太陽の塔

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評判

太陽の塔の評価:

3.89/5点 レビュー 204件。 B ランク

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平均点3.89pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全409件 201〜220 11/21ページ
No.209
(5pt)

知的おバカの生態

京都の冬に暴力的な猛威をふるうクリスマスという厚顔無恥な馬鹿騒ぎを憂い、昨今の恋愛礼讃主義に敢然と異を唱え、かような理不尽極まりないクリスマスファシズムに対し「日本人はもう一度節度を取り戻さねばならぬ」と固く心に誓う四人組。私と飾磨大輝(しかまだいき)、高藪智尚(たかやぶともなお)、井戸浩平の哀しくも苦悶に満ちた学生生活。

彼らは溢れんばかりの知性(痴性?)を持って生まれ、その知性を無駄にすることおびただしい。軽佻浮薄な風潮に流されることなく、荒ぶるジョニーをかろうじて理性で統制する彼らは紛う方なき日本男児。果たして彼らに魂の救いはあるのか。願わくは彼らに神の祝福多からんことを。

本書は森見氏が京大の院生であったころに執筆したものにして、氏のデビュー作。独特の文体、知的な言い回しによって、京都に生息する知的おバカの生態が厭味なく描かれ、ついにファンタジーにまで昇華させた実力に舌を巻いた。はっきり言って大好きです、森見氏のこの回りくどい文章。
太陽の塔 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の塔 (新潮文庫)より
4101290512
No.208
(5pt)

本上まなみが解説を書いている

はるか昔のことではありますが、「私」と似たように
男だけのフォークダンスを踊り狂っていた自分の学生時代を
思い出しながら楽しく読み進めました。
(京都の学生ではありませんでしたが)
しかし、読みながら、この本を読む女性っているのだろうか?
と思っていたら、本上まなみが解説を書いていた。
なるほど・・・女子にもそういう青春があったのか!という発見をしました。

登場人物の中で、気になったのは「私」が恐れる邪眼。
彼女の「あんまりそんなことばっかりしてるのもどうかと思うよ」
という一言には笑った。
地に足のついていない「私」は自分が間違っていることは重々承知なのだが
足をつけるべき「地」である世の中も「根本的に間違っている」ことを
見抜いているようだ。
「私」が、これから、いつどのような形で地面に着地していくのかが興味深い。

浅羽通明氏がデビュー作『太陽の塔』が『夜は短し 歩けよ乙女』の続編として
読めることを指摘しています。なるほど!!
(その内容は浅羽通明氏が、発行している「流行神241号」で)
太陽の塔 Amazon書評・レビュー: 太陽の塔より
410464501X
No.207
(5pt)

本上まなみが解説を書いている

はるか昔のことではありますが、「私」と似たように
男だけのフォークダンスを踊り狂っていた自分の学生時代を
思い出しながら楽しく読み進めました。
(京都の学生ではありませんでしたが)
しかし、読みながら、この本を読む女性っているのだろうか?
と思っていたら、本上まなみが解説を書いていた。
なるほど・・・女子にもそういう青春があったのか!という発見をしました。

登場人物の中で、気になったのは「私」が恐れる邪眼。
彼女の「あんまりそんなことばっかりしてるのもどうかと思うよ」
という一言には笑った。
地に足のついていない「私」は自分が間違っていることは重々承知なのだが
足をつけるべき「地」である世の中も「根本的に間違っている」ことを
見抜いているようだ。
「私」が、これから、いつどのような形で地面に着地していくのかが興味深い。

浅羽通明氏がデビュー作『太陽の塔』が『夜は短し 歩けよ乙女』の続編として
読めることを指摘しています。なるほど!!
(その内容は浅羽通明氏が、発行している「流行神241号」で)
太陽の塔 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の塔 (新潮文庫)より
4101290512
No.206
(4pt)

京都を知る人には面白いと思う一冊

主人公の行動範囲が学生時代の自分の行動範囲と重なっていて懐かしかった。

ちょっと変わった妄想もなぜか共感できる部分があって、
面白い一冊。

ただ京都の地名とか知らない人には果たして面白いのかなぁとちょっと疑問。
太陽の塔 Amazon書評・レビュー: 太陽の塔より
410464501X
No.205
(4pt)

京都を知る人には面白いと思う一冊

主人公の行動範囲が学生時代の自分の行動範囲と重なっていて懐かしかった。

ちょっと変わった妄想もなぜか共感できる部分があって、
面白い一冊。

ただ京都の地名とか知らない人には果たして面白いのかなぁとちょっと疑問。
太陽の塔 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の塔 (新潮文庫)より
4101290512
No.204
(1pt)

アンチ・クライスト

文体自体は読みにくくはありませんが、単語が適切ではないため、
多少の読みにくさを感じる人もいるかもしれません。

しかし、小手先だけの技巧を用いた文体の割りには内容に濃さが全くない。
また、京都という町の持つ幻惑性をうまく練り込められてもいない。
学生臭さも平板。
終盤のSFの描写も不要。

そして何故、登場人物が皆、標準語なのか。
太陽の塔 Amazon書評・レビュー: 太陽の塔より
410464501X
No.203
(1pt)

アンチ・クライスト

文体自体は読みにくくはありませんが、単語が適切ではないため、
多少の読みにくさを感じる人もいるかもしれません。

しかし、小手先だけの技巧を用いた文体の割りには内容に濃さが全くない。
また、京都という町の持つ幻惑性をうまく練り込められてもいない。
学生臭さも平板。
終盤のSFの描写も不要。

そして何故、登場人物が皆、標準語なのか。
太陽の塔 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の塔 (新潮文庫)より
4101290512
No.202
(3pt)

みんなが不幸になれば、僕は相対的に幸せになる

単行本は2003年12月リリース。文庫化は2006年6月1日。森見氏のデビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞を本作で受賞している。

デビュー作にして既に森見流レトリックは完成している。京都を舞台に男子の微妙な心理を綴るという森見ワールドもその片鱗をこの作品で感じることができる。ただ、のちのちの著作は完全に躁状態で書かれているが、本作は未だそこまでは到達していない。むしろ学生生活の諸行無常が流々として綴られている。強烈なキャラクタたちは既にご登場済みの状況。むしろこの作品に大賞を与えたファンタジーノベルの選考スタッフの慧眼・邪眼に感服した。

ちなみに文庫版のあとがきは本上まなみさんである。本作に登場する『まなみ号』とおそらく無縁ではあるまい。彼女は主人公を評して『へもい』と表現している。さすがである。結局男子たるものいかに胸を張り、ポーズを示しても、結局奥底は『へもい』なのだなとほくも思う。かなり笑えます。
太陽の塔 Amazon書評・レビュー: 太陽の塔より
410464501X
No.201
(3pt)

みんなが不幸になれば、僕は相対的に幸せになる

単行本は2003年12月リリース。文庫化は2006年6月1日。森見氏のデビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞を本作で受賞している。

デビュー作にして既に森見流レトリックは完成している。京都を舞台に男子の微妙な心理を綴るという森見ワールドもその片鱗をこの作品で感じることができる。ただ、のちのちの著作は完全に躁状態で書かれているが、本作は未だそこまでは到達していない。むしろ学生生活の諸行無常が流々として綴られている。強烈なキャラクタたちは既にご登場済みの状況。むしろこの作品に大賞を与えたファンタジーノベルの選考スタッフの慧眼・邪眼に感服した。

ちなみに文庫版のあとがきは本上まなみさんである。本作に登場する『まなみ号』とおそらく無縁ではあるまい。彼女は主人公を評して『へもい』と表現している。さすがである。結局男子たるものいかに胸を張り、ポーズを示しても、結局奥底は『へもい』なのだなとほくも思う。かなり笑えます。
太陽の塔 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の塔 (新潮文庫)より
4101290512
No.200
(3pt)

みんなが不幸になれば、僕は相対的に幸せになる

単行本は2003年12月リリース。文庫化は2006年6月1日。森見氏のデビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞を本作で受賞している。

デビュー作にして既に森見流レトリックは完成している。京都を舞台に男子の微妙な心理を綴るという森見ワールドもその片鱗をこの作品で感じることができる。ただ、のちのちの著作は完全に躁状態で書かれているが、本作は未だそこまでは到達していない。むしろ学生生活の諸行無常が流々として綴られている。強烈なキャラクタたちは既にご登場済みの状況。むしろこの作品に大賞を与えたファンタジーノベルの選考スタッフの慧眼・邪眼に感服した。

文庫版のあとがきは本上まなみさんである。本作に登場する『まなみ号』とおそらく無縁ではあるまい。彼女は主人公を評して『へもい』と表現している。さすがである。結局男子たるものいかに胸を張り、ポーズを示しても、結局奥底は『へもい』なのだなとほくも思う。かなり笑えます。
太陽の塔 Amazon書評・レビュー: 太陽の塔より
410464501X
No.199
(3pt)

みんなが不幸になれば、僕は相対的に幸せになる

単行本は2003年12月リリース。文庫化は2006年6月1日。森見氏のデビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞を本作で受賞している。

デビュー作にして既に森見流レトリックは完成している。京都を舞台に男子の微妙な心理を綴るという森見ワールドもその片鱗をこの作品で感じることができる。ただ、のちのちの著作は完全に躁状態で書かれているが、本作は未だそこまでは到達していない。むしろ学生生活の諸行無常が流々として綴られている。強烈なキャラクタたちは既にご登場済みの状況。むしろこの作品に大賞を与えたファンタジーノベルの選考スタッフの慧眼・邪眼に感服した。

文庫版のあとがきは本上まなみさんである。本作に登場する『まなみ号』とおそらく無縁ではあるまい。彼女は主人公を評して『へもい』と表現している。さすがである。結局男子たるものいかに胸を張り、ポーズを示しても、結局奥底は『へもい』なのだなとほくも思う。かなり笑えます。
太陽の塔 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の塔 (新潮文庫)より
4101290512
No.198
(4pt)

圧倒的知性に裏打ちされた不毛な青春小説

主人公はひたすら傲慢不遜でその上やってることはただのストーカーなのだが、長篇一本通して読者に嫌悪感をまったく催させない微妙な匙加減がほんとすごい。
インテリストーカーをこれほど愛すべき存在として描出する筆力とバランス感覚は見事としか言いようがない。
主人公の持つ傲慢さや過剰な自意識は学生時代の男子ならばだれでも通過するものとして共感できるように描かれているし、やってることの悲壮さや惨めさもユーモアにまで見事に昇華している。
どちらのマイナス要素をも作品内でプラス要素に転換しているのだ。
文体も非常に面白い。意図的に前時代的な文体で面白みを引き出す手法なのだが、巧いなあ。
単なる思いつきだけで、ここまでの長篇を書ききれるものではない。確かな文章力、豊富な語彙、知識、教養がバックボーンにあって初めて書ける馬鹿小説。
知識や教養、洞察力が不毛な方面に活かされているのは主人公だけでなく、この作品構造自体についても通じている。
しかし不毛さを突き詰めるとひとつの芸として成立するという好例でもあり、同時に主人公同様に悶々と日々懊悩する底辺インテリたちの希望でもある逸品。
太陽の塔 Amazon書評・レビュー: 太陽の塔より
410464501X
No.197
(4pt)

圧倒的知性に裏打ちされた不毛な青春小説

主人公はひたすら傲慢不遜でその上やってることはただのストーカーなのだが、長篇一本通して読者に嫌悪感をまったく催させない微妙な匙加減がほんとすごい。
インテリストーカーをこれほど愛すべき存在として描出する筆力とバランス感覚は見事としか言いようがない。
主人公の持つ傲慢さや過剰な自意識は学生時代の男子ならばだれでも通過するものとして共感できるように描かれているし、やってることの悲壮さや惨めさもユーモアにまで見事に昇華している。
どちらのマイナス要素をも作品内でプラス要素に転換しているのだ。
文体も非常に面白い。意図的に前時代的な文体で面白みを引き出す手法なのだが、巧いなあ。
単なる思いつきだけで、ここまでの長篇を書ききれるものではない。確かな文章力、豊富な語彙、知識、教養がバックボーンにあって初めて書ける馬鹿小説。
知識や教養、洞察力が不毛な方面に活かされているのは主人公だけでなく、この作品構造自体についても通じている。
しかし不毛さを突き詰めるとひとつの芸として成立するという好例でもあり、同時に主人公同様に悶々と日々懊悩する底辺インテリたちの希望でもある逸品。
太陽の塔 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の塔 (新潮文庫)より
4101290512
No.196
(5pt)

かなり好み

ファンタジー大賞受賞作にふさわしい、ファンタジックな小説。京都の大学生の失恋と日常を描いたものだけど、自分の大学時代を思い出した(京都ではなく 東京だったけど)。

自分も女の子にはもてなくて、男ばかりとつるんでいた(ほとんどマージャン屋だったが)。泣きたくなるくらい切なくなるな。

この作家を読むのは初めてだけど、リズムもいいし、自分好みかも。ほかの作品も読んでみよう。
太陽の塔 Amazon書評・レビュー: 太陽の塔より
410464501X
No.195
(5pt)

かなり好み

ファンタジー大賞受賞作にふさわしい、ファンタジックな小説。京都の大学生の失恋と日常を描いたものだけど、自分の大学時代を思い出した(京都ではなく 東京だったけど)。

自分も女の子にはもてなくて、男ばかりとつるんでいた(ほとんどマージャン屋だったが)。泣きたくなるくらい切なくなるな。

この作家を読むのは初めてだけど、リズムもいいし、自分好みかも。ほかの作品も読んでみよう。
太陽の塔 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の塔 (新潮文庫)より
4101290512
No.194
(5pt)

どどめ色の傑作

日本ファンタジーノベル大賞受賞、ということだが、すごく真っ当な青春小説です。非モテの。

恐らく全男子の80%は経験したことがあるだろう、自意識過剰で、でも自分なりの規律には厳しくて、もやもやでどんよりな行き場の無い感情に支配されていて、性欲に踊らされるのも少しずつ慣れ初めて、そして暴走する恋愛感情を制御できない、10代後半から20代前半にかけた、まぁ酷い時期ですよね。屈折した非モテ意識からモテコミュニケーションに反発して、男同士でアホなことして、また女子から蔑まれるという、悲しい男のサガです。
そんな主人公の日常譚ですが、悲壮感が満ちていなく、ある種読了後に爽快ささえ感じるのは、淡々とした口調、コミカルな表現、そして思わず感情移入してしまう独白でしょうか。随所に散りばめられた詩的表現もすごく心地よい。クリスマスイブという非モテには万死に値するイベントに向けて、鬱屈した感情が屈折した自我と相まって高まっていく、というのはこの時期身につまされる人も多いかと思いますが、すごく上手に話しを進めていくなと感じました。

男性にとってはすごく共感する部分の多いこの小説、僕はすごく面白かったし、多くの男子が読むと良いと思います。
太陽の塔 Amazon書評・レビュー: 太陽の塔より
410464501X
No.193
(5pt)

どどめ色の傑作

日本ファンタジーノベル大賞受賞、ということだが、すごく真っ当な青春小説です。非モテの。

恐らく全男子の80%は経験したことがあるだろう、自意識過剰で、でも自分なりの規律には厳しくて、もやもやでどんよりな行き場の無い感情に支配されていて、性欲に踊らされるのも少しずつ慣れ初めて、そして暴走する恋愛感情を制御できない、10代後半から20代前半にかけた、まぁ酷い時期ですよね。屈折した非モテ意識からモテコミュニケーションに反発して、男同士でアホなことして、また女子から蔑まれるという、悲しい男のサガです。
そんな主人公の日常譚ですが、悲壮感が満ちていなく、ある種読了後に爽快ささえ感じるのは、淡々とした口調、コミカルな表現、そして思わず感情移入してしまう独白でしょうか。随所に散りばめられた詩的表現もすごく心地よい。クリスマスイブという非モテには万死に値するイベントに向けて、鬱屈した感情が屈折した自我と相まって高まっていく、というのはこの時期身につまされる人も多いかと思いますが、すごく上手に話しを進めていくなと感じました。

男性にとってはすごく共感する部分の多いこの小説、僕はすごく面白かったし、多くの男子が読むと良いと思います。
太陽の塔 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の塔 (新潮文庫)より
4101290512
No.192
(4pt)

恋愛至上主義に反抗する人々

京大生である(休学中のようだが)主人公を取り巻く友人達を描いた青春小説である。京都で学生時代を過ごした人には懐かしくほろ苦いような思い出を起こさせるリアリティさがあると思う。話は主人公達が恋愛至上主義の風潮に懸命に反抗しているのが面白い。そして流石京大生らしい知性ある会話がなされていて京大周辺が独特の空間であることがわかる。ただ、主人公の自意識過剰さが何時も現実と妄想の境界線をさまよっているようで、もう少し妄想の部分を減らしたら読みやすく、格調の高い青春小説になったのではないかと思う。
太陽の塔 Amazon書評・レビュー: 太陽の塔より
410464501X
No.191
(4pt)

恋愛至上主義に反抗する人々

京大生である(休学中のようだが)主人公を取り巻く友人達を描いた青春小説である。京都で学生時代を過ごした人には懐かしくほろ苦いような思い出を起こさせるリアリティさがあると思う。話は主人公達が恋愛至上主義の風潮に懸命に反抗しているのが面白い。そして流石京大生らしい知性ある会話がなされていて京大周辺が独特の空間であることがわかる。ただ、主人公の自意識過剰さが何時も現実と妄想の境界線をさまよっているようで、もう少し妄想の部分を減らしたら読みやすく、格調の高い青春小説になったのではないかと思う。
太陽の塔 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 太陽の塔 (新潮文庫)より
4101290512
No.190
(4pt)

失恋の唄

2003年に出た単行本の文庫化。
 第15回日本ファンタジーノベル大賞の受賞作。
 当時、京大の大学院生だった著者が、京大気質というものを遺憾なく書き込んだマニア的な作品であった。京大関係者には、ものすごく楽しめると思う。ただ、現代の京大生というよりは、20年前の学生が描かれているようにも感じたが。最近は京大生もまともになってきてしまっているので、このあたりがちょうどいいのかも知れない。
 しかし、それだけではなく、誰が読んでも楽しい本であることも間違いない。練り込んだ文章、秀逸なギャグ、全体に漂う哀愁と、良くできた本であった。なにより、作者独特の味わいがある点がいい。
 デビュー作ということで消化不良の点も残るが、良作だと思う。
太陽の塔 Amazon書評・レビュー: 太陽の塔より
410464501X