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火星のタイム・スリップ



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火星のタイム・スリップの評価: 4.33/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(5pt)

ディックらしいカオスっぷり満載のSF小説。

大昔のSF小説では、近未来には火星くらいには地球人も到達していて、植民地にしているだろうというのがいかにも当たり前的だった。
1964年発表の本作の舞台も火星であり、どうやって環境を整備したかは語られはしないが、普通に人類が大気の下に暮らしている世界だ。
優れたアイデア作家であるディックらしく、その設定は突飛というか、精神分裂病患者の中には、健常者とは異なる時間の進行の中で生きている者がおり、さらにその中には過去や未来を行き来できる者がいるとする学説がある、という前提が作品を支えている。
火星の或る街の実力者アーニイ・コットは、分裂病の上に自閉症で他人に心を開かない少年を利用することにした。
未来を予見して儲けようとしたのだが、それを実現させる装置を作る前に、地球から来た山師に先を越されて大儲けの機会を失ってしまった為に、今度は過去に戻ってやろうと考える。
しかし、少年の特殊能力は、単純なタイム・トリップではなかった。

ディックの作品は様々な登場人物たちが割と均等に描かれ、多層的に展開するものが多い。
本作も同様で、アーニイの企みに巻き込まれていく人々にもそれぞれドラマがあって、誰が主人公とかというのがはっきりしなかったりするし、途中まで何を描こうとしているのか判じ得ないまま読み進めることになる。
しかも、本作ではもう一人の主要人物であるジャック・ボーレンが、少年の影響で過去に経験した分裂病が再発しかけ、この二人の分裂病者による幻想が、物語を現実と悪夢が入り混ざった混沌とした世界にするので、なかなか複雑、そしておどろおどろしい感覚に包まれた独特の世界観を持っている。
評価も高く、読後感はスッキリとしたものではないが面白かった。
ちょっと翻訳がイマイチという感アリなのが残念。
火星のタイム・スリップ (1980年) (ハヤカワ文庫―SF)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (1980年) (ハヤカワ文庫―SF)より
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No.11:
(4pt)

読み手を選ぶ、いかにもディックらしい作品

ディックは十代のころにはまり代表作といわれるものを一通り読んだが、そのなかでも特にお気に入りがこの「火星の…」と「ユービック」であった。再読してみて確かに面白いのだが、以前ほどの興奮や感動までは感じなかった。書かれた時代を考えれば止むをえないが、「自閉症」「精神分裂症」などの扱いが医学的・コンプラ的に大丈夫なのかというのもあるし、登場人物のキャラも前半と後半で急に変化したりしているのが気になる。自閉症児がトラクターを運転できるのだろうか?ディックはよくプロットの破綻が語られるので、そこは承知しながら読むべきだとは思うが…。とはいえ、このディックならではの雰囲気、フィーリングは大好きだし、いかにもディックらしい作品だと思う。
火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)より
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No.10:
(5pt)

(2023-114冊目)虚構と現実の認識不能な世界へと溶け込んでいく、実にディック的な作品

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 水不足に苦しむ火星植民地で絶大な権力をふるっている水利労組組合長アーニイ・コット。彼は、国連の大規模な火星再開発にともなう投機で地球の投機家に先を越されてしまった。そこで、とほうもない計画をもくろんだ。時間に対する特殊能力を持っている少年マンフレッドを使って、過去を自分に都合のよいように改変しようというのだ。だが、コットが試みたタイム・トリップには怖ろしい陥穽が……!? ディックの傑作長編
(ハヤカワSF文庫版うらすじより)
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 アメリカのSF作家フィリップ・K・ディック(1928 -1982年)が1964年に発表した長編小説です。邦訳は1966年にハヤカワ・SF・シリーズ3129として出た後、1980年にハヤカワ文庫版として再版されました。

 舞台設定は、本国アメリカでの出版からちょうど30年後の1994年8月。すでに人類は火星での植民を進めています。植民にあたっては肌の黒いブリークマンと呼ばれる火星原住民との共棲が図られています。なにしろ現実世界ではアポロ11号が月面着陸する(1969年)よりも前に執筆されていますので、90年代初頭に火星植民地化が成功しているという話は荒唐無稽といえば荒唐無稽です。

 しかしこの物語の核となるのは、自閉症児マンフレッドです。その障害のために彼は周囲の登場人物と(私たち読者が考えるような)通常の会話はできません。しかし作家ディックが描くのは、彼の見つめる世界は「普通ではない」のではなく、私たちとは「異なる」ということ。
「われわれの目に動きが見えるものは、その子には、ものすごい勢いで動いて見えるから、結局、なにも見えないのか。反対に、その子の目にはこの種みたいなゆっくりした過程が、ちゃんととらえられるんだな。きっと庭先にしゃがんでいると、植物がぐんぐん伸びていくのが、はっきりと見えるにちがいない。その子の五日間は、われわれには十分にしか感じられないんだよ」(171頁)

 むしろマンフレッド以外の大人たちは、インサイダー取引的な情報によって経済的利益をいち早く獲得しようとしたり、絶大な権力を握って植民地社会を牛耳ろうとしたり、配偶者以外との関係にうつつを抜かしたりと、彼らが形作る社会が真に「普通」であるかどうかは疑わしい様子が淡々と描かれていきます。
 そうした描写と並行して、現実世界がループ現象を起こすなどしてSF的な仕掛けをほどこされながら溶解していきます。現実世界が認識不能な対象となり、何が現実で何が虚構なのかが特定できなくなります。『 パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 』、『 アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 』、『 高い城の男 』といった作品でディックが手腕を発揮したのは、人間の認識力のあまりの脆弱さを強く読者に自覚させることでした。この『火星のタイム・スリップ』もその系譜に連なるものです。

 ディックらしい作品に幻惑される読書でした。
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*54頁:「おれたちが蛇のようにのたりくたりと這っているすきに」という訳文がありますが、原文は “We creep along like snails”です。つまり「snakes(蛇)」ではなく、「snails(カタツムリ)」です。

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火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)より
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No.9:
(5pt)

ディック本領発揮、文句無しの最高傑作

これは凄いSF小説だ。どちらかと言えば、自閉症を扱った重ぐるしい展開だけに、ラストはどうなるかハラハラしていたが、ディック一流の、大どんでん返しが鮮やかに決まり、ホットしたと言うのが正直な感想である。鬼才ディックには、毎回驚かされるが、今回は本当に最高傑作と言えるでしょう。
火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)より
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No.8:
(5pt)

ディックの最高傑作…、と思います。

フィリップ・K・ディックは、現代の多くの作家に影響を与えています。日本のSFコミックにも。『攻殻機動隊』なんかね。そして、これらのコミックは、アメリカのSF小説に影響。ウィリアム・ギブスンのようなね。

「SFで好きな作品は?」と聞かれた時はいつも『火星のタイム・スリップ』と答えることにしている。しかし情けないことに、ずっう~~~と以前に読んだので、内容をあまり覚えていない。ただ、「とても感動した」ということだけ。が、とても深く深く心に残っている。で、もう一度読み直してみた。

この本のあらすじなんて書かない方が良いだろうと思う。ディックの作品のあらすじなどを書くととてもハチャメチャなコミック本のようなものになってしまうからだ。彼の作品にはたいてい「精神的に問題がある」人々が出てくるが、この本も「例にもれず」である。

わたしは、彼の伝記本も持っている。伝記の類はキライだが、英語の勉強と思って(いくら英語の勉強でも興味あるものを読みたいよね)、購入した。その本の作者によるとディックは双子として生まれたようだ。彼の双子の妹は、幼い時に死んでしまった。ディックの方が健康で妹の方は病弱だったのだ。

彼の母親は、母親として未熟だったようで、ディックの方を大切にした。そのため、妹は衰弱死したらしい。ディックはそのことを幼い頃から自分のせいだと思い始めた。彼の作品にはよく「生まれなかった双子の兄妹」が出てくる。生まれなかった双子はもう一方の身体の中に宿っている。映画『トータル・リコール』にも出てきたように。そんなこともありディックは精神的に問題を抱えるようになった。最後にはドラッグ中毒で亡くなっている。作家によくある話ではあるが。

彼の作品には同様に精神にダメージを受けた人々が書かれている。というか、メインは大抵問題を抱えた人々だ。分裂病、自閉症、偏執、多幸性などなど。『アルファ系衛星の氏族たち』では、地球バーサスアルファ星系の星間戦争の後、アルファ系衛星に取り残された病院の、精神疾患を持った人々が活躍するのだ。

『火星のタイム・スリップ』では、自閉症の10歳の少年が重要な役割を果たす。その彼の最後は涙なしには語れない、なんて。わたしも泣いてしまいましたよ~~~、「歳のせい」もあると思うが。

ディックが言いたいのは、「彼らこそ正常な人々である」ということ。つまりこの自然界からかけ離れてしまったストレスフルな人間社会では、「正常な人」なら正常な生活を送ることは困難だということ。こんな「人間らしくない」生活をなんの困難もなしにスムースに送れる人こそ「正常ではない」ということ。そんなところだと思う。

この本に「精神病とは必要にせまられてなされた発明である。」という一節がある。この社会のシステムに同調できない人々を「精神病」という言葉に押し込めたのだ。

火星には「ブリークマン」という原住民がいる。例の如く、人間は彼らを差別する。しかし、この誰にも心を開かない自閉症の少年は、ブリークマンだけを「美しい人間」とみなす。ブリークマンのこんな会話がある。

「この子の考えは、わたしには、プラスティックのようにお見通しです。この子にも、わたしの考えが手に取るように見えるでしょう。わたしたち、二人とも囚人です。ミスタ、敵地にとらえられた。」

フィリップ・K・ディックは彼の伝記によると、「純文学の作家として認めてもらいたい」という願望を生涯持ち続けた。しかし、彼の作品はまぎれもなく「現代文学」だ。わたしは、そう評価いたしますよ。しかし、もうディックには聞こえないかあ。
火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)より
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No.7:
(5pt)

ディックらしい作品

巻き込まれ型の主人公は、困難な中でも最良の道を見つけようと努力します。救われる人もあり救われない人もあり、混沌はすっきりとは解決しません。
自閉症、起死回生、異星人・・・ディックの好む自らを投影したようなそんなガジェットが散りばめられた本作品は、いかにもディックらしい作品です。
再読に耐えることは間違いなく、破たんの少ないところも作品の完成度を高めています。
火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)より
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No.6:
(5pt)

人間はいつも選ぶことの出来る場所が二つある。我が家と,他人のいる他の世界と

「ディック自作を語る」によると,質の面でも複雑さの面でも文学的価値の面でも,
評判の良かった「高い城の男」の次のレベルをめざした作品で,とても重要な本だと思っていたのに
まともな扱いを受けなかった,という。
 個人的には,B級SFっぽいタイトルで損をしているのではないかと思います。
本作品が例えば「パーマーエルドリッチの三つの聖痕」「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
「流れよ我が涙,と警官は言った」のようなクールなタイトルであったならば,また違った評価を受けたかも知れません。
 しかし,間違いなく,本作品はPKディックの最高傑作です。
 この作品執筆当時,ディックは異常な精神状態に興味をひかれ,精神病に関する本を山ほど読んでいたという。
 そして,精神病の生存的価値,実用的有用性について検討し,精神病患者の現実,時間感覚が我々とは違うのではないか,
という考えのもとに,10歳の自閉症児マンフレッドの内的宇宙が描かれています。
 多数の魅力ある登場人物の心理描写と作品のプロットが見事に融合し,
ラストまで緊張感が途切れないディック作品の頂点を極めている本作品は,もっと広く読まれるべき作品だと思います。
 
火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)より
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No.5:
(3pt)

火星は砂漠だ

1994年。人類の植民地となった火星は深刻な水不足が続いており、コロニーに住む移民たちは国連が配給する水を頼りに生活していた。だが、水利労組組合長アーニー・コットはその貴重な水を思うままに使える程の絶大なる権力を握っていた。最近、アーニーには気になる噂を聞いた。火星の砂漠にある未開発の土地が高値で売買されているらしい。どうやら国連では火星の大規模な再開発を計画していて、既に地球の投機家たちが不動産投資に動き始めていた。莫大な利益を得るチャンスを逃してはならない。アーニーは途方も無い計画をもくろむ。ある自閉症の少年が時間を超越する特殊能力を持っているという事を知り、少年を利用して過去へ戻り今や宝の山となった火星の荒地を自分が先に買い占めようと考えたのだが。

 ディック、1964年の作品。高評価を得た「高い城の男」レベルの作品をもう一度書こうとして意欲を持って書き上げたが、発表当時には全く反響が無くてディックは絶望に突き落とされたという。しかし今では彼の作品群の中でもベストと押すファンも多い。いつもながらディック流の奇妙なSF設定だ。自閉症患者は時間感覚に欠陥があり普通の日常的な現象の速さにもついていけない。故に時間に対して特殊能力を持った者が存在するというようなアイデア。火星にいる先住民はまるでネイティブ・アメリカンのような描き方をしている点も変わっている。少年は他者とは全くコミュニケート出来ず、時おり発するのは意味不明な言葉を繰り返すだけ。「ガビッシュ!」「ガブル!」〜そんな幼児語のような言葉が実はこの物語では実に重大な意味を秘めているというストーリー設定が絶妙だ。その他、タイム・トリップを読者にも体験させるような仕掛けもされていて、やはりディックはこの作品を趣向凝らして書き上げたという労力が感じられる。
 ラスト、感動的などんでん返しがあるのだが、自分はホラー的な感触を感じてしまいちょっとぞっとした。
火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)より
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No.4:
(5pt)

シュールな火星だ

私にとってディックのベストです。
火星殖民の話ですが、この火星って、アメリカ開拓の延長線上にある、ウェストコーストのちょっと先っていう感じですよね。これ凄いシュール、もう以降の人には書けないよ。技術には完全に無頓着、舞台はLA郊外の住宅地としか思えない(この植民地は砂漠に作られたLAと似ている)。登場人物たちは、火星のテラフォーミングなどにはまったく関心がなく、彼らが心配しているのは、障害児の問題、仕事のこと(火星で食料品の家庭訪問販売員って凄いよこれ)、浮気のこと、だものね。本の主題は例の如く、自閉症の子供が感じる世界が現実世界を侵食していく話ですが、そんなのディックのお決まりのストーリーで全然驚かない、むしろこの火星植民地で展開されるソープオペラという舞台設定の方が衝撃が大きい。いやー、このシュールさ、ディックの中でもピカイチです。
火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)より
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No.3:
(3pt)

悪夢の世界

不毛と荒廃と絶望に覆われた火星植民地。きれいな水は手に入らず、新鮮な自然食品も地球からの密輸に頼っている状態。そしてスクールによる徹底的な刷り込み教育。精神病患者が激増し、火星で生まれてくる子供の3人に1人は自閉症になって現実と関わろうとしない。

 火星一の実力者である水利労組組合長のアーニイ・コットは国連によるFDR山の開発を嗅ぎつけ、土地投機を企てる。しかし、それには開発地区の正確な位置をつかんでおく必要がある。アーニイは自閉症の子供に予知能力があると考え、マンフレッド・スタイナーという少年を引き取ったが、少年には想像を絶する悪魔的能力が眠っていた・・・・・・

 数あるディック作品の中でも特に難解な作品。はっきり言って私にもよく分からない。

 ただ言えることは、自閉症患者のマンフレッドはディック作品に頻出するアンドロイドと通じるところがあるということだ。それは、感情移入能力の欠如である。人間性を鋭く問うメタファーとしてマンフレッドは存在しているのだ。

 あと1つ言えることがある。死の匂いの立ちこめる、この悪夢の世界は、本当に怖いということだ。
火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)より
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No.2:
(2pt)

サラリーマンっぽいSF

ディックの魅力のひとつは、主人公がサラリーマンなところだと思う。

悪役は会社の会長で、主人公は毎日会社に行かなくちゃいけない。

そんな庶民っぽさが、ディックの現実性であり優しさだと思う。

そんなディックのサラリーマンっぽさが最も発揮されてる長篇が、これ。

読みやすくて面白いが、独創性や爆発力はない。
火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)より
4150103968
No.1:
(5pt)

やっぱフィリップ・K・ディックでしょ。

未来の火星植民地では、水不足にかこつけて水利労働組合が実権を握って居た。組合長のアーニイ・コットは権力者として君臨していたが、国連の火星再開発の投機の情報を入手するのが遅かったために、地位を失いかけない事態に陥った。そこで、偶然発見した時間を操れるマンフレッドという少年を使って、過去を取り戻そうと画策する。。。。。内容だけ書けば、ありふれたSFみたいだが、悪夢SFというものがあるとすれば、まさしくこれは悪夢そのもの。人間の現実認識と虚構のはざまを描き出したSFを超えたSFです。ぜひ読んでみて下さい。
火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)Amazon書評・レビュー:火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)より
4150103968

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