雪の夜話
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美大出身の俊秀デザイナーだが、腕は立っても人とのつきあいが下手で、彼の才能をねたむ上司から疎外され、遂には数年間働いた東京の会社を辞め、遠い北国の郷里の実家に帰ってしまう。 其処で傷心のまま鬱々と日を過ごすうち、大雪の深夜、近くの公園に行って不思議な少女に出会う。彼女には、十七歳の受験勉強のころ、やはり大雪の深夜に一度だけ会って話したことがあった。彼女はその時の十五歳のままで少しも変わっていない。 二十五歳になった彼だが、大雪の降った深夜には必ず公園に行って彼女に会う。彼女から人間存在の真の意義を教えられ、様々な助言を受けるうち、彼は社会人としても家庭人としても立ち直る決心をする、一方、天界の門をくぐることを恐れ、霊的存在のまま地上でさ迷っていた少女も、彼との交友によって天上にゆく気力を与えられ、天界に上る決心をする。そして、彼女と彼は正月もまぢかに迫った大雪の夜、公園で盛大なお別れパーティを開く。 この大雪の深夜のお別れパーティの場面が、この物語中最大の圧巻で、とても美しく感動的でさえある。 彼女と彼はこの世では次元を異にする存在であっても、霊の世界では繋がっている。何時か一緒になることもできる。これは、肉体をともなわない霊と、肉体をともなった霊との、美しいラブストーリーである。 (注)雪の夜に起こった出来事がメインストーリーで、それまでの話はプロローグ、あとの話はエピローグである。この話を寓話ととると、何の寓話か分からない。寓話にはイソップ物語のように、教訓とか風刺とか寓するものがなければならない。夢か心象風景か体外離脱による超常体験か、いずれにしても、主人公の神秘的な実体験と考えるのがいちばん自然である。なお、神秘体験や霊界について疑いを持たれる方は、木内鶴彦著「生き方は星空がおしえてくれる」(サンマーク出版)を読んでみられるとよい。 | ||||
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初めて読んだ作家さんなので、他の小説と比較は出来ませんが、非常に気に入りました。 あらすじを分解して構造主義的に言ってしまえば「ありきたりなストーリー」なのでしょうが、この小説の醍醐味は話の筋ではありません。 おおまかなストーリーとしては、雪の降る公園で人の目に見えないはずの少女と出会った高校生の主人公が、大学に入り、就職し、挫折し、帰郷してまた少女に出会って・・・というファンタジー。 一応ハッピーエンドになります。 哲学が好きな人にはウケがいいでしょうが、ストーリー重視の人には面白くないのではないかと思います。 「しつこい、まどろっこしい、うじうじしてる」という方もいるでしょう。 あとは「映画はアクション映画しか観ません」という人はやめた方がいいです。 実に淡々と、静かに語られますので、そこで感想がまっぷたつに割れそうです。 哲学で言うと、プラトンとアリストテレスとヘーゲルを足して、そこにキルケゴールの絶望とハイデガーの実存を隠し味に数理哲学もプラスしたような話です(多分)。 題名「雪の夜話」は、この文章全体を実に如実に表しているように感じます。 文章そのものが、静かな雪の夜です。 解説にも書いてありましたが、本当に「地味」です。 そして、その中にとても濃縮された強さがあります。 自分は読み始めてしばらく、福永武彦みたいだと思いました。 が、福永武彦よりはむしろ力強く、地に足がついているというか現実的、おそらくこの本のテーマである「存在」「時間」「自我」を非常に堅実に描いていると思います。 陳腐に言えば「命の賛歌」と言えなくもありませんが、やはり違います。 「自分が自分であること」「いつから自分になったのか」「自分は自分にしかなれないのか」 そういった自我への問いかけが実に透明感のある美しい文章で、そしてまた秘めた力強さをもって描かれています。 | ||||
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裏表紙に「白い雪に覆われた現代の寓話」と書かれているが、的を射た書き方です。 雪がしんしんと降り続く夜に読んだら最高かもしれません。 前半部分は主人公のプライベートは一切描かれず、仕事オンリーの挿話になっており、後半とのギャップが面白い。 「4日間の奇蹟」「君の名残を」は越えていないなぁ・・・ | ||||
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1章を読んでファンタジックな心温まる話が始まるのか、と期待したが、2章の美大入学から 印刷会社の制作部デザイナーの現場説明的話が60ページ続き一気に読む気が失せる。 (私自身が美大-広告代理店制作部デザイナーだったので重箱の隅をつつくような意見をいわせてもらえば 企画・立案するようなデザインの仕事でチームを組まずに一人で仕事することはありえない。 コピーライターも存在せず文字組していたりする。 企画・立案するデザイナーと指示通りに版下を黙々と作る下請けのデザイナー(オペレータ)の仕事が ごっちゃになっていて60ページが説得力0だった。) その後もストーリーに必要ない色や光の知識の羅列はうるさく、雪の少女の言葉遣いが妙に 不自然(パラダイムが私たちを駆逐する〜とか、演えき的に命という語に〜)で 期待していた世界とはまったく違い半分で挫折してしまった。 | ||||
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自分にしか見ることのできない少女との対話によって、 自分とは何者なのか、魂とは何なのか、 そしてどう生きるべきなのかを見つけていく 「自分探し」の物語。 浅倉卓弥さんの作品はどれも地味な印象があります。 でも、作品の大きなキーワードでもある「雪」と 浅倉さんの作風がうまくマッチしていて、 趣のある作品に仕上がっていました。 ただし、雪子が語る哲学的な言葉は難解で、 特に大きな出来事もなく淡々とすすんでいくお話なので 小説としての面白みは少なかったな〜。 雪景色の描写はシンシンと降り積もる雪の様子が 静かに感じられてとても美しかったです。 | ||||
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