■スポンサードリンク
君の名残を
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
君の名残をの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「四日間の奇蹟」も読了しています。 その上でこの作品を読んで感じました。 ああ、浅倉さんの原点はこれなんだと。 作者は「平家物語」を敬愛しており、その根底に流れるもの(「無常観」とも言える)が、作品に反映されているのだなと分かりました。 「四日間の奇蹟」然り、抗えぬ過酷な運命を受け入れながら命の限り生き抜く様、切なくも重厚な人間模様…命とは、愛とは、生きるとは。 この部分には本当に心を揺さぶられます。 ですが、なぜその出来事が起こったのか?(起きねばならなかったのか)が、いかんせん弱いです。説得性が無いですし、矛盾していると思います。 別のレビューにもありましたが、ただ平家物語をなぞっているだけ。 平家物語をそのような歴史に足らしめた理由はこれだ!という作者独自の想像を描いてみただけ。 描くのならば、小説なのですから、独自の結末に持っていって欲しかった。 そこが残念です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前作「四日間の奇蹟」がファンタジーだったように、これもまたファンタジー小説です。 普通の高校生たちが室町時代末期にタイムスリップ。 源頼朝や平清盛らが争う時代で、気がつけば自らも歴史上の人物になっていた・・・。 主人公たちは、学校の授業ですでに歴史を知ってしまっている。 たとえばあるキャラは木曽義仲のそばで、あるキャラは源義経のそばで生きるのだが、ともに義仲や義経がいつ、どういう風に死ぬか、まで知ってしまっている。 そんな定められた<宿命>の中で、必死にあがきながら生きる切なさ、そして尊さがこの本のテーマでしょう。 純粋な歴史小説として見れば、アラはたくさんあります。 時代考証の杜撰さや無謀なキャラの設定に、怒る人もいるかもしれません。 しかし、これは舞台がたまたま室町時代なだけ。 その部分は目をつぶって、登場人物の思いに心をはせたほうが楽しめます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者初の歴史物(とはいってもかなりの部分でSF、創作が含まれていますが)。 舞台は源平の乱世。上巻では、この時代へと誘われた現代のティーンエイジャー三人の内の二人、白石友恵と原口武蔵が、私たちの良く知るところの源氏物語・平家物語の歴史世界に巻き込まれていく様を中心に進んでいきます。 『現代の人間が過去にタイムスリップし、歴史の分岐点に遭遇する』というのは、歴史物SFではあまりにも使い古されたネタですが、大抵の作品では、飛ばされた現代の人間は、あくまでも脇役であり傍観者。歴史上の有名人の傍で日々を過ごしたとしても、後世には名も残らぬ役回りです。 けれどこの作品では、過去へと飛ばされた彼らは名を残します。その名は、彼ら自身も良く知る名、巴御前と武蔵坊弁慶。過去へと飛ばされた彼らは、初めは何がなにやら分からぬまま、予期せぬうちにその名を冠し、乱世を生きていきます。 彼らは当然その後の歴史の行く末を知っています。誰が政権を執り、誰が敗者となり、誰が生き残り、誰が死ぬのか。彼らはそれを知っています。そして自分がその名を冠した歴史上の人物が、どういった人生を送り、どういった最後を迎えるかも分かってしまっています。彼らは史実の通りに乱世を生きるのか、それとも歴史を変えるために奮闘するのか、そして彼らは元の時代へと戻れるのか。この辺りが見所となってきます。 あえて批評させていただくと、この過去へと飛ばされた友恵と武蔵、順応力が高すぎます。あっと言う間にその時代にの生活に慣れ、言葉遣いなども変わっていきます。この順応の早さには少々違和感を感じました。 P.S. この作品に登場する白石友恵は、著者のデビュー作『四日間の奇蹟』に、詳しく言及はされていませんがおそらく彼女だと思われる女の子が登場しています(剣道をしているお転婆な女の子とあるだけで、実際には名前も顔も登場していませんが)。探してみてはいかがでしょうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルに魅かれました。 平家物語をベースに、さまざまの陣営で話が進行していき、 インターミッションで現代の話に戻ったりします。 話の構成として場面転換がものすごく多く(1ページ中で3度も あったりする)、ちょっと読みづらい気もしました。 陣営によってページの割き方も違うし。均等の方がよかったです。 話のためにキャラがいるような感じがもあり、キャラの独自性が あまり感じられなかったところが残念でした。 ですが、このシーンを書きたかったんだ!という作者の思い入れの強さはビシビシ伝わってきました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
奇抜なアイディア。「時」が、必要とする人物を過去に送り込む。その運命を受け入れて戦いに身を投じる友恵と武蔵。だがどんなに努力しても、過去の事実が変わることはない。自分の意思で動いているのか?それとも時の流れの中、流されているだけなのか?二人の過酷な運命が読む者をひきつける。そして、二人の役目が終わったとき・・・。読後、余韻が残る作品だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
評価が高いので言いにくいのですが 主人公の女性がいかにも「男性作家が考えそうな」ヒロインな気がしました。言葉遣いや行動に、普通の高校生がタイムスリップして 数年後にこうなってしまうか?という疑問を感じます。 主人公二人がそれほども葛藤もなく平安期にとけこむのも不自然だし 現代に残った友達のエピソード(最後に出産、生まれ変わり?なんかも 蛇足という感じがします。なぜタイムスリップしたかという理由付けも甘いし、無理やり感が否めません。歴史物語としては良いと思いましたが、タイムスリップを含むSF的要素に関してはいまいちなかんじでした。いろいろ説明はあるのに主人公たちの気持にのめりこめない気がします。でも、好みの問題なのだと思いますが・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
非常に残念である。この作家が、このテーマで、何故この程度で終わってしまうのか? 始めのストーリーテリングが素晴らしく、 テーマもこの上なく素晴らしかったのに…。 義仲を取り囲む環境も、武蔵が味わう苦悩も、 どれもこれも傑出した読み応えなのに…。 「このテーマを書くために小説家になりたかった」という 作者のコメントを、どこかで読んだが、それならば尚、 更に推敲を重ね、無駄な部分を削っていって欲しかった。 たとえば、志郎の登場は、より「歴史」小説的側面を補完するため 必要であったことは十分理解するが、ひとつの「小説」として 考えた場合、本当に必要だったのか。 冷泉の苦悩も、なるほど読者を考えさせるが、それを盛り込む上で、 何を狙ったのか。 これら贅肉を削ぎ落とし、より研ぎ澄まされた小説にして欲しかった。 どうしようもない時の流れの中、友恵と武蔵が、何に苦しみ、 何を愛し、何に幸せを見出したのか、そのポイントを、より 強烈に描き出して欲しかった。 この作者だからこそ、お願い。 「お願いです、数年度、もう一度書き直してください!」 末永く待ってます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
歴史的事実に沿いながら新たな物語を作り出す作者の意欲と力量は見事なものだと思います。しかし、歴史の流れを失わないように話を進めたために、 主人公達の哀切が薄まった感があります。他の人も書いてましたが、主人公達以外の部分が手厚すぎます。 その部分をもう少し比重を軽くし、主人公の周りをもっと描けると、主人公がもっと浮き上がったような気がします。惜しい作品です | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!