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海と月の迷路
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海と月の迷路の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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大沢氏の作品は「新宿鮫」くらいしか読んでいないのだが、軍艦島が舞台と聞き読んで見た。 しかし、正直言ってガッカリしたと言わざるを得ない。設定にリアリティがなさすぎるのだ。 まず、主人公が島に赴任して起きる少女の殺人だが、主人公は頭から8年前の少女殺人、そして戦前の連続少女殺人と同一犯と決めつけるのが不自然。8年前の事件との共通点は少女の髪の毛が一部切られていたという一点のみである。また戦前の事件との関連に至っては、島の人夫をしている元刑事の妄想を鵜呑みにしているだけなのだ。結果は同一犯だったということで収まるようになっているのだが、この大前提に凝り固まって捜査が行われるので、読んでいても現実味がなく、結果真犯人が判明してもこじつけのように思えてしまう。 そもそも殺人犯がその後8年も現場である孤島に居続けますか。そして再犯に及びますか。いくら病的な女好きでも、これじゃぁ白痴以下でしょ? 登場人物もわけわからん連中ばかり。 まず主人公の警官だけど、いくら新米だからって操作上の秘匿事項をああも簡単にペラペラ喋るかね。 島の鉱夫たちも一見一癖ありそうなそれらしい人物にしてあるけど、みんな都合のいいところで主人公に理解を示して協力してくれる。これぞご都合主義の極致だろう。 事なかれ主義の先輩警官が一番あり得そうな人物だけど、その彼も途中で主人公の暴走を知っても見て見ないふりをする。こういう保身第一の人物は自分に火の粉が降りかかるのを一番嫌うから、絶対に本署にご注進すると思うけどね。まぁ、一事が万事この調子で、時々意味もなく現れる可愛い女子高生と主人公がちゃっかり結ばれちゃうところなんかは、微笑ましいんだけどね。 しかし、これ読むと当時の軍艦島って、鉱夫の妻が売春してたり、ホワイトカラーの管理職員が知恵遅れの少女に淫行したり、事務職、鉱夫、人夫の間に凄まじい確執があったり、滅茶苦茶だな。おまけに警官は鉱山会社の言いなりで事なかれ主義。当時この島にいた人もまだ大勢存命だろうに、文句の一つも出ないのかな。 一応巻末に著者の断り書きみたいなのはあるんだけど。 | ||||
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