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(短編集)
四畳半王国見聞録
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四畳半王国見聞録の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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あらたな四畳半物語を知りました。 | ||||
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"今この桜の下で君たちに出逢えたことを、阿呆神に感謝する。皆さんコンニチワ、世界よコンニチワ。諸君に乾杯、四畳半に乾杯。ありがとう"2011年発表の本書は著者の他作品の人物が多数登場してくるファンには嬉しい『四畳半神話体系』のスピンオフ連作短編集。 個人的には来月に京都で企画している森見登美彦作品読書会の準備として、また今月に久しぶりに発売される新作続編『四畳半タイムマシンブルース』の予習として手にとりました。 さて、そんな本書では『四畳半神話体系』のメンツはもちろん、『【新釈】走れメロス 他四篇』『有頂天家族』『恋文の技術』からどうやら登場人物や設定がもってこられる感じで、相変わらず【無駄に高い男汁濃度(褒めてます)】で、シュレディンガー方程式にあえなく敗北した面々が四畳半だ!水玉模様ブリーフだ!と【有意義とは程遠い学生生活(褒めてます)】をしている姿が7章の短編で描かれているわけですが。 『四畳半神話体系』や他作品を読んでいないと、流石に【初見の方は濃すぎて作中世界に入り込みにくいのではないか?】と思ったりしましたが、逆に私に関してはそのあたりはクリアしていたので、ファンサービス的にとても楽しませていただきました。 一方で本書では特殊な能力を持ちながらあえて『凡人を目指す非凡人の集い』大日本凡人會の面々が登場するのですが、運命の女性をフェルマーの最終定理よろしく数式で導きだそうとする"数学氏"他(本人たちの妄想かもしれませんが)割と【直接的な異能力者たちが登場するのは、ちょっと意外】というか、このシリーズぽくはないような印象を受けました。(ま、それも含めてヘタレ学生の日々を愛でるような作品なので、ありといえばありなのですが) 京都で有意義とは程遠い不毛(で楽しかった)学生時代を過ごしたかっての学生へ。また『四畳半神話体系』や森見登美彦のファンの方にもオススメ。 | ||||
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前作、四畳半畳神話大系 が並行世界的広がり、+方向へ無限の可能性を持つのに対し、 本作は1(世間からの価値、評価)と0(無駄、妄想)との埋まらぬ間に0.999…と無限(小数)を重ねて行き、内なる世界、妄想が宇宙的広がりを見せる。 阿呆神に魅入られし愛すべき阿呆達の物語 | ||||
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運命の女の導きで得た栄誉を全て捨て、眼前の桜と川を全てとして座る男。 それは作者自身の未来の予見では無かったか? | ||||
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最も森見らしい作品といっても過言ではないであろう。バカ学生の、何もない呆けた日常を、やたらめったら小難しい言葉と修辞を駆使し、意味ありげに書いただけのものである。ちょいとシュールに加工もしてある。意味があるか?意味なんてない。読む必要があるか?ない。ない、ない、ない。 ただ、学生の無意味に高揚した時期のいとおしさに満ちている。京都の大学になんかいなかったんだけど、その気分めっちゃわかる。私も謎の配管をキーンキーンと叩きたい。 2ページ読んで、「わはは、これ読みたい」と思った私達のための暇つぶし小説である。だから2ページ読んで、「何じゃこれは?」と思った人はもう読まないでください。 | ||||
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私の読書時間は往復3時間の通勤電車の中である。森見登美彦は私の大好きな作家の一人だが、電車の中で読むときは細心の注意が必要とされる。 にたにたしたり、くすりとしたり、はたまた声をあげて笑いそうになったり。周りから見たらきっとキモイおっさんと思われること必至である。超まじめでかつ格調 高い文章で、ほんとにしょうもないことを何のてらいもなく書き続ける。この作品もお得意「京大生もの」である。「四畳半」の下宿(とは最近は言わないか)を 王国に見立て、そこで繰り広げられる何のためにもならず、当然女性には決してもてることのない男たちの、独りよがりの世界が語られる。森見の作品は よくファンタジーというカテゴリーに入れられているが、「有頂天家族」で描かれる狸一家の話などを除くと、特に京大生ものは、十分ありうる話をちょっとだけ大げ さに表現したもので、決してファンタジーと呼ぶべきものではないと私は思っている。「大日本凡人會」とか「四畳半統括委員会」とか「図書警察部」とか、京大で は十分ありそうな組織だ。真夏に派手なブリーフ一丁で外で立ってる男もいると思う(きっと)。四畳半の自分の部屋で、ろくでもない妄想にふける、しかも ちょっとばかり教養があるために、自分に恋人が出来るかどうかの数式を求めたり(あほである)、エロDVDのモザイクを消す技術(というより魔法である)を身 につけたり、マンドリンの弾き語りで役にも立たない説教をしたり。だが、こう言った人間は京大生の中にはいそうである。元京大生の私が言うのだからちょっと だけ信用して欲しい。そう思ってこの本を読むと、このあほらしい本も真面目な本に思えてくるはずだ。 | ||||
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2011年に出た単行本の文庫化。 7篇からなる短編集だが、各篇にはうっすらとしたつながりがあるような。 京都の大学生の生態を描いた作品で、変人、変態、変な団体がてんこもり。いかにもな森見ワールドが展開されている。 前半は非常におもしろかったのだが、後半になって急速に勢いが失われていくように感じた。なぜだろう。一定のパターンから抜け出せていないような。 | ||||
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かつてこの作品について「戻ってこられないかと思った」と作者が日記で書いていた意味がよくわかりました。 危うく男汁をたっぷり吸い込んだ四畳半的妄想世界に埋もれて遭難するところでした。 多少、そのくどさが、そのくどくどしさが、最早毒沼のように濃密過ぎてどろんちょしてる文章にかなり辟易しますが、 最後まで読み切ると、そこから抜け出せた解放感に快感を覚えます。 | ||||
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二十歳前後というのは、自負心だけはやたらと強く、しかしそれを裏打ちするものが何もなく苛立つことの多い時期である。この時期の、もっと自分は評価されるべきなのにという不満、自分は他人とは違うんだという優越感などは、青春時代を扱った古今東西の文学作品の原点だと言ってもいい。この小説もその系列に属しているのだが、他の作品はそうしたネガティブな感情が原因で主人公その他が何らかの行動を起こし、そうした行動が巻き起こす波乱を描くのが普通である。「阿呆神」「大日本凡人會」「四畳半王国」など、ここまでこのような妄想自体を徹底的に、しかしおもしろおかしく突き詰めた小説は、森見登美彦が初めてではなかろうか。 この本のストーリーだけを取り上げれば、おそらくかなりの読者はただの変な小説だと思うだろう。しかし、技巧的な文章や話の構造自体は、日本の伝統的な小説の手法に非常に忠実である。著者は過去に中島敦などのパロディを発表したことがあるが、日本の過去の文学作品を深く読み込んでいることが読み取れる。ちなみに、澁澤龍彦の小説との類似を、私は著者の話の進め方の一部に感じていた。私は日本の古典の良い読み手とは到底言えないが、日本の古典に精通した読書家であれば、いろいろな過去の作品の影響を作品から読み取って、より深く楽しめるのではなかろうか。 明確なストーリーがなく、青春時代の妄想を技巧的に突き詰めた小説なので、拒否感を示す読者も少なくないだろうと思う。しかし、かなりデフォルメされているとはいえ、作中の登場人物と似たような思いを抱いた経験のある読者は、決して少なくないのではなかろうか。私自身も、過去そうした思いに煩悶した(要するにもてなかった)1人なので、小説の京都くささ(私は関東人です)、大学くささ(京大?)といったハードルを越えた後は、森見登美彦が取り上げ続ける「へもい」学生たちの話を楽しく読んでいる。本作を含めた森見登美彦の四畳半シリーズは万人向けの小説だとは思えないが、納豆やドリアンのようにハードルを越えさえすれば止められなくなる、そんな作品ではないかと思う。 | ||||
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京都における学生生活を戯画化して描いた、SFまたはファンタジーの風合い残る短編が7本。次々にわき上がる、きらめくような変幻自在のボキャブラリーと言い回し、粘着気質的かつ思考実験的な着想とタッチなど、読者が入り込めるか、手前で佇むしかないか、お構いなしの技巧的な連作が並んでいる。 という次第で、読み手によっては好き嫌いが分かれる作風だろうと思う。本書に限らず、作者にはそんな志向・こだわりが窺え、その個性・性癖に飽きが来ない限り、続編につい手を出してしまうということになる(評者がそうだ)。ただし、描かれている「京都における学生生活」は一から十まで京大のそれであって、決して同志社・立命館や京産大・龍谷大、さらには仏教大、大谷大などのそれではない。いくら「阿呆神」と自嘲してみようとも、残念ながらそこからは「京大臭」がほのかに漂ってくる。「東大臭」より可愛げがあり、評者もキライというほどでもないが、京大OBであることに足場を置いている気配が、ほんのわずかながらも鼻につくことは確かだ。 | ||||
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『四畳半神話大系』の続編をタイトルから想像した。それらしき人物も確かに登場するが、メインではない。ここの章はおもしろいが、全体としてまとまりを欠く。最終章も強引に持ってきた感が否めない。森見氏はもっとできる人なので、次回作に期待。 | ||||
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森見登美彦の「四畳半シリーズ」(?)の最新作は、京都の街を舞台にした連作集。『ペンギン・ハイウェイ』で日本SF大賞を取ったりしていて、ファンとしては嬉しいところだけど、やっぱり、森見は四畳半モノ。 『太陽の塔』から始まり、『夜は短し歩けよ乙女』、『四畳半神話大系』などなど、森見登美彦を読むキッカケになったのは、この一連の京都の大学生たちを主人公にした、作品群。SF好きとしては『ペンギン・ハイウェイ』も面白かったけど、この本を読んで、なんだかとってもホッとした。別に京都で学生時代を過ごしたわけでもないし、あんなアホな大学時代を過ごしたわけでもないんだけど、とても懐かしさを感じるのだ。 収録作品は次のとおり。 「四畳半王国建国史」 「蝸牛の角」 「真夏のブリーフ」 「大日本凡人會」 「四畳半統括委員会」 「グッド・バイ」 「四畳半王国開国史」 『四畳半神話大系』で出てきたおなじみのキャラ達も健在だし、大日本凡人會や四畳半統括委員会といった謎の組織の秘密も明かされ(?)、とても楽しめた一冊だった。 | ||||
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「夜は短し・・」を読んで衝撃を受けて以来、森見作品にハマっている一人です。本作も抱腹絶倒で読ませて貰いました。ただし、私の様に森見作品に惚れて森見ワールドに慣れている人でなければ少しキツイかもしれませんね。本作を読むまでに「夜は短し・・」「四畳半神話大系」「走れメロス」「有頂天家族」を読んでおく事をお勧めします。読んでない場合、半分も楽しめないと思います。やっぱりあの「阿呆学生」の物語は最高ですね。京都の大学に合格してながら行かなかった事を後悔してしまうほどです。 | ||||
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今回も森見さんらしい、無益で阿呆で愉快な作品でした。四畳半を中心としたオムニバス形式の作品で、これまでのおなじみの面々が随所に顔を出しています。特にストーリーに影響を与える程ではありませんが、これまでの森見作品を読んでいない方は、あまり楽しめないと思います。 四畳半の内側に無限の可能性を追求する学生、妄想的数学で非現実を証明する求道者、無用に子羊を迷わすマンドリン辻説法、「バカンス」ツンデレ?乙女など個性的なキャラクターが、今回も跋扈します。この本を読んでいると、クーラーのある部屋(店)で時間をただ浪費したり、狭い部屋に集まり宴会の後に雑魚寝したしょうもない、そして懐かしい学生生活を思い出させてくれます。それぞれの学生生活の「阿呆」な琴線に触れる作品と言える作品ではないでしょうか。 この作品に批判は必要ありません。賛美するか無視するかです。黒髪の乙女曰く「見渡すかぎり阿呆ばっかり」 | ||||
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四畳半という狭い空間の中で自分の内面世界に凝縮するようにのめり込む人物たち。 何となく身近な気もするけどこんな奴はいないとも言いたくなるような、なんとも不可思議な 感じがします。 阿呆神は偉大だなあ(笑 | ||||
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四畳半神話体系の主人公「私」が、他を寄せ付けぬ明石さんに抱いた気持ちと似たものがあり、本作を読み終えた時、私は森見さんそのまま君の道をひた走れ、と心の中で熱いエールを送った。 また、風の便りで著者森見登美彦氏は我が子のレビューを閲覧していると耳にした。しかしここで私は誠に失礼ながらひとつ申し上げたい、「読者の評価を見ている暇があったら、己の妄想にさらなる時間を費やせ」と。氏の邁進するその道はシルクロードにも匹敵すると思うからである。 要するにこれまで同様面白い。そしてこれまで以上にリンクしてリンクして、言うなればもうリンクのインドといった感じである。そういうわけで、他の方のレビューでも指摘されているように、初めて読む森見作品としては適さないと思われる。これまでの作品をいくつか読了し、森見の海にどっぷりと浸かり、「もう四回は溺れたよ」というような人こそ楽しめる作品かもしれない。 他の作品でもまた然りだが、どこのセンテンスを取り上げても、細かい情景描写が非常に美しい。だから案外この作品からユーモアの部分を除いたとしても、読みに堪え得るほどではないかと思う。真似したくなるような美しい表現がそこかしこに散りばめられているのである。 それから登場人物もまた魅力的というひとが多い。現代社会では杭として打たれるような強烈な個性を持ち、そして個性以外は性欲しかないというような人々である。今回新たに出てきた人物で考えても、数学氏や無名君、モザイク先輩や余など、その内のひとりでいいから友達に欲しいと思った。 私がここまでダラダラと書いてきて、この文章を読んで下さった皆様の貴重な時間を奪ってしまったが、簡単にまとめ、最も言いたいことは次のようになる。 これまでも読んできた人:読みなさい(本人のモラル次第では立ち読みも許す) 森見作品を読んだことがない人:「太陽の塔」や「夜は短し歩けよ乙女」などを読んで面白さを理解し、そして「四畳半神話体系」を読んで明石さんに魅了されなさい。それから本作を読みなさい。 ひとつ言い忘れたことがある。私のアパートは和室六畳である。それが残念で残念で仕方がない。気が付くと畳を1.5畳分剥がそうと計画している自分がいる。それだけ四畳半が魅力的に感じる小説である。 | ||||
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表紙の古屋 兎丸さんのイラストはキレイだが 「大日本凡人會」の主役級キャラであり、数式を照明し、物質を具現化させようとしている数学氏のイメージとしては不適であると言わざるを得ない(個人的に)。 日陰者の異能者の集まりである「大日本凡人會」の栄誉あるメンバーがこのように美形で堂々とし、月に1回は美容院に行ってそうな人物であってはならないのである。 斯様な人物であれば、数学的才能を駆使し彼女の存在を証明し、具現化する必要など無い。 衒学的に知識をひけらかしたところでアホっぽい婦女子に「数学くんって頭いいんだね」などと褒め称えられ、高校時代にはすでに桃色遊戯を経験しているはずである。 文庫化の際にも数学氏が表紙を飾るのであれば是非ドテラの似合う典型的理系学生に描き換えていただきたい。 「蝸牛の角」はショートストーリーの集合体のような面白い形式になっており「四畳半神話体系」の面々が多数登場し明石さんのかわいさや小津の憎たらしさを再確認できる、四畳半神話体系ファンはこの1篇のみで元が取れると言ったら流石に過言だろうか? 「王国」関連は「余」がビッグスケールで小さいことをやっているような印象を受けあまり好きになれなかった、ブリーフマンがスモールスケールでビッグな事をしでかしておるので余計にそう感じたのだろう。 最初の方を立ち読みしてあまり心動かされなかった方は「大日本凡人會」と「蝸牛の角」の内容を確認してから判断する事をオススメする、毛色が違うので。 そして出版社は立ち読みをされすぎてボロボロの本を売らないためにも「なか見!検索」等のweb上で立ち読みできるサービスを充実させて欲しい。 この本は新潮社のHPで立ち読みができるが、表紙から数Pと裏表紙(ほぼ目次だけで終わっている)だけである。 本当にセンスがない、売る気があるのだったら山場を抜粋して載せるべきである。イントロを聞いてCDを買う人は多い。 | ||||
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ファンには堪らないキャラクターの登場は嬉しい。小津に芽野なんて皆好きじゃないかと思いますが。 ストーリーはちょっと難解でした。僕なりに色んなパラメータで☆を考えてみました。 キャラ☆5、描写☆4、森見登美彦独特の言い回し☆3、ストーリー☆3。 この本の楽しみ方としては他の方も書いてる様に、ある程度他の作品を読んでからの方がいいと僕も思います。 森見作品にある程度言える事ですが、描像を楽しむためには相対性理論に量子力学、見聞録にいたっては超ひも理論の解説本くらい読んでたらもっと楽しめると思います。 蝸牛の角なんかは、パワーズオブテンを彷彿とさせる展開で、『やっぱこの人の妄想ぶりは阿呆やなぁ』と感心させられるほどでした。 | ||||
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今著も相変わらず森見登美彦的爽快感満点の作品である。 章ごとに作風が変わるオムニバス的な作品であり、その伏線は帰結につれて、確実に収拾されていく。最初は違和感を覚えるかもしれないが、読み進めると、徐々に全容が見えてくる。一章でリタイアしてしまう方もいるだろうが、是非読み進めてほしい。ただし、一読で全てがスッキリするわけではない。今後の作品もCheck it out!というわけだ。 それぞれの章は独立的にも完成されている、と言える。それぞれで登美彦氏の構成力が垣間見える。 例に漏れず、他作とのリンク多様だ。第二章などはファンには堪えがたい快感を覚える。今著では特に「新篇・走れメロス」「四畳半神話大系」を読んでおくと良いかもしれない(四畳半神話大系からは、正に我田引水的引用すら表れている。)無論、読んでいなくとも支障はない。 要すると、登美彦氏の文学を象徴するかのようなこの作品は、入門書としても、オールドファンにも至上の一冊と言える。 | ||||
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この作品は毎度お馴染み森見氏の著作リンクが特に目立つ作品と言えよう。 そのなかでも大きな鍵となる作品は『四畳半神話大系』と『新釈 走れメロス他四編』ではなかろうか。 阿呆神、四畳半というキーワードを中心に爽やかなるも悲しげで愛おしい阿呆学生たちの物語をオムニバスで綴っている。 森見作品のファンには持ってこいの充実した内容である。やはり自分が好きなキャラクターが登場するとニヤニヤさせられてしまう。 ただし、注意すべきは森見氏の作品の殆どを読んでいなければ中々内容が掴めないところが苦しい。『夜は短し歩けよ乙女』や『四畳半神話大系』のようにリンクは貼られても内容を読解するのに影響しないレベルではない。 難解である。 キャラクターやキーワードを知って読むのと読まないでは感想も全く変わるところであろう。ちょっち不親切である。 よってまずこの本に興味を持たれた方は先述の氏の傑作から読まれたい。『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『新釈 走れメロス』このあたりを読了していれば充分楽しめよう。 もちろん森見氏の著作を全て読まれている貴君などはあの、切なくなりながらも清々しい気持ちをまたまた楽しめることであろう。 内容的にちょっち不親切なので星を4つにさせていただいた。 小津は読まなくともよい。 | ||||
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