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スマドロ



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スマドロ

スマドロの評価: 3.07/5点 レビュー 14件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.07pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

湊かなえや真梨幸子を思わせるイヤミス

『スマドロ』は、2014年に発表された悠木シュンのデビュー作だ。第35回小説推理新人賞を受賞した短編「スマート・クロニクル」に、双葉社の文芸誌『小説推理』に発表された四短編を加えた連作短編集である。

閑静な住宅街で白昼堂々行われるのに、目撃情報ひとつないというスマート泥棒、略して「スマドロ」が世間を騒がせていた。主婦、エステサロン経営者、アラサーのアイドル、スリ師、万引きGメンと5人の女性のモノローグで語られる。

電話に応対する主婦のモノローグで描かれる「スマート・クロニクル」こそ饒舌体の文章にぐいぐい引きこまれ、ミステリー的な興趣もあったが、全体を通してそれ以上の盛り上がりはなく、だんだんと尻すぼみになっていく。最後に大きなどんでん返しでもあれば印象が変わったが、そういったものもない。

最後まで読んで湊かなえや真梨幸子を思い起こした。複数の視点から語られる物語、リンクする登場人物、性的虐待や学生時代の処世術などどこかで読んだような既視感を覚える場面が連続する。

出版業界やイヤミスに限らず、どの業界にもどのムーブメントにも、先駆者がいれば後追いがいる。本作は間違いなくその「後追い」の作品である。必ずしも後追いの方が先駆者より出来が悪いとは限らないが、本作に限って言えば『告白』や『殺人鬼フジコの衝動』を読んだ時のような鮮烈な印象は味わえなかった。

そんななか本作の特徴といえるのが各章の終わりに人物相関図が付いていること。ある章のあの人物と別の章のあの人物が同一人物だったというのは、昨今よくあるつくりだが気づかない人もいるようで、人物相関図が付いているのはわかりやすい。

ただし、ある登場人物と別の登場人物が同一人物であることがわかっても、それによって意外な構図が立ち上ったりするわけでもない。同じ出来事でも見る人によって違う面が見えてくる、という当たり前のことがわかるだけである。
スマドロAmazon書評・レビュー:スマドロより
4575238627

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