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模倣犯
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模倣犯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全279件 221~240 12/14ページ
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上巻を読み終わった時は、被害者の気持ちをいたぶって楽しむ二人の殺人に気分が悪くなり、下巻は読まないつもりでした。でもここのレビューを見て、下巻を開きました。 一貫して芯が通り肝っ玉の座った有馬老人、事件を通して成長し、大人と対等にやり合う真一の姿に惹きつけられました。 はなしが長すぎる!登場人物が多すぎる!と思っていたのに、それぞれが流れの中で重要な役割を果たしており、一人一人が印象的でした。 クライマックスはどきどきしながら、一気に読み終えていました。 | ||||
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メディアを犯人が利用した劇場型犯罪に翻弄される警察や被害者家族をしつこいくらいに丹念に描いています。いらいらするぐらいに及ぶその人物描写が、事件に対しての立ち位置を映し出し、それぞれの立ち位置から見える舞台を見事に彩ります。 犯人がボイスチェンジャーで声紋を変えることができないことを知らないのは、メディア型犯罪を仕掛ける犯人の描写として陳腐ではないかという意見もあるようですが、ウチは逆に、この程度の陳腐な犯人であってもメディア型犯罪を仕掛けることができるという意味で悪くない設定ではないかと思います。 犯罪によって被害を受けた被害者家族、警察、報道者、犯人、犯人の友人、被害者……それぞれがかかえる問題を『小説』中に閉じこめて、読み進めていくに従って万華鏡のように少しずつ変わった見方をさせてもらえます。うん、ウチは『火車』と同じくらいに気に入った作品ですけどね。 本のタイトルでもある『模倣犯』の意味が分かった瞬間にはやっぱり身震いしました。 | ||||
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大胆で繊細で緻密で本当に読ませるよ。「弧宿の人」と「模倣犯」は、宮部みゆきの傑作中の傑作!!!宮部みゆきはファンタジーっぽいのも書いてるけど、絶対に基本に戻ってくれるから好き。 | ||||
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ラスト、冷静・緻密なはずのピースが、あの挑発にのって、みずからが犯人だと暴露してしまうだろうか?と、ちょっと疑問が残りました。それまでずっと描かれてきた、冷血で計算ずくのイメージと合わないような。でも、最後の最後に、なぜこの小説が「模倣犯」というタイトルなのかがわかった瞬間は、やっぱり鳥肌たちました。あと、何といっても、有馬老人をはじめとする人間描写の深さ、鋭さ、暖かさは、作者の天才を目のあたりにする思いで、これが、多くの人を虜にする宮部ワールドの魅力か、と思いました。 | ||||
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①『火車』→破産家族の地獄を訴えてから数年後、商工ローン問題を機に出資法改正。さらに99年~04年、破産法制の全面改正が実現。 ②『理由』→不動産競売の執行妨害の実態を描く。代表的な民法の教科書に「推薦図書」として採りあげられる。03年、元凶たる短期賃貸借制度(民法旧395条)の廃止がようやく実現。 ③そしてこの『模倣犯』。犯罪被害者の家族の苦悩を掬い上げ、週刊誌連載開始から数年後の00年、犯罪被害者保護法が成立、施行。 もちろん、宮部作品の力だけでこれらが実現したわけではありません。しかし小説を通して世の中に投げかけた問題意識が、こうして確実に法改正という目に見える形でアクションに結びついているのは素直にすごいことだと思います。ベストセラー作家の中でもこういう形での社会的影響力を持った人って案外少ないのではないでしょうか。 | ||||
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犯人の意図が想像を超えたもので、読んでてびっくり。「模倣犯」・・・なるほどねぇ。映画はダメでしょ。 | ||||
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宮部さんらしく、様々な立場の人の心を描写しています。被害者・加害者・被害者の遺族などまた、同じ被害者の遺族でも別々の考え方とか。上巻のみでも楽しめます。もちろん、下巻がすぐに読みたくなりますけどね! | ||||
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さすがは、みやべさん。上下巻の圧倒的なボリュームながら、一気に読破しました。仕事が終わり、ちょっとのつもりが気が付けば、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいました。難を言えば、犯人の姿が終わりに近づくにつれて、チープになっていくところか。それと、犯人に利用される兄妹の役割も、最後はあいまいな感じがしました。帯には、切ないラストとありましたが、その点はいまいちかも。ただ、そんなアラを補ってあまりあるみやべワールド。最高作では、ありませんが、間違いなく傑作です。読み過ぎにはくれぐれもご注意を。 | ||||
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実は、この本を手の取る前は、高井由美子の状態でした。ある日突然、悪者とされ、相手はウソにウソをつき周りを信じ込ませる。「ウソよ、でたらめだ」ともがけばもがくほど、周りは嘲笑う。渦中にいると、本当に自分が何が正しくて何が悪いのかもわからなくなってしまい、脅えビクビクしてしまうものなのだ。(その辺の心理描写はひどく上手に描けてると思う)そんなとき、自分の言い分を少しでも聞いてくれる人にすがってしまい(本編では網川浩一)、痛い目にあった。この本を手に取ったのは本当に偶然だ。宮部作品は、苦手だし、この本の厚さといったら・・・。でも何かに導かれたのかもしれない。由美子の気持ち、被害者の気持ち、わかるわかると涙して読んだ。無視しようと耐えに耐え、爆発したときには「ケンカはやめろ」「暴力はよせ」と言われ、やり返すこともできない真一の空虚感もわかる。読みつづけながら、自分の事件と重なる部分があり、一緒に怒り、泣き、同調しと悩みながら読みつづけた。下巻の後半になると自分の中でも心が晴れてきて、「ウソはいつかバレる。派手であれば派手であるほど」という一文でスッとした。強く願いつづけるつもり・・・楽しければいい、面白ければいいという愉快犯に巻き添えになった辛さ。これからの世の中、人事ではない。被害者側の心理を描いた作品。でもまだツメが甘いと思う。そして被害者は今後、どう気持ちを片づけたらいいのか。今後はこの先を書いて欲しいと思う。 | ||||
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さすが宮部みゆき…読みごたえ十分。読後、誰が主人公だったのかなーと考える…豆腐屋の主人か?下巻途中までは加速的に面白く盛り上がっていくのだが最後はアッサリ…という感じ。私は、主犯にかなりの期待を込めて読み進めていた。どんなに凄い知能犯なのか…その期待を煽るように宮部ワールドが展開される。…が…凄い知能犯として表現するはずの犯人が、書き進めていくうちに、知能犯というよりも詐欺師風になってしまった様な気がしましたね。尻すぼみもやむなしか…と言うよりも、実はその程度の主犯なんだよ…という事なんでしょうね…。知能犯として書き切るにはさらに2冊必要かと…。悪魔の幸運に支えられ知能犯だと勘違いされていた美貌の詐欺師…ですか…。ホント宮部作品は読ませ上手で大好きです。 | ||||
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2002年に読みました。私が印象に残ったのは豆腐屋のおじいさんと元刑事の通称建築家。どちらも何か揺るぎないものを持っていると感じました。特に建築家のクールな観察力は魅力的です。冷静に常に自分自身を律するおじいさんも最後の最後であんな風に泣き崩れるのですが、このあたりの描写は本当にウマい。途中の過程はどうだか分かりませんが、あのオチが最初から頭の中にしっかり構築されていたから、あのタイトルになったのだろうと私は想像しています。 | ||||
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文庫本もそろそろ出そうなのに、宮部みゆきということで買ってしまった。一言で言えば、宮部みゆきでなければ「かなりの傑作!」といったところ。 作者にとっては「メディアを利用した劇場型犯罪」といった今日的題材にピースというキャラクターを以って挑戦し、これまで誰も描かなかった世界を見事に構築したのだが、宮部の実力って「こんなもんじゃあ無いでしょう」という読後感が残った。 基本となるプロットはそう悪くない。豆腐屋の主人や高井由美子などのキャラは「さすが宮部みゆき」なのだが、栗林浩美になると随分弱く、ピースに至ってはステロタイプな描写ばかりで、新手の純粋の悪というものの納得がいく描き方がされていないのが不満足の原因。 ボイスチェンジャーを使っても声紋が変えられないことも知らない「知能犯」など、イライラさせられるディテイルも多かったです。 しかし、土日外出もせず、持ち帰った仕事にも手を付けず、上下巻を一気に読みきってしまわせる力は十分ありました。だけど、私にとって再読する可能性はゼロでしょう。本を売れない、捨てられない人は、場所ふさがりの大部なので文庫本になってから買いましょう。 | ||||
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あまり本を読まない人間だったのですが、最近ふとしたきっかけで、宮部さんの作品のファンになりました。なので、あんまりえらそうな事は言えないんですけど。この作品は結構前から気にはなってはいたんですけど(だってすごく長そうだったので)やっと読む気になりました。 二年前に映画を観た時は全く意味が分からなくて(特にラストが)あんまりどういうストーリーだったか覚えていなかったので、思い出しながら読んでいきました。私は和明が浩美に説得している場面が好きす。その後の事故死がなんとも切なく感じました。後は、第三部になって真犯人がどのように登場するのか気になりましたが、結構地味な登場でしたよね。そこで初めて本名が明かされるわけですが、読んでいる方は真犯人が分かっているので、「いつどのようなバレ方をするんだろう」と思いながら読んでいきましたが、報道番組の滋子とのシーンはすごく爽快な気分になりました。でも、読み終わった感想は、網川の心の闇の様子が書かれていなかったので、少し物足りなさを感じました。あと、最後まで和明の声紋鑑定もどうなったのかうやむやのまま終わってしまい、長い割に最後は簡単にまとめてしまった感じがしたので、星四つです。映画と違った結末だったので、読んでみてよかったです。 | ||||
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Undoubtedly you could find out some of the inconsistent points in this long story. But the content and character design might represent a breakthrough in Japanese mystery fiction, The two sides described in Part I & II on the same incident and time frame is still a shock after my reading for a year. | ||||
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Undoubtedly you could find out some of the inconsistent points in this long story. But the content and character design might represent a breakthrough in Japanese mystery fiction, The two sides described in Part I & II on the same incident and time frame is still a shock after my reading for a year. | ||||
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ものすごく深みのある、重厚な作品でした。でもノンストップでとくに下巻は一日で読めました。すっごい面白かったです。タイトルが非常に女性らしく意地悪でした。オリジナルであることに価値観を置いた人を人前で貶めたのですから酷いです。それをタイトルにするというのもすごい。あの時滋子さんがああいったのは、別に網川の破滅を願ってのことではないでしょう。だって警察はもう動いてた。読者にはわかることですが、携帯だって見つけられた。カズの声紋も発見されるでしょう。別にこれは探偵小説ではないのです。追い詰める者と犯人がぞくぞくするような言い争いを繰り広げたりはしない。警察はきちんと捜査して証拠をそろえて、犯人を逮捕します。だけどそうやって事件が「解決」したって、網川は別に傷つきはしなかったでしょう。むしろ堂々と作者だと名乗れると喜んだかもしれない。作中で、「商品化された女性」のイメージは幾度も強調されます。彼女たちは傷つけられ、貶められる。それでも黙って殺されるわけじゃない。かわいそうだねと、運が悪かったんだよと、だけど女性にも過失があったんじゃないかと、そんな風に片付けられたくはない。誰よりも悪いのはいつだって手を下した者です。だから、必ず、必ず、報いがなくてはならない。復讐されなくてはならないのです。だからあの言葉を言うのは、真一くんでもおじいさんでもなくて、傷つけられて追い詰められた滋子さんだというのは私にとって非常に価値がありました。真一にとって恐怖となる少女とか、網川の声紋を調べるきっかけになった告発をした女性がのっぽであるとか、そういう細かさもとても上手かったです。視点と筆力の凄さに鳥肌立ちました。一読の価値はあります。 | ||||
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とてもよくできたサスペンス小説で,作者のストーリーテラーとしての素質が生きている。まだ読んでいない人は,すでにたくさん書かれたカスタマーレビューを参考に,読んでみて損はないと思う。ただテーマとなっている「悪」がどれだけ描けているかとなると,いまいち深みと真実みが感じられない。作者の世界観がその理由としてあげられるのではないか。 本作以前にも,宮部氏の作品は大好きで,単行本を買うお金はなかったので,文庫を片端から読んでいった。だが,どうも『模倣犯』を最後に,失速してしまったようで,少し悲しい。 そもそも宮部氏の作品の魅力は,登場人物たちの交わりの人情味あふれるところに拠るところが大であったと思う。しかし,その人情味は,超越的なものへの志向性を欠き,昔ながらの落語にでも出てきそうな,人生の酸いも甘いも熟知して,善悪や白黒をつけることのできない,善いこともすれば悪いこともする,人間くさい人間を理解し受け入れましょうというような,池波正太郎的な世界観に終始するものであった。池波のように,時代小説ならばこれでもいいのかもしれないが,こうした世界観だけで現代(の問題)と切り結んでいこうとしたのでは,やがて力尽きるだろうということは,考えてみればはじめから予測できた。 『模倣犯』を最後の輝きにしないために,宮部氏には世話物的世界観を乗り越えてほしい。 | ||||
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事件には犯人だけではなく、被害者、被害者の家族や友人、犯人の家族や友人、そのまた家族や友人、そして警察とマスコミがいる…そして、宮部みゆきは、その一人一人の心境を何一つ省くことなく展開していく。犯罪心理だけではなく、あらゆる関係者の心理を鋭く追究する名作。読んでいる間、自分自身の心理状態も不安定になってしまうほど、引き込まれました。 | ||||
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上下巻、一気に読みました。上巻の中盤で、ミステリー性はなくなりますが、登場人物一人、一人のその時々の事件が起きたときの、状況や心境が書かれており、私としてはあの本の厚さになってしまうのは、いたしかたないと思いました。今の時代、無差別犯罪が多くなってきていますが、考えさせられる一冊ですので、ぜひ、読んでいただきたいです。 | ||||
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過去、これほど多くの人々の思いを綴った犯罪小説があったでしょうか。加害者とその家族、被害者の家族、警察、マスコミ、目撃者、そして網川の言葉を借りるならば一般大衆。ひとつの事件をめぐる個人個人の見解、それが今回宮部さんが伝えたかったことなのだろうと解釈しました。模倣犯に登場するあらゆる立場の人々のあらゆるストーリー。共通していることは、こうした事件は関わる全ての人を不幸にしてしまうという悲しい事実のみ。決してこの物語は長いとは思えなかった、さすが宮部みゆきだとうならされました。 | ||||
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