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本の町の殺人
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本の町の殺人の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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| 愛書家の夢が詰まった本屋だらけの町ストーナムの一番新しい書店主トリシアが殺人事件に巻き込まれ当てにならない警察を頼らず自力で事件解決に苦闘する活躍を描く〈ブックタウンミステリー・シリーズ〉第1作です。最近のコージー・ミステリーを読んでいて気づくのはバツイチのヒロインが増えた事で、本作もそうですが離婚の理由が単純な仲違いでなく割合に夫婦仲は円満なのに何故か別れてしまったというケースが多いですね。それだけ人生経験と苦労を重ねて人間を見る目が養われた芯の強いしっかりした大人の女性が現代のヒロイン像として魅力的で今や主流になっているのでしょうね。 本の町ストーナムでミステリ書店〈ハプント・ゴット・ア・クルー〉を営み商売繁盛で順風満帆な新米書店主トリシアだったが、偶然にも近所の料理専門書店〈クッカリー〉を訪ねた折に何と書店主ドリスの死体を発見してしまう。不運にもトリシアはそれから女保安官ウェンディからはあからさまに犯人と疑われ、住人達からは「町の死のジンクス」と噂される最悪の事態になる。大人しそうに見えて実は負けん気の強いトリシアは何とか汚名を晴らそうとかなり無茶な事をしながら事件の調査にかかるのだった。 コージー・ミステリーの良さの一つだなと思えるのは探偵役のヒロインがあまり頭脳明晰でなく謎を全て解明せず偶然に真相に到達してしまう点で、有名な名探偵みたいに偉そうだったり嫌味っぽかったりする事なく極普通の人らしくて安心できる事でしょうね。登場人物も少なくトリックにも目新しい独創性はありませんので大きな「びっくり」はやって来ませんが、でもその代わりに著者も「どやっ」とばかりに気合を入れるのでなく「さらっ」と書いていますので肩の力が抜け現実的で信じられる丁度良い安定感はあると思います。本書では何もしない最悪の女保安官が一番だらしなく、(まあ一応理由はあるのですが)でもやはり捜査のプロなのですからせめて基本的な確認ぐらいはして欲しかったですね。シリーズのレギュラー陣を紹介しますと、まずはお茶目で悪戯好きの飼い猫ミス・マープル、次に同性で気が合う働き者の従業員のギニーと常連客から従業員に昇格した初老の紳士ミスター・エヴァリットは共に頼りになりそうですね。それからお偉方の不動産業者ボブはチョイ悪役で今後も出て来そうですね。トリシアの姉のアンジェリカは最初こそ贅沢好みの嫌味な女に見えましたが、次第に押しの強い所はある物の下心のない妹思いの良い女性だとわかって来ましたね。そしてヒロインのトリシアは姉のお陰で毎度ピーナツバターパンの貧しい食生活から救われたり、強引な調査の為の忍び込みを後押しされたりと、彼女の本来の強い性格がムクムクと表に出て真犯人の捜査に熱が入りましたね。気の毒な老婦人への思い遣りの心や強い正義感は魅力的ですし、肝心の推理は完全とまでは行かず惜しかったですが、でも最後に絶体絶命の大ピンチを迎え追い詰められた時に取った思い切った行動はまさに称賛に値する素晴らしいがんばりでしたよね。元夫が嫌いで別れた訳でなく残念ながらロマンスとは当分縁の無さそうな風情のトリシアですが、「町の死のジンクス」の呼び名が再び人々の口に上る事となってまた新たな犯罪に巻き込まれるのでしょうか?次作が紹介される日を楽しみに待ちましょうね。 | ||||
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