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悪医
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悪医の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全39件 21~39 2/2ページ
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冒頭、医師が癌患者にこれ以上の治療の余地がないことを伝え、患者が激昂し医師に食ってかかるシーンがある。最後はその医者が癌にかかり取り乱すシーンでもあるのかなと予想しながら読んだが、そうはならなかった。医者視点と患者視点がしょっちゅう切り替わり、ストーリーのテンポが良く飽きさせない感じで一気に読了した。 | ||||
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医者を信じている者にとり驚きの連続です。でも「人間は生きる意味を追求するものではない」という意味のフレーズにはこの筆者のすべての感慨がこもっているような気がしました。すばらしい本です。 | ||||
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読み終わってみれば大変ベタな構成と内容です 登場人物も思いっきりステレオタイプに造形して 筋を大変わかりやすくしています それでも何とも心に重石を乗っけられるような展開 に胃が痛くなります ちょっと気軽に読むようなお話ではありませんので ご注意を | ||||
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自分が死に至る病になった時、どのような行動をとるのかを考えさせられました。現在のある程度健康な時に考える事とそうでない時は違うであろうことは確認できました。そんな自己を考えるきっかけになる小説だと思います。ありがとうございます。 | ||||
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私がこの本と出合い、この本の内容を最も的確に表現しているのが、この本のタイトルであることに驚きました。しばしば、患者にとっての「悪医」は「悪意」を持った医師、すなわち意地悪だと感じる医師、であることがあります。 私は、がん医療に関わる医師です。この本に描かれたような、医師患者関係は、本当によくある光景です。 この本の主人公は外科医 森川良正と、胃癌患者 小仲辰郎。外科医森川が手術を担当した小仲の胃癌は、残念ながら再発し、化学療法をしましたが、副作用が現れ、抗がん剤の変更をせざるを得なくなり、さらに、変更した抗がん剤を使用しても、リンパ節に転移が見つかり、効果がないと判断されました。外科医森川は小仲にこう告げます。「残念ですが、もうこれ以上、治療の余地はあありません」「あとは好きなことをして、時間を有意義に使ってください」この言葉を聞いた小仲は、「先生は、私に死ねというのですか」と答える。 医師の立場から言えば、森川は、ごく当たり前のことを告げたまでで、決して悪意をもって、すなわち意地悪で現状を伝えたのではありません。しかしながら、森川の言葉を聞いた小仲は「先生は、私に死ねというのですか」と反応します。小仲は森川を、自らの、抗がん治療を続けたいという価値観を理解しない、意地悪な医師だと感じたようです。 この会話では、医師の価値感と、患者の価値観のすれ違いが起きています。この価値観のすれ違いは、病院ではよく見かける光景です。アドバンストケアプランニングと呼ばれる医師患者間の価値観のすり合わせが重要であることが認識されて久しくなりましたが、医師の価値感と、患者の価値観のすれ違いが続くことはよくあることです。価値観のすり合わせがずっとできないこともよく経験します。 この本の中でも、小仲は、抗がん剤を専門とする腫瘍内科、免疫細胞療法クリニックを、転々とします。この本に中には、このすれ違いをすり合わせる方法のヒントが示されています。腫瘍内科病院の看護師、吉武と、元看護師、稲本が属するヘラクレス会の存在です。吉武と稲本は、ひたすら、小仲の言葉に耳を傾け、小仲に寄り添っていました。最近、がん医療も専門分化し、手術療法、化学療法、放射線療法、そして緩和ケアと、さまざまな治療法があります。医師も、オールマイティーではありません。それぞれの治療方法の、得手不得手はあるでしょう。しかしながら、がん医療にかかわる医療者は、おしなべて、患者に寄り添う気持ちを持つこと、そしてその技術、が必要ではないでしょうか。森川も、「先生は、私に死ねというのですか」と言う小仲に対して、「治療法がないといわれるのはおつらいですね」と返答し、小仲の気持ちに寄り添えば、違った展開もあったのかもしれないと思います。 抗がん剤を専門とする腫瘍内科、免疫細胞療法クリニックを、転々とした小仲でしたが、最期にホスピス(緩和ケア病棟)に行き、生きる意味を問い直し、森川に対して「おれは・・・時間を、無駄にしたとは・・・、思っていない」「おれは、その通り(時間を)有意義にすごしたんだ」と伝えます。私には、この言葉は、小仲の森川に対する和解の言葉、「有意義な時間をすごせといってくれありがとう」と言っているように聞こえました。 これまで誰も触れてこなかった、がん患者の苦悩、担当する医師の苦悩を、よく描いてくださったと、敬意を表したいと思います。 | ||||
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『悪医』(久坂部羊著、朝日文庫)は、末期がんを巡る患者と医師の深刻な物語である。 「患者は52歳の男性。2年前に早期の胃がんの手術を受け、11カ月後に再発して、肝臓への転移が見つかった。医師は35歳の外科医。2年前に手術をした早期の胃がん患者が、11カ月後に再発して、肝臓への転移が見つかった」。 「医師が手を替え品を替えて治療しても、がんは徐々に進行し、病勢を増す。そのうち治療の効果より、副作用のほうが強くなる。そうなれば、治療をしないほうが命が延びる。この患者もあれこれ治療を行った後、がんが肝臓から腹膜に転移して、ついに使うべき薬がなくなった」。 「医師は沈痛な面持ちで、患者に告げる。『残念ですが、もうこれ以上、治療の余地はありません』。・・・『もうつらい治療を受けなくてもいいということです。残念ですが、余命はおそらく3カ月くらいでしょう。あとは好きなことをして、時間を有意義に使ってください』」。 「この若造の医者は何を言うのか。余命は3カ月? あとは好きなことをして、時間を有意義に使えだと・・・? つらい治療に歯を食いしばり、吐き気やだるさに耐えてきたのは、どんなに苦しくても、死ぬよりましだと思ったからだ。それなのに、治療法はもうないと言うのか。ふいに胸に激情が込み上げた。『先生は、私に死ねと言うんですか』」。 やり場のない怒りに駆られ、席を蹴って立ち上がった患者・小仲辰郎(印刷工)は、絶望して外来の診察室を飛び出す。 「(三鷹医療センターの医師)森川(良生)が疑問に思うのは、抗がん剤ではがんは治らないという事実を、ほとんどの医師が口にしないことだ。それはあたかも当然すぎて、今さら言う必要もないと思われているかのようだ。医師が目指すのは、がんの縮小や腫瘍マーカーの低下、すなわち延命効果でしかない。がんを治すことなどはじめから考えていないのだ。しかし、大半の患者は、抗がん剤はがんを治すための治療だと思っているだろう。治らないとわかって薬をのむ人はいない。この誤解を放置しているのは、ある種の詐欺ではないか。しかし、医師は反論するだろう。自分たちは『効く』とは言っても、『治る』とは言っていない、患者が勝手に誤解しているだけだと。では、なぜ医師は事実を明かさないのか。それは患者を絶望させたくないからだ。そうやって患者の気持を思いやるふりをしながら、本音では医療の限界を認めたくないという気持もある。がんは治らないと認めることは、敗北宣言であり、自己否定にもつながるのだから」。初期のがんならともかく、末期がんについては、残念ながら、森川の呟きを認めざるを得ないだろう。 「自分は治る。ぜったいに治ってみせる。そして、三鷹医療センターのあの最悪の医者の鼻をあかしてやるのだ。治療法がないなんて、簡単におれを見放したあの野郎に、目にもの見せてやる。だが、もし、あいつの言ったことが正しかったら・・・。おれは死ぬのか。この世から消えるのか。恐ろしい。小仲のこめかみに、冷たい汗が流れ落ちる」。 「末期がん患者の治療には、いったいどこまで悩めばいいのか。末期になっても治療を求める患者はあとを絶たない。そして、だれもが貴重な残り時間を、苦しい治療ですり減らす。それが人間の性(さが)と言えばそうかもしれないが、なんとか、道はないものか」。 治療を諦められない小仲は、なけなしの貯金をはたいて、腫瘍内科医のいる病院や、免疫細胞療法を行うクリニックにかかったりするが、結局、思わしい効果は得られない。そして、辿り着いた郊外のホスピスで最期を迎える。 現役の医師の手になる作品だけに、全てのシーンがリアルに描かれている。死について、末期がんについて、末期医療について、いろいろなことを考えさせられる一冊である。 | ||||
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作者は、現役の医者で、何冊か読んだが、文章力は、いまひとつだが、物語は、面白い。 | ||||
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私は医師です。 嘘を付くと訴えられるということで、なんの配慮もなく、診断名を告げてしまう 医師が大勢になりました。 私はそれは間違っていると思います。嘘の診断を言うのは間違ってますが、 重大な病気の宣告には、心の準備は必要でしょう。それに、”医師は見放し ていない” という状態も必要だと思います。 | ||||
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主人公は、2人。 1人目は、小仲辰郎。52歳。 2年前に胃がんの手術を受けたが、 11か月前に再発し、肝臓への転移が見つかった。 2人目は、森川良生。外科医。小仲の主治医。 物語は、2人の視点で語られる。 がん患者と医者の苦悩と葛藤を描く。 小仲は、森川より「これ以上の治療の余地はない。 余命は約3か月。」と言われる。 しかし、小仲は、諦めきれず、 いくつかの病院を回り治療を試みるが・・。 がん医療における現状や限界を通し、 人の生と死について、考えさせられた。 小仲の思考は2転3転するが、 逆にがん患者が直面する苦悩を、表していると言える。 最後に、小仲が辿り着いた思考(境地)に対し、 非常に尊いものを感じた。 | ||||
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余命を宣告する医者。宣告される患者。 現代医療に 限界がある。医者の苦悩、患者の 医者への 不信感。 個人的に これが 今の医療の 患者とのすれ違いと。久坂部羊 が 書いたからこそ | ||||
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癌治療にも限界があり、抗がん剤の副作用抜きに治療しても、何も治療しない自然治癒力に任せた場合より、 早く死ぬ場合があることを知った。 正に真理だと強く感じた。人間、誰でも一度は死ぬわけだが、出来ることなら、元気で長生きしたいものです。 | ||||
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この作品も、良かったです!いやそれ以上に私は非常に良かったです。嗤う名医に最新刊も読みたいと思います。 | ||||
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読み始めると最後まで読みたくなります。久坂部さんの本はたいへん読み応えがあります。 みなさんもぜひぜひ愛読してください。 | ||||
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老医ですが、医師と患者は、信頼が一番です。若い医師の皆さん、心と心が繋がらなけば、信頼はうまれません。 | ||||
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健康保険を使うと検査も治療も限られてしまうけれど、 自費だと無限大なのです。精度と効果は???ですけれど。 主人公が何故そこまで命に執着する理由がもっと知りたかった。 だってさー、何も守る物も何も持ってないのに。 自分の命だけにでしょ。 医師がお金に執着するのも名誉に執着するのも分からない。 もっと行間を読まないといけませんね。 元主治医は少し珍しい人かも。 過去の患者の事をいちいち覚えていたらやって行けない仕事だもの。 | ||||
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ミステリー小説だと思って買ったのだが、そうではなかった。 しかし、購入してよかったと思っている。 がん患者と、この患者に対して「もう治療法はありません」と言った医師の物語。 がん患者を家族に持った人で、医師に対して不信感を抱いた人は、ある程度いるだろう。 私も、その一人で、父ががんになったとき、冷たい医師の発言に 強い怒りを覚えたものだ。 そういう人にこそ、読んでもらいたい小説である。 眠る時間もないほど、患者を診なければならない医師。 様々な理由で、自分のところから他の病院へ患者を 回さざるを得ない大病院。 金儲けのためだったり、研究のために患者を利用しようとする、 代替医療の医師。 いろいろな問題が、これでもかというくらいに俎上にあがる。 小説という形で、医師たちの生の声が伝えられている。 いいか悪いかは別として、医師の声、現場の声を知るのは 必要なことだろう。 著者は医師だが、本書の最後に出てくる患者のメッセージは 真に迫る、力のこもったものだ。 多くの医師にも読んでほしい小説である。 しかし、こういう小説を読む時間もないのではないかと 考えさせられた。 | ||||
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術後1年にも満たずに身内をガンで今月亡くしました。 どうしたらこのやるせない気持ちを整理できるのか。 そんな折にこの著書『悪医』が発刊され、 発売当日(11月30日)に入手し、あっと云う間に読み終えました。 どうして医療従事者がありのままを話さなかったのか。 そして弱者である患者側の気持ちに寄り添えないのか。 この2種類の一見混じり合わないものに 何とか橋をかけたいというのが本書だったように思う。 強者の側である医師にも、実は弱者に寄り添い支え続けたいという意思があること。 弱者の側の患者やその家族にも、怒りや憎しみで強者とかかわりたいという強い感情があること。 どうしてもかけられそうにない2極の相反するものの間に橋をかけるものは何か。 それは自らが他者に感謝と尊敬をもって接することに尽きるのではないかと思った。 思いこみの厚い鎧を脱ぎ棄てれば、そこから見えてくる景色は全く別のものかもしれない。 残念ながら現実は他者を赦すという、人間の成熟の極地にまで辿りつけずに亡くなることが多いと思う。 その点を再考させてくれた本書は、私にとり忘れ難い良書になったと思う。 | ||||
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一人のガン患者と医師にスポットを当てながら、現在の医療体制や人間関係の問題点も提示した興味深いストーリーです。抗がん剤でガンは治らないことや、ガン治療の選択肢を知り、一番怖いのは無知だと知らされました。善と悪は表裏一体であることを納得した後味の良い内容でした。 | ||||
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臨床の現役医師作家らしく描写がきわめて精緻です。不運にして再発転移した胃がん患者があらゆる療法から恩恵を得ず 最後はホスピスで納得して昇天していく話ですが先に希望がない話は暗い。顛末が「死」ということで最初の主治医の 「もう治療がない」という診断を正当化しているわけですが、次々と登場する医師たちにその流れを何とかしようとする 人がいません。これが日本の再発転移がん医療の現状だというのはわかりますが、患者が生きようとする望みに ダメもとで食らいつく熱血医師が一人ぐらいは登場してもいい。同じがん患者を家族に持つ私にとっては 恐ろしく暗いストーリー。 | ||||
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