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キャパの十字架
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キャパの十字架の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全64件 41~60 3/4ページ
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一気に読んでしまった。読み終えるのがもったいないと思えた久しぶりの一冊。 読後思わず唸ってしまい、口をついて出たのが表題のことば。 沢木耕太郎さんの最高傑作だと思います。 | ||||
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世界的に有名な1枚の報道写真、「崩れ落ちる兵士」の真贋を探るノンフィクション作品。 この写真はスペイン内戦中の1937年に、報道写真家ロバート・キャパによって撮られたものである。ただ、この写真には不自然な点が多く、以前から真贋をめぐる議論が起きていたようだ。 そう言われれば確かに、撃たれているのに出血の痕跡が見られない。だいたい撃たれている兵士を正面側から捉えることなど可能なのだろうか、と素人目にも感じた。 著者の沢木氏によって詳細な検証が行われ、ついにはモデルとなった兵士の素性、撮影された場所、撮影に使用したカメラの機種、そして本当は誰が撮ったのか、という真実に肉薄する事となる。 しかし、沢木氏の推理が進展するのとは反比例し、いまさら真相を究明する事に何の意味があるのか、という感情が沸々と湧いてきた。モデルとなった兵士は祖国のために戦死し、キャパの恋人だったゲルダも、このスペイン内戦で悲運の死を遂げている。キャパ自身もすでに1954年、北ベトナムの戦場で亡くなっているのだ。 沢木氏は実際に撮影されたと思われるポイントを見つけているが、かつて激しい戦闘が行われていたその場所と、戦争が終結し70年も経った平和な今、物理的には同一でも同じ場所と言えるのだろうか。 悲惨な戦争は実際に起こり、祖国のために命を捧げた兵士がいて、それを世界中に伝えようとした報道写真家がいた。たとえ一枚の写真に何らかの演出があったとしても、この事実は決して揺るぎようがないのだ。 その点については、おそらく沢木氏も同じ考えのはずである、であればなぜ執拗に真実を晒す必要があるのか。死者の尊厳を冒してまで、掘り起こす価値のある墓など在りえないのでは。真相に迫る沢木氏もまた、同じ十字架を背負ってしまったのではないか。 読了後、そんな違和感を覚えたのは自分だけだろうか。 否定的な意見ばかりを並べてしまったが、この件に対する沢木氏の丁寧な取材活動や、鋭い洞察に対しては敬意を表したいと思う。 | ||||
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いい本です、朝日新聞 に乗っていたので、買いました。断然説得力があります。 結論から云うと「崩れ落ちる兵士」はキャパではなく。 恋人のゲルダで戦場でなくヤラセであること、ライカでなく ローライであり、アメリカのライフに載り世界的に有名になり キャパ自身も死ぬまで語ら無かったそうです。 | ||||
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購入して一気に読みました。 NHKとの検証の部分を増補版で見てみたい。 | ||||
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ロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」については、 以前より疑問が呈されていたことは聞いていた。 本書はその論争に決着をつける可能性がある。 現地に何度も足を運んで写真が取られた場所を特定したり、 オリジナルに近いプリント写真を探してパリやニューヨークに飛ぶ展開は、 さすがは「深夜特急」の沢木耕太郎だと思わせる。 以前から指摘があったように、問題の写真が撃たれた瞬間ではないことや、 キャパのライカで撮られたものではないことを理詰めで解いていく様は、 読者を引きつけるものがある。 そして不思議なことに、種明かしをされてしまったキャパという写真家に対し、 さらなる興味を抱いてしまったのは、本書が決してキャパ批判というスタンスで 書かれたものではないからなのかもしれない。 | ||||
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よほど、ロバート・キャパの写真を見、電気等を呼んでいる人でないと、ついて行けない内容。 これまでの多くの伝記にある、倒れる兵士の写真の真贋解説としては最も納得がいく物で、面白かった。 だが、もうこの写真が報道写真としての役割を終えてしまった、77年後の現時点で、何故またほっくり返さなければならないのか、 この本を書く必然性が分からない。読了後の感想。 | ||||
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ときおり文藝春秋呼んでおりました 沢木耕太郎氏紹介でキャパの写真は見ておりました。 そして今回のレポート、何のことかと読み進んでわくわくドキドキ次の 展開が待ち遠しいくらいで一気に読んでしまいました。 まさか写真の現場まで確定するとは、そしてその位置、二台のカメラの真実など 推理小説より何倍も面白くツイこの本買い、二度も楽しみました。 | ||||
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すばらしい本で一気に読みました。 ただひとつ気がかりなのは、どのような場面の写真を誰が撮ったか、ということのほかに「この写真を取り上げ、世界に発信した人物」がいるということです。 その人物はすべてを承知で事に及んだのではないでしょうか? つまり、その人物こそ、この写真をめぐる物語の真の主人公なのではないか、と私には思えてなりません。 | ||||
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NHKスペシャルを見て、そのセンセーショナルな内容に本当にびっくりしたのですが、 テレビ番組を見ただけでは、なんとなぁくスッキリしないところがありました。 こんなすごいこと、どうやって沢木耕太郎は突き止めたのだろうか? いつから追いかけていたのかしら?NHK番組と沢木さんの関係は? 本が出ていることを昨日知り、さっそく購入し、一気に読みました。 当然ならが、昨日今日の思いつきで、あるいはテレビ局の企画としてこの問題が扱われたのではないことが、まず分かって、本当にスッキリしました。 そして、沢木さんが疑問を一つずつ検証してゆく様を、丸ごと追体験できる、素晴らしい内容のものでした。 全て関係者に誠実であり続けた沢木さんの姿勢にも、また改めて感動しました。 「写真」というものに映しだされた「真実」。 それは、いつ誰が見ても、一つしかないと思っていました。 実は使う人の意図や、受け取る側の解釈で、いかようにでもなりうるのですね。 うまく言葉に言い表せませんが、とにかく余韻が残っています。 買って悔いなし、久しぶりに読み応えのある一冊!!!お勧めします。 | ||||
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神格化された「崩れ落ちる兵士」の写真の謎が、今解き明かされる。スリリングなその道程を描いた沢木耕太郎氏の傑作です。 確かに「崩れ落ちる兵士」の写真だけを見る限り、神話化されたのも宜なるかなと思いましたが、同時に撮られたその他の写真群を初めて見て、その余りの緊張感の無さに驚きました。キャパが実際にアンダルシアのペニャローヤで模擬演習を撮影しているという挿話(175頁)も、沢木氏の見解を裏付けるようです。それにしても、兵士は足を滑らせただけで死んでおらず、撮影者に関する結論は衝撃的でした。2台のカメラで撮影が行なわれたことやその位置関係、雲の動きや使われたカメラの特性などから緻密な推理(推論)を展開する氏の「探偵」ぶりには、天国のキャパもゲルダも今頃讃嘆しているのではないでしょうか。 英訳されれば、世界に衝撃を与えるのではないでしょうか。わが国ノンフィクション界の傑作として、今後多くの賞を受けそうな予感がします。 | ||||
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まず、ロバート・キャパのドキュメントであり、 つぎに[崩れ落ちる兵士]をめぐるノンフィクションであり、 全体は、それを調査し推理する沢木耕太郎によるミステリーです。 短い節だてのもと、新たな事実がテンポ良くあきらかになっていく展開には釘付けになります。 事実が小説より奇なのか? いえ、著者の構成のうまさでしょう。 可能なら、ぜひGoogleストリートビューやGoogle Earthをお使いください。 あの山なみやその他、著者の発見や出会いのいくつかを、確認にして追体験できます。 | ||||
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「ラジオ版学問ノススメ」での沢木さんのインタビューを聴き、大変興味をそそられて翌日さっそく購入。 グイグイと引き込まれて数時間で読了。 インタビューで大体の本の方向性はわかっていたのに、そこに至るまでの推理と洞察、検証、そして行動力にため息がでました。 1枚の写真(実際はセットになっている写真も含め)から、これだけのことがわかる、ということに驚きを禁じえません。 そして、この写真によってキャパがその後ずっと背負うことになったものの重さに、ただ圧倒されます。 「ラジオ版・・・」での沢木さんは「答え」を明かしているのですが、沢木さんがなぜそこまでキャパにシンパシーを感じているのかは、本書にもさらっと触れられていますが、インタビューのほうがよく伝わります。 本と、インタビューと、両方お勧めします。 「ラジオ版学問ノススメ」サイト [...] | ||||
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中学生時代にテロルの決算を読んで以来、30年来の沢木作品ファンです。 ここしばらく、沢木さんの作品を読んでも、学生時代に食事代をケチってハードカバーで買ってむさぼり読んだ あの沢木作品の圧倒的な面白さを感じられずにいました。 少し薄味になってしまったというか。 この「キャパの十字架」は、「これこれ、これだよ!」という面白さでした。 何度もの取材から、事実を1ピース1ピース拾い集め、キャパの伝説の1枚の背景にある真実を推理し 炙り出していく過程は本当に面白かったです。 沢木さんご自身がロバート・キャパを敬愛しているという空気が全編に流れており 謎を解き明かしていくという行為に嫌らしい感じがありませんでした。 ノンフィクション好き、沢木さん好き、ロバート・キャパ好き、どの方も楽しめる作品ではないでしょうか? しばらくぶりにロバート・キャパの「ちょっとピンぼけ」が読みたくなり、アマゾンで買うことにしました。 | ||||
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この書籍のために3回もスペインを訪ね、フランスの古書店をまわり、アメリカにもとぶ。 本を読む人に、写真の見方を教える。 力作とも言えます。 文章は読み易く、内容は濃く、ノンフィクション作家の面目躍如です。 | ||||
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キャパの神話をはぐ試み。 とにかく、探偵小説のように、 新たな事柄がつぎつぎとわかっていく半面、 それと同じくらい新たな疑問が湧き起る。 このもつれた糸を、 沢木耕太郎が、ひとつ、ひとつ、 足をつかい、手をつかい、頭をつかいながら、 解いていく写真探偵ノンフィクション。 得られた事実もさることながら、 沢木耕太郎のねばりに、感服。 | ||||
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説得力のある推理で、ぐんぐん読む者を引き込みます。キャパの悲しみも感じ取る事が出来ます。 | ||||
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当時、若き無名のカメラマンに過ぎなかったロバート・キャパを一躍、有名写真家に押し上げたのは、スペイン内戦の戦場で撮った一枚の写真であった。「ライフ」の1937年7月12日号に掲載された「崩れ落ちる兵士」の写真に、これは本当に敵に撃たれた兵士なのか、この写真を撮ったのは本当にキャパなのか、という疑問を抱いた日本人がいる。 『キャパの十字架』(沢木耕太郎著、文藝春秋)は、著者がこの謎をとことん追いかけ、遂に真実に辿り着くまでのドキュメントである。この著作は推理小説的な一面も有しているので、これから読む読者の興を削がないよう、結論は伏せておく。 「崩れ落ちる兵士」の写真が撮られた直後であろう、避難してくる大勢の人々とは逆方向に向かって並んで歩いていくキャパとその恋人で写真家のゲルダ・タローの後ろ姿――仲間のカメラマンが撮った写真に二人が写っている。翌年、ゲルダが戦車の暴走に巻き込まれて落命してしまうことを知っているだけに、何とも言えない気持ちに襲われる。 この書の中で、キャパと世紀の大女優、イングリッド・バーグマンの恋について、著者が言及している。この件は、かなり正直に綴られたバーグマンの自伝『イングリッド・バーグマン マイ・ストーリー』(イングリッド・バーグマン、アラン・バージェス著、永井淳訳、新潮社。出版元品切れだが、amazonで入手可能)の中では、こう記されている。「イングリッドと会ったとき、彼女より1歳上の31歳になるロバート・キャパは、人目を惹きつける独創的な人間だった。精力的で、意欲的で、世間知にもたけた国際人でありながら、皮肉な冗談を好んで口にしたにもかかわらず、本質は傷つきやすい心の持主だった。濃い眉毛の下のきらきらした黒い目、魅力的なアクセント、生きいきしたユーモアのセンス、人間や権力を巧みに操って自分の気分にマッチさせる能力といったものが、彼を人気者に仕立てていた」、「わたしは彼(キャパ)のそばにいたかった。彼は冒険家で、自由を愛する人間だった。金は彼にとって重要ではなく、おそろしく気前がよかった」、「もしもキャパがイングリッドに向かって、『ぼくと一緒にきてくれ。一か八か世間に体当りして、人生の美酒をたっぷり飲もうじゃないか』といっていたら、彼女(イングリッド)はついて行ったかもしれないが、その可能性は少ない。『ぼくと結婚してくれ、そして二人であらゆる喜びを確かめよう』といわれていたら、おそらく彼女は承知していたにちがいない。だが彼はそうはいわなかった」。映画史上、最も美しく上品なバーグマンにこうまで思われたキャパは、本当に魅力的な男だったに違いない。 『キャパの十字架』は、沢木耕太郎の力量が十分に発揮された力作である。そして、著者のキャパに対する温かい眼差しにホッとするのは、私だけだろうか。 | ||||
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あの写真がどうやって取られていたのかと言うこと。 今なら望遠レンズでいくらでも取れるけれども、あの頃こんなに近くで取ることができるのか・・・・・・ 納得できない部分もあるけれども、科学的な説得力には納得してしまう。 | ||||
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深夜特急でお馴染みの著者は、実はキャパを追いかけるジャーナリストとしても 有名で、訳本も出されており当初から“崩れ落ちる兵士”に疑問を持っていました。 フォトグラフス―ロバート・キャパ写真集 これは、言ってみれば写真界のタブーに真っ向から挑んだ、 しかもその切り口は非常に鋭く、読むものを興味のあるなしに関係なく ぐいぐい引きこむ魅力にあふれた氏の渾身の一作と呼べるでしょう。 結果は、先のNHKスペシャルでも取り上げられたとおりの内容なのですが、 その答えを導き出すプロセスが当時を知る人のあやふやな記憶に頼るのでなく、 最新の科学、専門家による分析、当時の公文書、そして著者の鋭い着眼によって どこを切ってもこれ以上の答えは出てこないだろう ただ、まったく疑問が解消されたわけではなく これが旅の始まり的な考察に、ジャーナリストとはこういうことなんだと 納得しました。 あの写真だけでは答えが出て来なかったところに、現れた複数の同じ日に撮られた写真。 そしてゲルダ・タローの存在、そしてその死。。。。 さらにLIFEに掲載されたタイミング。。。。 (LIFE MAGAZINE-12-JULY 1937) 後戻りできなくなったキャパは、一体何を考えて戦場でカメラを武器に 己自身と戦っていたのか。。。 ここを考えさせられます。 カメラのアングル(LeicaとRolleiflex)の違いや、移動距離にかかる時間、 そして画角からフォーマットを割り出す手法は見事です。 今年はロバート・キャパ生誕100周年という記念年です。 戦場カメラマンの草分け的にして伝説のカメラマンの数奇な運命を学んでみる いい機会だと思います。 久々に、ホンモノに出会った気がしました。 お勧めです。 内容とは関係ありませんが、装幀紙質共に最高級です。 特に紙質は感動するほどいいものを使っています。 出版社の意気込みも作者以上に感じることが出来ます。 初版本で88頁の写真は上下逆となっています。 増刷分からは修正されるとのことです。 初版分お持ちの方はご注意ください。 (私の本は上下逆バージョンでした。) 『キャパの十字架』に関するお詫びと訂正 ↓ [...] | ||||
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とても面白かった。 内容は、ここで書くべきではないと思うので、ふっと思ったことを一つ。 読みながらクリント・イーストウッド監督のまぎれもない傑作『父親たちの星条旗』が想起された。あれは第二次世界大戦期における「写真」が内包するイメージを意図的に強調し、プロパガンダ的に利用することで、戦争とメディアの関係性を考えさせる稀有なイメージを巡る政治的な映画であったように思う。 本作で分析され調査される、キャパの「崩れ落ちる兵士」は、これまで何らかの「意図」をもってそのイメージが曲解されてきたわけではないが、しかし、ここでもやはり内線とメディアが結びついていることに間違いはない。 もはや語り尽くされたことではあるし、本題とはかけ離れてはいるだろうが、しかし、この本もやはり、ある写真がどのようなコンテクストでいかに語られるかによって、イメージを付与されるのかということに多くのページがさかれていることから、ある意味でイメージを巡る政治的な書物であるように思う。 | ||||
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