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模倣犯



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模倣犯の評価: 4.01/5点 レビュー 405件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.01pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全279件 181~200 10/14ページ
No.99:
(5pt)

大作

『レベル7』をきっかけに、時代物以外の作者の作品を読み漁った時期がありますが、以前ほど物語にインパクトを受けなくなったことと「宮部節」に食傷気味になったことから暫くご無沙汰していました。
読み始めるやすぐにやっぱ上手いなと思いました。描写する際に装飾的に付けられる何気ない表現や言い回しが細部まで実によく練られていて、改めて感心させられました。ただ、唯一滋子の存在が引っかかります。登場人物が善人ばかりなのはいいのですが、ちょっと無神経というか無理があるのでは。今後の立ち回りに注目したいです。
蛇足ながら、全5冊ですが大きな文字と幅広い行間でどうしてもボリュームを膨らませているように思えてなりません。昔の新潮文庫の規格はこうではなかったような。まさかお年寄りのことを慮ってという訳ではないでしょうし。洋書では、正規版とは別に大文字版がありますが。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.98:
(4pt)

最後に織物が完成する

文庫版になり再読。分冊になり手に取りやすくなったことがまずお勧めである。
ただし、1冊づつ通勤途中に、、などではなく一気に通読したいところ。複数の登場人物、視点を変えてのストーリーが折り重なるスピード感を損なわないために。
次第に明らかになる犯人像、さりげなく置かれた伏線、その伏線を活かして一気に視点を変えての新たな展開、そして最終場面へ。
ミステリーとしては決して新たな手法ではない。しかし、これだけの長編でありながら、多くの人物、伏線、視点を破綻させることなく、読者の興味を逃さず紡ぎ上げるところは素晴らしい。
宮部みゆき氏の作品は時機にあった社会的視点を取り入れる。ところが、この作品自体が、簡単に口にできる「社会的視点」って何だ、、と自身につきつけるのである。タイトル「模倣犯」に込められた意味は単なる犯罪スタイルということだけではないのではないか。
これはまったく好みの問題であるが、最終場面については余韻をもたせるほうが良いか、突然の終焉が良いか、、余韻は救いともなるが、その分クライマックスの鮮烈さがぼやけてしまっているとも思える。その部分を0.5★ぐらいを引きたく感じて★4としたが限りなく★5に近い。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.97:
(5pt)

映画=原作ではありません!

 映画を観て「なーんだ、見かけ倒しじゃない!」と感じた方、是非ぜひ原作をお読み下さい。あっという間の全五巻です。
 殺された鞠子さん、映画では伊藤美咲さんが、家族に言えないヒミツを持った女性として描かれていましたが、原作の中の鞠子さんは家族思いの優しい女性です。これは物語の重要なポイントだと思います。
 ミステリアスでショッキング、スキャンダラスな連続殺人事件、一体どのような結末になるの?もちろん最大の関心事です。でも、犯人、被害者の家族、刑事etcそれぞれの人物像にも注目して下さい。きっとこの物語の奥深さを感じられるでしょう。
 さあ、上質のミステリーの開幕です。 
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.96:
(5pt)

ひとつの答え・・・のいとぐち

少々昔の話になるので曖昧だが、某有名誌で「なぜ人を殺してはいけないかと子どもに聞かれたらどう答えるか」という趣旨の特集が組まれていた。このテーマで各界の著名人から1〜2ページ程度の原稿を書いてもらい、掲載したものだったと記憶している。それを読んで違和感を覚えたかたは少なからずいらっしゃったのではと思う。わずか数百字という枠を規定し回答を求めてしまっていい問いかけなのかと・・・・・
『模倣犯』を読んでいる時、この特集を思い出していた。本書に描かれた、殺される者の恐怖、残された者の地獄、「この人だけは死なせないで!」と叫び出したくなる人の死の無念・・・それらを味わってこそ、「なぜ人を殺してはいけないか」への答えに近づけると感じたからだ。さらに言うと、この長い長い胸をえぐられるような物語でさえも、ひとつの答えの、そのまたいとぐちに過ぎない。人の命を考えるとはそれぐらいのことだと思う。だから、数百字ではとてもとても・・・・・ 
とは言え、本書が「長い」ということに関しては、「もっと短くてもいい」「読者が考える余地を残した方が」という意見があるのも頷ける。だが一方で、この物語に百万言を費やしたいと思った著者の志を想像し、わたしはこれはこれでいいと思ったのだった。
「いとぐちに過ぎない」と書いたけれど、本書は確実に命について考える際の養分になる。問う側、問われる側、両方のかたに一度は読んでいただきたい物語だ。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
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No.95:
(5pt)

「純粋な悪意」に対し人はあまりにも無力である

本の分厚さと上下巻にびっくりしますが(文庫版では全5冊!だし)、読み始めるととまりません。すんなりと世界に入れます。一連の暴露的殺人事件をめぐってさまざまな人間が織り成す模様が、宮部氏の見事な筆力で肉付けされています。しかし、どうしても自分は、宮部氏のもつ「クールな都会人間嫌い」と「下町好き」が毎回気になってしょうがないのです。本作でも下町に住みながら上昇志向ばかり強い「ヒロミ」、下町の蕎麦屋で一生懸命家族とともに働く「カズ」それに正体不明の同級生「ピース」を主役として、一連の殺人事件の主役となります。主にカズとヒロミの関係を書く上巻。登場人物には実直な豆腐屋のおじいちゃん、新鋭ジャーナリスト、犯罪被害者の少年等が登場し、みなそれぞれに背景と事情を抱えています。社会アピール犯罪(愉快犯)の存在と対をなして、犯罪による容赦のない攻撃にさらされてしまった被害者の立場を深く掘り下げています。
模倣犯〈上〉Amazon書評・レビュー:模倣犯〈上〉より
409379264X
No.94:
(5pt)

常に次の展開が気になる

文庫本五冊という分量ながら、読み始めると常に次の展開が気になって、一気に最後まで読んでしまう。中だるみの部分はない。読んでいる最中、「模倣犯」と言うタイトルが頭の中から完全に飛んでいたが、最後になってその意味するところがわかる。このひねりを加えたタイトル自体、なかなかのものである。読後の余韻が去った後、いくつかの腑に落ちない箇所も気になってきたが、最高のエンタテインメント作品であることは間違いない。
(これは全巻を通してのレビューです。)
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.93:
(5pt)

終わるのが惜しいと思いながら夢中で読みました

とても厚い本なのに,厚さを感じません,夢中で読みました。最初の中に張り巡らされた伏線が後半に意味を持ってきます。犯人がわかっているのに結末まで一気に読ませる,さすが宮部さんです。
松本清張,高木彬光の推理小説が巨悪に立ち向かう社会派であるのに対して,宮部みゆきは誰もが巻き込まれそうな日常的な社会派です。この小説は同じ場面を加害者,被害者,刑事などの違った立場から描いているのが特徴です。犯人の立場からは犯罪にも正当性があり,自分は時代のヒーローです。また,援助交際をする女子高生も社会的地位のある男に君臨する女王です。しかし,一皮むけば,大人になりきれないピエロであったり,性病に冒されているかも知れない汚ならしい少女にすぎません。宮部みゆきの冷徹な視線で書かれたこの小説は本当に「怖い」です。
模倣犯〈上〉Amazon書評・レビュー:模倣犯〈上〉より
409379264X
No.92:
(5pt)

犯罪被害者の苦悩を描き切った渾身の導入部

私は普段小説を殆ど読みませんが、宮部さんの小説は比較的よく読みます。とは言え、宮部さんの小説の中で私が読んでいるのは時代物や超能力者物が多く、サスペンスは全く読んでいません。もともと推理小説の類が嫌いなこともあり、いくら宮部さんの著書でも、連続殺人が絡んだ陰惨な話を読むつもりは、当初は全くありませんでした。しかし、ページ数がやたら多い割には評判が良く、単行本の発売当初から、友人達に盛んに勧められたこともあり、とりあえず読んでみようとは思っていました。しかしとにかくページ数が多い上、単行本なので持ち歩きにくい。単行本を購入することを躊躇する内に5年ほど過ぎてしまったので、今回の文庫化は非常に有難いことでした。
とは言え、推理小説が嫌いなこともあり期待はしていませんでしたが、本書の内容には正直驚きました。当初の私の予想とは違い、本書は決して推理小説ではありません。事件に関わるあらゆる立場の人々の内面を描き切った、社会派サスペンスだと言えます。第1巻では、被害者とその周囲の人々、ルポライター、警察官など、事件に巻き込まれる人々の心が見事に描かれています。しかし本書で一番丁寧に描かれているのは、犯罪被害者の心でしょう。大切な人が殺されたことで、終わりのない悪夢や孤独に襲われる。本来なら責任など何もないのに、自分のせいで大切な人が死んだように思い詰め、自分で自分を苦しめ続ける。家族を皆殺しにされた高校生や、孫娘を殺された老人の、決して癒える事のない傷を背負い込んだ内面が、抑えた筆致で見事に描かれています。
凶悪な殺人者の動機にばかり焦点が向きがちなサスペンスが多い中で、犯罪被害者の苦悩を描いた本書は心に強く残ります。本書は第5巻まである超長編ですが、被害者の苦悩を導入部で読者に強く印象付けた第1巻は、本当に素晴らしい1冊だと思います。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.91:
(4pt)

最後は・・

模倣犯を圧倒されながらここまで読んできて、やっとここまできたという感じだった。最後をどんな展開で終わらせるのか・・やはり宮部みゆきはうまい・・。読み終わって一息ついたときにはもう5時間たっている・・そんな日が続いた。これでやっとゆっくり寝れる!!。怖くて部屋をなんど見回したことか・・圧巻でした。
模倣犯〈5〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯〈5〉 (新潮文庫)より
4101369283
No.90:
(5pt)

読み応え度「大」の超大作

単行本の発表から5年を経て、ようやく文庫化された宮部みゆきの代表作。
全5巻の長編ながら読み応えは充分で、時間の経過を忘れるくらいのめり込める。
連続誘拐殺人事件を通して、被害者の遺族と加害者、マスコミや警察など事件に係るものを部分として捕らえ、すべてを組み上げていきひとつの作品に仕上げようとする気概を感じる。
なかでも登場人物の造形に力が注がれており、加害者にあっては、環境が及ぼす影響や事件に走った経緯というところまで掘り下げて描こうとしている。
また、中盤で一端物語が終焉を迎えたかのように見せかけて、新たな局面へ展開させるあたりにも、技巧的なものを感じる。
よどみない筆致と、厳格なる作者の意思が感じられる意欲作で、この作品の『現代ミステリの金字塔』という触れ込みもあながち誇大広告ではないように感じられる。
読み終わらないと真意がわからない、タイトルの付け方もうまい。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.89:
(5pt)

一気に読んでしまいました

文庫本で分厚く2冊、単行本だと5冊と読むのに非常に気後れしてしまいます。
単行本版を読みましたが、1巻だけ買ってその後読まないということはないです。買って損はないです。
はらはらどきどきの連続で、一見若い女性を狙った無秩序な殺人に見えるのがより一層怖さを増します。
ですがそれが全くの正反対で、狡猾な犯人とそれを暴き出す女性ライターとの駆け引きは見所です。
それとこの作品は、主人公があまり明確でないと思うので、様々な人の立場から事件を見ることができ、そういうことからもボリュームがあるのかなと思います。
宮部さんの代表作に相応しいです。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.88:
(5pt)

初めて

宮部作品をちゃんと見ましたが、思ったよりも読みやすく長さがしんどくは感じませんでした。ただ、同じような場面、人物の心情を何回も書き連ねてる面が見られて少し煩わしかったです。1巻と5巻は読み応え十分にありです。
模倣犯〈5〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯〈5〉 (新潮文庫)より
4101369283
No.87:
(5pt)

「英雄になれるチャンスなのに」

 豆腐屋を経営する有馬義男の孫娘が行方不明になっている。
 家族を惨殺されひとり生き残った高校生の塚田真一は、公園で女性の右腕の発見者になってしまう。
 実直な普通の人たちが、いやおうなく事件に巻き込まれていく様子を描いています。
 きれいな文章で、事件をさらりと書いてあり、被害者やまわりの人達の心情のほうに重さがかかっていて感情移入しやすく、物語に引き込まれていきます。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.86:
(5pt)

とりあえず、一巻目だけ読んでみてください。

五巻まであるのを見て、正直ひるみました(笑)。まぁ、途中でやめてもいいやと思って、とりあえず一巻目だけ買ってみました。っで、読み始めたら止まらなくなりました。寝る間も惜しんで、二巻、三巻と次々に読み進み、完読してしまいました。
とにかく、引き込まれます。途中、はらはら、ドキドキで、胃が痛くなるほどです。頭の中に情景がくっきり浮かびます。まるで、テレビか映画を見ているような感じ。いや、それ以上です。まるで自分もその場に居るような、臨場感があります。読後感も、すばらしい余韻を残します。
宮部さんの他の作品とも共通しますが、人間描写のリアルさは、卓越しています。「あ〜、だめだめ」「もっと、こうしろよ」と登場人物に叫びたくなったりします。不完全な人間同士が主観的な理解で互いに関わっていく面白さ、物事をあるがままに見ることのむずかしさ。それを描ききっています。
少し残念に思ったのは、登場人物同士が接触し、絡み合っていく部分で、リアルワールドよりも奇遇な要素が多すぎる点でしょうか。宮部さんの「理由」などと比較すると、少しだけ「お話」っぽいのですが、もともとこの模倣犯が週刊誌への連載であたことを考えると、納得がいきます。
もうひとつ気づく点は、マスメディアや物書きなど、一般人の日常からすると少し特殊な職業の方に偏って親和的で、我田引水な印象があります。たぶん、意識的にそうされているのでしょうね。あとがきで「この小説は私の頭の中から作り出されたもの」ということを不自然なくらいに強調されているのも、わざとでしょうか(笑)。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.85:
(5pt)

思いっきり泣くミステリー。

映画を観て、「原作もつまんないんでしょ」って思ってる方がいらっしゃらないことを祈ります。
原作と映画では、月とスッポンです。
思いっきり泣けます。悔しくて、悲しくて。
こんなにも感情移入できるミステリーは宮部みゆきさんならではだと思います。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.84:
(5pt)

お見事!

 長かった・・・。しかし、誰もが認める稀代のストーリーテラー入魂の一作だけあり、素晴らしい内容でした。とにかく、舞台や登場人物のディテールの細かさはハンパじゃない。そりゃ長くもなります。しかし、やはり長すぎるかな、というのも正直なところ。少しお話が停滞気味になるところが何箇所かあるので、そこはすこしつらく感じた。
 しかしやはりこの作品は、単純なミステリー小説の粋を超えていると思う。なんともいえない読後感が残り、しばらく体から抜けなくなった。読む人によって感じ方は変わるんだろうが、僕には実際の殺人事件の遺族の方たちのことを強く思うようになった。 
 現代ミステリーの最高峰と言われるこの作品。それだけのポテンシャルは十分にあると感じた。
模倣犯〈5〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯〈5〉 (新潮文庫)より
4101369283
No.83:
(4pt)

文庫版でついに読み始めてしまいました

単行本時代はそのボリュームの多さに結局読まずじまいでしたが、文庫版が出て半ば「あきらめの境地」で読み始めてしまいました。しかしやっぱりストーリー展開や描写のリアルさ、事件自体についても身の回りに起こりそうな不安を喚起したり、やはり色々と読者の心情に強いインパクトを与える本です。私は犯人と被害者家族との電話のやり取りに非常に興味を持ちました。あれはまさに人間心理のやりとりをうまく表現しているシーンではないでしょうか。
宮部みゆきさんは、人間の心理をよくついているといつも感心します。またトリックで勝負するのではなく(というか一切ないです)、ストーリーで勝負する姿勢など他の本との差別化もきっちりされていますね。あとは宮部ワールドの特徴でもある、登場人物の多さにイライラしなければ非常に楽しめる本です。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.82:
(4pt)

人のモラルを考える作品でした。

最初の方は精神的に不安定な人々について、それぞれ事細かにその生い立ち、家庭環境などがかかれてあり、人の育っていく過程のなかで例えほんの些細なことであってもその後の影響になりうるという、人間の心の繊細さを改めて知り、どんどん読み進むのですが読み終えるまでとても気分が重かったです。読んでいる間(読み入ってしまうので)、人がいつどう狂気に走るか分からないという錯覚にとらわれ、電車の中でなど周囲を気にかけたりしていました・・。そのくらいでてくる人物像が鮮明に描かれていたと思います。構造としては犯人が誰だかというのが既にわかりきっているという状態なので、いつどう暴かれるのかというそわそわ感をたどっていくという感じでした。
ただそれだけ細かくいろいろな場面が説明されていた割には最後の最後があまりにそっけないというのが自分の中であり、最後もうちょっと違う暴かれ方をしてくれたほうが小説の面白さがより引き立ったのではなかったかなと思い、その点においては残念ではあります。
そしてとりあえず思うのがとても悲しい。でてくる人が何かみな抱えており、結局犯人もかわいそうだなと思えたりで、なぜだか悲しい感がありました。
模倣犯〈上〉Amazon書評・レビュー:模倣犯〈上〉より
409379264X
No.81:
(4pt)

毬子のじいちゃんが泣かせるよね〜。

いろいろな人が出てきて、誰が誰なのか分からなくなるけれど、読んでいるうちに何となく分かるので大丈夫。(何となく分かればOK。)
私としては、「人間は正直&純粋に生きるだけでは騙される、だが、傲慢に生きることは、より愚かなのかも・・・。」みたいなことを学んだように思います。
一番自分のことを考えてくれている人が誰なのか、素直に考えていれば、これほど悲しむ人が増えることもなかったでしょう。 誰を信じるべきか、誰が自分を騙しているのか、見極める力が必要な時代なんだなと思いました。怖いですね。
やはり、親の愛情みたいなものが人格形成において、大変大きな意味を持ち、親と子の愛情、対峙などの経験を持たない人間が多くなりつつある、この世を憂いて止まない気持ちになります。
毬子のおじいちゃんが大変魅力的でした。全ての被害者の家族の思いを代弁していたように思います。彼で締めくくる宮部氏には脱帽です。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.80:
(5pt)

最高傑作・・・名作

以前『理由』を読んで、筆者のストーリー構築の緻密さに感動しましたが、この『模倣犯』も、人間観察の巧みさに驚嘆しました。読み始めた
時は全5巻は正直長いと思いましたが、連続殺人を扱った作品として、構成が非常に上手いです。最初の1巻で、結論は出てしまったようでしたが、詳しい人間模様を詳細に記述したその後の2巻〜5巻まで一気に読んでしまいました。最後の網川と前畑のシーンは圧巻でした。読んで絶対に損しない、期待を裏切らないこの作家の一級品に脱帽です。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240

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