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(短編集)
希望荘
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希望荘の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全72件 21~40 2/4ページ
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探偵家業3作目? なかなか面白かった ちょっと悪の感情移入してしまいます | ||||
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1、2、3作と読み進めて、ここは引き続き読むでしょ。ってことで。 作者の描く主人公でこの杉村三郎が好きです。 常に達観して周りを観察するさまは、探偵にピッタリ。 今回は事件に巻き込まれると言うよりも、探偵なので自ら飛び込んでいます。 なので、ストーリ的には謎解き感満載の、推理小説と言う感じです。 ちょいちょい過去の背景を織り交ぜ、過去の小説を読んでいる方たちを喜ばせながら はじめてこの本を手に取った方たちにも満足のいく、面白い小説です。 さらに続編がありますが文庫本になってから購入しようか只今思案中です。 | ||||
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面白かったです。前作の微妙なところを上手く落とし込んだと思います。また、短編集ですがそれぞれのトリックも面白く、楽しめましたし、ほろりとさせられました。杉村三郎シリーズの次を読むのが楽しみです。ひとつだけ、主人公は良い人なので、いい人が集まるのはわかりますが、シリーズが続くにしたがって、なんとなく、そこまでやってくれるの?、杉村さんは特別扱い?、を、ほんの少しだけ感じます。でも面白いです。 | ||||
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杉村三郎シリーズは一応全て読了しております(誰かと名もなき毒はだいぶ以前に読み終えてしまったので、あまり記憶がないのですが…) こちらは、前作、「ペテロの葬列」で一度身辺的な意味でいろいろリセットし、探偵として再スタートを切った最初の作ということで、それまでの杉村三郎シリーズをまったく知らなくても読み進められるように思いました。もちろん、前作を読んでいると、伏線というか、時の流れを感じることができたりして、その意味で楽しみは増えると思います。 内容としては、「人の中に住む人でないものが頭をもたげる瞬間」を切り取っているという意味で、杉村三郎シリーズの根底に流れるDNAと共通していると思います。 でもその切り取り方が毎度同じではなくて、意外感があり、次はどうなるのだろう、と一気に引き込まれます。これはもうさすが宮部氏だな、と感嘆せざるをえません。 また、中編3つに区切られているので、その意味でもスピード感を持って読むことができると思います。 ただ一つ、昔から気になるのが、この方の小説に登場する若者の言葉遣いが、ちょっと若者っぽくなくて、そうは言わないのでは?と引っかかってしまうことがたまにあります。 本作p394で、高校2年生のイマドキっぽい子供として描かれている少女が、「親切ごかしで、 バカにしてる」と言うシーンがあるのですが、「〜ごかしで」というのは、あまり大人でも使わない表現なので、この場面で登場することにものすごく違和感がありました。 (その表現によほどこだわりや意味がないのならば、親切ぶって、ぐらいでいいのではないかなと…) すごく細かいですが、それでちょっと没入が削がれてしまったことがあったので、あえて星はひとつ落としました。 | ||||
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読むうちに、どんどん引き込まれていく感じはやはり宮部作品! | ||||
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宮部みゆきさんの作品は、魔界物や幽霊物は何でもありで好きになれませんが、 こういった社会派ミステリーはとても面白い。普通の人がふとしたことで犯罪 に関わってしまうというストーリー展開には説得力があります。 杉村三郎の探偵としての滑り出しも順調です。今後の活躍がたのしみです。 | ||||
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このシリーズは読み終わったあとに、なんかもやもやする事が多くてあまり好きではなかったけど、今作品はそれがなくて、面白かったです。 | ||||
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善意の小市民に芽生えた悪意。 「出来心」みたいな小さな悪意が大きな犯罪になることを 書かせたら、宮部みゆきさんの右に出る人はいないように思う。 「火車」からずっと読んでいるし、 この杉村三郎シリーズも大好きなのです。 感情移入しすぎて、杉村さんが奥さんと別れたときは ほんとうにびっくりしたくらいです。 えっ?? って二度読み、三度よみしてしまいました。 しかし、宮部さんは善人な小市民の小さな悪意、に 踏み込む深度がどんどん深くなっていっているような 気がします。 今回のこの「希望荘」と名付けられた短編集を読んでいても、 時々、ぞくっと背筋を冷たいものがはしりました。 隣で普通に笑っている人がふとした時に 自分のまったく知らない顔でいたような。 そしてその「自分のまったく知らない顔」が 暗い感情で塗りつぶされていたような。 実際の事件でも、 普通の隣人が急に大量殺人をしてしまう、 そんな事件がたびたび報道されます。 自分の中にも確実にいる、 小さな悪魔に乗っ取られないように 「善意の小市民」のまま生きていきたい。 それは実は案外難しいことなのかもしれない。 そんなことを感じさせる一冊でした。 | ||||
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宮部さんの作品は超能力者や異端である人を扱う事が多いが、このシリーズの主役である杉村さんは、お人好しで誠実な性格でどちらかといえば平凡であり、周りを固める家族や友達、仕事仲間も温かく普通人が多い。 だから身近であるし、安心して読み進める。 今回は、離婚し故郷に戻った彼が、どんな経緯で探偵業に行き着くか、どんな事件に出会いどう立ち向かっていくか、どんな人々と繋がるかが、4つの短編により明らかにされる。 犯人となる人々もほぼ普通の人で、感情移入が容易である。 さらにシリーズが続いて欲しい。 | ||||
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杉村三郎シリーズ第四作になる。前作「ペテロの葬列」で思いもかけない妻の不倫による離婚という形で幸せのカプセルから放 り出された「いい人」杉村三郎。この「希望荘」は前三作と異なり、4つの連作短編から成り立っている。彼が離婚後、 自分の田舎の山梨に帰り、実家に住みアルバイト的な仕事で気楽に生きながら、やがて東京に戻って探偵事務所を開くとい う離婚後の「第二の人生」を築いていく流れが彼個人の背景。そして、彼の周りで起きる4つの事件。さすが宮部、一つ ずつの事件も一ひねり、二ひねりしながら推理小説としても一流の短編集になっている。杉村三郎は、やや理不尽な離 婚という不幸を経験しながら、相変わらず「いい人」であることに変わりはない。そして、「いい人」であるがゆえに 事件の解決の糸口も見えてくる。だが、社会は決して「いい人」にとって「いい社会」であるとは限らない。第二作 「名もなき毒」で描かれたような生まれながらの毒を持った人物も出てくるし、最後は東北の被災者にはもちろん日本 人全体にとってとんでもなく不幸な事態をもたらした東北大震災も事件の背景として描かれる。杉村三郎にとっても人 生や社会は苦々しいはずだ。彼の実質的なパトロンである蛎殻昴や、下宿している資産家一家など魅力と個性豊かな登場人 物も増えてきた。独特の雰囲気を持った社会派推理小説として今後も是非更なる展開を期待したいシリーズである。 | ||||
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若干、「ペテロの葬列」、「希望荘」、「負の方程式」、「ソロモンの偽証」のネタバレを含むため、未読の方は当レビューを読まないことをお勧めします。 結論だけ先に言うと、「負の方程式」は「希望荘」より後の出来事、ということと、 個人的には、「負の方程式」を読む前に「ソロモンの偽証」を読むことをお勧めしたいという点。 とあるネットページで、『「ペテロの葬列」と「希望荘」との間に「負の方程式」がある』と見かけるが、果たしてそうだろうか? ちなみに「負の方程式」とは、「ソロモンの偽証」の後日談的(20年後)中短編で、そこには杉村三郎が登場する。 文庫版(単行本でなく)の「ソロモンの偽証」第6巻巻末に収録。 ただ、「ペテロの葬列」と「希望荘」との間に「負の方程式」があるとの主張が、時系列でなく、書かれた順であるならばその通りである。 初出(刊行)は以下の通り。 「ペテロの葬列」・・・2010年(平成22年)9月(2013年12月刊行) 「負の方程式」・・・2014年(平成26年)11月(文庫化に際し、収録) 「聖域」・・・2014年(平成26年)12月(以下、刊行2016年6月) 「希望荘」・・・2015年4月 「砂男」・・・2015年6月 「二重身」・・・2015年12月 ーーーーーーー 以下、ネタバレ含みます ーー----- まずは「希望荘」の時系列 「聖域」・・・探偵業開業の2010年1月から10ヶ月後の2010年11月。 杉村三郎38歳。 「希望荘」・・・2011年1月3日 「砂男」・・・この話がキーポイントとなる。 語り出しは2011年2月6日だが、過去の出来事を振り返る構成。 2009年1月の離婚(離婚時、三郎36歳、桃子7歳 P198,9)から後、同年夏の出来事。 桃子小2。(P204) 「なつめ市場」で働き始めたのが「五月の中ごろ」(P206) P217には「九年前、2000年のこと」とあるよう2009年。 「なつめ市場」では半年も働いていない。(P325) この「月末」に杉村三郎の父親が亡くなる。(P321) 時系列的にはここが始まりとも言える。 「二重身」・・・2011年5月。 桃子小4。(P416) 続いて「負の方程式」 わたしの見落としかもしれないが、「8月始め」としかなく、年数表記が無い。 しかし、文庫本のP473には「桃子10歳」とある。 10歳ということは、小4もしくは小5。 「希望荘」の「砂男」で、2009年の夏に小2(7~8歳)だった桃子が10歳になっている。 さらに、P477には「二年前に見送った父の形見」とある。 やはり「砂男」の夏から2年後の出来事。 ということは、「負の方程式」の「8月」とは、2年後2011年の夏であり、「二重身」より後の出来事である。 さらに、「ソロモンの偽証」・・・事件1990年12月。 校内裁判1991年夏の出来事。 この裁判について藤野涼子は「20年前の出来事」と述べている。 このことからも2011年8月と思われる。 これらのことから、「負の方程式」は「希望荘」より後の出来事と思われる。 ただ、2010年かと思わせるものが無い訳ではない。 「負の方程式」の前に「ソロモンの偽証」のエピローグがあり、そこには「2010年 春」とあり、その年に野田健一が母校の教員となる。 ここでも「二十年かけて」という表現があるのが引っかかる。(P465) もう一つ、「負の方程式」の杉村三郎が、まだ「築四十年の木造住宅」に自宅兼事務所を構えていることである。 「二重身」から後は、大家の屋敷に移っているはず。 諸々、間違っていたらご指摘ください。 ちなみにわたしは「ソロモンの偽証」を読む前に「負の方程式」を読んでしまったが、「ソロモンの偽証」を先に読むことをお勧めしたい。 杉村三郎(年上)と藤野涼子とは、4~5歳しか変わらない。(「ソロモンの偽証」に杉村三郎は登場しない) さらに、「希望荘」P223には、杉村三郎の元舅・今多嘉親についてあり、先が長くないとも取ることのできる部分がある。 同ページには桃子を迎えに来る(はずだった)のが菜穂子とある。 三郎と菜穂子はまったく顔を合わせない状態ではないのだ。 これらの記述が三郎と菜穂子のこの先の関係にどう影響するかは、まだ分からない。 同様の点を他のレビュアーも述べているが、P223の最後の言葉が、父親としての杉村三郎の本質であろう。 ※追記: ここまで意気込んで書いたものの、「ソロモンの偽証」第6巻P511に 「ちょうど十年前、二〇〇一年四月のことである」とあった。 やはり「負の方程式」は2011年8月でした。 | ||||
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やっと杉村さんに再会した。「ソロモンの偽証6」のスピンオフで状況は理解していたけど、杉村さんのホントの人生はこちらの本篇にある。犯罪を未然に防ぐために探偵になった杉村さん。杉村さんに幸せは来るのだろうか?短編集だから一編づつ感想を書いて行ったが、既読の人は「二重身」から読んで欲しい。 「聖域」 杉村さんの探偵事務所としての、開業して1年後の初めての依頼報酬は、手つき金5000円と町内会掃除当番一年間の「代行」だった。全くもってささやかな幸せである。けれどもそれが大切なのだ。ベルにとっても、杉村さんの心使いが現実社会を生きていく上でもとても大切なことになるだろう。 「希望荘」 犯罪は起きた。杉村さんはそのあとに関わったのだから、杉村さんに責任はないだろう。でも、数人の「心持」を穏やかにすることは出来た。 「砂男」 離婚から杉村探偵事務所に落ち着くまでの約1年間のお話。 蛎殻さんの坊ちゃんは笑わなかった。 「今回のことは、杉村さんのせいじゃありませんよ。でも、そう思ってしまう気持ちはわかります」 そして、にっこりした。 「だったら逃げないで、その呪いとやら(私註‥‥事件を招き寄せる体質のこと)に立ち向かってみたらどうですか」 驚いて、私は彼を見た。 「うちで働きませんか、とは言いません」 にっこりしても、昴氏はやっぱり落ち着き払っている。 「杉村さんはうちみたいなオフィスの調査員より、フリーで動く私立探偵の方がいいと思います。生活が成り立つように、毎月うちからある程度の仕事を回しますし、サポートもしますから、独立開業したらいい」(323p) こうして、心優しい私立探偵が誕生した。シリーズが始まって、なんと4作目にして、である。 「二重身」 私は一編一編の短編がそれぞれ独立したものだと思っていた。これを読んだ後に、巻末の初出一覧を見て驚いた。宮部みゆきは、3.11を自ら(おそらく)東京で体験した後、それを3年以上かけて自分の中で咀嚼消化して現代推理小説の杉村三郎シリーズに結実したのだ。初出は2014年12月だった。最初から着地点は決まっている。道理で、全編に日にちがきちんと描かれていると思った。また3.11は、彼女によってもうひとつ「荒神」として時代小説にもなった。 「二重身」には前の3編の全ての要素が取り入れられている。生きているのか、死んでいるのか、わからない人の人探し(cf「聖域」)から始まり、「希望荘」の武藤老人が云っていた「悪いもんに取り憑かれた男がやったんだよ。そういうことはあるんだよ」(96p)という事も、この短編では繰り返される。そして「砂男」も登場する。「人が崩壊する瞬間というのは、さらに目撃したいものではない。瞬間、彼が砂でできた像になったように思えた。端からぽろぽろと崩れ、人としての輪郭を失ってゆく」(455p)サンドマンとは意味は違うが、こういう描写は前編とは無関係ではない。杉村さんにできたのは、せめて事件の周りの人々を少し癒してあげただけだ。そしてそれが何よりもむつかしいことではある。 確かに、3.11に対する宮部みゆきの語る物語は、物事の大きさからするとあまりにも身近な出来事を描いているかもしれない。しかし、日本文学の1300年間の伝統は、身近な事から世界を描くというものだったはずである。 2018年9月読了 | ||||
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箸休めの短編集ですが 要所でぐっと来る「宮部節」があり、すごく満足でした。 4編目の「二重身」が出色のデキ。 終盤のシーン 「以来、私はこの曲が嫌いになった。」 の一文で思わず「YES!」と叫んでしまいましたw マイケル・Z・リューインの「アルバート・サムソン」シリーズを思わせる アットホームで現実的な「ご近所」の世界に ふと降りかかって来る「非日常」 それに普通の人々がどう反応し、どう変わっていくのか 何かを過度に誇張するでもなく、心地よい淡々としたリズムで描かれていく。 まさに小説で描くべきことって、これだろ? と思います。 次の長編も絶対に買います。 | ||||
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主人公は、杉村三郎。 いわゆる、「杉村三郎シリーズ」である。 内容としては、4話の短編集。 今回は、探偵として事件の解決に臨む。 決して大きな事件ではないが、 作者の得意分野である、人の恐怖や弱い部分を 堪能することが出来た。 短編集ということもあるのか、 謎解きの展開に偶然が関与することが多かった。 | ||||
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短編なので事件後のことが殆ど描かれない 読者がその空白地帯にアレコレ想像図を描く事で本書は完成する つまり各々の読者にとってパーフェクトな短編が4つ出現する 素晴らしい一冊だ 短編だから分けて読もうと思ったのにまたもや一気読みさせられてしまう 面白さだった 杉村シリーズの中でも傑作ではないか | ||||
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単行本は高いのでいつも文庫本になるのを待っていましたが なかなか文庫化されず迷っていたところ 最近アマゾンアウトレットというのを知りました。 ほぼ新品となっていて半額以下なので文庫より安いと思い買ってみました。本当に新品同様でした。他の古本と違って誰かが読んだ本ではなく 何かの事情や返品等で販売できなかった商品なので 新品と変わらないと思いました。自分の欲しい本があれば大変お得だと思います。 | ||||
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母は宮部みゆきさんのファンなので・・・、この希望荘も楽しんで読むと思います、本自体も大変綺麗な状態で良かったです。 | ||||
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面白いです。 短編4作ですが、どれも微妙に色がちがってそれぞれが宮部みゆきの真骨頂ともいうべき 押しつけがましさの無い気持ちの良いスタンスで描かれています。 「人の良い市井の人々」の中に潜む寂しさ孤独感をすくい取る。。。 一連のテレビドラマをご覧になった方には小泉孝太郎が持ち前の押さえた演技で好演している と 言った幻影が見え脳内変換で二倍楽しめます。 が 映像化するにはすこし手を入れなければ弱いかも。 シリーズの続編が待たれる作品です。 | ||||
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4編の短編ミステリの連作集。第1話以外は、人の死が絡む重いストーリーである。 第3話を除いては、中核となる犯罪・事件はそれほど複雑なものではない。ただ、事件の発端や、主人公の杉村三郎に持ち込まれる依頼内容というのが、事件の全体像からは想像もつかないような断片的で奇妙なものであることが、この4つの短編の特徴である。 主人公の探索に伴って、徐々に事件のあらましが明らかになってくるのだが、中心の単純な(犯罪)事実とは対照的に、事件の全貌に何層もの複雑な意味合い・陰影をもたらしているのが、関係者たちの個人的な背景や事情である。 本レビューの最初に「ミステリ」と書いたが、本連作の本質は、私立探偵を主人公としたミステリ仕立ての現代版人情噺なのではないかと思える。料理のメニューに例えれば、カツカレーとか天ぷらそばのように、異質のメニューを絶妙にミックスしてより高い次元の作品に仕上げてしまう職人芸、というべきか。 | ||||
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嫁に裏切られたあともダークな案件ばっかり扱ってる杉村さん。 心折れないようにに祈るばかりです。 現代の日本を舞台に探偵ものを書くのは宮部さんにとっても大変そうなので普通こんな人生選ぶかという突込みはなしにします。 ただ、いつか杉村さんを幸せにしてくれるように宮部さんにはお願いしたいです。 | ||||
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