わたしたちが孤児だったころ

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

わたしたちが孤児だったころの評価:

4.00/5点 レビュー 80件。 E ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.00pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全162件 21〜40 2/9ページ
No.142
(5pt)

新刊本の新刊本のよう

まるで新刊本のように綺麗で感激しました。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.141
(5pt)

新刊本の新刊本のよう

まるで新刊本のように綺麗で感激しました。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.140
(2pt)

全く理解できない本でした

2冊読みましたが途中でリタイアしました、たぶんこの作者が日本人の思いなどを拒否する本だと思う。
イギリス国籍だけど元日本人だからと思い手に取りましたが
甘かった、最初から撥ねつけられるような本でした。
別に本が悪いのではなく私にはまったく受け入れられない。私は海外の本が好きで小さい時から
シニアになるまで殆ど翻訳物ばかりでした。インドのおとぎ話もありました。聖書も。
その私でも全く理解できませんでした。
でも好きな海外の作者さんが皆さん亡くなるのでイギリス国籍の方ならと思いましたが
当てが外れました。大人しく時代小説でも読みましょうか。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.139
(2pt)

全く理解できない本でした

2冊読みましたが途中でリタイアしました、たぶんこの作者が日本人の思いなどを拒否する本だと思う。
イギリス国籍だけど元日本人だからと思い手に取りましたが
甘かった、最初から撥ねつけられるような本でした。
別に本が悪いのではなく私にはまったく受け入れられない。私は海外の本が好きで小さい時から
シニアになるまで殆ど翻訳物ばかりでした。インドのおとぎ話もありました。聖書も。
その私でも全く理解できませんでした。
でも好きな海外の作者さんが皆さん亡くなるのでイギリス国籍の方ならと思いましたが
当てが外れました。大人しく時代小説でも読みましょうか。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.138
(4pt)

記憶と現実、戦間期へのノスタルジー、そして親子とは?

主人公クリストファーは、上海租界での子ども時代、アヘン貿易に関わるイギリス商館に勤務する両親が行方不明となり、孤児となってイギリスに帰国する。成人し探偵として成功を収めた主人公は、失踪した両親を探し出すために再び上海の土を踏む。

全編、壮年期の主人公が回想する形で物語が進む。時系列が前後したり、子供時代の細部の記憶があいまいになり始めていることや、当時の自分の虚栄心なども率直に認める。記憶が断片的に現実とつながり、過去のあやふやな会話が急に思い出されたり、ロンドンに残してきた養子のセリフがふと思い出されたりする。

記憶と現実を行ったり来たりするスリリングな描写が印象に残っており、数年ぶりに再読。最初に読んだときは戦場の場面が印象的だったが、今回は、孤児に限らず、親子関係についての描写で色々と考えさせられた。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.137
(4pt)

記憶と現実、戦間期へのノスタルジー、そして親子とは?

主人公クリストファーは、上海租界での子ども時代、アヘン貿易に関わるイギリス商館に勤務する両親が行方不明となり、孤児となってイギリスに帰国する。成人し探偵として成功を収めた主人公は、失踪した両親を探し出すために再び上海の土を踏む。

全編、壮年期の主人公が回想する形で物語が進む。時系列が前後したり、子供時代の細部の記憶があいまいになり始めていることや、当時の自分の虚栄心なども率直に認める。記憶が断片的に現実とつながり、過去のあやふやな会話が急に思い出されたり、ロンドンに残してきた養子のセリフがふと思い出されたりする。

記憶と現実を行ったり来たりするスリリングな描写が印象に残っており、数年ぶりに再読。最初に読んだときは戦場の場面が印象的だったが、今回は、孤児に限らず、親子関係についての描写で色々と考えさせられた。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.136
(5pt)

ラストのエグさに気をつけて。若すぎる人は読まないように

こんなラストなら、読まなかった。
残念すぎるし、やはりそうなのかと虚しさが抑えきれない。

でも読まずにはいられないほど、静かに世界観に引き込まれてしまう。
訳が素晴らしいのもあると思います。

一人称で書かれているものは、気をつけないと視点が一点(自分だけ)になるのは当然で、そこを意識して読んでみると作品の深さがより感じられる。
単純に、深さを感じなくても十分読み応えはもちろんあります。

ハタチそこそこで『テレーズ・デスケルウ』が絶望的で最後は読めなかった自分の若さを、久々に思い出しました。
人の欲望、ひがみの醜さ恐ろしさは正直フィクションでも目にしたくはないけど、フィクションだから、所詮本の中の事で良かったと思えるほどに自分も歳を重ねてきたんだなぁと思えました。
それにしても、やはり結末はグロい。
結末直前の惨状の描写もかなりのヘドを催すものがあるも、軽く読み飛ばせます。
しかし。人は誰しも母親から生まれてきており、その母のある姿は、子どもにとって重要だとそんな当たり前の事にも気がつかされる。

ノーベル賞とるだけの作家の作品は一度だけではなく、二度三度読んでいくと毎度違う視点を与えてくれる、多くの人が自らのそれぞれのこれまでの生き方やら考え方に新たな視点を与えてくれる深いものなのだと。

次はまた数年後、数十年後に読んでみたいなと。
グロさが和らいで読めるくらい、人の色んな心を受け止められるくらいに落ち着いていたいものだと思います。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.135
(5pt)

ラストのエグさに気をつけて。若すぎる人は読まないように

こんなラストなら、読まなかった。
残念すぎるし、やはりそうなのかと虚しさが抑えきれない。

でも読まずにはいられないほど、静かに世界観に引き込まれてしまう。
訳が素晴らしいのもあると思います。

一人称で書かれているものは、気をつけないと視点が一点(自分だけ)になるのは当然で、そこを意識して読んでみると作品の深さがより感じられる。
単純に、深さを感じなくても十分読み応えはもちろんあります。

ハタチそこそこで『テレーズ・デスケルウ』が絶望的で最後は読めなかった自分の若さを、久々に思い出しました。
人の欲望、ひがみの醜さ恐ろしさは正直フィクションでも目にしたくはないけど、フィクションだから、所詮本の中の事で良かったと思えるほどに自分も歳を重ねてきたんだなぁと思えました。
それにしても、やはり結末はグロい。
結末直前の惨状の描写もかなりのヘドを催すものがあるも、軽く読み飛ばせます。
しかし。人は誰しも母親から生まれてきており、その母のある姿は、子どもにとって重要だとそんな当たり前の事にも気がつかされる。

ノーベル賞とるだけの作家の作品は一度だけではなく、二度三度読んでいくと毎度違う視点を与えてくれる、多くの人が自らのそれぞれのこれまでの生き方やら考え方に新たな視点を与えてくれる深いものなのだと。

次はまた数年後、数十年後に読んでみたいなと。
グロさが和らいで読めるくらい、人の色んな心を受け止められるくらいに落ち着いていたいものだと思います。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.134
(4pt)

過去を知ることで辛くなる現実

主人公は上海育ちのイギリス人で突然孤児になってしまった10歳の出来事を起点に探偵としての地位を活かして両親に何が起こったのかを探っていくストーリーです。舞台はアヘン戦争中の上海で子供時代の郷愁を感じる記憶と現在の謎を探るパートで主に構成されています。さらにその現在すら郷愁を感じる過去の記憶となる数十年後も併せて描写されており、過去の真実を知ることに執着したことで今の幸福になりえたかもしれない選択肢を捨ててしまうことになります。ですが、主人公は使命に生きており、結果的には必然だったと感じさせる内容でした。

主人公の目的を最優先させ、時には協力者を罵倒する姿勢には正直やり過ぎだと感じましたが、それも率直に生きてきた人生、そして探偵としての職業がそうさせたのかもしれません。

読後は重厚な過去を受け入れたおじいさんのような感覚になりました。一人の人生を味わった感覚です。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.133
(4pt)

過去を知ることで辛くなる現実

主人公は上海育ちのイギリス人で突然孤児になってしまった10歳の出来事を起点に探偵としての地位を活かして両親に何が起こったのかを探っていくストーリーです。舞台はアヘン戦争中の上海で子供時代の郷愁を感じる記憶と現在の謎を探るパートで主に構成されています。さらにその現在すら郷愁を感じる過去の記憶となる数十年後も併せて描写されており、過去の真実を知ることに執着したことで今の幸福になりえたかもしれない選択肢を捨ててしまうことになります。ですが、主人公は使命に生きており、結果的には必然だったと感じさせる内容でした。

主人公の目的を最優先させ、時には協力者を罵倒する姿勢には正直やり過ぎだと感じましたが、それも率直に生きてきた人生、そして探偵としての職業がそうさせたのかもしれません。

読後は重厚な過去を受け入れたおじいさんのような感覚になりました。一人の人生を味わった感覚です。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.132
(1pt)

ノーベル文学賞が泣く、罪な小説!

一体何なんでしょうね。内容に時代性がなく、増して時代を超えた普遍性もない小説とは。表題の「わたしたち」「孤児」「だったころ」も、様々な意味で勘違いを起こさせる表現になっています。先ずは「わたしたち」、物語は凡そ主人公の一人称で描かれ進みながら、最後近くなって唐突に二人称に、それも主人公の単なる推測により拡張されているに過ぎません。また「孤児」、主人公は男親には捨てられたのかも知れないが、女親は愛する主人公への経済支援の見返りに自らを押し殺して囚われの身となり続けたのでしたし、そして「だったころ」、主人公と彼に係わる枢要な人物は全て、最後まで過去に引き摺られ続けて、結局は新たなステージに立てないで終わっています。要の主人公の心理・心象さえはっきりしていません。これを文学といえるのでしょうか。何を読み取ればよいのか、掴めないまゝの「冒険譚」です。いっそ表題を『20世紀初頭中国上海で起こった決して特異でもないある英国人夫婦の失踪と両親を探し求める息子の顛末』とでも題してくれれば、読まずに済んだものを、なまじの表題であるがために、人を惑わし誘い込む、罪な小説とでも、評したくなります。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.131
(1pt)

ノーベル文学賞が泣く、罪な小説!

一体何なんでしょうね。内容に時代性がなく、増して時代を超えた普遍性もない小説とは。表題の「わたしたち」「孤児」「だったころ」も、様々な意味で勘違いを起こさせる表現になっています。先ずは「わたしたち」、物語は凡そ主人公の一人称で描かれ進みながら、最後近くなって唐突に二人称に、それも主人公の単なる推測により拡張されているに過ぎません。また「孤児」、主人公は男親には捨てられたのかも知れないが、女親は愛する主人公への経済支援の見返りに自らを押し殺して囚われの身となり続けたのでしたし、そして「だったころ」、主人公と彼に係わる枢要な人物は全て、最後まで過去に引き摺られ続けて、結局は新たなステージに立てないで終わっています。要の主人公の心理・心象さえはっきりしていません。これを文学といえるのでしょうか。何を読み取ればよいのか、掴めないまゝの「冒険譚」です。いっそ表題を『20世紀初頭中国上海で起こった決して特異でもないある英国人夫婦の失踪と両親を探し求める息子の顛末』とでも題してくれれば、読まずに済んだものを、なまじの表題であるがために、人を惑わし誘い込む、罪な小説とでも、評したくなります。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.130
(4pt)

崩れゆく租界

主人公クリストファーは1900年前後の上海租界に生まれた。

父はアヘン貿易によって財をなしたイギリス人だが、同じイギリス人である母は英領インドから流れ込むアヘンによって心身を蝕まれていた中国人に対して、イギリス人として自責の念を感じ、現地中国のナショナリストたちと手を組んで反アヘン・キャンペーンに関わっていた。

その両親が何らかの事件に巻き込まれて行方不明となり、孤児となったクリストファーは本国イギリスに住む親戚に引き取られることになる。

やがて本国イギリスで探偵として身を立てた彼は失踪した両親の行方を探しに上海に舞い戻ることを決意する。

しかし、そこで彼が目にしたものは中国ナショナリズムの台頭と日本の侵略によって行き場を失ってゆく租界のイギリス人たちの斜陽化する社会だった。

今後われわれ日本人が日本の旧植民地を舞台に小説を書く上で、この小説はお手本ともなれば乗り越える対象ともなるだろう。

そもそも「わたしたちが孤児だったころ」というタイトルが意味する「わたしたち」とは誰のことだろうか?
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.129
(4pt)

崩れゆく租界

主人公クリストファーは1900年前後の上海租界に生まれた。

父はアヘン貿易によって財をなしたイギリス人だが、同じイギリス人である母は英領インドから流れ込むアヘンによって心身を蝕まれていた中国人に対して、イギリス人として自責の念を感じ、現地中国のナショナリストたちと手を組んで反アヘン・キャンペーンに関わっていた。

その両親が何らかの事件に巻き込まれて行方不明となり、孤児となったクリストファーは本国イギリスに住む親戚に引き取られることになる。

やがて本国イギリスで探偵として身を立てた彼は失踪した両親の行方を探しに上海に舞い戻ることを決意する。

しかし、そこで彼が目にしたものは中国ナショナリズムの台頭と日本の侵略によって行き場を失ってゆく租界のイギリス人たちの斜陽化する社会だった。

今後われわれ日本人が日本の旧植民地を舞台に小説を書く上で、この小説はお手本ともなれば乗り越える対象ともなるだろう。

そもそも「わたしたちが孤児だったころ」というタイトルが意味する「わたしたち」とは誰のことだろうか?
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.128
(2pt)

ノーベル文学賞作家?

描写が実に大雑把。主人公は有名な名探偵なのだが、解決した事件の内容や解決方法については、ほとんど語られない。
しかし多くの人から尊敬を集めている。主人公の両親の失踪理由も子どもが考えそうなもので、筋に全く深みがない。子どもの頃の友人のアキラは一体どうなったんだ?
 ただ、訳の文体がよいのか、読みやすかったことが唯一の良いところ。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.127
(2pt)

ノーベル文学賞作家?

描写が実に大雑把。主人公は有名な名探偵なのだが、解決した事件の内容や解決方法については、ほとんど語られない。
しかし多くの人から尊敬を集めている。主人公の両親の失踪理由も子どもが考えそうなもので、筋に全く深みがない。子どもの頃の友人のアキラは一体どうなったんだ?
 ただ、訳の文体がよいのか、読みやすかったことが唯一の良いところ。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.126
(2pt)

気分の悪くなる結末。テーマに真の意味が見いだせない。

母のこの人生の行く末は何? えぐいドロドロ歴史物漫画お書きのおつもりじゃないんでしょう?彼女がきっぱりと命を絶って、無一文の主人公がイギリスで普通に人生を極められたらどんなに良かったか。それじゃお書きになりたいと思っているお話にはならないけれど、でもそのお書きになりたかったものを、このはなはだ気分の悪くなる展開に託す必要がおありでした?人間の色々な面を各登場人物に代表させようとしているのはわかるし、数多くの個所に実に鋭い人間の描写があるにはあるのですが。言おうとしているテーマはバラバラだし一つの長編にぶち込むには相性が合わないものばかり。ミステリーでなければ読み進めるのに難がある。主幹のテーマも最後のページに出てきますが、申し訳ございませんが、しっくりこないし、百歩譲っても舌足らず。それと、冷徹な主人公が突然人が違った様にイライラと前線地帯に突進しまるでそれまでと別の小説が始まるみたい。そこにはもう両親がいそうにないという客観的合理的判断をまさに下せるはずの主人公が、浮足立ったようになり猛進し、ここでアキラが出てくるだろうなと予測できても、その出会いの嘘みたいな偶然の様は流石に期待外れもは甚だしい。戦場の悲惨さを見せたかったお気持ちだけはわかりますが。稀に見る素晴らしい筆致で深淵とした世界を描かれるのに追随を許さないイシグロさんが一体どうなされたのか。 主人公のよって立つ英雄正義本望と、それを冷笑せざるを得ないような結果になってしまう全くのどんでん返しも、少々稚拙で、何よりとても残酷な物語です。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.125
(2pt)

気分の悪くなる結末。テーマに真の意味が見いだせない。

母のこの人生の行く末は何? えぐいドロドロ歴史物漫画お書きのおつもりじゃないんでしょう?彼女がきっぱりと命を絶って、無一文の主人公がイギリスで普通に人生を極められたらどんなに良かったか。それじゃお書きになりたいと思っているお話にはならないけれど、でもそのお書きになりたかったものを、このはなはだ気分の悪くなる展開に託す必要がおありでした?人間の色々な面を各登場人物に代表させようとしているのはわかるし、数多くの個所に実に鋭い人間の描写があるにはあるのですが。言おうとしているテーマはバラバラだし一つの長編にぶち込むには相性が合わないものばかり。ミステリーでなければ読み進めるのに難がある。主幹のテーマも最後のページに出てきますが、申し訳ございませんが、しっくりこないし、百歩譲っても舌足らず。それと、冷徹な主人公が突然人が違った様にイライラと前線地帯に突進しまるでそれまでと別の小説が始まるみたい。そこにはもう両親がいそうにないという客観的合理的判断をまさに下せるはずの主人公が、浮足立ったようになり猛進し、ここでアキラが出てくるだろうなと予測できても、その出会いの嘘みたいな偶然の様は流石に期待外れもは甚だしい。戦場の悲惨さを見せたかったお気持ちだけはわかりますが。稀に見る素晴らしい筆致で深淵とした世界を描かれるのに追随を許さないイシグロさんが一体どうなされたのか。 主人公のよって立つ英雄正義本望と、それを冷笑せざるを得ないような結果になってしまう全くのどんでん返しも、少々稚拙で、何よりとても残酷な物語です。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425
No.124
(4pt)

基本的な世界に対する信頼感(ネタバレ有)

カズオ・イシグロがイギリスのいわゆる正統系の作家だというのは、納得できる気がする。
この「私たちが孤児だったころ」や、「私を離さないで」などのイシグロ氏の長編小説を読んでいて一番感じるのは、
なんというべきか、「主人公が基本的に、世界に対するもっともな信頼感を抱いている」のである。
この「私たちが孤児だった頃」にしても、主人公のバンクスは両親の人生にただただ翻弄される形で
唐突に孤児になってしまうが、全てが明らかになって母親と再開を果たした後もその両親の過去の選択を受け入れ、
(それは自分ではどうしようもできない大きな政治や社会の流れを受け入れるということでもある)
探偵としての自分がどう生きるべきかという選択を考慮した末に孤児の新しい女の子を引き受けることにする。
彼は、自分自身の悲劇は置いておいて、新しく受け入れる養子に彼なりに手を差し伸べる。それはほぼ無償の愛に近い。
物語の最後には、探偵として生きてきたバンクスの最後の心の揺らぎが示される。
ロンドンで今までのように事件を調査しつつ、ここで残りの人生の時間を過ごすのか、それとも、
養子にしたジェニファーと田舎で暮らすかどうか....
という老年期に差し掛かった探偵の穏やかな迷いの独白での幕引きはなかなか味わい深いものがある。

私がカズオ・イシグロの小説を定期的に手にとり、その世界に触れたいと思うのは、
イシグロの小説の人々(主に主人公)が感じる、
「自分を取り巻く世界に対する信頼感」を彼らの目線を通じて同じように感じたいからなのかもしれないと時に思う。
過去の様々な物事を語る時に、それが曖昧になる(いわゆる信頼できない語り手になる)というのは、
自分の都合の良いように過去を改変して再構築しているのだと言える。けれどもそれは言い方を変えれば、
複雑で、捉えどころのなく、バラバラになってしまっている現実を、もう一度信頼のできる形に捉え直そうとする
ある意味で誰しもがする普遍的で重要な試みだとも言えるのではないか。
そのような重要な試みを、カズオ・イシグロは描いているのではないかと時に感じる。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)より
4151200347
No.123
(4pt)

基本的な世界に対する信頼感(ネタバレ有)

カズオ・イシグロがイギリスのいわゆる正統系の作家だというのは、納得できる気がする。
この「私たちが孤児だったころ」や、「私を離さないで」などのイシグロ氏の長編小説を読んでいて一番感じるのは、
なんというべきか、「主人公が基本的に、世界に対するもっともな信頼感を抱いている」のである。
この「私たちが孤児だった頃」にしても、主人公のバンクスは両親の人生にただただ翻弄される形で
唐突に孤児になってしまうが、全てが明らかになって母親と再開を果たした後もその両親の過去の選択を受け入れ、
(それは自分ではどうしようもできない大きな政治や社会の流れを受け入れるということでもある)
探偵としての自分がどう生きるべきかという選択を考慮した末に孤児の新しい女の子を引き受けることにする。
彼は、自分自身の悲劇は置いておいて、新しく受け入れる養子に彼なりに手を差し伸べる。それはほぼ無償の愛に近い。
物語の最後には、探偵として生きてきたバンクスの最後の心の揺らぎが示される。
ロンドンで今までのように事件を調査しつつ、ここで残りの人生の時間を過ごすのか、それとも、
養子にしたジェニファーと田舎で暮らすかどうか....
という老年期に差し掛かった探偵の穏やかな迷いの独白での幕引きはなかなか味わい深いものがある。

私がカズオ・イシグロの小説を定期的に手にとり、その世界に触れたいと思うのは、
イシグロの小説の人々(主に主人公)が感じる、
「自分を取り巻く世界に対する信頼感」を彼らの目線を通じて同じように感じたいからなのかもしれないと時に思う。
過去の様々な物事を語る時に、それが曖昧になる(いわゆる信頼できない語り手になる)というのは、
自分の都合の良いように過去を改変して再構築しているのだと言える。けれどもそれは言い方を変えれば、
複雑で、捉えどころのなく、バラバラになってしまっている現実を、もう一度信頼のできる形に捉え直そうとする
ある意味で誰しもがする普遍的で重要な試みだとも言えるのではないか。
そのような重要な試みを、カズオ・イシグロは描いているのではないかと時に感じる。
わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
4152083425