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骨の記憶
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骨の記憶の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 1~20 1/2ページ
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読んでいる最中も読んだ後も心にズシリ(心が晴れない)と感じる作品だった。たまにはこういった作品を読むのもいい。 | ||||
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岩手県の寒村出身の男が集団就職で上京し、一代で上場企業の社長まで昇り詰める物語は、高度成長期と相俟って、実にドラマチックで読み応えがありました。 一方、ある女性が失踪した父親の頭蓋骨を受け取るという衝撃のプロローグの真相は早々に判明してしまい、そこが物語の要ではないとはいえ、読み進めていく上ではやや興ざめの感は否めず。 しかし、経済的に成功しても最終的には幼少期の記憶に縛られるのは人間の業を見たような気がして、遣り切れなさを感じました。 | ||||
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特にりません。こんなご時世ですから蟄居中には軽い読み物が最適です。 | ||||
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貧しい山村に生まれた一郎。集団就職のため東京に行った矢先、人違いで死亡記事が出てしまう。一郎は全てを捨てるため、焼死した他人に成り変わることに。運送業で成功するも、過去の呪縛から逃れられず――。 | ||||
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貧しい農家に生まれた一郎は、小学六年生の時に人殺しに加担してしまう。その後、中学校を卒業して集団就職で上京して働くことになったのだが、その労働環境が劣悪で、技術も何も教えてもらえず、ただ単純労働を繰り返す毎日。そんな中、あることがきっかけで他人と入れ替わって生きていくことになり、自らの才覚を武器にのし上がっていく立志伝中の物語。 貧しい暮らしで高校にも通えず、過酷な労働と安い賃金でこき使われる毎日を経験したからこそ、その逆境をバネにしてのし上がる一郎の生命力は凄まじかった。 中盤まではいかに逆境から這い上がっていくのか楽しく読めたのだが、冬子との関係が冷え切ってからは、復讐と嫉妬に残りの人生を賭けるような生き方になってしまい、読んでいて切なかった。 不動産売買などの阿漕な商売にも関わるようになり、お金と名誉を手に入れた先に待っていたのが不幸というのがつらいし、最後の終わり方も誰も幸せにならないもので読後感が悪かった。 | ||||
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最後まで、面白く読むことができました。 楡周平さんの作品は、他に、再生巨流も読みましたが、面白い作品で、もっと読みたくなります。 | ||||
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人間死ぬときは孤独なんだと改めて感じました。寂しい切ない悲しいという感想です。 しっかりとした構成で最後まで飽きずに読むことができました。僕は東北地方には行ったことがないのですが,昭和20〜30年代の東北地方の厳しい情景が目に浮かびました。 | ||||
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本書は、東北地方の田舎から中学卒業後に東京へ集団就職した少年、長沢一郎が、自分以外の者に 成りかわって人生を歩んだ末、老年に51年前の復讐をするストーリーである。 楡さんの小説はいつも楽しませてもらえるが、本書はその中でも映画化をしてほしい作品の一つと 思う。長沢一郎の幼時から青年期を経て、昭和の高度経済成長期に事業で成功する数十年におよぶ ストーリーの展開は、映像でも見てみたい。このような人生もあるのか、人生の歩み方とは、を 感じさせられる内容である。 最後の復讐の場面の描きがもう少し濃ければ、鮮血を感じられる締めとなったのではと思う。 | ||||
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岩手県南部の貧農に生まれた長沢一郎が主人公で、小学6年時の重大な秘密や、中卒で上京し就職した後、殺人ではないけれども犯罪を重ねて金を儲けてのし上がり、不治の病にかかって人生を締めくくるまでを綴った物語です。 その重大な秘密を共有した友人の曽我弘明が63歳になって余命わずかの病を得、妻の清枝がかいがいしく看病するくだりがプロローグとなっていて、少なくとも彼女は弘明を愛しているのだと読めます。ところが、エピローグでは、一郎によって重大な秘密が明かされるや清枝の人が変わるのですが、その程度が大きすぎて違和感がありました。 また、全体の中ほど、一郎が自分の会社を起こすあたりまでの話は面白く、今年読んだ中でも相当上位だと思ったのですが、後半の不正に金を儲けるくだりは類型的で残念です。 同じようなアップダウンの作品は多いような気がします。小説は、つかみより、まとめが難しいということなのでしょう・・・。 | ||||
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読後感の 重い 題名のとうり 記憶に残る 本でした。 前々日に 《 本当は 怖い昭和30年代 》鉄人社 をよんで みていたので 余計に 本文の 時代 情景が 濃く 思い起こされました。 中盤あたりからは、一郎が 松木幸介。 おびえながら 恐れながらも自分を 鼓舞し のしあがって 一代を 築き上げるのだけど さわやかではない。 いっも 心に しこりがある。 大胆だけど なんか寂しい 後味の 苦い物語 でした。 でも 一気に読んでしまった ということは 読み応え100点でした。 | ||||
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小学同級生とトンネル堀りで遊んでいる中、教師に見つかり穴埋めをしようとした矢先教師は穴が崩れて生き埋めになっていしまう。 殺人ではないが死体遺棄は免れず途方に暮れる二人は教師をそのまま埋めてしまう。 中学を卒業し東京へ出た長沢一郎はひょんなことからアパートが火事になり死亡記事が新聞に出てしまう。 田舎へ帰るつもりでアパートを出た後のことだった。 ここから彼の人生が180度変わる。 焼死した他人に成り代わり人生を歩み始める。 一応運送業の事業に成功するが妻と子供に先立たれる。 再婚した相手は一郎の子供を3回も堕胎し子孫を残すことを拒否する。 ここから長沢の妻への復讐と、同級生の清枝と夫の弘明への復讐も始める。 長沢の妻の夫への復讐、夫から妻への復讐、さらに教師の骨を送った清枝の夫への復讐という陰険な行動が始まる。 果たして人は50年前の事件で夫に復讐できるものなのか。 最後の結末が書かれていなくても想像できる。 一般文学通算1076作品目の感想。2015/08/01 14:10 | ||||
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楡周平氏のストーリ展開が好きで同氏の小説はすべて読んでいますがこの小説はハードボイルドを除くとベスト5には入ると思います。 | ||||
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失踪した父親の骨が段ボールで送られてきた!というあらすじを読んで気になったので、手にとってみました。 どうして父親の骨が死後何年もたってから出てきたのか、それを探るミステリーだと思っていましたが、全然予想と違っていました。 そのことは、前半にさら〜っと出てきてしまいました。 物語の内容は、その骨を送ってきた人の半生についてでした。予想外だったにもかかわらず、貧乏から這い上がる人生にワクワクしながら読んでいました。 でも、私は指がなくなったり…というような描写が苦手な人は、読まない方がいいかも。 | ||||
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楡周平の小説は、以前より何冊か読んだが、コレは特に、ぐいぐい読ませる。ストリー、文章力文句なし。 | ||||
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久しぶりに一気読みしました。 とっても楽しかったです。他の方のレビューを見ていると鋭いことをついていて、あーそういえば「弘明のことがあまり書いてなかったな」、「ラストはいまいちだったな」とか思いますが、読んでいる間はあまり難しいこと考えることもなく、ただただ面白かったです。 | ||||
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子供の頃を過した岩手の山間部美桑町、清枝の人生が激変した場所だった。父失踪後、どんなにか世話になった義父と夫弘明のために感謝の思いで懸命に尽くした日々。63歳になった清枝は末期癌の夫の介護に明け暮れていた。そんな折昔、美桑町で失踪した父のものだという頭蓋骨と手紙が届く。差出人は、集団就職で東京に出、翌年アパートの火事で焼死したはずの同級生長沢一郎からだった。訝しく思いながら開封すると・・・。焼死したはずの一郎は松木幸介として生き、成り上がりの人生を送っていた。一切の縁を絶ち天涯孤独の人生を歩いてきた一郎もまた死を迎えようとしていた。最後の仕事はこれまで築き上げた財産の始末と過去の事件を弘明の妻となった清枝に告げる事だった。手紙に記されていた事は51年前忽然と行方知れずになった父の事件の真相だった。何度も読み返し、これが真実だったのか!一体これまでの自分の人生は何だったのか!激しい衝撃と怒りが込み上げて来た。この後の復讐は凄まじい。 | ||||
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ん〜!凄い!508Pの分厚い一冊、一気読みでした。 貧しい岩手の少年が上京し、ラーメン屋で働く辺りも、しっかり書き込まれていて非常に面白かった。 しかしこの物語の真の面白さは、その先にありました。 偶然が偶然を生み、別人として生きるチャンスを得た一郎。 おまけに、何の役にも立たないと思っていた土地の権利所が、お宝となった。 そこからの一郎のサクセスストーリーの面白さ! 楡さんの作品は、『プラチナタウン』しか読んでいないのですが、資料の集め方が凄いのか、まるでドキュメンタリーを読むようなリアルさがある。 成田の土地の買い上げのことや、当時の世相が実にきちんと描かれているので、トントン拍子に進むサクセスストーリーに無理を感じさせないものがあります。 運送業をなし、更にコンサルタント会社まで興し、億万長者となった一郎。 没落した子爵の末裔の屋敷を買った一郎。 そこでかつて憧れていた清枝そっくりの娘・冬子に出会い、結婚する。 全てを手に入れたように思われた一郎。 後は、自分の血を継ぐ子供だけ。 が…。 冬子のプライドも凄ければ、その冬子に何も残さないと決めてからの一郎も凄い…。 己の死期を知った一郎が最後にやりとげたのは、弘明への復讐。 一郎の一生は弘明に追いつき、追い越すことだったのですね。 戦後の昭和、這いずり上がり、生き抜いた一郎の一生、面白かったです。 ただ、エピローグでの清枝の弘明への仕打ち…。 これはどうなんでしょう。 もちろん弘明が父を奪い、その後のみじめな生活を送ることになったのですが、プロローグでは『弘明を愛している』と言っていた清枝。 全ての人が不幸で終わっていくこのラストに胸が重くなりました。 あまり取り上げられていない感じがするこの本ですが、ぜひぜひ、読んで欲しいと思う一冊。 超オススメです! | ||||
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悲しくくもあり、寂しくもある、男の壮大なる野望と切なさを描いた物語。 楡作品は、「骨の記憶」が初めてであったが評判通り、いやそれ以上の面白さに感服した。 戦後「金の卵」と持てはやされた時代、中卒の集団就職で上京した少年が社会と大都会に揉まれ、やがて一人の男へと成長して行く。男はなりふり構わず、一代で築き上げた運送会社を大物政治家までも動かすほどの企業へと育て上げる。男であれば、誰もが一度は夢見るようなシンデレラストリーである。そんな主人公が齢を重ねふと立ち止まったとき、言いえぬほど満たされぬ感情が湧き出てくる。男はもう一度出発点に立ち戻ろうとするが、幾ら金があろうが、地位があろうが、足掻いても取り戻すことが出来ないものがあることを知る。その時、男がとった行動は…。見事な構成と筆致で描き上げる「楡ワールド」に引き込まれないものは、決していないと確信した。この作品を一気に読み終えた後に。 | ||||
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面白い小説でした! まるでドキュメンタリーかのような、真実味と読み応えがありました。 現代が舞台であるプロローグから一転した第一章では、 主人公すら想像していた人物と違い、 いったいどんなストーリーが展開するかと思いましたが、 これが本当によくできていて、引き込まれました。 貧しい農村で生まれ育った一郎が、一つの事件を隠したまま集団就職で東京へ。 そこでもまた、大きな事件に巻き込まれる形に。 しかしその負の財産を糧に、少しずつ成功を重ねていくという、 サクセスストーリーといえます。 すねに傷を持つ一郎が、そんなに幸せになってもよいのか、 少し疑問に思うところもありました。 ただ、どん底から這い上がってやるという一郎の一貫したポリシーには全く揺るぎがなく、 尊敬にすら値しました。 それほどまでのエネルギーを持っていたからこそ、 何もかも上手い方向へ進んでいったんだと思います。 激動の戦後という時代の波に乗った一人の男の人生を、 傍観者として、ワクワクしながら拝見した感じです。 | ||||
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持たざる者の狂おしい程のジェラシーが描かれている。絶対に富める者にはなれないという絶望の中で生まれたジェラシーは、成功しても対象が金銭から愛情に変わるだけだ。そういう星の下に産まれてしまったのか、それとも、ジェラシーがジェラシーを生んでいるのか、ジェラシーは消えることなく生涯主人公に付きまとう。 この種のジェラシーは万人に身に覚えがあると思うが、時代背景と相まって非常にリアリティのあるものとなっている。集団就職の実態、高度成長期の中での成功者の狡猾さ、バブル期の不動産取引の大胆さ等々との時代描写も見事だ。 難点はエンディング。時間を越えて東北の寒村に戻るラストはスリリングであるが、経済的に得をした人物がいないばかりではなく、年老いた登場人物の誰一人として、精神的に満たされないという終わり方では読者の溜飲を下げることはできないのではないだろうか。 | ||||
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