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(短編集)
女のいない男たち
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女のいない男たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全60件 41~60 3/3ページ
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人間の半分はギラギラした性欲を持って生まれついているが、残りの半分はそうではなく、僕もそのひとりである ある巨匠の言葉です 僕もこっち側 | ||||
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ノーベル文学賞候補と言われているが、本当にそれでいいのだろうか。この作家の作品をすばらしいと感じる人は、明治から昭和の作家の作品を読み込んでいるのだろうか。異常なほど海外で人気が高いのは、言い換えれば高度な日本語が使われていないから。翻訳不可能な日本語のリズムや奥深さがないから。翻訳可能な簡単な日本語でしか書かれていないから…ではないだろうか。独特の文体を生み出したこと、読書体力のない現代人にも本を読ませるようにした 功績は評価できるが、ノーベル文学賞候補と騒ぐのはあまりに世界のレベルを知らなさすぎるのではないだろうか。 | ||||
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まるで、「都会的で孤独な登場人物たちが、やたらとセックス絡みの話ばかりをする」という、 あくまで通俗的な村上春樹のイメージに沿って、誰かがなりすまして書いたかのような短篇集。 今までと比べても、個々の作品にいちいち深みが感じられないことに、やや驚かされてしまった。 ある時期以降(『ダンス~』あたりから)の村上作品について、個人的に感心できない点として、 ・問題の解決が、主人公が見る夢や幻想といった、「象徴的」な形でのみ語られることが多い。 ・展開にやや無理がある分を、どこまでも滑らかに続く文章の力で、強引に押し切ろうとする。 というのが挙げられるが、今回の短篇はどれも、謎めいたイメージや伏線が撒き散らされるだけで、 「象徴的」な問題解決は行われる気配すらないし、文章や登場人物もどこか薄っぺらいというか、 あまりに定型的な表現が恥ずかしげもなく頻出することに、何度かうっかり鼻で笑ってしまいそうに なった。ひょっとするとこれは、既に60代半ばという年齢からくる衰えなのだろうか。 やはりある時期以降(おそらく『スプートニク』あたりから)の村上作品は、明らかに英訳を前提と した形で書かれているが、今年は候補の噂すら聞こえてこなかったのは、この作品の英訳が出た せいではないのかと、余計な心配をしてしまいたくなるほどに、いささか残念な出来だったと思う。 | ||||
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「まえがき」に書いてある内容は嘘ではないだろうか? そう思えて仕方ない。 自分から書いたと書いてあるのだけれど、誰か(柴田氏?)に依頼されて書いた、あるいは書かざるを得なくて書いた(もっと言えば、書かされて書いた)ように感じた。 自分で書いたにしては理屈っぽすぎる。 ワザとそんな風に書いてみたのだとすれば、それはそれなりに評価されるべきなのかもしれないけれど...。 『東京奇譚集』のほうがはるかに自然。 | ||||
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「女のいない男たち」をテーマにした短編集6作を収録している。連作ではあるが登場人物が違うのでどれから読んでも問題はない。以下、概要と感想。 「ドライブ・マイ・カー」 胃癌末期で妻を失った役者の家福は飲酒で免停のため24歳の女ドライバーのみさきを雇う。家福とみさきの交流を描きながら、生前に妻には四人の浮気相手がおり、その一人と飲み仲間になったことをみさきに語る、 【感想】 P60には雑誌掲載時に波紋を呼び書き換えられた文章「小さく短く息をつき、火のついた煙草をそのまま窓の外に弾いて捨てた。たぶん上十二滝町ではみんなが普通にやっていることなのだろう。」があるが、架空都市の上十二滝町住民は煙草を投げ捨てるという偏見的な文章が残っている。「煙草をそのまま窓の外に弾いて捨てた。」だけでいいと思うのだが。 「イエスタディ」 関西弁をしゃべる東京出身で二浪の木樽と僕はアルバイトで知り合い仲良くなる。木樽にはえりかという彼女がいてセックスがうまくいかない木樽は僕にえりかと付き合わないかと彼女を紹介される。三人で会った後日に二人はデートをする。映画を観てその後に僕はえりかに相談を持ちかけられる。後日、アルバイトを辞め音信不通になる木樽、それから十六年後に僕とえりかはあるパーティで再会する、 【感想】 ビートルズの詩をパロディにし関係者からクレームのあった作品のようでストーリーに関連する詩を削除したためか駄作という感じである。 「独立器官」 美容整形外科医の渡会医師(52歳)は独身主義者で二、三人の恋人とのセックスを楽しんでいた。そして十六歳年下の子持ちの人妻に恋に落ちる。彼女とは不倫をしながら本気で好きにならないように努力する渡会医師。渡会医師と僕はジムで知り合い彼女の事を聞く。会えない時のつらさと謎の怒りの衝動。その後、渡会医師はジムに来なくなり音信不通に、秘書からの電話で渡会医師が死んだことを聞く、秘書は渡会医師に頼まれて僕に渡したいものがあるという、 【感想】 これはもう単に出来事を書いただけの駄作の一言しかない。(笑) 「シェエラザード」 ハウスにいる羽原には世話のために訪れる35歳の人妻(二人の子持ち)の看護師がいた。看護師は美女とはいえなかったが職務のためか羽原とセックスをする。その後に彼女はいろいろ奇妙な話をした。自分の前世はやつめうなぎだったことや十代の頃に空き巣に入りそれが病みつきになったことなど、そして彼女は好きだった男子の家に忍び込み、彼の部屋から持ち物である使いかけの鉛筆を一本だけ盗む、彼女は自分の証として「しるし」を残して行く、 【感想】 短編の中では個人的にはこれが変態的で一番よかった。が、村上春樹さーん、シェエラザードが空き巣で持ち帰った彼のTシャツがP204では下着になってますけど、あと四年後の男子との再会(怪談みたいなもの)が語られず未完、読者への放置プレイかよと言いたくなります。(笑) 「木野」 出張から予定より早く帰宅した木野は間男を連れ込んだ妻の浮気現場を目撃する。妻との離婚、バーの経営、灰色の雌猫、火傷の女、謎の客カミタ、三匹の蛇。カミタから店を閉めて遠くに行くように言われる木野、 【感想】 「彼女のかたちの良い乳房が上下に大きく揺れているのが見えた」P217、「妻はかたちの良い乳房を激しく宙に揺らせ」P260とあり、巨乳の妻への未練タップリの男の話か、まあ、消化不良の駄作という感じである。 「女のいない男たち」 昔の彼女の夫からの電話で彼女の自殺を知る僕。僕の昔の彼女エムの追憶と思い出が書かれる、 【感想】 「温かい西風が吹くたびに勃起していた。なにしろそういう年齢[14歳]なのだ。」P269、や「エムは僕の性器のかたちが美しいことを夫に教えたのかもしれない。エムは昼下がりのベッドの上でよく僕のペニスを鑑賞し大事そうに手のひらに乗せ「かたちが素敵」」P277と言ったなど中二病小説かという感じである。 読後感は一作80枚前後の短編ではあるが大したあらすじもなく凡長という感じ。30枚くらいでいいような内容である。「駄作短編集」に改題しては、(笑) 誤記 P204 下着→シャツ P209 彼女たちと→彼女と ※複数の意味が不明 P209 女たちの→彼女の ※複数の意味が不明 | ||||
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海辺のカフカ、ねじ巻き鳥が筆者の油の載っていた時季。 力が落ちたと思った。 | ||||
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期待感が大きかったのか、ストーリーがどこか陰鬱にうつり、あまり楽しめませんでした。 大人のかなり年配の方なら合うのかもしれません。 読み終えてしばらく経つと記憶に残っていない・・・そんな感じです。 | ||||
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相変わらずセックスだけはどんな状況下だろうとヤれる機会はけして逃さないのな。目の前に置かれたメシは必ず喰う。あまり美味しくはない、とか、心ひかれるもんじゃない、とか言い訳しながら(苦笑)じゃあ喰うなよ。 ろくに相手(女や過去)と向き合うこともせず、僕らは孤独なんだ分かり合えないんだぁぁ(爆悲)とオッサンがひたすら嘆く嘆く物語(哀) 僕らは女のいない男たちなんだー云々言ってましたが、処女厨の童貞がまかり間違って結婚して離婚してオッサンになったら、こういう男になる気がする(笑) 最後の短編の「女のいない男」とかさ、元厨二病童貞の妄想炸裂w 何?この穴兄弟(失礼w)の傷の舐めあいの一人芝居。キモいわ。 過去に付き合った女の子で自殺したのは3人目で、「僕のせいでなければいい」とか宣ってるけどさ、いやそれ、絶対あんたのせいだろ。なんで旦那が電話してきたか考えろよ(呆) 男(20代)からみてもムリだわ、こんなオッサン連中。女性読者で好評価つけてる人の気が知れない。 それから何より、女達に魅力がない。というか影薄い。ドライブ・マイ・カーの家福の妻とか、綺麗だの素敵だの、誰でもいえるような誉め言葉ばかり。そりゃ女優なんだから綺麗だろうさ。で?それを抜きにした彼女の魅力は?浮気してました、気がついたらガンが進行してました、死んじゃいました、僕にはどうしようもありませんでした、素敵な女性だったのに悲しいです。はい終わり。 妻の浮気相手の年下男とオサレなバーで飲み、相手の男に対して理解があって懐のでかい大人の男を気取りながら、心の中では、俺の方が上だもんね〜あいつ絶対大成しないタイプだよ、僕にはわかるんだもんね〜と意地をはる。つまんねぇ昼ドラみたいだな、おい。舘ひろしで脳内再生しようと思ったけど、舘ひろしに失礼だわ。 こんな男、孤独になって当然だよ。これからもずっと孤独で、誰ともろくに関われずにジジイになっていくんだろうよ。 | ||||
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朝から晩まで読みました 鮮やかな情景が目に浮かびます 人として大切なことを学びました | ||||
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何処が面白いのかさっぱりわからなかった.この作家の書いた文章(小説,エッセイ,紀行文)が沢山の人に受け入れられる事自体“理解不能”である. | ||||
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辛口のコメントですがー主に成熟しなかった恋がテーマの流し書き風の平凡な短編集。相変わらず思わせぶりてきで、頭の中だけで書いたようなリアリティーの乏しい作品。本当の人生を分かっている大人には無理筋の絵空ごと風に感じました。 | ||||
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作品じたいは、久しぶりに村上春樹らしい良い作品を書いてくれたと、文藝春秋から楽しみに、読んでましてで、こちらも購入しました。 北海道の地名の件は知ってましたが、 イエスタデイの替え歌が ビートルズの関係者からクレームきたとかで、すっぽり消えいました。 本筋に支障はないだろうとのことですが、大いにあります。 この替え歌こそが、こ ばかばかしいのに、なぜかとても悲しい。という本作の核になるものだったから。 ビートルズなんかにこだわらずその歌詞を優先してほしかった。村上春樹の文章を愛する者としては本当に残念でした。 | ||||
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セックスについて語ることのハードルが低い人たちがあれこれ登場する話。 登場人物はなぜか性的な物事を語るのが好きだが、そこからなにか人間性の深みとか 誰も気づかないような想念が提示されるわけではなく、すべてはファッションに過ぎない。 どうしてこんなにセックスの話題が好きなのか私には理解できない。 ○ドライブ・マイ・カー 妻を失った男が、ノイローゼになって、死んだ妻は共演した男性と寝ていたに違いないと 思い込んで悶々とするが、臆病なので行動は起こせない、という話(だと思うと面白い)。 ○イエスタディ 小説版「黄昏流星群」 ○独立器官 遅発性統合失調症の症例記述の話。 幻覚や妄想もあったはずだが「僕」には見えていない。 病的な恋煩いは、しばしばじっさいに病気である、という話(だと思うと面白い)。 ○以下は面倒なので省略しよう。 | ||||
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何が腹立つって、あんた以前にどっかのインタビューで「『カラマーゾフの兄弟』は僕の北極星。いつかあのような総合小説を書きたい」って言ってたじゃないか! だから私は待ってたよ、あんたが書く総合小説ってやつを。。。 まあこれは短編だけど、前回の「色彩~」とかにしても、ぜんぜんドストエフスキーのドの字もないじゃん!! なぜあなたは自分が本当にそう思うことだけを書こうとしないのか?一切かっこつけずに、一切ごまかすことなく、本当に自分がそうだと思うことを書こうとしないのか? なぜいつまでも昭和時代のトレンディードラマみたいなこと書いてんだ?鈴木保奈美とか山口智子とかフローリングの床とか熱帯魚とかオープンカーとか、そんな感じ。 あんたけっこういい歳だぜ、あと数年で死ぬんだぜ、こんなん書いてていいの? 私は基本的に小説はクソつまらないけどあなたの書くのはおもしろいと思ってたし(とくに処女短編集は100回は読んだ)、いつかドストエフスキー越えるやつ書くじゃねって期待してたんさ。 とても残念です。 | ||||
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「ダンス・ダンス・ダンス」で、全部出しきって、あれから一体、どれだけの歳月が流れたでしょうか?「国境の南、太陽の西」を読んだ瞬間に、この人終わったと思いましたし、当時、そう批評、批判をされましたし、その通りでした。のに、まだ書いてる。まだあがいてる。から、小説の舞台の地元住民から苦情が出たりして、変なトラブル起こすんです。何故でしょう?時代ととっくの昔にズレちゃったから。貴方ご自身が、誰よりも、そのことを分かってる。もう肩の荷を降ろしましょう。貴方は、十分に日本文学に貢献しましたから。 | ||||
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私は、この人の作品は、殆ど読破しています。(但し、安西水丸と組んだ絵本の類は除きます)しかし、「ノルウェイの森」あたりから、私はこの作家に対して、ある種の嫌悪感を持つようになりました。この人の作品は一言で云えば、「性交小説」、或いは「射精小説」なのです。純文学の体を装ったポルノグラフィティと云ってもいいかもしれません。特に「海辺のカフカ」以降の作品は目を覆いたくなる惨状を呈しています。 今回の短編集に収められた作品も力点は、男と女が如何に軽やかに性行為を交わすに至るか、の描写に置かれています。本来、主題になる筈の、女が去って行ってしまってから男が感じる寂寥感は二の次、三の次になっています。いつものように、この人が描く男女間の会話は絶望的なまでに安っぽいものとなっていますが、今回も例外ではありません。この書き手は実際にこんなことを書いていて、恥ずかしくはならなかったのだろうか、こんな文章に編集者は注文を付けなかったのだろうか、などという疑問がいつものように湧いてきます。この人の日本語の力に対して、私は以前から懐疑的だったのですが、「イエスタディ」を読んだとき、ある結論に達しました。この人は日本語の力に問題があるのではなく、標準語を操る能力に問題があるのです。18歳まで、関西で育ったこの人は、標準語を未だに自家薬籠中のものにしていないのです。自己投影したと思われる主人公、谷村に「それとも言語的音感が人より優れていたのかもしれない」と云わせていますが、村上さん、安心して下さい、決してそんなことはありません。本当に言語的音感が優れている人が書く文章というのは、ひとつひとつの比喩がいちいち鼻についたりしません。会話の場面のひとつひとつの会話に血が通っている筈です。思わず失笑してしまうような、いかにも取ってつけた科白をひけらかしたりしません。気障で自己陶酔的で浅薄な科白は今回も全開でした。日本の文学作品よりもアメリカのペーパーバックに夢中だったツケが今頃、回ってきたのでしょう。全く、進歩がありません。でも、村上さん、一つだけいい方法があるのです。新しい活路を見いだせるかもしれません。それは、作品を最初から最後まで、全て関西弁で書き通すことです。使い慣れた関西弁でなら、血の通った作品を完成させることができるかもしれないでしょう。少なくともオツに澄ましたぎこちない標準語で書き通すよりは明るい展望が開ける筈です。 今回も市立図書館を利用しての通読となりました。昔、沼野充義さんが激賞していた「ねじまき鳥クロニクル」を全巻購入して、バカを見てから、この人の著作物は一切、購入していません。 | ||||
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新しいものを見いだすことができなかった。 わくわくも、どきどきも。 比喩が多い。説明的。独りよがりの自慰的表現。意味不明。 そして物語がすべて過去の作品の焼き増しに感じられた。 作者にそういう意図がないにしても、そうであった。 そこで気になったのが、序文。 あぁ、そうか。言い訳だったんだなと思った(枯渇しはじめていることに対する不安)。たとえ作者が意図していないとしても。 大好きで尊敬している作家なので、大変だと思うけれど、これからも素敵で前衛的な世界をみせてほしいです。 | ||||
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表紙の絵のようにあまりにも単調、退屈、な名文章の連続。どこへ読者をいざなうか、終点が見えない作品。 もはや村上文学の終焉さをも示す作品だ。ノーベル賞はおろか、洛外転落の様相。あの作家としての 試行錯誤を重ねていた時代の作品に懐かしさえ覚えるのは、当方だけであろうか。再度より深い空想上の世界へ 運んでいってもらいたいものだ。 | ||||
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目次を眺めただけで既にお腹いっぱい。 「ドライヴマイカー」 「イエスタデイズ」 と、一発ギャグ系のお笑い芸人みたいにビートルズネタが性懲りもなく繰り返し使われている。 ハルキくんの小説にはとにかくビートルズがでてくる。 大好きなんですねぇ。 「まえがきやあとがきを書くのは好きじゃないんです」 という言い訳から始まるまえがきが本作の一番の読みどころ。 というのも、まえがきの最後のほうに、「ビートルズのネタを短編にだしたら、 ビートルズの楽曲に関する会社から苦情がきた」と書かれているのだ。 これには思わず失笑。 さて、肝心の内容だが、男と女がでてきて、なんか変な会話して、いつの間にかエロいことしてて、 なんかよくわからないうちに物語が終わっているという、ハルキくんがよく書いてる短編が6つぐらい入ってます。 「女のいない男たち」という書名ですけど、短編の主人公はばっちりエロいことしていますので、ご安心を。 | ||||
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うーん、村上春樹の9年ぶりの短編集。 期待が大きかっただけに、ちょっと落胆も大きい。 思えば村上春樹も65才、作家として難しい時期に来ているのか。 約35年前に登場し村上ワールドを展開して、読者に魔法をかけ続けたのだが。 その魔法も徐々に効力を失いつつあるように感じられるのは残念で仕方ない。 私が見たいのは、あれほど世界中の読者を魅了した長編や短編集を発表してきた作家の成熟なのだが。 ここに納められた6篇の短編を読みながら、どれが「この1つ」なのだろう?と思わないわけにいかなかった。 「この1つ」とは「東京奇譚集」における「偶然の旅人」、「レキシントンの幽霊」における「トニー滝谷」、「神の子どもたちはみな踊る」における「タイランド」あるいは「蜂蜜パイ」。つまり核をなす1篇が必ずあるはずだと思ったのだ。 「ドライブ・マイ・カー」ーみさきという女性の描かれ方は面白いと思う。しかし、優れた村上の短編がそうであったように、読者をどこかへ運んでくれるほどの力は感じられない。 青春小説的によく出来ているといえる「イエスタデイ」ー 東京生まれの東京育ちなのに関西弁を喋る木樽とその恋人えりかは魅力的に描かれている。 しかし語り手の僕の16年ぶりのえりかとの再会が、有効に描かれない不満が残る。かっての村上マジックが機能しない。いや、多分作家がそれを避けたのだろう。 「独立器官」ー独身主義で自由を謳歌していた50代の整形外科医が突然文字通り食事も喉を通らないほどの恋煩いに落ちるという話は、興味深いものではあるが、例えば未使用のスカッシュ・ラケットなどの小道具がうまく機能しているとはいい難い。 「木野」ージャズや不思議な登場人物など、最も村上ワールドに迫る短編だが、そのグロテスクな描写などが結局読者をどこへ連れて行こうとするのか・・・分からないままに終わる。読後感が良くない。読後感が良くすぐにでも読み返したくなるのが村上小説の美点だったのだが。 「シェエラザード」は私には分からない。この短編は何がいいたいのか? 結局「この1つ」は発見できなかった。 書下ろしとして、ラストに入れられた「女のいない男たち」がまるで著者が弁解するための作のように感じられると書くのは余りにも酷なことか?。 期待が大きすぎたのかもしれない。 | ||||
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