■スポンサードリンク


模倣犯



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

模倣犯の評価: 4.04/5点 レビュー 411件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.04pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全287件 181~200 10/15ページ
No.107:
(5pt)

読書の喜びを感じた作品。

※このレビューはあくまで「読まれる前の方」へのレビューです。
遅ればせながら読ませて頂きました。
この「模倣犯」は宮部作品がどうのというより私にとっては「読書」への喜びを感じた作品です。
(私、あまり読書の趣味がなかったので)
始め五巻もあるとはつゆ知らず「そういえば模倣犯ってあったな」っと気楽に手に取ってみたのですが、
気が付いたら本当にハマルってやつです!
五巻もありしかも分厚いのに一巻の中盤を過ぎればまさに一気!
そして二巻を読み終わる頃「まだまだ三冊あるから良かった!」と思い、
三巻を読み終わる頃「もうあと二冊しかない!」って思い、どんどんとハマっていきます。
読破後、取り付かれたように宮部作品をいろいろ読みましたが、
宮部作品の中では私的に、いまだ一位に君臨しています。
ほんとこんなおもしろい小説があるなんて思ってもみませんでした(おかげで今は活字中毒)
ただ・・「恐い」のと何とも言えない「惨さ」がかなり堪えますが・・。
でも続きがもっともっと読みたいとさえ感じる作品です。
まだ読まれていない方がほんと羨ましい!
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.106:
(4pt)

読む人を少しだけ選びます。

いや、面白い。
面白いんだけど・・・。
正直、「物語」にもっとわかりやすい「救い」を求めてしまう私には、少々辛い作品でした。
先が知りたくて仕方ない気持ちと同じくらい、「なんでこの人がこんな目に会わなきゃならないんだ」と思わされ続けた全五巻。
「救いの無い話」が苦手な方にはお薦めしかねますが、それでも読んで損することだけはないでしょう。
というわけで☆は4つ。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.105:
(5pt)

代表作

2002年度版このミス10 1位。
2001年文春ミステリーベスト10 1位。
第55回毎日出版文化賞特別賞
第5回司馬遼太郎賞
2001年芸術選奨文部科学大臣賞
「火車」「理由はいらない」とならぶ、宮部氏の代表作。
個人的には、この三作品のなかで、一番好きな作品である。
若い女性を狙った連続バラバラ殺人という猟奇的な事件、マスコミを利用した劇場型犯罪をメインに据え(作者独特の文体ゆえ、怖さはない)、犯人や被害者のみならず、被害者の家族、加害者の家族、事件を報道する側等の視点から作品を展開している。単なる「謎解きの」ミステリーの枠に留まらず、現代社会がかかえる「闇」を描き出すことに成功しているところが、この作品が高く評価される所以だろう。
この事件から10年後の前畑滋子を主人公にしたスピンオフ作品が2005年夏から2006年夏に新聞に連載されており(新聞紙上のタイトルは「楽園」)出版が待たれるところである。
模倣犯〈上〉Amazon書評・レビュー:模倣犯〈上〉より
409379264X
No.104:
(4pt)

とりあえず上巻のみの感想

 警察の捜査を掻い潜るように犯人が知略戦を仕掛けてくる前半部は非常にスピード感があふれています。場面が次々と切り替わることには慣れが必要ですが、逆を言えば先が読めない緊迫感があります。登場人物が多くて人物関係を整理するのに手間がかかりますが、それほど細かく読まなくても大筋はつかめる内容でした。ただ最初は被害者や警察が主人公かと思わせる構成でしたが、途中から犯人が犯罪を起こす過程に焦点が移ったので多少戸惑いました。またそのパートもいささか冗長という感じを受けました。そこまで詳しく描写する必要があるのかという部分が見受けられるからです。700ページを越す文章ですが、上記のように被害者と加害者の視点が交錯しており、まだこの作品のテーマは見えてきません。下巻に期待します。
模倣犯〈上〉Amazon書評・レビュー:模倣犯〈上〉より
409379264X
No.103:
(4pt)

☆4個なのは、上巻で。

読書中、事件そのものが実際あったかの様に思った。特に加害者の語りでは、読んでる最中二人が傍に居る感じがして怖くなった。でも後半につれてあの話しは?と思うのが抜けていると思う。子どもが見つけた、アレはその後警察へ届けたの?真一が気付いた、相談所の音声なんとかって言うのはその後どうなったの?たくさんの人の「語り」が出てくるのに、古川鞠子のがないのはどうして?リアルだなと思う所もあれば、今時の高校生がやたら敬語が上手なのもひっかかる。それにあんなに怒っていた昭二が、応援するって滋子に言うのも納得できない。
模倣犯〈下〉Amazon書評・レビュー:模倣犯〈下〉より
4093792658
No.102:
(4pt)

中居くんが好きで・・・

私は「模倣犯」の映画を見てから原作の方を読みました。
映画を見ているので一応流れは分かるはずなのですが・・・続きが気になる!気になりすぎます。これが宮部マジックなのでしょうか?!あっという間に1冊読んでしまいます。
全然読んだことのない人も、映画だけ見たという人も読んでみる価値は充分あります。読むべし!
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.101:
(5pt)

超大作

異質な連続殺人事件を被害者側、警察側、更には加害者側からも描いた作品。
作者・宮部みゆきの本領発揮とも言うべきじっくりとあらゆる視点から事件を描くので読み応えは十分だ。
特に「ピース」「ヒロミ」に「カズ」が絡む終盤はページをめくる手が止まらない。
早く下巻が読みたいと思わせる絶妙な味付けだ。
模倣犯〈上〉Amazon書評・レビュー:模倣犯〈上〉より
409379264X
No.100:
(4pt)

覚悟を持って読んでください 二三日徹夜が続きます

 冒頭第一巻、本書を今から購入する方、もしかしたら多少読む気力を失うかもしれません。本書の面白さは前半終わり部分から爆発します。
 しかし頑張ってください。一巻を読み終え二巻、三巻と進むうちにどんどん先へ先へと急ぎたくなりますよ。
 スロースターターの作品です。読むには根気がいりますが、充実感は保証します。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.99:
(5pt)

渾身の大作 破壊された人格が生む悲劇

ハ−ドカバ−で出版された当時、保育園児だった息子がもう、6年生。
待たされた末についに文庫化された、著者の代表作。
被害者の人権と言うことが議論されている昨今。この作品の説得力は、初版の出版時よりあがっていることであろうと思う。
減ることのない、愉快犯、人格障害ともいえる無慈悲な犯罪とその被害者。
反省することのない犯罪者。
我々子を持つ親たちが、心を痛め、不安におののいている世界がこの作品の中に描かれている。
また、この作品の優れているところは、視点を多角的に描くことにより、事件を立体的に描き、犯罪に巻きこまれてしまった、人々の悲しみ、その後の生活、または犯人側の心理(主犯は人格が破綻してしまっているため、共犯者や関係者の描写しか、理解はしにくい)が多角的に描かれていることであり、感情移入がしやすく物語りに入って行きやすい。その分長くはなっていますが。
自分以外の人生を理解できず、相対的に人間関係を構築できない。そんな人間はいくらでもいる。それが、すべて犯罪者になるとは言わないが、この社会の歪が、そんなモンスタ−を世に送り出し続けているのだろうか?
過剰な自己愛、傲慢、自己中心的世界観、他の世代の排除。
今の若年層が持っているこれらの歪みは、未来への不安につながって行くような気がしてならない
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.98:
(5pt)

大作

『レベル7』をきっかけに、時代物以外の作者の作品を読み漁った時期がありますが、以前ほど物語にインパクトを受けなくなったことと「宮部節」に食傷気味になったことから暫くご無沙汰していました。
読み始めるやすぐにやっぱ上手いなと思いました。描写する際に装飾的に付けられる何気ない表現や言い回しが細部まで実によく練られていて、改めて感心させられました。ただ、唯一滋子の存在が引っかかります。登場人物が善人ばかりなのはいいのですが、ちょっと無神経というか無理があるのでは。今後の立ち回りに注目したいです。
蛇足ながら、全5冊ですが大きな文字と幅広い行間でどうしてもボリュームを膨らませているように思えてなりません。昔の新潮文庫の規格はこうではなかったような。まさかお年寄りのことを慮ってという訳ではないでしょうし。洋書では、正規版とは別に大文字版がありますが。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.97:
(4pt)

最後に織物が完成する

文庫版になり再読。分冊になり手に取りやすくなったことがまずお勧めである。
ただし、1冊づつ通勤途中に、、などではなく一気に通読したいところ。複数の登場人物、視点を変えてのストーリーが折り重なるスピード感を損なわないために。
次第に明らかになる犯人像、さりげなく置かれた伏線、その伏線を活かして一気に視点を変えての新たな展開、そして最終場面へ。
ミステリーとしては決して新たな手法ではない。しかし、これだけの長編でありながら、多くの人物、伏線、視点を破綻させることなく、読者の興味を逃さず紡ぎ上げるところは素晴らしい。
宮部みゆき氏の作品は時機にあった社会的視点を取り入れる。ところが、この作品自体が、簡単に口にできる「社会的視点」って何だ、、と自身につきつけるのである。タイトル「模倣犯」に込められた意味は単なる犯罪スタイルということだけではないのではないか。
これはまったく好みの問題であるが、最終場面については余韻をもたせるほうが良いか、突然の終焉が良いか、、余韻は救いともなるが、その分クライマックスの鮮烈さがぼやけてしまっているとも思える。その部分を0.5★ぐらいを引きたく感じて★4としたが限りなく★5に近い。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.96:
(5pt)

映画=原作ではありません!

 映画を観て「なーんだ、見かけ倒しじゃない!」と感じた方、是非ぜひ原作をお読み下さい。あっという間の全五巻です。
 殺された鞠子さん、映画では伊藤美咲さんが、家族に言えないヒミツを持った女性として描かれていましたが、原作の中の鞠子さんは家族思いの優しい女性です。これは物語の重要なポイントだと思います。
 ミステリアスでショッキング、スキャンダラスな連続殺人事件、一体どのような結末になるの?もちろん最大の関心事です。でも、犯人、被害者の家族、刑事etcそれぞれの人物像にも注目して下さい。きっとこの物語の奥深さを感じられるでしょう。
 さあ、上質のミステリーの開幕です。 
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.95:
(5pt)

ひとつの答え・・・のいとぐち

少々昔の話になるので曖昧だが、某有名誌で「なぜ人を殺してはいけないかと子どもに聞かれたらどう答えるか」という趣旨の特集が組まれていた。このテーマで各界の著名人から1〜2ページ程度の原稿を書いてもらい、掲載したものだったと記憶している。それを読んで違和感を覚えたかたは少なからずいらっしゃったのではと思う。わずか数百字という枠を規定し回答を求めてしまっていい問いかけなのかと・・・・・
『模倣犯』を読んでいる時、この特集を思い出していた。本書に描かれた、殺される者の恐怖、残された者の地獄、「この人だけは死なせないで!」と叫び出したくなる人の死の無念・・・それらを味わってこそ、「なぜ人を殺してはいけないか」への答えに近づけると感じたからだ。さらに言うと、この長い長い胸をえぐられるような物語でさえも、ひとつの答えの、そのまたいとぐちに過ぎない。人の命を考えるとはそれぐらいのことだと思う。だから、数百字ではとてもとても・・・・・ 
とは言え、本書が「長い」ということに関しては、「もっと短くてもいい」「読者が考える余地を残した方が」という意見があるのも頷ける。だが一方で、この物語に百万言を費やしたいと思った著者の志を想像し、わたしはこれはこれでいいと思ったのだった。
「いとぐちに過ぎない」と書いたけれど、本書は確実に命について考える際の養分になる。問う側、問われる側、両方のかたに一度は読んでいただきたい物語だ。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.94:
(5pt)

「純粋な悪意」に対し人はあまりにも無力である

本の分厚さと上下巻にびっくりしますが(文庫版では全5冊!だし)、読み始めるととまりません。すんなりと世界に入れます。一連の暴露的殺人事件をめぐってさまざまな人間が織り成す模様が、宮部氏の見事な筆力で肉付けされています。しかし、どうしても自分は、宮部氏のもつ「クールな都会人間嫌い」と「下町好き」が毎回気になってしょうがないのです。本作でも下町に住みながら上昇志向ばかり強い「ヒロミ」、下町の蕎麦屋で一生懸命家族とともに働く「カズ」それに正体不明の同級生「ピース」を主役として、一連の殺人事件の主役となります。主にカズとヒロミの関係を書く上巻。登場人物には実直な豆腐屋のおじいちゃん、新鋭ジャーナリスト、犯罪被害者の少年等が登場し、みなそれぞれに背景と事情を抱えています。社会アピール犯罪(愉快犯)の存在と対をなして、犯罪による容赦のない攻撃にさらされてしまった被害者の立場を深く掘り下げています。
模倣犯〈上〉Amazon書評・レビュー:模倣犯〈上〉より
409379264X
No.93:
(5pt)

常に次の展開が気になる

文庫本五冊という分量ながら、読み始めると常に次の展開が気になって、一気に最後まで読んでしまう。中だるみの部分はない。読んでいる最中、「模倣犯」と言うタイトルが頭の中から完全に飛んでいたが、最後になってその意味するところがわかる。このひねりを加えたタイトル自体、なかなかのものである。読後の余韻が去った後、いくつかの腑に落ちない箇所も気になってきたが、最高のエンタテインメント作品であることは間違いない。
(これは全巻を通してのレビューです。)
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.92:
(5pt)

終わるのが惜しいと思いながら夢中で読みました

とても厚い本なのに,厚さを感じません,夢中で読みました。最初の中に張り巡らされた伏線が後半に意味を持ってきます。犯人がわかっているのに結末まで一気に読ませる,さすが宮部さんです。
松本清張,高木彬光の推理小説が巨悪に立ち向かう社会派であるのに対して,宮部みゆきは誰もが巻き込まれそうな日常的な社会派です。この小説は同じ場面を加害者,被害者,刑事などの違った立場から描いているのが特徴です。犯人の立場からは犯罪にも正当性があり,自分は時代のヒーローです。また,援助交際をする女子高生も社会的地位のある男に君臨する女王です。しかし,一皮むけば,大人になりきれないピエロであったり,性病に冒されているかも知れない汚ならしい少女にすぎません。宮部みゆきの冷徹な視線で書かれたこの小説は本当に「怖い」です。
模倣犯〈上〉Amazon書評・レビュー:模倣犯〈上〉より
409379264X
No.91:
(5pt)

犯罪被害者の苦悩を描き切った渾身の導入部

私は普段小説を殆ど読みませんが、宮部さんの小説は比較的よく読みます。とは言え、宮部さんの小説の中で私が読んでいるのは時代物や超能力者物が多く、サスペンスは全く読んでいません。もともと推理小説の類が嫌いなこともあり、いくら宮部さんの著書でも、連続殺人が絡んだ陰惨な話を読むつもりは、当初は全くありませんでした。しかし、ページ数がやたら多い割には評判が良く、単行本の発売当初から、友人達に盛んに勧められたこともあり、とりあえず読んでみようとは思っていました。しかしとにかくページ数が多い上、単行本なので持ち歩きにくい。単行本を購入することを躊躇する内に5年ほど過ぎてしまったので、今回の文庫化は非常に有難いことでした。
とは言え、推理小説が嫌いなこともあり期待はしていませんでしたが、本書の内容には正直驚きました。当初の私の予想とは違い、本書は決して推理小説ではありません。事件に関わるあらゆる立場の人々の内面を描き切った、社会派サスペンスだと言えます。第1巻では、被害者とその周囲の人々、ルポライター、警察官など、事件に巻き込まれる人々の心が見事に描かれています。しかし本書で一番丁寧に描かれているのは、犯罪被害者の心でしょう。大切な人が殺されたことで、終わりのない悪夢や孤独に襲われる。本来なら責任など何もないのに、自分のせいで大切な人が死んだように思い詰め、自分で自分を苦しめ続ける。家族を皆殺しにされた高校生や、孫娘を殺された老人の、決して癒える事のない傷を背負い込んだ内面が、抑えた筆致で見事に描かれています。
凶悪な殺人者の動機にばかり焦点が向きがちなサスペンスが多い中で、犯罪被害者の苦悩を描いた本書は心に強く残ります。本書は第5巻まである超長編ですが、被害者の苦悩を導入部で読者に強く印象付けた第1巻は、本当に素晴らしい1冊だと思います。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.90:
(4pt)

最後は・・

模倣犯を圧倒されながらここまで読んできて、やっとここまできたという感じだった。最後をどんな展開で終わらせるのか・・やはり宮部みゆきはうまい・・。読み終わって一息ついたときにはもう5時間たっている・・そんな日が続いた。これでやっとゆっくり寝れる!!。怖くて部屋をなんど見回したことか・・圧巻でした。
模倣犯〈5〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯〈5〉 (新潮文庫)より
4101369283
No.89:
(5pt)

読み応え度「大」の超大作

単行本の発表から5年を経て、ようやく文庫化された宮部みゆきの代表作。
全5巻の長編ながら読み応えは充分で、時間の経過を忘れるくらいのめり込める。
連続誘拐殺人事件を通して、被害者の遺族と加害者、マスコミや警察など事件に係るものを部分として捕らえ、すべてを組み上げていきひとつの作品に仕上げようとする気概を感じる。
なかでも登場人物の造形に力が注がれており、加害者にあっては、環境が及ぼす影響や事件に走った経緯というところまで掘り下げて描こうとしている。
また、中盤で一端物語が終焉を迎えたかのように見せかけて、新たな局面へ展開させるあたりにも、技巧的なものを感じる。
よどみない筆致と、厳格なる作者の意思が感じられる意欲作で、この作品の『現代ミステリの金字塔』という触れ込みもあながち誇大広告ではないように感じられる。
読み終わらないと真意がわからない、タイトルの付け方もうまい。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240
No.88:
(5pt)

一気に読んでしまいました

文庫本で分厚く2冊、単行本だと5冊と読むのに非常に気後れしてしまいます。
単行本版を読みましたが、1巻だけ買ってその後読まないということはないです。買って損はないです。
はらはらどきどきの連続で、一見若い女性を狙った無秩序な殺人に見えるのがより一層怖さを増します。
ですがそれが全くの正反対で、狡猾な犯人とそれを暴き出す女性ライターとの駆け引きは見所です。
それとこの作品は、主人公があまり明確でないと思うので、様々な人の立場から事件を見ることができ、そういうことからもボリュームがあるのかなと思います。
宮部さんの代表作に相応しいです。
模倣犯1 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:模倣犯1 (新潮文庫)より
4101369240

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!