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(短編集)
未来世界から来た男
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未来世界から来た男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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きょうから寝るまえの読書は、フレドリック・ブラウンのSF短篇集『未来世界から来た男』にしよう。 1作目は、「二十世紀発明奇譚」3つに分かれて、透明人間と不死身の身体と不老不死について書かれてある。透明人間になった男は、さいご処刑された。不死身の身体を持った男は窒息死した。不老不死の薬を飲んだ男は意識不明の身になってあっさり埋葬されてしまった。 2作目は、「雪女」卿は行方不明になった映画女優を探しに雪山に登った。雪山で雪男らしいものを撃った。それは谷へすると、卿は後ろから羽交い絞めにされた。その相手は薬を使って雪女になったという。ときどき登山家を捕まえては薬を使って雪男や雪女にするという。雪女は、「あんたが撃った雪女は、あんたが探してた女優だよ」と言った。 3作目は、「こだまガ丘」言ったことがほんとうになる力を持った男が世界征服をたくらんだ。男は山上から「くたばっちまえ!」と言った。すると、こだまが帰ってきて男は死んだ。 4作目は、「ステーキ」主人公はアルクトウルスの第4惑星に着陸した。手違いで宇宙船には食料をつんでなかったので、主人公は空腹だった。その惑星の住民は地球人には親切だった。英語も通じた。ただし筆談だけだった。住民は耳がないのだった。主人公はステーキを所望した。すると住民は主人公を縛って火にくべてしまった。 5作目は、「猫泥棒」猫だけを狙って盗んでいく犯人がいた。かんたんに捕まった。犯人は科学者だった。盗んだ猫を焼却し粉末にして、インスタント猫をつくろうとしていたのであった。 6作目は、「第二のチャンス」野球の試合があった。1959年の500年後のことだ。選手たちはアンドロイドだった。見物人たちもみなアンドロイドだった。 7作目は、「報復宇宙船隊」地球と火星は戦争状態にあったが、金星が未知の宇宙船隊に破壊されて、地球と火星は連合を組んで未知の宇宙船隊をやっつけた。地球と火星は報復するために共同で、光速を超える宇宙船隊をつくって送り出した。しかし、光速を超えるということは、時間を遡って宇宙船隊は行ったことになる。じっさい、宇宙船隊は過去の太陽系に現われて、間違えて金星を破壊した。未知の宇宙船隊は、地球と火星が共同して造ったものだったのである。 8作目は、「タイム・マシンのはかない幸福」タイム・マシンを発明した男は競馬の賭けか株に投資すれば金持ちになると思った。しかし、まず銀行に行って金を奪った。それを元手に競馬をしたのだが、タイム・パトロールに捕まって殺されてしまった。 9作目は、「遠征隊」30人のうち、男は1にんだけだった。しかし、植民惑星の住民は双子を入れて30人増えていた。しかもそれが9か月後にだった。男は地球にいるあいだに子作りをしていたのだった。 10作目は、「赤ひげ」男は金星のスパイだった。妻たちは、ことごとくみな秘密の部屋に入ったので殺された。 11作目は、「ジェイシー」単性生殖で女性が子どもを産めるようになった。でもその子どもたちはみな男の子だった。彼らはみなイエス・キリストみたいな能力を持っていた。水をジンに変えたり、水上歩行をしたり。ジェイシーはイエス・キリストのイニシャル。 12作目は、「接触」火星人は残り900人ほどしかいなかった。地球のロケットは火星人のいるところに着陸した。そのせいで、火星人はひとりもいなくなった。 13作目は、「身代わり」宇宙人は地球人を捕まえたつもりになって、動物園の猿のオスとメスを連れ帰った。 14作目は、「未来世界から来た男」4000年も未来から来た男が妹と結婚した。くわしく話を聞くと、未来は人種がなくて、みな混血だという。未来世界から来た男も4分の1は黒人だという。それを聞くと、妹の兄は怒って、未来世界から来た男を撃ち殺した。 15作目は、「不死身の独裁者」アメリカ兵の1人が爆発でバラバラになってても生きていた。超次元の存在がそのアメリカ兵の頭に乗り移って身体を再生し、戦争をつづけた。しかし、そのアメリカ兵も暗殺された。乗り移っていたものが頭から離れたためだった。 16作目は、「おれとロバと火星人」火星人が地球侵略のためにやってきた。主人公とロバを見て、ロバの方が主人だと思って、ロバと意思を通じた。ロバの返事で、火星人は地球侵略を諦めた。理由は主人公にもわからなかった。 17作目は、「漫画家とスヌーク皇帝」地球の売れない漫画家が書いた宇宙人の絵がたまたま実在した宇宙人にそっくりだったために、漫画家は宇宙人に気に入れられ、スヌーク皇帝は漫画家にこちらの宇宙で漫画を描かないかと持ち掛けた。漫画家は宇宙人の姿に改造され、宇宙人のために漫画を描いた。それは売れに売れた。漫画家は地球に戻りたいとは思わなかった。 18作目は、「おしまい」文章を途中でひっくり返したものをつくった。 19作目は、「灰色の悪夢」50年前に求婚したことを今のことだと思うボケたおじいさんの話。 20作目は、「緑色の悪夢」夫より優れている妻に夫はへきえきとしていた。そこに若い娘が家にやってきた。夫はその娘にいっしょになろうと持ち掛けようとしていたが、妻の方が先にこう言った。「わたしたち、愛し合っているのよ。わたしとあの娘は」と。 21作目は、「白色の悪夢」主人公は新婚旅行中に姉の家に泊まることになった。主人公は暗闇のなかで愛を交わした。それをドアを開けて妻が見た。主人公は姉と交接していたのだった。 22作目は、「青色の悪夢」主人公は泳げなかった。息子が溺れた。妻を呼ぶ。妻はいそいで泳いで息子のところへ行った。息子は溺死していた。妻が立ち上がると、そこは1メートルほどの深さしかなかった。夫はカナヅチだったのである。 23作目は、「黄色の悪夢」自分の誕生日に妻を殺そうとしていた主人公。妻を玄関のドアのそばで殺した。すると、ドアを開けてみんなが言った。「誕生日、おめでとう」と。 24作目は、「ばあさまの誕生日」ハルバリン家の者たちのあいだでよそ者はふたりだけだった。ハルバリン家の者のひとりとよそ者のひとりが喧嘩をしてよそ者は打ちどころが悪くて死んだ。よそ者はひとりになった。目撃者は殺せの命令が下った。 25作目は、「死信」議員を殺した犯人は翌朝、議員そっくりの議員の影武者の姿を見て心臓麻痺で死んだ。 26作目は、「忠臣」チェスの駒から見た戦場。白の王も、黒の王も箱のなかにしまわれる。 27作目は、「毒薬」妻を殺したくて毒薬を調合してくれる薬剤師のところにきた男が毒薬を飲まされ、その解毒剤の代金を薬剤師にせびられる話。 28作目は、「魔法のパンツ」65歳になる金持ちの男が悪魔を呼び出して願い事をする。すっかり元気をなくした下半身のことだった。悪魔は魔法のパンツをくれた。そのパンツをはいていると、元気抜群だった。しかしいざ、ことにおよぼうとするとパンツを脱がなければならず、そうすると元気がなくなるのであった。 29作目は、「魔法の指輪」60歳の金持ちのおじいさんが若い妻を娶った。妻は若い男たちと寝た。おじいさんは、夢のなかで悪魔に頼んだ。はめておくと効き目がある指輪をもらった。妻はおじいさんと寝て言った。「指はだめよ、おかどちがいよ」と。 30作目は、「インド奇術」インドで奇術師が笛を吹いて紐を空中にまっすぐに立てるのを見た妻が、奇術師から笛を買って、一節、二節習ってホテルで寝ている夫の横で笛を吹き出したら、シーツが持ち上がった。ここまででいいだろうというところまで持ち上がったのを見てシーツを引くと、パジャマのズボンの紐が直立していたのであった。 31作目は、「大失敗」叔父の遺産目当てに叔父を殺そうとした甥が叔父の家へ行き、窃盗犯のせいにするために叔父の金を盗んだのだが、甥は叔父を殺すのを忘れていて、一部始終を見ていた叔父に告発されて警察に捕まった。 32作目は、「熊の可能性」夫は人間を動物にする能力を持っていた。逆に動物にした人間をもとの人間の姿にもできた。妻と動物園に行ったときのこと、妻が誤って、熊の檻に落ちた。夫は妻を熊にして、あとで人間に戻して引き上げたのだが、妻はその2、3週間後に妊娠したのだった。いま夫は産室のまえで気が気でなかった。妻が熊になっていたあいだ、雄の熊とのあいだに何があったのかと思いを果たすと。 33作目は、「三羽のふくろう」三羽の子ふくろうは母ふくろうに、昼間は巣を離れてはいけないと言われていた。しかし、三羽の子ふくろうは昼間に巣を出て、とんでもない目に遭った。 34作目は、「人魚物語」ロバートは人魚に恋をした。ふたりは海神によって結ばれた。ロバートは男の人魚となった。交尾はなく、卵の上に精子をぶっかけるだけでよいのだった。ロバートはむなしくなって海の底まで泳いでいった。もちろん、溺れることはなかった。鰓があったからである。 35作目は、「最後の恐竜」ティラノサウルスは最後の恐竜だった。獲物は小さくてすばしこいやつらばかりだった。空腹で死んだ。 36作目は、「殺人十課」ひとりの若者が悪になって地獄に行く羽目になる。 37作目は、「いとしのラム」画家の妻が別の画家と密会していた。画家はもうひとりの画家を撃ち殺した。 ブレイクの詩が引用されていた。「ラム(小羊)」というタイトルの詩だ。ラムは画家の妻の名前だ。 小さな羊(ラム)よ、誰が、おまえを作ったか? (小西 宏訳) 38作目は、「悪ふざけ」悪ふざけが好きな男が主人公。浮気相手と会うときに仮面をつけて、それを外したら、女は心臓麻痺で死んだ。 さいごの39作目は、「人形」叔父さんが拾った4体の人形に夢中な娘がいた。娘が人形に起きることを父親に伝えたら、父親にそのことが起こった。人形に起きることが一家に起こるようになったのだった。 | ||||
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綺麗な状態でした | ||||
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ファンタジーありサスペンスありのショートショート作品集。 苦い後味の作品が多く、おっ!となるオチのものもありますが、なんだこれ?なオチも。まぁ、50年以上も前に書かれたものだから。 面白いのは、言葉で殺しができるようになった男の末路「こだまガ丘」、妻殺しの完全犯罪の思わぬ結末「黄色の悪夢」、絶対に見破れない毒薬「毒薬」、妻を魔術で熊に変えた結果「熊の可能性」、妻の不貞を疑った男の悪夢「いとしのラム」、秘密の逢瀬を愉しむ男への一撃「悪ふざけ」だろうか。 どれも予想外のオチをスッキリと決めてくれる作品だ。 | ||||
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天才フレドリック・ブラウンの、SF、ホラーっぽいもの、小噺…、の各種短編集。登場人物はだいたい、本人は真剣なつもりでも決定的に間抜けな人間(とか地球外生物)。笑いの定番です。星新一のショートショートを思い出します。 | ||||
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フレドリックブラウンをまとめて読んだことがなく、ミステリ系の短編集「まっ白な嘘」がおもしろかったので、次はSF系の作品を、と思ってこの本を購入。素直に面白かったです。 第一部がSFの巻、第二部が悪夢の巻(こっちは小話系?)に分かれてますが、自分はSFの巻のほうが好きな作品が多かったです(「二十世紀発明綺譚」「タイムマシンのはかない幸福」「おしまい」「おれとロバと火星人」)が、後半では「魔法のパンツ」「悪ふざけ」がけっこう好きかも。星新一や筒井康隆が影響を受けたのがわかります。「タイムマシン〜」「おしまい」はかなりラディカル、特に後者は、原文がどうだったのかちょっと読んでみたい気もします。 「宇宙はぼくの手の上に」も一緒に買ったのですが、序文にブラウンはSFを書く方が苦じゃない、と書いていて、本人自身もSFのほうをより楽しんで書いてたのかな、と想像してます。 | ||||
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すごく昔に出版された本で印刷が薄くなっているページも何ページがありましたが、 楽しめました。 。 | ||||
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古今東西ジャンルを超えて最も素晴らしい短篇小説集の一つです。 赤い人魚の絵の表紙が印象的な旧版で読みました。 切れ味鋭い快作(怪作)の連続パンチに陶然とさせられたものです。 今でも時折拾い読んでは痺れています。 中でも一番好きなのは『おしまい』です。 同意見の方はきっと多いと思います。 | ||||
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20世紀の3つの偉大な発明が失われた理由を巡る、「二十世紀発明奇譚」 スヌーク皇帝のお抱え漫画家となった男の数奇な運命を描く「漫画家とスヌーク皇帝」 一族が集まるパーティにまぬかれた男に何が起こるのか「ばあさまの誕生日」 絶世の美女である人魚との恋によって男は何を得たのか「人魚物語」 などページは短いものの、思わずにやりと笑ってしまう作品集です。 中でも「最後の恐竜」は、ブラウンの中では異色作になるのでしょうが、なかなか印象深い作品でした。 | ||||
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フレドリック・ブラウンは,「奇想天外」という言葉がピッタリの作家だと思う。 多くのミステリ作家が,読者を楽しませようと,あの手この手を使ってくれるものだが,この人ほど,ぶっとんでいる人はいないと思った。 発想の豊かさ,実験的精神に感服させられる。 彼の作品はほとんど読んだが,中でも,この短編集が一番印象に残っている。 | ||||
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復刻版が出てすごくうれしいです。 30年近く前にはまってました。 彼の書く宇宙人は荒唐無稽で、本当には存在しそうにないけれど、枠にはまらない楽しさがありました。 久しぶりに堪能したいものです。 | ||||
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この本は短編、中編、長短編からなっていますが、ジャンルなし、固定観念無し、制限なしのストーリーばかりで、とにかくおもしろいです。 ブラウンはSF!ブラウンは推理もの!と限定せず読むと楽しめると思いますよ | ||||
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