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(短編集)
希望荘
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希望荘の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全72件 41~60 3/4ページ
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杉村三郎シリーズを読むのは久しぶりでした。大好きな作家さんなので【誰か】から2作目までは読んでいたのですが、どうも主役である彼の立ち位置というか、もっと言えばその原因とも言える彼の妻の菜穂子さんもどうにも好きになれず(笑)何となく遠のいていたのです。 ところが問題のシリーズ3作目にてアッと驚く展開に…。宮部先生、初めからそういう筋書だったのでしょうか? 私にとっては微妙な立ち位置だった杉村さんが“探偵”として新たにデビュー!と、いってはナンですが立ち上がってきた事に喜びを隠せません(笑)久しぶりに宮部先生の現代ものミステリーを読むことが出来ました。 連投の喫茶店マスターは勿論、新しく杉村さんの周りを固める面々も“らしい”人達が沢山でウレシイなぁ。そしてやっぱり宮部先生好きだなぁ!実は…未だに前作は読んでいないのですが、この新シリーズの続編が楽しみです。 | ||||
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他の皆さんも書いてますが、杉村さんが元気で良かったです。 前回がアレなので、どう続けるのかと思っていましたけど。。。 今回も重たい話が多いし、ハッピーエンドじゃないけれど暗いばかりでもない、 考えさせられる話が多いな、という印象を受けました。 犯罪加害者になってしまったために、世の中に居場所がなくなった人。 自分のせいで家族が死んだかも知れない、と自分を責め続ける被害者遺族。 自分だってもっと幸せになっていいはず、と犯罪に手を染めてしまう人。 誰かのために犯した犯罪だけれど、自分は許されてはならない、と幸せを拒む人。 今は事件が起こるとSNSですぐ「死刑にしろ!」と騒がれる時代ですが、 加害者であれ被害者であれ、それぞれの事情や思い、いろいろ背景があるんだよ、 という当たり前のことがさりげなく書いてある本だな、と思います。 また、マスター始め、周りの人たちが相変わらずユニークで温かくて素敵です。 今回登場した人たちは次作以降も出続けてほしいです。特にトニーが。 次の作品も楽しみです。 | ||||
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主人公を杉村三郎にしたので、この短編集でも、主人公は過去のバスジャック事件や妻の不倫と離婚などのしがらみを引きずって生きでいる。 そのため、「杉村三郎シリーズ」を読んだことがない読者には、分かりづらい箇所がいくつもあると思う。 結末の意外性はさすがだが、杉村三郎ではなく、新しく登場した他の人物(探偵A氏)の事件簿(調査簿)という形にしてくれた方がスッキリ読めた。 | ||||
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大好きです これを読んでら前作も一気に読み返してしまいました 早く続きが読みたい 宮部みゆき様続き書いてください | ||||
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宮部みゆきのこのシリーズは,楽しみに読んでいます。ストーリーの展開も無理なく,楽しく読めました。薦めます。 | ||||
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今回も意外な展開で楽しめました。今後の杉村三郎シリーズにも期待します。 | ||||
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ハラハラするような派手な展開もなく、読み返さないと覚えられない複雑な人間関係もなく、とにかく人間味あふれる探偵ストーリーが面白くて一気読み。読んだ後はどこかほっこり暖かくなり、人にやさしくなれそうな自分がいる。 いい小説って本来こういうものだなって思える作品です。 | ||||
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カンは良いが、特別に能力があるわけでもない。 目立たず、その場の空気に溶け込む。 おしゃべりではなく、ひとの話を黙って聞くことができる。 私立探偵の杉村三郎は、そんな男だ。 だから、杉村三郎の具体的描写は一切、ない。 データ集めや鋭い推理は、他の人間が分担する。 彼の最も優れているところは、かなりの頻度で事件に遭遇 することだ。 名探偵ポアロも「一般人が殺人事件に三回も遭遇するのは、 偶然ではあり得ない。」と云っていた。 事件に出会うことこそが彼の特異な才能で、そのほかは年齢以外、 背が高いのか低いのか、メガネはしているのかなど、外見不明の 探偵像が、興味深い。 | ||||
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不思議な作品だ。 ほぼ全てのストーリーが、ハッピーエンドを迎えない。 一言で言えば救いのない話ばかりだ。 さえない私立探偵杉村三郎が、下町の人情に支えられながら 些細な事件の背景にある、ほどけないままになっていた心のもつれや、 癒されることの無い心の傷に光を当てていく・・・。 ヒューマンな装丁の雰囲気から想像されるのは、 そんな物語世界だろう。 それは部分的には当たっているが、 物語が進むにつれて、様相は変わっていく。 行方不明になった老女の行方を探す話では、小狡く生きる娘が大金を手にし、 人身事故の罪と痛みを抱えて生きる友人は、何も手当てされないままに物語が終わる。 慎ましやかに生きてきた母子家庭の母と娘の物語では、 同じように恵まれずに生きてきた若者の出来心で犯した殺人によって ささやかな幸せへの道を閉ざされる。 宮部みゆきの暖かな筆致と人物造形によって、 決して読後感は悪くは無いのだが、しかし疑問が残る。 宮部ほどの作家なら、物語をもう少しハッピーな方向に変えることは簡単であったはずだ。 しかし、あえて、宮部みゆきはそうしなかった。 それは、なぜか。 前作「ペテロの葬列」は、多くの賛否両論を呼んだ。 いや正確に言えば、多くの拒否反応を巻き起こした。 誠実に生きてきた主人公・杉村が、 ラストで妻の不倫という現実を突き付けられて終わった前作。 唐突なバッドエンドは 「こんな物語を自分たちは期待していない」という、裏切られた印象を読者に与えた。 (それに対する感想は別稿に書いた) https://www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/AFPD3R0GACU4U/ref=pdp_new_read_full_review_link?ie=UTF8&page=1&sort_by=MostRecentReview#R2CRLH3Q3TEDKI その意図については、色々な推測が可能であるが ただ一つ、言えることは 宮部みゆきは、あえて、そうした。という事だ。 そしてこの「希望荘」だ。 そう考えると、色々な事がはっきりしてくる。 宮部みゆきが届けようとしているもの、 それは現代における「説話」のようなものなのだと思う。 悪い行いには悪い結果が訪れ、 良い行いには良い報いが訪れる。そういったかつての説話とは正反対のものだ。 報われない人生を歩んできた人物が、少しでもマシな人生を送ろうと犯罪に手を染めてしまう事が「ある」。 拭えない罪や傷を抱えて生きる人たち、追い討ちのような苦しみや悲しみが襲いかかる事が「ある」。 何処にでも転がっている不平等でやるせない現実が、さらなる不幸や犯罪を巻き起こしていく事が「ある」。 それは、何ともやるせない事なのだけど、それは現実に起こりうることなのだというメッセージ。 だからどうだという処方箋は与えない。 ただ、そういう現実がある事を伝えるだけだ。 人生は全く平等ではなく、 恵まれない生い立ちの人たちは、不平等なレースを出来るだけ誠実に生きるしかない。 そして、 恵まれた隣人に比べて、そういった人たちがさらなる不幸に襲われる可能性はきわめて高い。 だから、用心しなければいけない。 それは「火車」の頃からの宮部みゆきの作品を通底するメッセージではあるが、 それがより直接的な形を取ったのが本作のように思える。 そして前作への賛否両論の中で、宮部はこの作品を書き続けるモチベーションをはっきりとさせたように思う。 ある意味、この作品の中で宮部みゆきの読者へのサービス精神は最低限に抑えられているようにすら思う。 (それほど、宮部の今の時代や社会に対する危機感が高まっているという事かもしれない) このシリーズがどのように転がっていくのか。 色々な意味で楽しみになる最新作だ。 | ||||
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宮部さんの作品は、どこから読んでも完成度の高いものです。特にこのシリーズは、次はどうなるのか?楽しみにしています。この本から読んでもかまいません。必ず癖になること請け合いです。最後まで読み終えた後、もう一度始めから読み返してください。新しい発見があります。宮部作品は楽しみが一度ではなくて何度でも再発見が出来るのですね。 | ||||
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前作「ペテロの葬列」で、ラストの離婚が衝撃で・・・ 杉村さんのその後の人生がどうなるのか?とっても心配でしたが。 今回の4編の物語で、それなりに生活はなりたっていて 桃子ちゃんとも連絡はとれているようで、安心。 杉村氏はついに「探偵事務所」を開いています。 まあ、自分の事務所での仕事よりもある調査会社からの下請けで 調査員としての収入の方が多いようですけど。。。 前作からの登場人物としては「睡蓮」のマスターだけですが それでも新しく家を借りている大家さん一家や近所の人々など 魅力的な登場人物がたくさんでてきて・・・ さらなる続編も期待できそうです。 今回も、市井の人々の、その普通の生活の中で出会う 悪意や善意や、思わず落ちてしまう落とし穴などが 丁寧な筆致で描かれています。 「ああ、ああ、そういう人。いるいる!」と思える人ばかりなのに いえ、だからこそ、この小説集の中で その人々の人生に起こる出来事(事件)が、心にしみてきます。 大満足の1冊でした。 | ||||
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好きなシリーズなので期待していました。短編集なので読みごたえと言う点ではちょっと物足りない気はしましたが、それぞれストーリーは短編にもかかかわらず結構凝っていて楽しめました。同じシリーズの長編もまた読みたいです。 | ||||
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杉村三郎シリーズは全部読んでいます。 ペテロの喪失でどうなる事かと思いましたが、何とか前に進めている模様です。 心理描写の上手さは相変わらずですね。 ラストの二重身のみちょっと安っぽいイメージですが、他は短編集とは思えない濃密さで、 素直にストーリーに引き込まれます。 | ||||
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宮部みゆきの時代小説が好きで、現代小説も読んでみました。このシリーズはお勧めです。 | ||||
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大企業の御令嬢との結婚生活に終止符を打った杉村三郎は、故郷でしばし充電した(事件にはしっかり巻き込まれたけど)のち、東京で私立探偵事務所を開業していました。彼らしいな、という安堵感とともに、ドラマ版でもいい味出してた睡蓮のマスターが、本当に杉村の側でカフェを開いてたことに声あげて笑ってしまいました。彼もそうだし杉村をスカウトする蛎殻調査事務所の面々も、事務所の大家一家も、味のあるキャラクターがみっちりと揃い、杉村三郎シリーズの第二幕は万全の体制だな、という印象です。 少し気になったのは、1人娘の桃子ちゃんと頻繁に連絡を取り合っている描写が度々あったこと。今多一族とはまだ完全には切れておらず、今後また話に絡んでくるのでしょうかね。もう沢山なんですけど。 | ||||
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宮部みゆき氏の作品は、どれも人間の優しさを再認識させてもらえる魅力的な作品だと思います。その中でも、この「杉村三郎シリーズ」は待ちわびている 一つです。読み終えても、また、読み返す、そんな気持ちになれる優れた内容だと思います。主人公の「杉村三郎」はもちろん、脇役の「マスター」や、近隣の 個性的な人々との人間模様が、魅力的に描かれています。次回作を待っています。 | ||||
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宮部みゆきの作品群のうち、杉村三郎シリーズは好きな部類に入る。特に、第3部があのような終わり方をしたので、杉村のその後が気になって本書を手に取った。最初、杉村の元妻である菜穂子の描写について、私は特に違和感を持っていなかった。だが、あちこちでレビューを読んでみると、特に女性読者にシリーズ投書から菜穂子に対して違和感を持つ人が多かったようだ。だが、男の私に言わせれば杉村三郎も十分に特異な人物だ。今作の描写を見る限り、杉村は離婚の際に慰謝料などは受け取っていないようだ。これは杉村らしいとも言えるが、逆に杉村三郎という人物の特異性を浮き彫りにしているようにも思える。いくら相手が大企業を一から立ち上げた立志伝中の人物の娘であろうと、離婚についての非はほぼ100%相手側にある。杉村にとっては両親との関係を絶ってまで選んだ、最愛の伴侶による最悪の裏切りなのだ。例え娘のことを考えたのだとしても、杉村の行為はきれいすぎる。血の通った男としての感情が見えてこないのである。これは、全3作にも共通している。 だが、今作で杉村は探偵稼業に足を踏み入れた。生きていれば、どんな人間も何かが変わっていく。否応なしに人の裏を見なければならない稼業を生業に選んだ杉村も、何かが変わっていくのだと思う。桃子にしてもいつまでも子供ではない。父と母の離婚の原因が何だったのか知るときが来るだろう。何かが変わった杉村と菜穂子、そして杉村と事実を知った桃子の関係がどうなっていくか見てみたい。 しかし、これで杉村と今多家(特に菜穂子と桃子)の距離はますます離れることになる。一介の私立探偵と日本を代表する企業グループのトップ一族の関係が、今のようにほのぼのと続くとは思えない。まだまだ波乱がありそうである。 | ||||
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「ペテロの葬列」のラストに、しばらく動悸が納まらないほどの衝撃を受け、その痛みを抑えたくて即購入して読了しました。 とりあえず、私にとっては、鎮痛剤としての効果はありました。 ------(以下ネタバレ含む)------ でも、主人公は前を向いて歩き出しているように見えますが、まだ心の傷が完治していないようです。 娘との会話のシーンで出てくる「かさぶた」の表現だったり、元妻との会話のシーンが一切なかったり・・・。 そりゃあ、あんな別れ方をしたんだもん、早々完治できないよねぇ・・・・。 これからも、杉村三郎シリーズは続きそうな布石を残しています。これからの展開で、主人公の治りかけの傷が完治するのか、それとも悪化してしまうのか、気になります! | ||||
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宮部さんは現代ミステリー物、時代劇物、ファンタジー物と、高いレベルで幅広いジャンルを書く作家さんですが 本作は「杉村三郎シリーズ」と名付けられた探偵杉村三郎のシリーズである。 前作では小説で描かれる事件とは別の、ある意味衝撃的な出来事で幕を閉じ、 それが探偵としてのシリーズ化を予感させるものであったが、 果たして今作の予告で杉村三郎の名前を目にした人達は、 その後の彼の探偵っぷりを目に出来ると喜んだであろうことは想像に難くない。 かくいう私もその一人ではあるが、ただひとつ短編集というのが気になっていた。 「模倣犯」「ソロモンの偽証」に代表されるように大長編を苦も無く読ませる希代の名手が、 短編で各章をストンと落とす切れ味を見せられるのか。 長編でこそ表では見えない人間の陰を描ききることができるのではないか、物足りなく感じるのではないか。 結論から言えば不安は全くの杞憂におわりました。 大事件を解決するわけではないが、4編全てに杉村三郎の人格が滲み出て、登場人物の人生の一辺が浮き彫りにされます。 特に「砂男」を読んでいるときにはあの大傑作「火車」を思い浮かべてしまいました。 これを読むだけでも購入する価値ありと断言しておきます。 杉村シリーズを未読の方が今作から読み始めてもストーリーの消化に支障はないですが、 杉村三郎が今ここにいる理由や彼の人格を自分でイメージするにはやはり初めから読まれることをオススメします。 宮部みゆきというだけで読む前から自然とハードルは高くなりますが、 それを踏まえても軽々と星4つを超える4.5です。 | ||||
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杉村三郎、ついに探偵デビュー。前作の不憫すぎるラストからどうなることかと思ったが、まあ元気そうで何より。同業の沢崎さんがずっと開店休業状態なので、三郎さんにはガンバってもらわなくては。前作『ペテロ~』同様、物語のトーンは重くシリアス。大きな仕掛けはないものの、おっとりとした三郎の一人称で、普通の人々の日常に襞のように隠れている闇やネガティブな面を浮き彫りにしていく。短編とはいえ4編とも濃密で読み応えあり。次はぜひぜひ長編を! | ||||
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