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渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト



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渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネストの評価: 3.17/5点 レビュー 6件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.17pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(1pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

トリックが成立していない

これほどの駄作は、近年、見たことがない。そもそもトリックが成立していない。
 二階が一階に繋がる下り勾配になっていて、それに誰も気づかない?
 気づかないためには100分の1(100メートル行って1メートル下る)よりも緩やかなことが必須だが、そうだとすると、物語の舞台の各室が900平米とか1000平米とか、いいかげんな体育館の面積より広いことになる。
 有り得んだろう、それは!
渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト (講談社ノベルス)より
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No.1:
(2pt)

探偵役の能力がルールブレイカーすぎて本格としては成立してない。

メフィスト賞受賞作ということで購入。
メフィスト誌上の座談会において編集者が「本格ミステリではない」と発言していたので、それほど期待していたわけではない。
それでも本を開けば館の見取り図が目に入るし、殺人事件の舞台はクローズドサークル(というほど厳密ではないかもしれないけれど)なので、やはり一人の本格ミステリファンとして疼くものがないわけではなかった。
作品の内容は割と大人しめである。
過激さとは無縁で、尖鋭的な部分もなければ挑戦的な部分もない。

本作の探偵役であるアーネストは、古くから続く霊媒の家系の中でも特に高い能力を持つ霊媒師、という設定になっている。
しかし、この設定が解決編に至るまでまったく作中で活かされず、ワトソン役のキャラが「こいつは凄い霊媒師だ」と語ったり、地の文で同じように説明されるだけなので、アーネストがどういう能力も持っているのか、何ができるのか、ということが全然読者にはわからない。
たまに思い出したように「スピリットが云々……」と言い出すが、その台詞だけでは怪しさ満点であり、霊媒師というよりも詐欺師のように思えてしまった。
強い念が宿る物体に触れたとき、それと同調することでその念が読み取れるというのなら、もっと序盤でその力を使い、初対面の相手に対して「アフガニスタンにおられたのでしょう?」とでも言わせておくべきだっただろう。
口数の少ない寡黙な性格なのだから、早い段階で設定を活かした行動でキャラを立ててほしかった。
また、他の登場人物たちが霊媒師といういかにも胡散臭い身分の人間に対して、一切疑いの目で見たりしないのも不自然だった。
実際に霊媒能力を使う場面を目の当たりにしたわけでもないのだから、普通はもっと疑ってかかるべきだろう。
上記のような瑕疵が結果として、この世界では幽霊が実在するのか否か、アーネストは本物の霊媒師なのか否か、という点を曖昧にしており、読者であるこちら側はどことなく落ち着かない気分で読み進めることになり、作品世界に入り込むことができなかった。霊媒能力が本物であると読者にさっさと証明してほしい。
そして、いよいよ解決編でアーネストが霊媒師としての能力を発揮するのだが、このシーンには大いに突っ込みを入れたくなった。
そんな必殺技を持っていたのなら、最初の殺人が起きた時点で使っておくべきだろう。そうすればあっさり犯人は割れて、無駄な犠牲者が生まれることはなかったのに。
「人の命を守るためだからといって犠牲にしていい命など、この世には決して存在しないのですよ」という人道的な台詞を口にするくせに、必殺技の出し惜しみなどするから連続殺人に発展してしまったではないか。
推理の展開も動機ベースで、物証に乏しく、特に琴線に触れた部分もなかった。

「本格ミステリは好きだけど、あまり数は読んでない。館シリーズとか好きだけど、自分で奇抜なトリックとか緻密なロジックを考える頭もない。でもメフィスト賞には憧れてるからなんとか受賞したい。さて、どうしようか。そうだ、登場人物をイケメンパラダイスにして、事件の真相に切ない恋愛話を盛り込もう。そうすれば女性読者のハートをキャッチできるはずだ。あとは雰囲気だけ本格ミステリっぽくしておけば上手く騙されてくれるだろう」
さすがにこれは言いすぎかもしれないが、そして実際には違う考え方だったのかもしれないが、しかし、そういう風に邪推してしまうような読み味だった。
読者であるこちらを楽しませてくれるのならば、別に金のためだろうが何のためだろうが、作者の創作に対する姿勢など別に気にしない。
けれど、個人的には本作は面白くなかった。面白くないから、雰囲気だけ本格ミステリらしさを取り繕っている点が鼻につく。
わざわざメフィスト賞の名を冠して出すほどのものだったろうかと疑問に思う。
とはいえメフィスト賞から出ていなければ一生手に取らなかっただろうし、そのあたり出版社としては狙ったところもあるのか。
作品の価値が皆無とは言わないが、私の気持ちに訴えてくるものはなかった。対象外の読者層、ということなのだろう。
次作は買いません。
渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト (講談社ノベルス)より
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