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(短編集)
その日のまえに
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その日のまえにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全258件 221~240 12/13ページ
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書店では「泣ける」小説として平台に積まれているが、「流星ワゴン」のようには泣けなかった。しかし、そもそも泣ける小説などというのは書店や批評家が付けているもので、作家自身は泣けるように書こうなどとは思っていないだろう。たぶん重松清も日常の中にある「死」を淡々と書きたかったのではないかと思う。そういう意味で人生を充分に噛み締めることの出来る優れた小説である。私も三年前に突然死という形で父を亡くしたが、その当時よりも今の方がずっと悲しい。けれど、その悲しさは「泣ける」悲しさではなく、日常の中に埋没していながら時々顔を出す悲しさである。そんな事を改めて感じた次第。 | ||||
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本当の大人がきちんと死を描くと、こういう小説になる。安っぽくない、嘘っぽくない。淡々としていて、物語を過度に飾り立てないから良い。だから、ぐっときてしまう。短編集だが、これも最後につながりを見せる。あえてつなげなくてもと思う一方、つなぐことに著者の思いがあるのだなと感じる。 | ||||
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ものすごく期待して買っただけに案の定泣けるものではなかったが、やっぱり重松さんらしい、日常を丁寧に切り取って人の心の襞を繊細に描いた作品でした。「朝日の当たる家」は朝日が昇ってまたあの一日が始まる恐さという、私たちの身の回りにいつでもありえるような日常的な恐さを淡々とリアルに描いていただけに作品の奥深さを感じました。 私が重松さんの作品を好んで読むのは、リアルな日常の、あえて言葉では表せない思いをごくごく自然に描く作風が好きだからです。決してハッピーエンドに終わるわけでもなく、誰かがいつでも優しい手を差し伸べてくれるわけでもない。今回の後半の三部作では奇跡が起こって命が延びたりするわけでもなく逆に余命が縮まってしまう。でもそれこそが私(達)の日常であるからこそ共感し、同じ境遇に陥った主人公達を見てこんな風に思うのは私だけじゃないかもしれないと少しだけ安堵し、穏やかになれるのです。 重松さんの心の中には一体何人の人間が住んでいるのだろうかと思います。 | ||||
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とても静かに人を描いている物語でした。私も重松さんと同年代なので共感する事が多く 出張の時は必ず重松さんの本を抱えて行きます。頑張ったら結果は必ず出る!とかじゃなくて、今は最悪やけど何とかなる!風な元気?をいただいてきたのですが、 今度もしてやられました。短編を紡ぎ合わす才能は本当に素晴らしいの一言です。 流星ワゴンや疾走を書くだけのパワーもあり、この人の才能は枯れる事は無いのでしょうか 只、帯を見て泣くぞ〜と気合いを入れて購入された方は肩すかしを食らうかもしれません 自然体で読むのが一番だと思います。書いている人が構えていないのですから でも人前で読まない方がいいでしょう。不覚にも声を出して泣いてしまいました。 出張に持って行かなくて良かった〜 | ||||
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私も本書の主人公たちと同じ、40代にさしかかっている。いつの間にか人生の最も鮮烈な夏は過ぎたという自覚はある。レースで言えばちょうど折り返しのパイロンを回ったところだ。しかし、ここまで走ってきたのと同じ長さの行程がまだ残っている。もう半分ではない。まだ半分だ。 だがそんなとき、思いも寄らない「死」の宣告が突きつけられる。「待ってくれ! 死なんて、そんなものはまだずっと先のはずじゃないか!」泣き言をあざ笑うかのように、カウントダウンは止まらない・・・・・・。妻、夫、子供たちを遺して、自分ひとり逝かなければならない。その思いに取り乱し、悲嘆し、絶望する。あがいてもがいて、やがて従容として受け入れらるようになる。そう、もう折り返しは過ぎたんだ・・・・・・と。 秋を奪われ、一挙に冬へと突き進む人生に彼らはどのように折り合いをつけ、どのように生き切ったか。 物語は淡々と進む。しかし、行間に見え隠れするそれぞれの人生に、涙が止まらない。「その瞬間」に向けて容赦なく時は進んでいく。しかし「その瞬間」は描かれない。なぜなら、これは死の物語ではなく、生の物語だからだ。 7つの短編からなる本書だが、そこにはささやかな仕掛けが隠されている。ぜひ冒頭の一篇から、順番通りに読んでいって欲しい。特に現在40代の皆さん、必ずや心に染みます。まさに今読むべき1冊です。 | ||||
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答えは白か黒かいつも割り切れるものばかりではない。 考えること自体が答えになっている、というようなくだりに共鳴しそれを絶妙な表現で描写している。深刻なものではないが、自分の日常たまにある気張った"その日"の当日は、 案外肩透かしを食らわされたように通り過ぎることがある。 その日よりもそれに備え何かをする過程の方が、実はずっと大切なのだろう。 またその日が過ぎたからといって、次の日から劇的に何かが変わるものでもない。 が、何かは変わる。少しずつ変わり続ける。最後の手紙のところは、想像を裏切られ、また考えさせられた。 私だったらここまで言い切れるだろうかと自分と照らし合せた。去る側の愛、残る側の愛が、心の琴線に触れる。人間の宿命、死というものをテーマに、そこに期せずして直面してしまった人々の心のうちを通し、読んだ後に身を引き締め生きていこうと思える代物だ。不謹慎かもしれないが、泣いて心の洗濯をしたい人にオススメしたい。 | ||||
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人の死を描いた作品は山ほどあるが,これほど人の死を単純に正面から描いた作品はめずらしい。号泣させようとか特別なドラマを設定したりとか意図的なものは何もなく,人が死ぬということは永遠に「いなくなる」ということに徹して描いている。 誰もがいつか「その日」が来ることは分かっていても,ある日突然「その日」が目の前に迫っていると分かったら人はどう過ごせばいいのか。いなくなる本人そして残された人々は。。 短編集と思わせながら,別々の物語がやがて最後に見事に連携し集結してくる構成は予想もしてなくて驚いた。見事と思う反面,ちょっと懲りすぎたかなと思う気持ちも。。 作品の中で描かれている去りゆく人,残される人。どの人もどこにでもいるごく普通の人々が描かれていることが,死を逆に身近なものとして描いているのだと思う。 死を迎える人たちにはこれまでに沢山の想い出があり,その想い出を紐解いていくことで作品を単純に仕上げている。そして愛する人を失うことを経験することによって成長していく残された人々を確くことで,死を絶望としていない。 こんな風に死を描く重松 清は,まちがいなくすごい。 | ||||
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告知を受け、末期がんで死にゆく中年男女の「その日」をめぐる短編集。「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」と続く三連作がクライマックス。そこに、前四篇が少しずつ絡んでくる。つながり探しをするのも楽しいかも。 人は死ぬ。早いか遅いかだけだ。死をやや大げさに取り上げすぎかもしれないが、身近な人の死は、やはりこたえる。 作者は意図していなかったかもしれないが、「ガンリュウ」「イリエム」「駅長君」など、絶妙のニックネームで呼ばれるキャラクターの存在感が大きい。小学生の頃って、確かにそんなあだ名を付け合ってたよな。昭和後期の懐かしさがにじみでている。 | ||||
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余命を知った時に人は何をするのか?その日を迎えること、その日の後に回りの人はどうするのか?一人の「死」と残された人の「生」それぞれの対比が鮮やかにかつ切なく重く心に残ります。人はひとりで生きているのではないのです。重松作品の中でも秀逸です。今年読んだなかでは一番よかったです。涙も種類があって塩狩峠とこれでまた違う涙を流せます。 | ||||
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まだまだ生きると思っていた年齢の人が告知を受ける。 永遠があるように錯覚していたのを気付かされる。 7つの短編集が繋がり、命について考えさせられる。 置いていかなければいけない大切な人を残し、高齢でもない人が先に逝ってしまう。 生きていること、「いる」ということがいかに大切かが、告知で余命を宣告されることで重石になる。 パソコンでデーターを消去するように消せない思い出。 大切な人が亡くなって日常に揉まれ忘れる日が増えても、思いではふいに甦る。 この本は弾ける感動ではなく、静かに心に染みる1冊。 大切な人を思う気持ちを1冊に充満させた逸品。 | ||||
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昨今の経済状況のせいか、経営者の成功談やポジティブシンキング的なものばかり書店に並ぶ傾向が強い中で、比較的若い世代の方々に読まれ、皆が感動しているということで、少し安心しました。死という題材を扱うと、つい後ろ向きだと思われがちですが、死を見つめてこそ、今の生を、どれだけ充実して生きてゆくかということに思いを馳せることができるのだと思います。若年層、そして、中年層の方に、特に読んでいただきたい本です。 | ||||
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私は泣けませんでした。でも、ぎりぎりのところだったので、あと何年かしたら泣けそうな気がする。年齢とか、家族構成とか、経験とか、その人の環境によって入り込み方が違うのでしょうけど。それはどの本を読んでも同じですね。 そうしたいろんな環境にある人の「命」の短編集です。さらっと読めたけど、その分自分の中でいろいろ考えられました。 自分が、身近な人が、余命わずかだと告げられたらどうしよう。何を考えてどんな行動をとるんだろう。そんなことには関係なく社会は忙しく動いていて、でも知らないところでどこかつながっている。それぞれの話を読み進めながら頭の中で「命」のことを考えられました。 「命の大切さ」とかいう言葉をよく聞きますが、核家族化が進んで身内の死に接することが少なくなった現代の若者たちに、それを考えるきっかけを与えてくれる本なのではないかと思いました。 | ||||
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人が“死ぬ”ってどんなことなんだろう? 自分の大好きな人が死んでいく・・・ それって納得いくことは絶対ないと思う。でもだんだんその子のことは少しづつ忘れていくし、 思い出すのも考えないと思い出せないようになってくる。 それが自分は嫌なことだし、なんだか悪いと言うか そんなんでいいんかなぁと思っちゃう。でもそんな感じなのかもしれない。 残ったほうはそのことを“考え続ける”んだろうなぁ。 そしてそんなに考えさせてくれて、それで自分に力を 与えてくれるんだろう。ありがとう。それが今の気持ちです。 そしてこの本で考えさせてくれて。この本を読んだからといって辛い気持ちは変わんないんだけど、 少しだけ自分の気持ちがわかる気がします。 | ||||
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人が死ぬって。 自分の大好きな人が死ぬって・・・ しょうがないことなんだけど、納得なんてできるわけありません。 納得なんてしたくない。でもその子が死んでいって、その後に思うこと。 だんだん忘れてってるなぁ。 思い出そうとしないと考えないと思い出せないなぁ。 そんなんでいいのかなぁ。 そんな自分が嫌です。でも“考えつづけることが答えなのかも”って書いてあった。 そうなのかもしれない。これを読んで辛い気持ちは変わらないし、よけい思い出しちゃう。 でもこの本を読んで“ありがとう”って気持ちはより強くなったかも。 いろいろ考えさせてもらって、ちょっとのことで喜んだり悲しんだり。答えは出ないしよくわかんないんだけど、この本で少しは自分の気持ち わかってきたかもしれない。 | ||||
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人が死ぬって。 自分の大好きな人が死ぬって・・・ しょうがないことなんだけど、納得なんてできるわけありません。 納得なんてしたくない。 でもその子が死んでいって、その後に思うこと。 だんだん忘れてってるなぁ。 思い出そうとしないと考えないと思い出せないなぁ。 そんなんでいいのかなぁ。 そんな自分が嫌です。でも“考えつづけることが答えなのかも”って書いてあった。 そうなのかもしれない。これを読んで辛い気持ちは変わらないし、よけい思い出しちゃう。 でもこの本を読んで“ありがとう”って気持ちはより強くなったかも。 いろいろ考えさせてもらって、ちょっとのことで喜んだり悲しんだり。答えは出ないしよくわかんないんだけど、この本で少しは自分の気持ち わかってきたかもしれない。 | ||||
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人が死ぬって。 自分の大好きな人が死ぬって・・・ しょうがないことなんだけど、納得なんてできるわけありません。 納得なんてしたくない。 でもその子が死んでいって、その後に思うこと。 だんだん忘れてってるなぁ。 思い出そうとしないと考えないと思い出せないなぁ。 そんなんでいいのかなぁ。 そんな自分が嫌です。でも“考えつづけることが答えなのかも”って書いてあった。 そうなのかもしれない。これを読んで辛い気持ちは変わらないし、よけい思い出しちゃう。 でもこの本を読んで“ありがとう”って気持ちはより強くなったかも。 いろいろ考えさせてもらって、ちょっとのことで喜んだり悲しんだり。答えは出ないしよくわかんないんだけど、この本で少しは自分の気持ち わかってきたかもしれない。 | ||||
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大切な人が亡くなってしまって、残された人と残した人の切ない物語5編です。 人間はこの世に生まれた限り必ず死にます。死ぬという事は、全てが終わってしまいます。その本人は全ての事から切り離され、残された人は、その人に思いを寄せる以外の事が、何も出来なくなってしまいます。だから「その日」の前に、何かしておきたくなってしまうのです。 限られたその日の前までに、自分の生まれた土地を見てみたり、昔仲がよかったり喧嘩した人に別れを告げたり、そして最も大切な人と最後の時間を分かち合あったりします。しかしその時間は限られていて、何をしても悲しくなり、絶望から抜け出す事は出来ない苦しい時間になってしまいます。だけど、この世の中でその時間は、一番大切な時間に違いありません。 刻々と迫るその日までの時間に、残される人は何を考え、何が出来るのか。そしてその日の後、何をしたらいいのか。涙なくして読めない物語です。 自分も多分・・・、いや絶対に、その日を迎えます。残される人になるのか、残す人になるのかは分かりませんが。この物語を読みながら考えてしまいました。自分はどんな思いをめぐらせ、その人のために何をやってあげる事が出来るのか、またはしてもらいたいのか。 そして、8月15日をどうやって迎えるのか・・・。そう8月15日は、亡くなった人と年に一度だけ会える、貴重な日だったのです。この本を読んでそう思いました。 自分はこの物語を読んでいるときは、頭の中にいつも「G線上のアリア」が流れてきました。あの物悲しくて、何かが昇華していくような旋律が心に響きました。読まれる方は、試しに聞きながら読んでみてはいかがでしょうか。涙が止まらないかもしれません。 | ||||
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本当に深く感動した本でした。 7つの短編の各意味が 最後にわかるあたりも、すばらしい構成だと思います。 自分だったらどうか・・ と思わずにはいられない、現実的であり、切なく悲しい。けれども、前向きに生きていくその様に 心打たれました。 通勤ラッシュの電車の中で、嗚咽を漏らしてしまうほどの号泣で、恥ずかしかったですが、わき目も振らず読みふけってしまいました。 最近感動することの少ないあなた! ぜひこれを読んで 心を動かしてみてください。 必ず得るものがあります。 | ||||
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帯に泣けると書かれていますが、それ以上。何回泣かされたか分からないくらいです。電車の中で読んでしまい、何度も泣きました。重松さんのやさしい包み込むような言葉の表現力にも圧倒されます。私は妻子持ちですが、妻のその日を、あんなに早く子供たちと迎える勇気や心構えはありません。切なすぎます。間違いなく、今年のベスト本です。命を大切にしたい、人の死と向き合うにはどうしたらいいかなど考えている人も、考えていない人にも、一読の価値、心に残る一冊です。私はお薦めします。 | ||||
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読みました。泣きました。何度も何度も電車の中で泣きました。止まらないんですよ・・・。重松さんの、やさしく包み込むような言葉にも感動しっぱなし。人の死を考える、生きること、人の命の大切さ、はかなさ、すべてを考えさせられる秀作です。私も妻子持ちですが、妻のその日も、自分のその日も、子供のその日も、全て、あんなに早く迎える勇気はありません。怖いし、逃げたいです。生きていることの大切さ、日常、普通で平凡でいられることに喜びと感謝を感じられる一冊だと思います。 | ||||
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