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アベラシオンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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母の希望で購入しました 満足しているようです | ||||
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いかにも篠田真由美らしい筋立てだと思う。伝説に包まれたイタリアの一族、怪しい性格の登場人物、六本指の殺人犯、それとは裏腹に現代的な科学の残酷な登場、切なさのある結末。それに、その中に1人現代的感覚の日本人女性が放り込まれているところも、実にらしいと思う。 天使の伝説も、イタリアの名前の響きの美しさも良かったし、異国の宮殿を実際に見ているような描写も良かった。それに何より、私は芹が好きだ。 六本指というところが差別ではなく、ハプスブルクという高貴な血筋との結びつきを暗示しているところも、面白い視点だと思う。秀吉も六本指だったことが日本の歴史書に書かれていないというのは、特別視されていなかったのだろうか? 権力者を慮ったとしたら、その後の批判勢力に書かれそうなものだが。 芹は神代教授の姪に当たるようだが、建築探偵本編よりも、イタリアなどに飛び出してしまった方が、篠田真由美は面白いと思う。私は「琥珀の城」と「祝福の園」も気に入っている。 | ||||
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あくまで上巻までしか読んでいないので、この後、最後まで読んだら感想も変わるのかもしれません。 ただ、ここまで読んで感じるのは、見事なくらいに主人公の女性に共感(または感情移入)できないということです。 殺人かもしれない場面を目撃し、しかもその犯人かもしれない人物から招待を受けて、ホイホイと付いていくとは…。 また、「天使のような美少年」との交流も、なんだか甘ったるい少女マンガかなにかのようで、正直、イラツキます。 もっとも、自分がこの作者の作風に合わないだけなのかもしれませんが。 ただ、作中で語られる様々な知識の羅列は、「イタリアでおきている事件」であるという雰囲気を盛り上げており、実質的に作品の核となっています。 さらに、主人公以外の登場人物のアクが強く、特に「城主の友人」たちはキャラがたちまくりです。 終幕に向けて、事件そのものがどうなるか期待したいところです。 | ||||
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読み始めは引き込まれたのですがナチスが出てきてから皆川博子氏の「総統の 子ら」と比べてしまい私にはどうしても見劣りしてしまいました。途中から登場人物の設定が不自然で最後は多少驚かれされましたが正直読後感はよくあり ません。ここ2冊は豪華な装丁で高い価格ですがそれに見合った内容ではないとがっかり。彼女にはノベルスサイズがお似合いです。 | ||||
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皆川博子氏絶賛、美しい装丁のゴシック風本格ミステリーということで期待したが裏切られた。不自然な設定、不自然な展開、連続殺人に巻きこまれているにもかかわらず優柔不断な主人公がとる不可解な行動。ラストも含め2段組660ページを通じて不満が残った。ナチ絡みでは皆川氏の「死の泉」という傑作があるが、濃厚な唯美・幻想味において共通性があるのでその種の世界が好きな方にはお奨めできる。 | ||||
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フィレンツェでイタリア美術史を専攻する日本人留学生藍川芹。ルームメイトに誘われ、鬱蒼とした霧煙るヴェネツィアのパーティで殺人事件を目撃。美貌の美術評論家アベーレ・セラフィーノ伯爵に出遭う。 アベーレから未公開の美術品の宝庫である館、聖天使宮(パラッツォ・サンタンジェロ)に招かれ、連続殺人事件に巻き込まれる。アベーレの弟で天使の生まれ変わりのような車椅子の少年ジェンティーレ。ボティチェルリの「春」になぞらえた、風の神ゼフュロスと3美神の名を持つ奇妙な客達。 登場人物は謎に満ち、何が起こるか予想がつかない展開で目が離せないですが、イタリア好きならずともじっくり立ち止まって読みたくなるイタリア美術の描写は、イタリアに行って本物を観たくなります。 偶然に殺人事件に巻き込まれた芹の運命にはらはらするか、芹に心寄せる愛らしいジェンティーレに涙するか貴方次第。私は才能も財産も名誉も美貌も持ち合わせながら、最愛の弟ジェティーレの愛を得られないアベーレの不器用さと葛藤に胸を衝かれました。ジェンティーレの微笑みに隠された暗闇は想像がつかない展開に繋がります。壮絶なラストは残されたものの慟哭が悲しい。ジェンティーレがとった行動を考える時、人の感情の不可解さを思います。 メフィスト連載時から読んでいた方も、加筆修正されたところをじっくり探すことで楽しめます。ラストは連載時の終わり方に今ひとつ割り切れない気持ちがあったのですが、明るい光が一筋見えるようで少しほっとしました。連載時の緻密で静謐な挿絵は、挿入されていません。物語の雰囲気を盛り上げていだけにこれだけは残念です。 蒼を基調とした装丁が綺麗で、最終章でアベーレが呟く「触れることができなくても感じることはできる蒼空」を印象付けているようです。化粧箱入りとはいえ、値段は張りますが、後悔はしない一冊です。 ついでながら著者が撮影したイタリアの写真も載ってます。 | ||||
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