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キャパの十字架
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キャパの十字架の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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メジャーデビュー3作目の「敗れざる者たち」との出会い以来、ほとんどの著作物に目を通してきた、 40年来の沢木ファンの私も、写真集を含めたキャパ関連の作品は、何となく敬遠してきていたのだが、 ひょんなことから、TV局とタイアップした企画の制作意図とその仕上りに、批判的な見方があることを知り、沢木のキャパ物で初めて本書を手に取る気になった。 沢木作品を読むこと自体が、随分久し振りだったのだが、沢木の手に掛かれば、やはり読み応えは充分で、実際の写真を紙面で紹介しながら、アンテナに引っ掛かったものから、自らの足と目で、ひとつひとつ丹念に検証して、徐々に核心に迫っていく手法も、良質のサスペンスを観るようで、一気に読み進めることができた。通し番号が振られた段落が明瞭で、それぞれが比較的短いことも、私には有難かったのだが、体裁としてのそのクールなスタイルとは裏腹な、偏執的とも言える執念を感じさせるアプローチには、むしろ出世作となった「一瞬の夏」に近いものを感じた。 ただ、地味な題材ながら、評価の高い「一瞬の夏」や「深夜特急」と同じく、ドラマティックな展開を見せる本書には、これまでの沢木作品では一度も自覚したことのない、プロの物書きとしてのある種の小聡明さにも似た違和感を、初めて覚えたことも付け加えておく。 | ||||
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先日、ライカⅢa、を売却いたしました、エルマーのれんずとズミクロンのレンズも一緒です、かなりきれいな状態のカメラとレンズでしたので、この本を先に読んでいれば、売却はしなかったと思います、残念です。 | ||||
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40年振りくらいに読んだ沢木耕太郎氏の本。キャパには思い入れも興味もないが、沢木氏らしい丁寧な取材の過程が面白かった。深夜特急を読んで、氏と同じ27歳で仕事を辞めて海外に住んで、以来30年以上欧米で仕事をしています。 | ||||
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タイトル通りの評価です。ただしキャパの評価は抜きにしても一人の人物に対して執念深く取材しており、評価できます。 | ||||
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沢木氏は駆け出しの頃にキャパの自伝を読み、「視るだけの者」としての哀しみを感じ、同類としての共感を覚える様になったという。 「いつだって、ただ傍観し、人の痛苦を記録することしかできないのは辛いことだった(キャパ)」 私も高校生時代にキャパの「ちょっとピンぼけ」を読んだが、どこか作りものめいた読後感があり、なじめんなあと思ったっけと、本書を読んでいて思い出した。「崩れ落ちる兵士」の写真に対する獏とした違和感は、当時確かにあった。戦場カメラマンという職業の胡散臭さとその悲しみの裏返しであろうくだけたキャパの語り口に、また当時自分は受験戦争で押しつぶされそうだったので、キャパに対する妬みめいた感情も混ざって、「ちょっちピンぼけ」に対してはあまり良い印象を当時は持たなかった。 しかし沢木氏の粘着度たるや、職として近いこともあるのであろうが、そのままキャパのことをすっかり忘れていた私なぞとは深さが違う。著者は数度のスペイン行や先行する老学者や関係者との出会いを通じて、この写真がどの様な過程で撮影されたものかについて、執拗に推論を重ねていく。本書のページの9割は、しつこいまでのその検証過程を、丁寧に書いたものだ。 彼の結論が果たして正しいかどうか、生きている者にはわからない。 また何のかんのいっても死者の墓暴きでないか、という感は残る。 彼のキャパの写真へのこだわりにはやや病的なものを感じるものの、しかし本書のしつこいまでの検証を通じて、沢木氏の気が伝わって来て、職業人としてまた違った「視る者」の立場で日々を送っている私自身にも共感できる点も多かった。 久々に、「ちょっとピンぼけ」を読みたくなった。写真集も図書館で借りてみることにしよう。 自分用のメモ: ・キャパの恋人、ゲルダ・タローのタロー名義がパリで奮闘していた岡本太郎から来ていたとは。同じ日本人として嬉しい ・スペイン戦争当時のスペインの田舎では外国人は宇宙人の様に珍しかった ・キャパはイングリッド・バーグマンと付き合っていた ・フランスの図書館司書の働きぶりに怒ったフランス人が沢木氏を助けてくれる場面があった。 いかにもフランス人らしくて面白く、懐かしい なお88年出版の「ロバート・キャパ写真集」における沢木氏解説を読んだところ、15年の年輪が沢木氏のキャパに対する理解をより深めた部分もあるが、実地検証部分を除くと本書の骨子は15年前にほぼ完成していたということが理解できた。 今回の作品は、TV局の力も大いに借りて制作したということなのかもしれない。 | ||||
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世界史の教科書などで多くの人が目にしたことがあると思われる ロバート・キャパの「崩れ落ちる兵士」の写真。 本書は、この一枚の写真をめぐって、 「どこでどのように撮られたのか?」 「これは本当に死の瞬間を捉えたものなのか?」 そして、「この写真を撮ったのは本当にキャパなのか?」 という謎をひたすらに追及していくものです。 沢木氏は、実際に写真が撮られたと推定される場所に赴き、 様々な証言者・研究者に直接インタビューをして、科学的・技術的な検証を経て 彼なりのひとつの「答え」にたどり着きます。 その結論に納得できるかどうかはともかく、そこに至るまでの過程を、 ひとつの旅行記のように滑らかに読ませる手腕はさすがだと思います。 ただ、ロバート・キャパという人物についてよく知らない、彼に関する本を初めて読んだ、 という私のような読者にとっては、もう少しキャパ自身についての逸話やエピソードが 欲しかったかなという気はします。 本書の主役はあくまでも「崩れ落ちる兵士」の写真であるということに注意した方がよいと思います。 | ||||
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