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渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト
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渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネストの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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Kindleのシリーズではこれが2作目となっていますが、話の内容からこれが1作目だと思います。なぜなら1作目とされている「清らかな煉獄〜」の話の中にこの2作目の出来事が終わった過去の事件として何度も出てくるからです。順番が違うせいで話がさっぱり繋がらず不思議でしたが、これを読んでやっと理解できました。修正を希望します。 | ||||
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風森章羽氏が調布市出身ということもあって、話の舞台は多摩地区です。竜堂佐貴が経営している喫茶店<リーベル>が、調布駅北口にあります。そして竜堂佐貴の友人である、英国人霊媒師・アーネスト・G・アルグライトはその喫茶店<リーベル>の常連です。 サブタイトルに「霊媒探偵アーネスト」とある通り、アーネスト(アーティ)の元に探偵の依頼が舞い込み、依頼主のお屋敷がある八王子の高尾へ、アーティと佐貴は向かいます。そして、そのお屋敷で連続殺人が起きるという本格ミステリ小説です。 話の設定、展開は本格ミステリの王道を行くものですが、キャラクタ設定にオリジナリティーがありなかなか面白いです。今回は、シーンのほとんどが高尾にあるお屋敷内の出来事なので、多摩の町並みや風景描写はあまりありませんでしたが、作者の地元に対する愛着が感じられる良い小説です。例えるなら、仙台在住の作家・伊坂幸太郎氏の仙台を舞台にした小説や、三上延氏の北鎌倉を舞台にした『ビブリア古書堂の事件手帖』のような小説だと思います。 | ||||
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風森章羽氏が調布市出身ということもあって、話の舞台は多摩地区です。竜堂佐貴が経営している喫茶店<リーベル>が、調布駅北口にあります。そして竜堂佐貴の友人である、英国人霊媒師・アーネスト・G・アルグライトはその喫茶店<リーベル>の常連です。 サブタイトルに「霊媒探偵アーネスト」とある通り、アーネスト(アーティ)の元に探偵の依頼が舞い込み、依頼主のお屋敷がある八王子の高尾へ、アーティと佐貴は向かいます。そして、そのお屋敷で連続殺人が起きるという本格ミステリ小説です。 話の設定、展開は本格ミステリの王道を行くものですが、キャラクタ設定にオリジナリティーがありなかなか面白いです。今回は、シーンのほとんどが高尾にあるお屋敷内の出来事なので、多摩の町並みや風景描写はあまりありませんでしたが、作者の地元に対する愛着が感じられる良い小説です。例えるなら、仙台在住の作家・伊坂幸太郎氏の仙台を舞台にした小説や、三上延氏の北鎌倉を舞台にした『ビブリア古書堂の事件手帖』のような小説だと思います。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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『第49回メフィスト賞』受賞作で,そのカバー絵にはいささかためらいを覚える一冊. とはいえ,中身は至ってオーソドックス.冒頭こそ入り組む人と時間に戸惑うものの, ほどよく散らされ,拾われる伏線,変わった作りの館と住人,大雨で絶たれる帰路など, 良くも悪くもまとまっており,強いクセもないためスムーズに読み進めることができます. また,『霊媒探偵』については,その能力で事件を推理,解決するといったことはなく, あえて,そのアンフェア直前まで描くことで,その正当性を強調している印象を受けます. ただ,そうなると霊媒師である必要性も薄く,『由緒正しき一族』など『本物』を強調も, 一巻とはいえ,その能力を利用する場面もあまりないため,今ひとつスゴさが伝わりません. 関係のなさそうな二つを徐々に重ね,それを意識させる話運びは良かったと思いますが, メフィスト賞やミステリとしては物足りず,その設定も生かせていないのは残念なところ. 主人公の背景を匂わせ,立ちはだかる人物も用意と,次巻への広がりは確かに見られますが, この巻を読んだ限り,ミステリではなく,キャラクタに重きを置いたシリーズになりそうです. | ||||
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メフィスト賞受賞作ということで購入。 メフィスト誌上の座談会において編集者が「本格ミステリではない」と発言していたので、それほど期待していたわけではない。 それでも本を開けば館の見取り図が目に入るし、殺人事件の舞台はクローズドサークル(というほど厳密ではないかもしれないけれど)なので、やはり一人の本格ミステリファンとして疼くものがないわけではなかった。 作品の内容は割と大人しめである。 過激さとは無縁で、尖鋭的な部分もなければ挑戦的な部分もない。 本作の探偵役であるアーネストは、古くから続く霊媒の家系の中でも特に高い能力を持つ霊媒師、という設定になっている。 しかし、この設定が解決編に至るまでまったく作中で活かされず、ワトソン役のキャラが「こいつは凄い霊媒師だ」と語ったり、地の文で同じように説明されるだけなので、アーネストがどういう能力も持っているのか、何ができるのか、ということが全然読者にはわからない。 たまに思い出したように「スピリットが云々……」と言い出すが、その台詞だけでは怪しさ満点であり、霊媒師というよりも詐欺師のように思えてしまった。 強い念が宿る物体に触れたとき、それと同調することでその念が読み取れるというのなら、もっと序盤でその力を使い、初対面の相手に対して「アフガニスタンにおられたのでしょう?」とでも言わせておくべきだっただろう。 口数の少ない寡黙な性格なのだから、早い段階で設定を活かした行動でキャラを立ててほしかった。 また、他の登場人物たちが霊媒師といういかにも胡散臭い身分の人間に対して、一切疑いの目で見たりしないのも不自然だった。 実際に霊媒能力を使う場面を目の当たりにしたわけでもないのだから、普通はもっと疑ってかかるべきだろう。 上記のような瑕疵が結果として、この世界では幽霊が実在するのか否か、アーネストは本物の霊媒師なのか否か、という点を曖昧にしており、読者であるこちら側はどことなく落ち着かない気分で読み進めることになり、作品世界に入り込むことができなかった。霊媒能力が本物であると読者にさっさと証明してほしい。 そして、いよいよ解決編でアーネストが霊媒師としての能力を発揮するのだが、このシーンには大いに突っ込みを入れたくなった。 そんな必殺技を持っていたのなら、最初の殺人が起きた時点で使っておくべきだろう。そうすればあっさり犯人は割れて、無駄な犠牲者が生まれることはなかったのに。 「人の命を守るためだからといって犠牲にしていい命など、この世には決して存在しないのですよ」という人道的な台詞を口にするくせに、必殺技の出し惜しみなどするから連続殺人に発展してしまったではないか。 推理の展開も動機ベースで、物証に乏しく、特に琴線に触れた部分もなかった。 「本格ミステリは好きだけど、あまり数は読んでない。館シリーズとか好きだけど、自分で奇抜なトリックとか緻密なロジックを考える頭もない。でもメフィスト賞には憧れてるからなんとか受賞したい。さて、どうしようか。そうだ、登場人物をイケメンパラダイスにして、事件の真相に切ない恋愛話を盛り込もう。そうすれば女性読者のハートをキャッチできるはずだ。あとは雰囲気だけ本格ミステリっぽくしておけば上手く騙されてくれるだろう」 さすがにこれは言いすぎかもしれないが、そして実際には違う考え方だったのかもしれないが、しかし、そういう風に邪推してしまうような読み味だった。 読者であるこちらを楽しませてくれるのならば、別に金のためだろうが何のためだろうが、作者の創作に対する姿勢など別に気にしない。 けれど、個人的には本作は面白くなかった。面白くないから、雰囲気だけ本格ミステリらしさを取り繕っている点が鼻につく。 わざわざメフィスト賞の名を冠して出すほどのものだったろうかと疑問に思う。 とはいえメフィスト賞から出ていなければ一生手に取らなかっただろうし、そのあたり出版社としては狙ったところもあるのか。 作品の価値が皆無とは言わないが、私の気持ちに訴えてくるものはなかった。対象外の読者層、ということなのだろう。 次作は買いません。 | ||||
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