火星の人

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評判

火星の人の評価:

4.45/5点 レビュー 311件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.45pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全315件 81〜100 5/16ページ
No.235
(5pt)

シンプルなストーリー

ストーリーはシンプル。
事故で火星に取り残された宇宙飛行士の救出劇を描いたもの。
ひょうきんものの主人公そのものの軽い文体とノリでおやっと警戒させられるが、最後の救出劇のシーンなどはグッとくるものがある。
ストーリーと直接関係のない会話などのディテールがよく描けていてそこも感心したが、いくらSFでもこれは…という点もあり。
火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)より
4150120439
No.234
(5pt)

火星版ロビンソン・クルーソー!

"うん、オーケイ。ぼくはその答えを知っている。一部はぼくが象徴しているもののためだろうー進歩、科学、そしてぼくらが何世紀も前から描いてきた惑星間宇宙の未来。だが、ほんとうのところは、人間はだれでも互いに助け合うのが基本であり、本能だからだと思う。"2014年発刊の本書はWEB発、映画化もされた傑作ハードSF。

個人的には、2015年に『オデッセイ』として、マット・デイモン主演で映画化された時から興味があったのですが。今回ようやく手にとりました。

さて、そんな本書は不幸な事故により火星に一人置き去りにされた宇宙飛行士のマーク・ワトニーの生存をかけた孤独な奮闘と、生きていることに気づかないで見捨ててしまった彼を救いだそうとする他クルー他、周囲の努力を描いているわけですが。

まず印象に残るのは、"ログ"、ワトニーの日々の生存記録の【底抜けの前向きさでしょうか】宇宙飛行士に選ばれるくらいだから、普通の人以上に心身共に優れているとしても、何度も何度も"火星に殺されかけられる"中での(少なくともログ上から感じる限りはですが)死と隣り合わせ状態でも失わないユーモアと鉄メンタルぶりにはやはり驚かされます。

一方で、ある種"何でもあり"のSFにおいて、本書は火星人の襲来とか、突飛すぎる設定で展開するのではなく、あくまで【ワトニーの火星でのリアルサバイバルにシンプルに焦点を絞って】それを支えるクルー、アメリカや中国の宇宙関係者が協力する姿【人類の善性】に重きを置いて終始描いているのも良かった。ハラハラしつつも久しぶりに気持ち良い読後感。(=ページをとじた後も実際の火星探査計画をネットで調べたりしてしまいました)

火星版ロビンソン・クルーソーの様な極限状態でのサバイバルが好きな方、NASAオタクとも言える著者の描くリアルSFに興味ある方にオススメ。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.233
(5pt)

痛快!

なんてユーモアに溢れた作品だろうか。
彼とNASAの数億ドルの機材以外全て敵と言っても過言では無い世界で、素晴らしい頭脳と素晴らしい性格(と悪態)で果敢に立ち向かうアメリカ人を描いたSF小説。
全世界がハラハラと見守る中、マイペース名のフロンティア精神で良くも悪くも荒波を越えていく姿に笑みが零れる。
この作品が素晴らしいのはNASAの見守るしか出来ない「傍観者」と、土と糞に祈りながら生き抜く「当事者」の温度差が軽妙に描かれている所だ。
映画「オデッセイ」も素晴らしい作品だが、映像化の為に省かれている部分も多い為決して優劣が付けられるものでもない。
気になっている方は1度読んで欲しい。99セントで買えた作品に1100円出したく無い方も居るかもしれないが、たった1100円だ。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.232
(5pt)

映画を見られなかったので。。。

映画を見れなかったので購入しました。
大変おもしろかったです。
火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)より
4150120447
No.231
(5pt)

無茶苦茶面白い!

よくもここまで火星で生き残りための詳細を書けるものだと驚いた。
ユーモア抜群の語り口も素晴らしい。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.230
(5pt)

骨太リアルに裏打ちされた傑作SF

傑作SFを再読。再読に耐えうる面白さ。無人島に持って行きたい一冊の筆頭です。

火星にただ1人取り残される、という文字通り絶対絶命のシチュエーションからの脱出劇。
作者自身が科学者であり、NASAのインサイダーだからこその、骨太なリアルさに支えられたストーリーが最大の魅力。

1997年着陸のパスファインダーから2012年のキュリオシティが明らかにした火星の地表環境、直面する数々の危機、それを乗り越えるための様々なアイデア。そのいずれもが骨太リアルに裏打ちされています。

そして科学的なリアルさと双璧をなすのは、主人公のユニークなキャラクター、NASA組織内のやりとりやしがらみ、チームクルーの葛藤といった人間描写。
火星地表、NASA(地球)、母船という三極での展開が、物語を立体的なものにしています。

500ページを超える本書。映画化もされていますが、残念ながら原作の面白さを描き切れてはいません。いかんせん2時間半程度の尺では難しいところ。
是非、TVドラマシリーズとしてリブートして頂きたい。amazon originalでお願いします!
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.229
(5pt)

「見て見て! おっぱい!->(.Y.)」

(上下巻通してのレビューです)人間の知力全開。ワトニーの影響で、ついつい日常生活でも、ちゃっちゃか身体が動いてしまいます。いかに自分がふだん「ボーっと生きて」いるか、ということを考えさせられます。芸は身を助く。備えあれば患いなし。
火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)より
4150120439
No.228
(5pt)

作者が持つ広範な知識が素晴らしい

純粋に楽しむことができる小説。特に宇宙好きには楽しく読むことができる一冊だと思う。
火星でのテラ・フォーミングが22世紀か23世紀には実現しているかも知れないが、その前段階でおそらく起こるであろうことが描かれている。それにしても作者の知識の広さには感心する。ワトニーの論理的な考え方と絶対に帰還するという決意、地球のスタッフと船長をはじめとしたクルーの情熱がストーリーを動かしてゆく。
火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)より
4150120447
No.227
(5pt)

映画を見てから読むというのもおススメです

映画を見てからの文庫本ですが、その場面がリンクしてとても楽しかったですね。それと映画ではかなりの部分がカットされていた事がわかりましたので、先に映画を見ておいて良かったのかなとは思いました。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.226
(4pt)

挿絵くらいあっても罰は当たらない

言葉だけで本作に登場するような細かい装置や工作の説明をするのには限界があると思う。挿絵は本作のログと言う方式には合わないし、読者の想像で賄えるならそれがベストだとは思うが、たまに想像が追いつかないことがあった。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.225
(5pt)

癖になる語り口

火星を生き抜くために知恵をふりしぼりながらログを綴るマークの語り口が実に軽妙で惹き付けられた。独特のアメリカンジョークに微笑みつつ、人間の知恵がいかに偉大であるかを思い知らされた。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.224
(5pt)

SF好き以外にも薦めたい

不慮の事故で火星に取り残された主人公マーク・ワトニーのサバイバルと彼を救出するために全力を注ぐ地球の人々を描いた作品です。
これだけ見るとなんだか重そうだし難しそうと感じるかもしれませんがほとんどの章が彼の日記という形式で描かれているためスラスラと読み進められます。
また、彼自体が非常にポジティブかつシニカルな性格のため絶望的な状況にも関わらずちょっととぼけたブログを読むような軽い感覚で物語を捉えられ、かつ感情移入出来るのは見事です。

科学的な解説は確かに多いですがそれほど難解でもなく、なんとなく把握して読んでも問題ないレベルですので深く考えずにそういうものだと流していけば良いと思います。

個人的にはリアル感のあるSFモノで急に現実離れした技術や宇宙人などが登場すると冷めてしまうのですがその点も作者が元NASA職員という事もあり実現可能かは置いておいてリアリティある描写で興味深く読めました。

ワトニーを応援したりNASAの人々の優秀さに感嘆しているうちにあっという間にラストを迎え、読後感も気持ちよく素敵な作品でした。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.223
(4pt)

映画と併せて読むと完璧かも

読んでよかった本、確実にそう言えます。超面白かったー!!!!
そして読後は元気になります。マークのようにポジティブかつ冷静に問題に立ち向かえる勇気がもらえます。お仕事で疲れた体に染みる…。

あらすじは他の方も説明されており、映画化もしたので必要ないかと思いますので個人的に感じたことだけ。
まず、訳ですが日記形式(ログ)が大半なのでさらりとして読みやすい。テンポもそこそこいいと思います。ただ言い回しに多少の癖があるのと時折前後の文脈が意味不明で??となることがしばしばあります。科学的な専門用語が多いからというわけではなく、後者は単純に誤訳なのかなと…。(既に過去レビュー説明がある鼻つまみと鼻ほじりの違い等)
マークは一人称、地球NASAサイドは三人称とテイストが変わるので切り替えは楽だと思います。急に挟まれるサイドエピソードも字体が変わるので、いきなりどうした?と思いつつも素直に読み進めていけば納得するのでそこまでの混乱はありません。
火星での作業や行動への細かい描写がされますが、科学・化学的な知識、専門機器や宇宙への興味が薄い場合は、挿絵が一切ないので(火星の地図はあります)画面の想像がむずかしいかもしれません。登場人物についても外見の説明が不足気味でセリフでの性格ぐらいしか掴めないので絵的なインパクトが弱く、名前だけでは中々誰だったか思い出せず、キャラを覚えるのが少しだけ大変でした。(私の脳みそが残念なだけかもしれませんが…)
その点を映画が見事に補ってくれているので、小説と映画の両方併せて楽しむのが一番いいかなと思えました。ラストの設定が若干違いますが小説版では皆さんあとちょっとだけ読みたい…という部分も映画で見ることができるので満足です。もちろん小説のラストもあれはあれで大いにあり。
そして頑張れれば英語版でも楽しんでみたいと思える作品でした。久々にSFを読んでわくわくしました。イェイ!
火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)より
4150120439
No.222
(4pt)

映画と併せて読むと完璧かも

読んでよかった本、確実にそう言えます。超面白かったー!!!!
そして読後は元気になります。マークのようにポジティブかつ冷静に問題に立ち向かえる勇気がもらえます。お仕事で疲れた体に染みる…。

あらすじは他の方も説明されており、映画化もしたので必要ないかと思いますので個人的に感じたことだけ。
まず、訳ですが日記形式(ログ)が大半なのでさらりとして読みやすい。テンポもそこそこいいと思います。ただ言い回しに多少の癖があるのと時折前後の文脈が意味不明で??となることがしばしばあります。科学的な専門用語が多いからというわけではなく、後者は単純に誤訳なのかなと…。(既に過去レビュー説明がある鼻つまみと鼻ほじりの違い等)
マークは一人称、地球NASAサイドは三人称とテイストが変わるので切り替えは楽だと思います。急に挟まれるサイドエピソードも字体が変わるので、いきなりどうした?と思いつつも素直に読み進めていけば納得するのでそこまでの混乱はありません。
火星での作業や行動への細かい描写がされますが、科学・化学的な知識、専門機器や宇宙への興味が薄い場合は、挿絵が一切ないので(火星の地図はあります)画面の想像がむずかしいかもしれません。登場人物についても外見の説明が不足気味でセリフでの性格ぐらいしか掴めないので絵的なインパクトが弱く、名前だけでは中々誰だったか思い出せず、キャラを覚えるのが少しだけ大変でした。(私の脳みそが残念なだけかもしれませんが…)
その点を映画が見事に補ってくれているので、小説と映画の両方併せて楽しむのが一番いいかなと思えました。ラストの設定が若干違いますが小説版では皆さんあとちょっとだけ読みたい…という部分も映画で見ることができるので満足です。もちろん小説のラストもあれはあれで大いにあり。
そして頑張れれば英語版でも楽しんでみたいと思える作品でした。久々にSFを読んでわくわくしました。イェイ!
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.221
(4pt)

火星のロビンソン・クルーソー

火星に取り残された主人公が生きるために一つ一つミッションをクリアしていく様子が醍醐味。

植物学、宇宙学、数学、機械学の知識と精神力、体力、継続力、胆力の力を駆使して生き残り、そして友情と奇跡が待っている。

自分だったらどうするかなどと考えながら読むと一層楽しめるのではないでしょうか。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.220
(1pt)

下巻の第19章は、誤訳のてんこ盛り!

ふだんは原書で読むのだが、たまには日本語でと思い、この小野田和子訳を読んでみた。ところが、わけのわからない訳文が多すぎて、半分読み終えたところでもう限界。意味不明の部分にチェックを入れて、kindle版で手に入れた英文の原書と比べてみたら、訳者が手抜きで訳していることがよく分かった。ちょくちょく誤訳、それも信じられないようなヒドイ誤訳があるうえ、訳しにくい部分はぜんぶカタカナじゃないか。いや、かんたんに日本語に訳せる部分もわざわざカタカナ処理して、ワケが分からなくなっている。なんなんだ、この小野田和子という翻訳者は。そもそも力不足なのに、ちゃんと調べもせずに、やっつけ仕事でテキトーに訳しているとしか思えない箇所が多すぎる。この翻訳を読まされるSFファンは、アンディ・ウィアーの世界から突き放されている。

一例だけあげよう。翻訳による作中で、主人公のワトニーがヨハンセンに宛てて遺書にも似た最後のコメントを残すの場面から―

…とにかくいいたいのは、きみはオタクでダサイということ。きみに食いこみパンツをプレゼントしたいから、こんどあったとき、忘れていたら催促してくれ。

なんじゃ、こりゃ! ちかごろは、ダサい女に「食いこみパンツ」を贈るのが流行りになってるのか? その流行の「食い込みパンツ」ってやつを見せてくれっ、と言いたくなる。原文に当たって納得した。Anyway, the point is you're a nerd. Remind me to give you a wedgie next time I see you.

ここは、英語圏の読者がクスッとくるところである。「食いこみパンツ」に関する文化的な説明を注釈でおこなう手もあろうが、せめてこんな風に訳してくれないと、お金を払って購入している読者に対しあまりに不親切なのではないだろうか。

「とにかく言いたいのは、あんたがほんとにダサイってこと。こんど会ったらお仕置きのカンチョーだな。忘れてたら言ってくれ」 (tabbyred による試訳)

訳者の小野田和子という人の経歴は知らないが、ウーム、もうちょっと丁寧に翻訳してほしいなあ。レビューアーの "ぼにーた" さんもカタカナ処理の多さを批判しておられるが、まったく同感である。あまりに安直な翻訳。そして、わたしがここで取り上げた一例などは、英語の意味をきちんと伝えていないばかりか、原作者ウィアーが原文に込めたユーモアをまったく無視している。同僚女性にTバックもどきをプレゼントするなど、趣味の悪さを通り越して、なにか気味の悪ささえ感じてしまうのはわたしだけではなかろう。この部分、原文から読み取れる感触は、危機的状況下でも「かろみ」を失わないワトニーの強さなのに…。訳者がそもそも "give someone a wedgie" の意味を知らなかった可能性も十分にあるが、それを勘案したとしても「(ダサイ女に)食いこみパンツをプレゼント」などは、あまりにばかばかしい誤訳である。

小野田和子さまへ。次に版を改めるときにはわたしの著作権は気にする必要はありませんから「こんど会ったらお仕置きのカンチョーをしてあげる」を使って構わないですよ。もし「パンツ引っぱり上げ」という、ダサい同級生に対する一種のいじめ・からかいを翻訳で「カンチョー」に置きかえるのにためらいがあるのなら、「こんど会ったらお仕置きをしてあげるから」と無難に処理するのもありでしょう。ただし、これじゃああんまり「クスッ」ときませんけど。まあ「食いこみパンツのプレゼント」よりはずっとずうっとマシになりますから、ぜひ次版では訂正してください。ただし、あなたの誤訳やヘンテコリンな訳文は、ほかにもアマタありますから、そこだけ直してもらっても…って感じもしますが。

調べてみたら、この小野田和子さま、さらに後半部で幼い子供が「鼻をほじっている (...picking his nose)」部分を「鼻をつまんでいる」とやっている。おいおい、小野田女史はそもそも英語力がないんじゃないかあ? 悪訳、誤訳の殿堂入りか? そしてこのお方、その直後に "You're pissed.(きみ、怒ってるだろ)" を「ちびったな」と訳してしまっていて、もうこの人いったいどうなっちゃってるの、とわたしは声をあげた。どうしたらこんなバカげた誤訳を重ねられるわけ? ねえ、どーして! どーしてなの! おせーて!

原著における本来の状況の概略はこうである。

妻は宇宙船内の夫のために、カメラにむかって幼子の手を振らせている。そのうち子供は飽きてきて、振らせされているのと反対側の手で鼻をほじくり始める。
「怒ってるだろ」と夫が言う。
「分かる?」
「分かるさ。15の歳から君と一緒だ」
「だって勝手に地球への帰還を何百日も遅らせるんだもの。それまでヤレないわけね。ずうっとあなたのこと心配し続けて、帰るころには、もう私たち年を取っちゃってる (=We'll get past it.)」
「そうだな」

ここを、小野田和子流に訳すとこうなる。

…そのうち子供は飽きてきて…片方の手でさかんに鼻をつまんでいる。
「ちびったな」
「わかる?」
「わかるさ。15の歳から一緒だから、君がちびったらすぐわかる」
「…あなたに抱いてもらえるまで、何百日も待たなくちゃいけない! そのあいだ、ずっと心配しなきゃいけないのよ」
「ごめんな」
「のりこえましょうね」
「のりこえよう」

(なぜ、15歳から一緒にいると相手の "ちびり" が分るのか、どう考えても分からないが、それはさておき、いつの間にやら小野田訳では、尿漏れぎみのけなげで殊勝な妻が、夫とともに苦難に耐える物語になっているのである。引用部のさいごの誤訳もひどい。おいおい、それってウィアーの世界じゃないだろ?)

本書は全編を通じてこうした誤訳や、首を傾げたくなる悪訳が点在する。日本語訳を読み進めていく読者は、あちらこちらで何かしらちぐはぐな描写に出くわしていくわけだが、SFだからよく分からぬこともあろうと自分を納得させるしかないのである。とはいえ、さすがにこの「鼻つまみ」と「ちびり」の誤訳は恥かしすぎる。最新の版では直っているだろうと、大型書店にでかけたついでにこの新版下巻で第19章を確認してみたら、ちっとも直っていなかった。本屋の通路にたたずみ、わたしは天井を見上げて I got pissed! .....おっと、けっして本屋で「ちびった」わけではありません。

「小野田和子」をウィキってみたら、ハヤカワSF関係を中心にそうとう頑張って仕事をしてきたみたいだが、この人、いつか自分の力量のなさが露見することにビクビクしながら何十年も翻訳業に携わってきたのではないだろうか。だとしたら、かわいそうな翻訳家でもある。いや、もしかしたら、それなりに力量がおありなのにたまたま本書を翻訳しているときは体調がすぐれず、バカげた誤訳を下痢のように放出してしまっただけかもしれない。それを確かめるべく、ジェームズ・ティプトリー・ジュニアの短編集の翻訳「あまたの星、宝冠のごとく」を買って読んでみた。一編読んで、この人の三流ぶりが堂に入ったものだということがよく分かった。暇にまかせて、もう一編だけこれを最後と読みはじめたら、こんどもお笑い種の誤訳を見つけて、いよいよ小野田和子氏は殿堂入りだと確信した。

誤訳は誰にでもある。大御所 浅倉久志さんはスティーヴン・キングの Apt Pupil を訳した時、さいごに殺される主人公を生きながらえさせてしまった(新潮文庫「ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編」)。一流翻訳家 池央耿さんなど、悪訳・誤訳がけっこう目についた「小説作法」(原書はステーヴン・キングの ON WRITING) を出してから10年ほどして、あたかも「名人であるわたしが書きました」とでも言わんばかりの、とてもすばらしい エッセー「翻訳万華鏡」を上梓した。小野田和子さんも、そろそろ来し方を振り返って回顧録の準備に入ったらいかがでしょう。もちろん、ここで取り上げたあまりにバカげた誤訳など「わたしは無縁です」と知らん顔の半兵衛を決め込んでかまいませんから。早いとこ取りかからないと You'll get past it! あ、これ「あなたは乗り越えるでしょう」じゃなくて「老いぼれちゃうよ」の意味ですからね。分かんなかったら、いろんな辞書を引こうね、あなた、翻訳家なんだから。
火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)より
4150120447
No.219
(5pt)

火星を本拠地とする宇宙海賊マーク・ワトニーの物語

冒頭で、ルイス船長ひきいる他の宇宙海賊5人を追い出し(死んだふりをして)、地球人の拠点「ハブ」を占領するところから始まります。残された数少ない食料を食いつぶしたり、十字架を燃やしたり、女性の便をいじったり、プルトニウムを掘り返したり、卑猥なメッセージを地球に送って大統領を呆れさせたりと、やりたい放題です。
 挙げ句の果てに、自分が助かるためにNASAの離陸機を乗っ取ります。離陸機を分解し椅子や操作バネルを外して捨てるなど暴虐の限りを尽くすシーンは圧巻です。
火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)より
4150120439
No.218
(5pt)

面白い!

面白いです!一気に読みました!
わからない単語はその都度調べていけば勉強にもなります!
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.217
(5pt)

止まらない

すばらしい作品です。
久々に実際に時間を忘れて読みふけっていました。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716
No.216
(1pt)

翻訳がヒドイ。「おまえダサイから、食いこみパンツをプレセントしてやる」ってか!

ふだんは原書で読むのだが、たまには日本語でと思い、この小野田和子訳を読んでみた。ところが、わけのわからない訳文が多すぎて、半分読み終えたところでもう限界。意味不明の部分にチェックを入れて、kindle版で手に入れた英文の原書と比べてみたら、訳者が手抜きで訳していることがよく分かった。ちょくちょく誤訳があるうえ、訳しにくい部分はぜんぶカタカナじゃないか。いや、かんたんに日本語に訳せる部分もわざわざカタカナ処理して、ワケが分からなくなっている。なんなんだ、この小野田和子という翻訳者は。やっつけ仕事でテキトーに訳しているとしか思えない箇所が多すぎる。この翻訳を読まされるSFファンは、アンディ・ウィアーの世界から突き放されている。

一例だけあげよう。翻訳による作中で、主人公のワトニーがヨハンセンに宛てて遺書にも似た最後のコメントを残すの場面から―

…とにかくいいたいのは、きみはオタクでダサイということ。きみに食いこみパンツをプレゼントしたいから、こんどあったとき、忘れていたら催促してくれ。

なんじゃ、こりゃ! ちかごろは、ダサい女に「食いこみパンツ」を送るのがはやりになってるのか? その流行の「食い込みパンツ」ってやつを見せてくれっ、と言いたくなる。原文に当たって納得した。Anyway, the point is you're a nerd. Remind me to give you a wedgie next time I see you.

ここは、英語圏の読者がクスッとくるところである。「食いこみパンツ」に関する文化的な説明を注釈でおこなう手もあろうが、せめてこんな風に訳してくれないと、お金を払って購入している読者に対しあまりに不親切なのではないだろうか。

「とにかく言いたいのは、あんたはあまりにオタクでダサイってこと。こんど会ったらお仕置きのカンチョーをしてあげるから、忘れてたら言ってくれ」 (tabbyred による試訳)

訳者の小野田和子という人の経歴は知らないが、ウーム、もうちょっと丁寧に翻訳してほしいなあ。レビューアーの "ぼにーた" さんもカタカナ処理の多さを批判しておられるが、まったく同感である。あまりに安直な翻訳。そして、わたしがここで取り上げた一例などは、英語の意味をきちんと伝えていないばかりか、原作者ウィアーが原文に込めたユーモアをちっとも伝えていない。訳者がそもそも "give someone a wedgie" の意味を知らなかった可能性も十分にある。だとしたら、「(ダサイ女に)食いこみパンツをプレゼント」などは、あまりにばかばかしい誤訳である。

小野田和子さまへ。次に版を改めるときにはわたしの著作権は気にする必要はありませんから「こんど会ったらお仕置きのカンチョーをしてあげる」を使って構わないですよ。もし「パンツ引っぱり上げ」という一種のいじめを翻訳で「カンチョー」に置きかえるのに躊躇いがあるのなら、「こんど会ったらお仕置きをしてあげるから」と無難に処理するのもありでしょう。ただし、これじゃああんまり「クスッ」ときませんけど。まあ「食いこみパンツのプレゼント」よりはずっとマシになりますから、ぜひ次版では訂正してください。ただし、あなたの誤訳はほかにもアマタありますが。

調べてみたら、この小野田和子さま、さらに後半部で "You're pissed.(腹をたてた、イラついた)" を「ちびった」と訳してしまっている。おいおい、あんた、そもそも英語力がないんじゃないかあ? 悪訳、誤訳の殿堂入りか? さすがにこの誤訳はあまりに恥かしすぎるので、最新の版では直っているのだろうと大型書店にでかけたついでに確認してみたら、ちっとも直っていなかった。本屋の通路にたたずみ、わたしは I got pissed! .....おっと、けっして本屋で「ちびった」わけではありません。

「小野田和子」をウィキってみたら、ハヤカワSF関係でそうとう頑張って仕事をしてきたみたいだが、この人、いつか自分の力量のなさが露見することにビクビクしながら何十年も翻訳業に携わってきたのではないだろうか。だとしたら、かわいそうな翻訳家でもある。

とんでもない悪訳・誤訳満載の訳書「小説作法」(原書は Stephen King の ON WRITING) を出してから、何事もなかったかのようにエッセーを上梓した池央耿さんの例もある。小野田さんも、傷口を広げないうちにそろそろ来し方を振り返って回顧録の準備に入ったらいかがでしょう。もちろん、ここで取り上げたあまりにバカげた誤訳など「わたしは無縁です」といったそぶりで構いませんから。
火星の人 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 火星の人 (ハヤカワ文庫SF)より
4150119716