだ3分の1しか読めていないのに、これは上下とも読んでしまっていた。。。 この本の楽しみ方は、こうだと思う。とにかくだれがだれの敵なのか、見方なのか、これがめまぐるしく変化していく。この動静に一喜一憂すること。 最後の最後まで展開しています。したがって最後の最後まで楽しめます。 | ||||
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| 正直なところ題名のいかにもSFなところと、出版社が幾分マイナー気味なイメージがあったところから、宮部みゆきの作品とはいえ、あまり期待していなかった。 が、やっぱりおもしろい。あっという間に読めてしまう。同時に読み始めた「県庁の星」はまだ3分の1しか読めていないのに、これは上下とも読んでしまっていた。。。 この本の楽しみ方は、こうだと思う。とにかくだれがだれの敵なのか、見方なのか、これがめまぐるしく変化していく。この動静に一喜一憂すること。 最後の最後まで展開しています。したがって最後の最後まで楽しめます。 | ||||
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| 主人公が悪人を次から次へと屠っていく姿の描写が巧く、迫力があります。 さすが宮部作品です。爽快感すら感じます。 ただその爽快感は凶悪化の一途をたどる現代の犯罪事情、 犯罪者に分相応な処罰を下せない法律に対する不満の裏返しなのでしょう。 標的を追い詰めていく主人公、主人公を追う警察関係者… 二重に構成された追いかけっこが、話の展開をスリリングにしています。 私としてはかなり満足度の高い作品です。 | ||||
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| 独特のパイロキネシスの演出や力を持て余してる描写が上手く、 青木淳子の能力の高さが良く伝わってきました。 また、出てくる悪役も良い塩梅で嫌な奴で、 それを強力な力で倒す青木淳子がカッコ良く爽快感溢れる作品でした。 | ||||
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| 自分が好きな宮部みゆき女史の「理由」や「火車」といった社会派推理小説と趣が異なるようであったが、本書を購入しました。上巻途中までは念力で火を意のままに操れることができるという、私が今まで読んでいた宮部女史の作品には余り目にすることのない(彼女が手がけた他のSFは読んだことが無かったので)主人公に対して何故そこにいるのか、どういう経緯を辿って今にいいたったのか、というところに説得力を感じることができず、「こんな筈ではないのに」という気持ちを抱えながら読み進んでいました。ところが上巻中盤以降、主人公を含めた登場人物の背景に厚みが増し、彼らが行きつ交じりつする内に、作者お得意の個々の細かい事象を積み上げ、それらを絡ませ、今起こっている事実に必然性が付け足されるにしたがって説得力も増し、ラストに向かって丁寧に広がっていた糸が見事に一本に束ねられていきます。主人公だけでなく、事件が終わった後に登場人物それぞれにそれぞれのラストも用意されています。読み終わってから、上巻の途中で投げ出さなくて良かった、と素直に思いました。個人的には、社会派推理小説の旗手として、小説という作り話に細かな背景を描きこむことでフィクションに説得力・現実感を持たせる宮部女史をもってしても、一般的には非現実的とされる超能力者の主人公に説得力を持たせることは残念ながらできなかったと思いますが、ラストに至る怒涛の展開とそれを纏め上げる手腕は味わって損はないと思います。一度、読まれてみては如何でしょうか。 | ||||
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| 自分が好きな宮部みゆき女史の「理由」や「火車」といった社会派推理小説と趣が異なるようであったが、本書を購入しました。 上巻途中までは念力で火を意のままに操れることができるという、私が今まで読んでいた宮部女史の作品には余り目にすることのない(彼女が手がけた他のSFは読んだことが無かったので)主人公に対して何故そこにいるのか、どういう経緯を辿って今にいいたったのか、というところに説得力を感じることができず、「こんな筈ではないのに」という気持ちを抱えながら読み進んでいました。 ところが上巻中盤以降、主人公を含めた登場人物の背景に厚みが増し、彼らが行きつ交じりつする内に、作者お得意の個々の細かい事象を積み上げ、それらを絡ませ、今起こっている事実に必然性が付け足されるにしたがって説得力も増し、ラストに向かって丁寧に広がっていた糸が見事に一本に束ねられていきます。主人公だけでなく、事件が終わった後に登場人物それぞれにそれぞれのラストも用意されています。 読み終わってから、上巻の途中で投げ出さなくて良かった、と素直に思いました。 個人的には、社会派推理小説の旗手として、小説という作り話に細かな背景を描きこむことでフィクションに説得力・現実感を持たせる宮部女史をもってしても、一般的には非現実的とされる超能力者の主人公に説得力を持たせることは残念ながらできなかったと思いますが、ラストに至る怒涛の展開とそれを纏め上げる手腕は味わって損はないと思います。一度、読まれてみては如何でしょうか。 | ||||
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| 私の中の宮部みゆき作品NO1。「理由」「龍は眠る」「レベルセブン」「火車」「魔術はささやく」・・・好きな作品は多いけれどこの作品が文句なくNO1。 彼女の作品は勧善懲悪な物が多く、故に安心して読めるのだけどこれはそうは行かなかった。無敵の超能力を持ちながら、どこか安心して見ていられない主人公青木淳子。彼女の生き様をご堪能あれ! | ||||
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