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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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第一回ラノベ以外の文庫オリジナル本大賞一位(略して「No.1注目作家」)をもぎ取って燦然と平台デビューし、「切なさの魔術師」の称号を乙一から簒奪した俊英の、受賞後第一作。が、メフィスト賞からのデビュー作に陶酔した後、待望の第二作を投げ捨てた時の砂消しを噛むような思いを再び味わった。 「私を知らないで」で不思議な生活や幻想的な光景からリアリスティックな真相を導いたミステリとしての震撼を期待してはならない。セリフから地方出身と見抜く金田一京助ばりの推理を披露する場面があるが、方言らしき単語は見当たらず、読者には標準語で書かれたセリフのイントネーションが聞こえないのであった。まあミステリには分類されまい。疲れたおばはんの愚痴とセックストークで構成されるほっこり系オトナ女子小説の類で、これはこれで需要があるのだろうけど、個人的には(ラノベとミステリ嗜好としては)ない。 レビュー書く前に検索してみたらLINEノベルの作品紹介にも載っていた。ああ…、そう、LINEノベルね…。それで、霊が実在して超能力を行使し占い師が未来を見通して予言する世界観なのね…。携帯電話での通話を常に妙な表現してるのも、ひょっとして本来LINEでの通信なのだろうか(アカウントがなくてLINE版は読んでいないが)。 どうもこの作家、現実的な話で少年少女主役の◯◯ミステリーと、超能力ありの話で大人になれないおっさんおばはん主役のザッピング群像劇の二系統で行くようである。本作は後者だ。 前者の非現実要素のないミステリーで占いやチャリティや超能力番組の嘘・欺瞞を鋭く叩き斬ってみせる、世を眇めた少年少女の小生意気な青さは魅力的だ。容赦ない合理的思考をゆるがせにせず、なあなあで世界と折り合いを付けることができず、エッジィな生きづらさを抱えて世界と対峙せざるを得ない姿。焦がれるような愛おしさを覚える青春小説である。 だが後者の超能力ありの人間模様ドラマでいい年したおっさんおばはんが同じトークを繰り広げたら。痛々しいし、下ネタの露骨さもあいまって、気持ち悪い。大人になれず足掻く若者より疲弊しきった中年の爛れを感じさせる。そして超能力のある世界なのだから、そもそも発言は鋭いどころか誤り。超能力のある世界で超能力を否定してみせるのは合理的思考ではなく、むしろ詐術や頑迷な無知だ。トークと世界設定がねじれ、作中世界の論理というものへの信頼が失われる。 プール、野球、アフリカの恵まれない子供たちを報じるTVへの冷笑的視線、特異な行動をする動物のニュース、消しゴムのきれいな使い方への偏執、不慮の事故で死んだ子供…。過去作で使ったモチーフの再浚えだ。新しい要素である観覧車にしても、最初の投稿作に使ったものとコメントが出ている。繰り返し同じモチーフを織り込む作家も確かにいるし、「私を知らないで」から入った読者に作家性をおさらいしてみせる狙いかもしれないが、しかし、もしかして引き出しが少ないのではとの疑いが萌さざるを得なかった。 次は当たり系統だろうという願望と、開けてない引き出しまだ残ってるんだろうなという危惧の両方において、次回作に期待。 | ||||
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第一回文庫オリジナル本大賞一位をもぎ取って燦然と平台デビューし、「切なさの魔術師」の称号を乙一から簒奪した俊英の、受賞後第一作(トータル四作目)。が、「私を知らないで」で不思議な光景からリアリスティックな真相を導いた震撼を期待してはならない。推理小説読者向けではないだろう。セリフから地方出身と見抜く金田一ばりの推理を披露する場面に方言は見当たらず、読者には標準語で書かれたセリフの発音が聞こえないのだった。 霊が実在してパワーを行使し占い師が未来を見通して予言する世界観のザッピング群像劇で、ほっこり系オトナ女子小説読者向けかと。検索したらLINEノベルの作品紹介にも載っていた。道理で、携帯での通話が常に妙な表現だと思った。 プール、野球、アフリカの恵まれない子供たち報道への冷笑的視線、動物の特異行動ニュース、消しゴムの角への偏執、不慮の事故で死んだ子供…。過去作で使ったモチーフの再使用が多く、どうにも引き出しが不安。また登場人物のこういう斜に構えた態度は、少年少女のミステリでは社会に馴染めない不器用な賢さ(黒を白と言わせる同調圧力に従わない)になって魅力的だったが、登場人物が成人の異能ありドラマだと、倦む(白を黒と言い張る愚昧さ)。 どうもこの作家、ミステリとこの手のドラマを交互に書く様子。次は当たり系統だろうという願望と、開けてない引き出しまだ残ってるんだろうなという危惧の両方において、次回作に期待。 | ||||
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「私を知らないで」で何かの人気投票一位を取って平台デビュー、「切なさの魔術師」の称号を乙一から簒奪した俊英の、受賞後第一作。 が、前作と異なり、推理小説としての衝撃はない。あなたは地方出身者ですねと探偵役が見抜いたらおもむろに相手が方言使い始める推理。ちゃぶ台。 なおあくまで、推理小説を期待して読んだらという評価。霊がパワーを行使し占い師が未来を見通す世界観のザッピング群像劇(LINEノベルなのだとか)という観点からほっこりを求めるなら、他レビューを探して参照されたい。 | ||||
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