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パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
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【この小説が収録されている参考書籍】
パーマー・エルドリッチの三つの聖痕の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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90年代に購入した積ん読本を読んだ。久しぶりのディックはやはり面白かった。ひねくれてねじれた世界と精神への没入感は流石。最近ヴァーリィを読んで時代を感じさせないことに驚いたけど、ディックも古さは感じない。ただ当時かなり色々読んでたのでノスタルジーは感じた。 | ||||
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表示されている新版の装丁のものではない、古いデザインのものが届きました。 画像と違うのなら、そう書いてほしい。 | ||||
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神の片手をずっと掴んでいるかのような小説だった。はじめは濡れ場ありサスペンスありで軽妙に進んでいくが、後半は幻想的、非現実的であり、哲学的になってくる。そこは神の世界。後半は難解になるので何度か再読をおすすめする。再び読むだけの価値はある。 ここからは私の個人的な解釈である。ディックはドラッグ体験時に感じる「神性」、それこそがまさに神であり、そこに大きな意味はあると言いたかったのではないだろうか。酩酊時だけではなく、酔いが覚めた現実世界にも十分意味があり、現実世界に役立つものだと言っている。つまり、この本はドラッグをある意味肯定する小説なのである。 | ||||
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ディックの衝撃作、ただし今回はわかりやすいです。新種のドラッグ<チューZ>が、従来のドラッグ<キャンD>に取って代わる話です。しかし、そこはディック一流のヒネリがあって、夢か幻か現実か、が混ぜん一体となって、終局を向えるパターンです。作品自体はまとまっていて、傑作と言えるでしょう。 | ||||
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本作は登場人物たちが、ドラッグ(チューZ) を服用したあとの幻覚の世界が一番の見どころです。 例によって、主人公たちの現実は見事に崩壊し、地球や月や火星において幾重にも錯綜した奇怪きわまる世界が立ちあらわれる。 プロキシマ星系から「チューZ」という新型ドラッグを携えて飛来した星間実業家パーマー・エルドリッチなる怪人物。 チューZなんぞに市場を奪われてたまるか、とばかり、全力をあげて、エルドリッチのチューZ販売を阻止・抹殺しようとする、旧型ドラッグ・キャンD製造元の社長レオ・ビュレロ。ビュレロ社長の下で働く未来の流行予測コンサルタント〔早い話が予知能力者〕バーニイ・メイヤスン。 本作は今(2018年)から半世紀以上も前に書かれた作品なのに、地球はもはやお話にならないくらい温暖化が進みまくっていて、暑くて暑くてたまらない惑星になっている。 地球が住みにくくなったための対策として、国連は人々を火星や金星に半強制的に移住させていた。 焦熱地獄の地球よりはマシかもしれないが、故郷を遠く離れて、生きる希望も楽しみもない僻遠の地・火星などに移民させられた移民たちは、働く気力も失せた中、キャンDという薬物を服用して見る魅惑的な幻影の世界に逃避する日々を送っていた。 そこに、キャンDよりももっとブッ飛んだ薬物チューZが現れたのだからたまらない。たちまち人々はチューZに魅了されてしまう。 そんな現実崩壊ストーリーのなかで、予知能力者バーニイ・メイヤスンをめぐる幾つかの恋愛が丹念に描かれているところが面白く読めました。 とくにバーニイ・メイヤスンが火星行きの宇宙船の中で出会った若い娘アン・ホーソーンとの火星での淡い恋は、ほのぼのとした気持ちにさせられ、読後も強く印象に残りました。淡い恋といっても、しっかりメイク・ラブまでいくんだけど。 本作は、「電気羊」「ユービック」「高い城の男」「流れよわが涙・・・」と並んで五本の指に入る傑作だと思います。 | ||||
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ドナルド・トランプは、パーマー・エルドリッチだ! いや~なんか選挙運動中からなんか既視感あるなー、と思っていたが、きのう気がついた。 彼の嫁はんやファミリーも皆、墓穴世界から来た人造加工感満載のシミュラクラぽいし、大国パワーゲーム状態や得票経過などの”設定”も、「太陽クイズ」とかいろいろごちゃまぜのディックワールドそのもの。 というか現実が、完全にP・K・ディックに侵食されてしまっているではないか! すごいなあディック。天才の作品、とはこういうことを言うのだろうか。 でも、そんなディック世界に、本当に住むことになるとは思わなかったよ、トホホー。 | ||||
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ジャケ買い、という言葉があるが、この作品はタイトルがいいのでタイトル買い。 ディック作品、次は何を読もうかな、 とさんざん迷ったあげく、タイトルで本書に決めました。 | ||||
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これはユービックや火星のタイムスリップ、アンドロイドは電気羊の夢を見るか?、と並ぶ、伝統SF期(と言ってもディックですから、他の作家とはまるで異なりますが)円熟期の傑作だと思います。 何年かぶりに読みましたが、とにかく人間がよく描けていて、SFガジェットまみれな中、自分の仕事と若い番号のマンション(地球では温暖化が激しく進んでいて、マンションの番号が大きいほど灼熱の住処になります。子供が出来ると遠方の灼熱の大きい番号になります)のために陶芸家の妻と離婚してしまったプレコグ(予言者)のバーニイ・メイヤスン、その妻の再婚した夫がもってきた陶芸品の売り込みを追い返すメイヤスン、火星でパーキーパット(ドラッグと合わせて使うと地球で暮らしてる幻覚に興じられるシルバニアファミリーみたいなキット)に興じる移民とつい現実で不倫してしまう移民、経営者のエゴ丸出しでそのエゴとパーマー・エルドリッチと戦うレオ・ビュレロ(前書きは読んだあとに再度読むと泣ける!)、等々、書き出したら止まらないほどのエピソード満載です。ついでにこの時期のディックは、他の作品のように情緒にダラダラにならず(ハヤカワ版の作品はだいたいそうですが。ちなみに情緒ダラダラ作品はファンにはそれがまた良いので、あとで試してください)、文章はよくコントロールされていて、抑制と自信にあふれています。メイヤスン、の名前間違えるエピソードなんかディックと思えない余裕のユーモア。というわけでまさに円熟期の傑作です。ディックにハマりたいなら絶対に絶対に読まなければなりません! | ||||
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お店のコメントに注釈が無く、カバーが画像と異なる旧版でした。 | ||||
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復刊された紙の媒体のみの『偶然世界』は、ちゃんと『アンドロ羊』、『高い城の男』や『ユービック』のように“PKディック”作品として統一された表紙になっておりますね。まあ、その『偶然世界』はまだKindle化されていないわけで、それはそれで折あればどこかに(早川書房? それともAmazon?)お願いしたいのですが、それをまず脇に置くとして、本書『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』もKindle化という形で復刊を遂げたのですが……、(もう皆さん、私が言いたいことがわかりますね)何で旧紙媒体の表紙のままで、本作品だけ“PKディック”作品として統一されたデザインの表紙ではないの? と思いっきり突っ込みたくなるんです。 私の前に短編集『トータル・リコール』の表紙について同様の突っ込みをされていた方がいまして、私はややそれに便乗した形になるわけですが、やっぱり本作品についても同様のことを主張したい。 私は本作品を絶版になる前の書籍(の文庫)を持っていて、それを評価するとしたら★5つなんですけど、経年劣化の状態で、電子書籍(Kindle)にて所有したいと思ってますが、神経質だというのを恐れずにいわせてもらうと、■“PKディック”として統一された表紙■にならない限り、残念ながら本作品の購入は見送らせていただきます。如何に安くなろうとも。 くだらないっていわれればそれまでですが、(あくまで私は)Kindleでずらっと勢揃いした“PKディック”として統一されたデザインの表紙を見ながらにんまりとしたい。(ある種の)マニアにはそうする権利があると思う。 『ヴァリス』(シリーズ)が、山形浩生訳で早川書房よりこれまた新訳復刊されるそうですが、これまたどうなることでしょう? | ||||
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デイックがいなかったら、80年代以降(ブレードランナー以降)、 アメリカ映画はどうなっていたのか。 本作が映画化されてないのが不思議。 とにかく汲めども尽きぬアイデアの数々… タイプライターが追いつかないくらいだったのでは。 本作は主人公視線がバラバラ、ラストがえっこれで終わり? と瑕疵はありますが、とにかく奇想アイデアの連発で、 めくるめく世界に耽読させられました。 あと、ディックといえば「妻」というものはすべて悪妻と 決まっていますが、本作では「良妻」が出てくるのが珍しい。 | ||||
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キリスト教的アイテムと絡めないほうが話が広がったように思う。世界観が狭くなり残念。 | ||||
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まずは,本文の前のパラグラフを読んでみよう。 「人間は所詮塵から作られたものだ、だがそんな惨めな出だしのわりに、人間はまずまずうまくやってきたじゃないか。 だから、いま直面しているひどい状況も、きっと切り抜けらるというのがわたしの個人的信念だ」 まさに、これは,ディック作品に共通する最大のテーマではないでしょうか。 この現実は本当の世界ではなく,真の世界が別にある,という強迫観念にとらわれながらも, 決して現実世界に絶望しきっているわけではない。 このテーマは、他のデッィクの作品でも現れ、特に「ユービック」「電気羊」「火星のタイムスリップ」 「流れよ我が涙」など傑作と言われる作品群ほどよく出ているようです。 PKDを読み続ける理由もここにあります。 現実世界が崩壊していく過程は恐ろしいものがあるが,それでもなんとかやっていくんだという迫力が本作品には充満しています。 | ||||
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なぜこんなにも再読に耐えられるんだろう? 本当にわからない エ○○○○チから人類への警鐘なのか侵略なのかおふざけなのか商品紹介なのか全部の解釈が同時に可能って困る | ||||
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作者のいつもの特徴であるが、SFの設定を借りて、現実社会のあり方、その社会の中での人間模様を描いた秀作。本作は特に道具立てが豊富である。灼熱地獄にあえぐ近未来の地球。太陽系内の惑星や月に開拓者に送り込む国連。その開拓者相手に束の間の夢を見させる非合法ドラッグ(キャンDと言う名前がオカシイ)を販売する会社。その会社で将来売れる商品を見極めるために雇われている予知能力を持つ主人公。そして極めつけは、異星から返って来たエルドリッチという謎の怪人。彼は本物のエルドリッチなのか、それとも異星人に体を乗っ取られた化け物なのか ? そして彼が持ち帰った「チューZ」という新タイプのドラッグ。 「チューZ」を服用すると、そこは多次元宇宙のようになるのだが、通常の多次元物と異なるのは誰が服用しても、その世界が常にエルドリッチが支配する世界となるのだ。白昼夢なのだが恐怖と戦慄の世界。本薬を常用すれば、全ての世界がエルドリッチに支配されてしまうのだ。この陥穽から逃れる手段は ? 作者はこれに対して、特異な解決策を提示せず、人々が希望を捨てず地道に生きていく姿を描く。 登場人物が多いせいもあり、各々に対する書き込みが必ずしも充分とは言えず、また本質的ではないエピソードも多く含まれており、全てのパズルがピッタリ嵌っている訳ではない。しかし、却って曖昧模糊とした現実認識の危うさを表現しているとも言える。幻想的な多次元宇宙を扱って、現実認識の重要性と希望を持って生きることの大切さを描いた傑作。 | ||||
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以前、利己的遺伝子説という学説が有名になり、 その中に、遺伝子に変わりうる、人間の脳を媒体とする自己複製因子、「ミーム」の学説があった。 ミームとは、脳を媒介して人間達の中に広がっていく何か、という意味で、言葉でも文化でも音楽のフレーズでも「ミーム」なんだけど、 神もまたミームと考えることができるという。 この学説で考えれば、神は、人間の脳を媒体として繁殖する、強力な自己複製因子(ミーム)ということになる。 「リング」の貞子も、そうした意味では、呪いのビデオを見た人間の脳を媒介して繁殖していく、自己複製因子(ミーム)であり、 絶滅された天然痘ウイルスの繁殖願望と合体した、恐ろしい魔女と言えるかもしれない。 その貞子の何百倍も恐ろしい、文字通りの神(=悪魔?)が、このパーマーエルドリッチ(あるいは宇宙の彼方で彼に憑依した何者か)だと思う。 それは、麻薬のフラッシュバックという症状の、侵食された現実に食い込んで、人類の脳の中で異常な繁殖を成し遂げていく。 特に、いきなり現実に、エルドリッチの魔の手の幻覚が入り込んでくる、フラッシュバックの描写は、生半かな怪談など及ばないほど、ぞっとさせられるもので、すごいと思う。 この物語は、様々な予言、可能性の段階で終わる。 現実と幻想、希望と絶望、それらの異様この上ない「ない混ぜ状態」で終わる。 ディックの一番根本的な要素を全てひっくるめた、彼の最高傑作のひとつだと私は思う。 | ||||
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時は21世紀。地球環境は悪化し、人類の居住が不可能になるのも時間の問題だ。国連は火星をはじめとする太陽系惑星への強制移住を開始した。苛酷な生活を送る植民者にとっての唯一の楽しみは、パーキー・パット模型セットとキャンDというドラッグを用いて行う、地球での生活の疑似体験だ。 プロキシマ星系から星間実業家パーマー・エルドリッチが新種のドラッグ、チューZを携えて地球に帰還した。しかしそのドラッグは従来のドラッグとは全く異質のものであった。パーマー・エルドリッチの目的とは? この作品世界は、ディック作品の中でも特に悪夢の様相を呈している。現実と幻覚の合わせ鏡を覗き込んだあなたは、「麻薬」的感覚に襲われるであろう。この作品でも「現実の相対性」というテーマが顔を出している。 しかしディックのすごい所は、単に現実を揺り動かして満足するのではなく、このテーマを更に掘り下げている点だ。幻影に蝕まれエントロピーが増大していくこの脆い現実の中で、絶望的な努力をする人間の姿。そこにディックは一縷の希望を見出している。 この本を読まずして、人生の真実を知ることはできない。 | ||||
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ぜひあらすじや解説を掲載いただきたい作品。結局何がいいたいのかが読み取れませんが、いい作品の匂いがします。 ディックの作品の中では電気羊、ユービック、暗闇のスキャナー、流れよ我が涙、そしてこの作品がおすすめです。ぜひ5冊まとめてどうぞ。 | ||||
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SFを長年読んできましたが、この作品の後半に神が現れます。といっても神様本人が手をさしのべて目の前に現れるわけじゃなくて、ある意味逆で悪魔的存在の後ろに透けて見えるのです。これで神の存在を信じさせてくれるのに十分です。最悪の事態の中でも努力するもの、信ずるものは救われる。もちろん、泣けます。 | ||||
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ディックの長篇の中でも特に好きな一冊です。 これ読んで泣くのは私ぐらいなのかな? | ||||
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