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レインツリーの国
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レインツリーの国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全131件 121~131 7/7ページ
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ご本人もあとがきで書かれていますが、この『レインツリーの国』は有川作品にしては珍しく、アクションがありません。 『図書館』シリーズの行動力が好きだ!という方は、少し物足りなく感じるかもしれません。 派手な立ち回りも、華やかさも、かっこよさもありません。けれど、たった一冊の、それも十年も昔に読んだ本がきっかけで始まる恋って素敵だと思いません? 主人公の二人は、互いに傷つけ合って苦しんで、様々な悩みを抱えながら、お互いを知ろうとします。私たちは皆他人ですから、相手を完璧に理解する事はできません。けれども、相手の事を知っているのといないのとでは、大きな差が生まれます。 難聴者の彼女と健聴者の彼。互いの違いを理解しようと努力する姿に、心を打たれました。 彼らの複雑な思いの一つ一つが大切に、丁寧に描かれており、有川さんの愛情と優しさを感じる物語です。 また、作品全体を通して、しっとりと落ち着いた印象を受けました。 優しい、穏やかな気持ちになれる本です。 | ||||
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やっぱり心理描写が上手いなぁと感じました。 好きな人にはいいところしか見せたくないじゃん!!っていう男女共通の気持ちがよく描かれてます。 結末は分かってるのに、そこに至るまでのぶつかり合いやちょっとした誤解とかの道のりがすごく丁寧に丁寧に活字で表現してあって、登場人物と一緒にハラハラドキドキしっぱなしでした。 少しずつ変化していく2人が可愛かったです。読んだ後もさっぱり。 | ||||
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昔、読んだ本をふと思い出したのがきっかけ。 当時はこの本の感想を語れる友達が居なかった。 インターネットが存在するこの時代だからこそかもしれない。 ネットで自分の思い出した本についての感想の書き込みを発見する。 そこから知り合った彼女。 次第に仲良くなっていく2人。 今度、会おうと提案する彼。 彼女の答えは 「私も会いたい。でも…」 彼女の会えない理由とは? といった感じで、この物語は動き始めます。 … 男と女。 ○○者と○○者。 (物語に関わるので、具体的に言いませんが…) 自分と他人。 壁がある。 その壁はどうしようも無い壁で。 綺麗事では片付けられないぐらい、越えられない壁。 だけど、自分自身が作っているのかもしれない。 壁を高くしているのは、他人であり、自分でもある。 壁の存在は消すことは出来ないけど、それを出来るだけ少なくすることは出来る。 その壁をどう解決していくか。 読んでいて色々考えさせられました。 もし自分だったらと考えた時… さて、どう解決するかな。 激しいアクションも、奇想天外な展開もありません。 2人の男と女の心が描かれた作品。 面白い本だと思います。 | ||||
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一時、車椅子の美人とか手話をする美しい青年の恋愛モノがテレビドラマで流行った時期が あった。そういう話って、たいてい、障害が恋愛の小道具としていいかげんに扱われていて 見ていてストレスがたまるのだけど、この「レインツリーの国」のヒロインの聴覚障害の 描かれ方は、とても丁寧で繊細で、自分でもこういう風に傷ついたり悩んだり落ち込んだり するだろうな、という説得力があった。ただでさえ、たいていの女の子は、恋をすると 臆病になる、きっと障害があったらもっと・・・という感じで。 好きな小説の話をしたくてネットの海で知り合った、というロマンティックかつ とっても今の現実に即したふたりのなれそめがリアル。メールではすらすら 理屈っぽいやり取りをして深くわかりあったつもりが会うとぶつかり合ってしまう、 という葛藤は、メール普及以降の恋愛で味わった事のある人、多そうだし。 積極的で押しの強い男の子のキャラクターが、しめっぽくなりそうな場面でも 物語を勢いよく進めていくので読んでいてテンションが下がらないし、 ヒロインの恋敵に相当する、彼にアプローチしてくる恋愛至上主義の女の子も 魅力的。 | ||||
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昔読んだ、ある本の結末に納得がいかず、ずっと心の奥底にひっかかたままになっていた男性が、同じような思いを抱えていた女性とインターネットで知り合い、好意を寄せ合うようになる。 劣等感とか、秘密とか、恐れとか、好きな人ができたときの気持ちに、たくさん思いあたることがあって考えさせられました。 聴覚障害のことは知らないことが多く、今まで認識がずれてたんだなーって驚きました。 | ||||
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ネット上の出会い。一冊の本、共通点から盛り上がる会話。 他愛がなければないほど、貴重な時間。縮まる心理的な距離感。 傾き、募る、気持ち。楽しくて嬉しくて幸せなとき。 メールを送ってから返事が来るまでどきどきして、メールが来たら来たで中身を読むまでどきどきして。 だけど、自分が相手を苦しめるなら、自分なんか消えてしまったほうがいい。 自分が相手を傷つけるなら、疲れさせるなら、私なんかいらない。 好きな人の重荷になりたくない。足枷に、弱点に、邪魔に、負担になんかなりたくない。 好きだからこそ。自分が消えて、相手が幸せでいてくれるのなら、それでいい。 願いは相手が幸せであることだけれども、本当は、二人で幸せになりたい。一緒にいたい。一緒に喜びたい。 何度も切れ掛かった糸を、主人公達は忍耐強く繋ぎなおして、紡いでいく。 この作業は、どちらかが思っているだけじゃだめだ。繋いでいきたいと双方が願っていないと、試みないと、努めないと。 気持ちの描写が丁寧で、聴覚障害の問題もよくこなれており、読みやすいけれども中身は薄くないところが、この作者らしいと思った。 将来までずっと幸せかどうかはわからなくても、幸せな今を謳う、素敵な恋愛小説だった。 | ||||
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図書館内乱という本の中に登場していた一冊の本が この「レインツリーの国」である。 それが実際に一つの物語として出版された。 出版社をまたがっての提供とあり、話題性も十分(?)。 そして肝心の物語だが、いわゆる恋愛物となっている。 ひとりのまじめで一本やりの青年と耳に障害を抱えている 少女の行き違いが描かれている。 お互いに不器用で勝手な思いをぶつけながらのやり取りに見所がある。 | ||||
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図書館内乱を読む前に読んだ方がいいと言うアドバイスを受けたので 先に読んでみました。 すっと読める恋愛小説だけど 登場人物の気持ちをかくのがうまく 安っぽい感じには出来上がっていません。 ひとに、おすすめするのも恥ずかしくない本ですね。 | ||||
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非常に真直ぐ。直球勝負の恋愛小説。 なのに、恋愛小説が苦手な私でも難なく読めました。 それは多分、ただ甘いだけのものではなかったから。 主人公の二人による、メール、チャットでのやり取りが面白く、二人の行く末が気になって、一気に読んでしまいました。 「図書館内乱」とのコラボレーションではありますが、これだけ読んでも全く差し障りはありません。個人的には、「レインツリー」を先に読んでから「内乱」を読めば良かった、という思いが70パーセントですが。 | ||||
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想いは一緒なのに何故か遠い(遠距離恋愛など物理的に、ではなくて)二人の物語。 すごく真摯に、そしてひたむきに向かい合う彼らの物語。 有川さんの長編としては、初のファンタジー・SF要素なし、純度百パーセントまじりっ気なしの恋愛小説。 ネットを通し、10年前鮮烈に心に残った一作の小説の感想を共有することから始まるふたり。 はじめは顔も知らない相手とただメールでやり取りをするだけだったが、強いシンパシーに「会いたい」という想いを抑え切れず会うことになる。 しかし、現実での障害に、お互いの些細なズレに、彼らは苦しむことになり…。 同著者の『図書館内乱』でのようなコミカルな恋愛模様ではなく、極めて真面目な、重すぎるくらいにまっすぐのストーリー。 読み手までが「じれったい・歯痒い」思いに囚われてきますが、最後にはきっととてもポジティブな気分になれると思います。 ちなみに、この“『図書館内乱』に登場する本を実際に出版してしまおう”という企画は出版社立案で有川さんに持ち込まれたものではなく、何と本人発案の下、出版社に掛け合った企画だそうで。 うはぁ、有川さん熱血やなぁて思いました(笑)。 もちろん「じゃあやってみようか」と請け合った新潮社さんも新潮社さんで粋なわけですが。 | ||||
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入社三年目のある日、中学生の頃に読んだあるライトノベルを思い出し、そのラストについての感想をネットで探していた向坂伸行は、一つのブログにたどりつく。「レインツリーの国」。自分のあの本に対する感想も話したい。そんな飢えから、彼はそのブログの管理者ひとみに向けて一本のメールを出す。それがすべての始まり。 お互い顔も知らない。分かっているのは相手が同じ年頃の異性であるということだけ。返信が来ているかワクワクしながら帰宅し、畳み掛ける様に繰り返されるメール。飢えを満たすかのようにはきだされるあの本への想いなどなど。そして、説得の末、伸行はひとみと実際に会う約束を交わす。 メールで青春の思い出をさらけ出しあった存在。展開される理性的な文章。相手に気遣う優しい性格。ネットの世界で抱いたイメージを持ってひとみに会った伸行は、違和感を感じる。食べたいものを聞いたのに、返ってくる答えは静かな場所がいいということ。自己主張しない性格なのかと思えば、今入れる吹き替えの洋画があるのに、3時間待ってでも同じ吹き替え版が良いと頑なに主張する。満員のエレベーターに乗り込み、満員のブザーが鳴ったのに降りない…。 彼女には、ネットのイメージと現実のギャップを説明する、ある秘密があったのだ。 本書は、作者の別作品「図書館内乱」の作中作品であり、これを読んだ方にはこの秘密が何かは自明なわけですが。単なる販売戦略というなかれ。本書に込められたメッセージはかなり、大きい。 秘密が発覚してからの、伸行(伸)とひとみのメールのやり取りが圧巻。本書には作者の他作品に見られるような銃撃戦の要素はありませんが、代わりにぶつけられる言葉の威力がすごい。お互いノーガードで、こぶしをたたき込み合うような、言葉のやり取りが繰り広げられます。この中でぶつけられる想いに、自分もハッとさせられることが多々あります。 自分は人をこんな視線で見ていないだろうか。口先では奇麗ごとを言うけれど、本当に本質を理解している?実際は自分のリクツが優先されていない?二人に投げつけられるトゲは自分にも刺さる。 「内乱」を読んだときから、どうしてこの人はこのテーマを選べたんだろうと思っていました。普通に暮らしていたら、きっとなかなか思い至らない。その秘密の一端は、あとがきで明らかになりましたが、そのきっかけを押し広げて、こうして作品に仕上げたのは、やっぱりすごい。 ただ一つ。出版順は、「内乱」→「レインツリーの国」ですが、読む順番はどちらが良いかちょっと悩む。個人的には、本書が先のほうが良いかなと思います。問題の背景について色々考えられるし、そういうものを把握した上で「内乱」を読めば、作中人物がどんな感想を感じたのだろうか、と想像できるから。 | ||||
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