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グラスホッパー
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グラスホッパーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全86件 41~60 3/5ページ
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おそらく読む人によって印象が大分違う小説だと思います。 正直、僕の中では響くものが少なかった小説でした。 話が退屈かというとそうではないのですが、主人公の一人である「鈴木」は なんだか事件に巻き込まれた”だけ”になっている気がしてスッキリしませんでしたし、 他の2人との視点の入れ替わりが激しく、結果的に内容が薄く感じました。 また、「鈴木」の妻が亡くなった事柄がストーリーや「鈴木」心情に大きく影響し 物語の中で重要なポイントになるのかと思いきや、単なる切っ掛けに過ぎないのも疑問を感じました。 ただ、「魔王」が「モダンタイムス」を読んだ後に自分の中で大きく変化が起こったように、 この作品も「マリアビートル」を読んだあとに改めて評価したい。 | ||||
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読み始め、そして一気に読み終わりました。 淡々と人を殺していく雇われの殺し屋たち。 そして、妻を亡くし復讐に燃えるも、燃えきらない普通の人、 鈴木さん。 押し屋を要にして、物語がだんたんと焦点に近づき、絡んでいきます。 そこには、感傷的な物語もなく、それぞれの苦悩らしきものが垣間見えますが それほど重苦しくもなく。 そして最後は物語も見事にまとまります。 「オーデュポンの祈り」しか読んだことがない、伊坂小説2作目ですが、 これが伊坂ワールドの独自性、他にはあまりみない独特の味なのだと理解しました。 血が飛び散るドロドロの世界のはずなのだけど、乾いた感じ。 | ||||
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殺し屋の話ということは、事前に知った上で読みはじめました。 それでも、何の罪も無い人達が殺されて行く時の、凄惨な描写は不快です。 これが無いことには始まらないのかもしれませんが。押し屋を、皆が追う動機付けもイマイチ。ラストシーンは、読み手それぞれで解釈が異なると思います。 僕が受けた暗喩が、作者が伝えたかったモノと同じなら好きなラストです。北野たけしのアウトレイジ、全員悪人ですかね? 他人を陥れてまで為そうとした、復讐のプロセスの顛末の様でした。 | ||||
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伊坂幸太郎の作品は結構読んでいます。力量のある作家ですから、プロットの組み立ては巧妙ですし、登場人物の風変わりな風貌や性格は興味を持つわけですが、本作は最後まで納得せずに読み終わりました。この作品もあの多彩な作品を生み出している伊坂幸太郎の生みだした世界観だと理解しながらも最後まで違和感に包まれていました。普通は登場人物のいずれかに心情移入しながら読むことが多いのですが、本作のキャラクターはどれも理解しがたい設定でしたので、小説は現実とは違うと理解しながらも入り込めないもどかしさが残りました。鯨も蝉もそして鈴木も心情移入できないことから、読者はその立ち位置を固定できないまま、浮遊感を持ちながら小説のテーマを探ることになるのです。「やるしかないじゃない」という鈴木の妻の言葉が最後まで鈴木を引っ張り回すことで、小説は展開し、ご都合主義的な人の交わりもまた一応納得した上で、最後の結末を迎えるのでした。ハードボイルドタッチの小説にありがちな展開でしょうが、多くの読者はこれだけ人が死ぬ小説を読みたくて伊坂幸太郎を読んでいるわけではないでしょうから。鮮やかな終結でもなく、時間を費やしたのに感銘も感動もなく、ただ好きな伊坂幸太郎もこんな小説を書きたかったのだという発見をした作品でした。 | ||||
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個人的に作者の作風だと思っている軽快な展開・テンポがとても好きです。この作品もその点で期待通りの展開・テンポを感じられます。一方で、読後感に「砂漠」で感じたような、爽快感を期待していましたが、本作では、少し違った読後感でしたね。でも、次の展開を知りたくなる気持ちが加速していく面白い作品でした。 | ||||
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『マリアビートル』の評判が良いので読んでみた。スピード感がある中でしっかりと中身も作り込んでいる、相変わらずの伊坂ワールド。たいしたもんだ。ただもうちょい登場人物に感情移入出来る作風にして欲しかった。キャラは立っているものの、あと一歩何かスパイスが欲しかった。一気読み出来て物語も良かった分、少々残念。 | ||||
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『マリアビートル』が面白いらしい。この本の続編との事なので、まずこちらを読んでみた。話はサクサク進んで読みやすいけど、登場人物に生気がないというか、感情移入できない。主人公鈴木の「殺された妻の復讐のため」裏社会へ身を投じるという動機は分かるけど、彼の行動や回想からその思いの深さ・執着心があまり感じられない。殺し屋・蝉の行動も「なんでそうなるの?」と思ってしまうくらい動機が浅い、というかその動機に至るまでの彼の思考プロセスが読みきれないし、自殺屋・鯨に至ってはまるで呪術師か魔法使いのような印象を受け、浮いてしまっている。ひとえに、人物の背景描写が圧倒的に足りない気がする。ゆえに登場人物の存在自体が薄く、死んでも生き残ってもその重みが感じられない。ストーリーは淡々と進むが最後まで一本調子な印象で、乾いたセリフ回しの人形劇を見ている気分になった。嫌いではないけど、絶賛しようとも思わない。伊坂ファンの人が、何度も読んで伊坂ワールドを自分なりに展開して楽しむための原材料って感じでしょうか。一見さんにはちょっと物足らなかったです。 | ||||
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ある復讐を遂げるために実態の怪しい組織≪令嬢≫に潜り込むことに成功した鈴木だが、ただの一般人であった彼の企みなどとっくに感づかれていた。追い込まれた鈴木だったが、その目の前で思いもよらぬ凄惨な光景が展開される。そのころ彼の頭上にそびえ立つホテルでは、「鯨」と名乗る男が粛々と「仕事」をこなしていた・・・。人気作家、伊坂幸太郎の代表作。『重力ピエロ』で初めて伊坂作品を読み失望にくれていた評者であったが、多くの伊坂読者から勧められたので読んだのが本作、『グラスホッパー』。それぞれが特徴的な仕留め方をする凄腕の殺し屋三人が暗躍するクライムサスペンス小説だ。『重力ピエロ』にも若干通じ、さらに徹底されていると感じたのは、登場人物の「キャラ」が立っているということだ。主人公鈴木の苗字さながらの凡庸さもなかなかのものだが、彼の周りにいえる三人の殺し屋はみな魅力的だ。マンガのようにキャラが立っていると思いながらページをめくっていると、広告がはさまれていて、どうやら本当にマンガになっているようだ。こちらも気になる。ハードボイルドに挑戦したということで、肉体の激しく壊れる描写も旺盛に盛り込まれている。しかし、これも先に読んだ作品と通じていて、相変わらず煩わしいのは「引用」である。作品内にも心酔しているミュージシャンの言葉を会話中につぎつぎに織り交ぜるため、相手にいいかげん鬱陶しがられているという人物が出てくるのだが、まんまそれ、この人の小説そのものにもあてはまる。ドストがどうだとか、ゴダールがどうだとかははっきりいってファッションでしかなくて、本筋とあまりに関係ないとさすがにイラついてくる。ほとんど中だるみすることなく、次々と緊迫シーンが訪れるので、ページのめくりも早くなり飽きがこない。ただ、“あの結末”は付けてよかったのか付けなくてもよかったんじゃないかという、疑問は残る。 | ||||
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『鈴木』という少し現実離れに間の抜けた男がいるために物語が進んでいく。読みやすくはあると思うし、そうさせるように描かれているのもわかる。淡々と進み、終わりも淡々と終わる。鈴木という間抜けた男にはほとんど共感できなく、妻を殺された怨みや怒りが足りない。ラストは『ほんで?で、どうなるの。』と焦れったく、読むのが面倒になってくる。読みやすいがおもしかったとは言えない。小説にオチが無ければならないわけじゃないが、これはハードボイルドっぽい小説としてオチが欲しかったです伊坂氏。 | ||||
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元教師の主人公は、妻を亡き者にしたが車に轢かれる瞬間を目撃し、正体を探るために尾行を行う。一方で、自殺専門の殺し屋である鯨、ナイフ使いの使者である蝉も正体を探る。彼らの思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す…。 多様に伏線が敷かれており、物語は二転三転していきます。全てが終わった時、主人公が対峙するものとは…。 「自殺する奴ってのが大嫌いなんだ。人間だけだぜ、逃げるように死ぬのは。偉そうじゃねえか。どんなに酷い環境に置かれたって、動物は自分からは死のうとしねえよ。自分たちが生き残るために、他の動物がどれだけ犠牲になったか知ってるからだ。人間ってのは、傲慢だよ。だからよ、俺は飛ぶんだよ。死ぬのは、そのついでだ」 | ||||
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主人公、スズキは妻が暴力団関係の男にひき殺された復讐のため、悪人、寺原の経営する会社「令嬢」に潜り込むのだが、このぼけ主人公は次々と危険な目にあいながらも、偶然に殺し屋同士の争いに巻き込まれ救われるという話。ろくに考えもせず、何の根拠もなく対岸の火事のように死に目を背け、いざというときにあたふたとさわぐ。まったくいまの大衆のステレイタイプの様な男だ。こんな奴は早々に死ぬべきなのだが、ぬくぬくと生き残るのが伊坂節。勧善懲悪、正義は常に勝つ?まあ小説の中だけはこんな無謀も許されるのだろう。 | ||||
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鈴木、蝉、鯨の三人の視点で語られる物語が次第に交わり一つの物語になっていく…。 「復習を横取りされた」所から始まる設定と、 様々な殺し屋関係の人たち(押し屋、自殺屋、ナイフ使い、毒、拷問専門屋、などなど)に 興味を引かれて買ったのだけど、私的には今ひとつ。 それぞれの登場人物と、感情の部分に共感する事が無かったからかもしれない…。 何を求めているのかが、よく分からなくて、ただ、とにかく、先を読もうと思ってた気がする。 それぞれのキャラクターは面白みを持ってるのに 自分が期待したほどには動いてくれなくて。そのあたりが残念。 | ||||
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伊坂作品を順番に読んできて,そろそろだれてきた。 個性的な登場人物と,その設定。 あっとおどろく裏設定。 そのどれもが面白いのだけれど,もう少し驚く仕掛けがあるんじゃないかと考えているうちに終わってしまう。 次作に期待。(結局読むんだけど) | ||||
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冒頭、車内の会話で主人公が容赦なく追い詰められていく展開は白眉で、 この導入部だけで作品一本分の筋を大胆に消費してみせるあたりに、売れっ子作家の勢いを感じる。 だが、結果としてはこの箇所が作品のピークだった。 読者を楽しませようと、心をくすぐりそうなあれやこれやを詰め込んでみせる。 だが、そうして細部にはこだわりがあるように見せるのに、世界観のこの虚ろさはどうだろう? 登場人物に露骨な「お約束」を持たせるあたりも、安易さばかりが鼻につく。 歪で特異な「殺し屋業界」を描いてみせるという発想は悪くないが、 では実在しないそれを十分に描き切れているのかといわれると、この程度では不満が残る。 昆虫の群生相など、提示されたいくつかのモチーフについても、十分に活かし切れているとは思えない。 作品全体に「人工物の違和感」がまとわりつき、結局、物語に安心して身を委ねることができなかった。 また、作品にパズル性を組み込む点が好まれている作者のようだが、その点でも本作は弱い。 粗製乱造的自己模倣にでも陥っているのではないかと思わせる感触すらあった。 伊坂幸太郎からパズル的娯楽性を奪って、そこに何か読む価値がある作品が残るのか、甚だ疑問だ。 それでも、これらを「作者独特のセンス」として親しめるなら、楽しく読めるのかもしれない。 ラノベやケータイ小説ならこれで十分アリだろうが、直木賞候補としてはさすがに落第点だ。 彼が本当に実力のある作家であるというのならば、あるいは本作は雑なやっつけ仕事の部類なのかもしれない。 | ||||
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最初から最後まで気になる展開で、爽快、個性的だからさくっと読める感じ。3人の主人公のパズルの一つ一つが最後につながっていく。 ただ、2週間前に読み終えたのに感想を書こうとしても、最後が少しあっけにとられたせいか記憶にない。でもそれでよかったのかもしれない。 | ||||
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初めて著者の作品を読みました。最近・・・といっても結構前から長い間話題の方なので読んでおこうと。 伏線の張り方や複数の視点から描くのが非常に上手だなと感じましたが、なんだかそれだけに思えます。 物語り自体あっけなく終わってしまい、アレっ?っとなっちゃいますし、一番気になったのがキャラクターです。 非常に作られた感がありでもライトノベルほどでもなく、フジテレビのドラマの登場人物みたいで、科白からすべてがいちいち気になってしまいました。個人的に合わなかったのかな。日本のドラマ独特の無理した格好良さを感じました。 一気に読ませてくれてそれなりに楽しめたけれど、よく考えてみれば面白くなかったような気がします。 もの凄く評価に困りますが、期待はずれだったというのが正直なところです。 書かれるジャンルが多彩らしいので他の作品も読んでみようと思います。 | ||||
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群れが多くなると体の色が変わり、暴力的になるという殿様バッタを都市に住む人間達になぞらえる。 妻を遊び半分にひき殺された主人公の元教師は、殺した男に復讐すべく男の会社に潜入する。自分が復讐するはずだった男を目の前で『押し屋』に押されて車に轢き殺され、物語がスタートする。『押し屋』をめぐって殺人請負人達が動き始める。 伊坂氏がこしらえた殺人請負業は案外実際にあるのかもしれない。 走ってくる車に突き飛ばす『押し屋』、納得させ自殺に追い込む自殺専門業、毒を専門に扱う殺人者もいる。 伊坂氏は犯罪を描くのが上手い。フィクションだとわかっていてもいたたまれず途中何度も本を閉じてしまう。今回はまた犯罪のオンパレードといってもいいほどだ。主人公ですら潜入した会社で違法薬物を売りつけている。純真な子ども達も実は雇われた役者だったりするのだ。 まさに個体が増えすぎて接触が多くなると、性質が変わるバッタのように、都市の人間も変貌していくのか。 殺人の場面が多くてこの作品はいささかげんなり。 請け負ったままに殺人をおかし、いささかも怯むことのない少年、権力を笠に面白がって人を跳ね飛ばす馬鹿息子、やくざ映画によく出没する強くもないくせに弱いものいじめには陰惨な残虐性を発揮するチンピラ。フィクションとばかり言い切れないところがあって気分がふさぐ。 兄弟愛が得意の伊坂氏は夫婦愛は難しかったのか。主人公と妻の幻との会話は伊坂氏らしくていいが、普通の人間が立ち向かうにはあまりにも犯罪組織はおおがかりだし(もっともその割にはあっけなく倒壊してしまったが)、結局『押し屋』の依頼主あいまいのままだし、ちょっと消化不良の作品でした。もっとも人間はバッタ(昆虫)だという観点はよかったです。 | ||||
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2004年に出た単行本の文庫化。多少のの加筆・修正がなされているらしい。 本書は殺し合いの小説である。能力者バトルといっていいだろう。様々な「力」を持つ登場人物たちが死力を尽くして殺し合う。非常に現代的な小説であると感じた。 とはいえ、独創性は間違いないし、結末の意外性と清涼感もなかなかのもの。力のある作家だ。 暴力とか悪とかを正面から描ききり、しかも、どこか幻想的な雰囲気がある。不思議な小説であった。 | ||||
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妻を狂人に殺された無念な男、殺人を生業にしているもの。それぞれのキャラはよかったです。が、途中でキャラ同士が絡みすぎて嫌気がしました。 後半はドキドキよりも「またか。。」とため息をつくくらい先が読める展開。 主人公が妻に殺されたやりきれない気持ちで最後まで盛り上げてほしかった。 | ||||
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伊坂幸太郎の作品は、テンポの良い会話を楽しめる。仲の良いもの同士がやり 取りするお互いを知り尽くした会話がステキだ。他の作品「重力ピエロ」でも同 じことを思った。それが兄弟の間だったり、親子の間だったり・・・ グラスホッパーでは、それが亡くなった妻との会話であり、蝉と岩西との会話である。 それぞれのキャラクターのストーリーが集約されていくまでは、スピード感が あって面白かったが、その後のストーリーは、ちょっとだけもたつく感じがあ る。 | ||||
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