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GOTH リストカット事件
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GOTH リストカット事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全136件 81~100 5/7ページ
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「夜の章」と「僕の章」とわかれている「GOTH」の後編にあたる作品です。収録は「リストカット事件」「土」「声」。「リストカット事件」でまずそのプロットの端整さに酔います。本格ミステリ大賞を受賞した本作の中で最も本格色が強い作品ではないかと思います。非現実さの中に現実差を見出させる乙一氏の魅力もまた十分に発揮されていました。巧妙に張った伏線もキレイにおさまり、完成度が本当に高いです。本格ミステリとしてみても「謎と解明」がスマートかつ通常の本格の手法を解決シーンに用いない新しさもありました。うってかわって「土」は変格と呼ぶべき作品だと思います。最後の哀切さはとりわけ心に残りました。「せつなさの達人」という氏だからこそなしえる技か。少年少女の心理の葛藤がすばらしいです。「声」が、少し惜しいと感じました。ミステリとして申し分はないと思いますが、前五編のいずれかと技巧が重なってしまい、意外性がへってしまったのではないかと思います。それが残念でもあり、まだまだ氏が伸びうる証明にもなっていると思います。全体的に暗さただよう作風は、暗い中から希望を見出す初期短中編や白乙一といわれるような切なさ、あたたかさ、おかしさを感じるものとはテイストが違いますが、これもまた氏の味だと思います。 | ||||
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電車の中で読む暇つぶしの本としてはお勧め。リアルな描写があるわけでも深い哲学が語られるわけでもない。引きこもり青年が頭の中でつむぎだしたおとぎばなし、という感触が強い。でも、それなりの捻りもあり、気軽に読むライトノベルとしてお勧めします。 | ||||
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私はこの本が漫画で出ていることも知らなかったが、たまたま手にとって読んでみて、雰囲気に呑まれた。夜の章もすばらしかったが、僕の章では、videoが良い。情緒的な繊細さと、全くの異質さが、彼の中では共存しているようだ。現代の少年・少女が持つといわれている、心の中の闇のようなものが、彼の作品の中には表されているようだ。作者が言うには、ティーンズ小説しか読まない若者に、本格ミステリーを読んでほしかったということ。いまいち頭の悪い私には、惹きこまれながらも翻弄されることしかできなかった。 | ||||
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GOTH 文庫本の下巻。死体や事件に興味を持った高校生が、いろいろな事件に巻き込まれていく物語。上巻は森野夜に焦点が当たった物語が、これは僕に焦点が当たった「リストカット事件」「土」「声」の三篇が入った一冊。事件そのものや、描写に現実味があるようなないような、不思議な感覚に陥ります。どんでん返しがあるので、やられた!!という意味でも楽しめます。いつものごとく、あとがきも作者の近況とかがわかって面白いです。夜の章を読んでからの方が、こまごまとした部分が「ああ、あれか」と分かっていいかもしれません。 | ||||
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僕はマンガ版しか持ってないなかったので、これを機に飼ってみようかと思い購入しました。ずばり、当たりでしたね。乙一さん(作者)の作品は、デビュー作の夏と花火と私の死体しか持っていなかったのですが、この人の作品は、ただのホラーとは違う、独特の異質なモノが入ってます。普通の小説版の内容はどうか知りませんが、これの内容は、マンガ版の話+1でした。その+1の話もかなり面白く、お勧めです。やはりこの人は情景を出す演出が巧みすぎます。風景の描写のタイミングは完璧。さらに、話の謎を解く『鍵』となる伏線も無数にちりばめられています。普通にホラーが好きな方や、ちょっと変わった話しが好きな人は、普通に楽しめると思いますよ。 | ||||
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私の初乙一作品です。なんか面白い本はないかな~と探していたところ、たまたまここのレビューを見て評価がよかったので買ってみました。読んだ感想は、とにかくすごいの一言。内容は、死に関するものです。連続殺人事件、リストカット事件……死や異常な事件に興味のある二人の主人公”ぼく”とクラスメートの森野夜が色んな事件に関わってゆく…。残酷でグロテスクな描写が多々あるが、割とあっさり読めました。実際はとても恐ろしい事件も、なんだか不思議と美を感じた。見事、この1冊で乙一ワールドにハマってしまいました!ぜったい読んでほしい1冊です。 | ||||
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個人的に凄く好きな作家さんなので見方が偏っているのかもしれません。ですが、この作家さんがかいた作品のなかで一番好きです。こんな風合いの話を私は読んだ事がなかったので印象が強かったです。闇に魅入られる。そんなかんじです。 | ||||
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長編っぽい見せ掛けで連載短編だった。 いや、それはどうでもいい。乙一は明らかに短編の天才だから。 それにしても、GOTH。本当にいい味を出している。暗い主人公と暗いヒロイン。こういう組み合わせで、しかも非常に上手い。魅力的にかけている。 こういう話がかけるならもっと早く書いてほしかった。 ミステリの短編は難しいのではないかと思ったが、それでも非常に上手くかけている。ただ、それでも、同じようなオチが多くて、そこがちょっとマイナス。微妙によめてしまう。 そして、ジョジョのノベライズなんかやってないで早く他の作品を書いてほしいと心から思う。 | ||||
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誰の中にも必ずある「闇」が、暗く寂しい話の中に織り込まれていて、吸い込まれるように、読まなくてはならないと思わされる。そういった作品でした。この作品を読んで、私は改めて乙一さんの凄さを知りました。残酷でありグロテスクではあるけれど、読まずにはいられない。少し恐ろしい表現があっても、気分が悪くなるようなことはなく、寧ろ心洗われるような気持ちになれる。なんだか彼の書いた物語を読むと、他の本が読めなくなりますね。こんなに本に吸い込まれてのめり込んだのは彼の本で二回目です。とても素晴らしい本なので、読まなきゃ損ですよ!是非、購入することをお勧めします。 | ||||
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作者あとがきを読んで、乙一の作家としての責任感の強さを感じた。彼は言葉や読者に対して、意識的である。 作品としての自作にこだわっている姿は、表紙裏の写真やシンプルな装丁にも現れている。GOTHという題名にふさわしい簡素で硬質な表紙もそうだ。 だが、トンマな私がまずビックリしたのは、「リストカット事件」という題名である。今まで副題を見て、なんでこんな凡庸な内容が小説になるんだろうと不思議だった。だから読みもしなかった。だが、ああ目からウロコ。世間で使うリストカットという言葉は、間違っている。世間で言うのは、リストカット未遂ではないか。言葉どおりのリストカットとは、手首を切り落としてしまうことだ!ぐあーっ戦慄。言葉本来の持つ力の恐ろしさに震えた。 こういう言葉の持つ魔力をうまく使った連作短編。森野というクセのある美少女がいいが、そのクラスメイトの「僕」は、もっと凄い。 騙されるとわかっていながら、やっぱり最後は足元からひっくり返される「犬」。 なぜ若い女性ばかりが切り刻まれるのか。それが最も理不尽だからだろうか。 | ||||
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漫画を読んで、気になったので原作も…ということで手にしてみました。最近ライトノベルばかり読んでいたので、「読んでて飽きないかな?」と思っていましたが、そんなこと全くなかった。まず、内容が濃い。濃いにも関わらず、一気に読めてしまう。漫画が結構良かったので、原作ももっとすごいんだろうなぁという期待はありましたが、その期待の更に上を行く内容だった。事件を起こす犯人もそうだが、何より「僕」が怖い。あくまで普通を纏いつつも、周囲との溝を“作って”いて。乙一は本質的に異常な人間を描くのが上手いですよね。その場面場面での雰囲気の表現も、複線の張り方も実に巧妙で。多くの人に読んで欲しい作品です | ||||
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たまたま古本屋で見つけた1冊、キモい、グロい、怖い、が第一印象。しかし、読めば読むほど乙一ワールドに引きずり込まれる。仕事の合間、家事の合間に少しずつしか読むことが出来ずに続きが気になって仕方がない・・。こんな本、久々です。もっと読みたい!麻薬のような作品・・・ こんな面白い本、読まなかったら後悔しますよ! | ||||
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乙一氏の作品を読むのは初めてだったのですが、このGOTHの淡々として何故か第三者的な視点での進み方が気に入りました。ただ、終盤にかけてはダラダラ感を少し感じたのが残念でした。でも、読んで損は絶対ないと思います。 | ||||
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私的には、一番です。乙一さんの作品は、ホラーもミステリも切ないもほのぼの?もありますが、GOTHが一番です。ちなみに、「幸せは子猫のかたち」や、「失われた物語」など、短い切ないのは泣けます。GOTHはハマリます。ヤバイです。 | ||||
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乙一さんは、読者を惹きつける文章を書かれる方だと思います。人間の闇の部分に惹かれる「僕」と森野。ストーリーはどこまでも暗く、読後感が決していいとはいえないのに、次の話が気になって、どんどん読み進めてしまいました。主人公の二人(「僕」と森野)も非常に魅力的でした。短編なので、さらっと読めてしまうところもいいです。 | ||||
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第三回本格ミステリ大賞受賞作。「乙一の個性と本格の手法の結びつきが、もっとも新鮮かつ衝撃的」と北村薫さんが帯で表現されていますが、まさにその通り。乙一さんの本を読んだことがある方ならわかると思いますが、あの乙一さんの筆致で描かれる独特の世界の中に、薄気味悪い暗黒系の世界観が混じりあって、なおかつ筆者があとがきで言うように、今まで以上にミステリ的側面を意識して書いたという本書は、新鮮で衝撃的でした。ちなみに、題名にある「GOTH」とは、人間の暗黒部分に惹かれるものたちの、という意味合いですので、題名が形容するように、人間の暗黒部分が書かれています。「犬」「土」「声」には、見事に乙一さんの思惑にひっかかってしまいました。人間の暗黒部分に触れていく描写の仕方、一つの事件を終わらせる構成、乙一独特の手法は「GOTH」の全てに芽吹いています。 | ||||
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周囲との深い溝を意識しながら、平均的な男子高校生を装って生きる僕。クラスメイトから孤立し、静かで冷ややかな空気を身にまとう森野。本質的な部分で互いに分かり合い、同じ種類の人間同士、関わりを持っていくふたり。教室の中を夜の闇で満たせば、彼らだけが光を放ち、浮かび上がっているような、そんな感じ。周りと隔絶した世界を持つふたりをくっきりと際立たせる人物造型、人物喚起力が、まず巧いと唸らされた。 また、猟奇的な事件を扱っていながら、涼やかな空気を感じさせる話の雰囲気がとてもいい。白紙にさらさらとモノクロの絵が、一幅の山水画が描かれていくのを見るかのよう。妙なべとつきや粘ついたところがなく、読んでいて、清々しい心持ちにさえなった。 さらに、読み手をミスリードさせるミステリの味わいもなかなか。話によってはやや作為的に過ぎるかなあと思う部分もあったが、この騙され方は決して嫌じゃない。むしろ、「ああ、なるほどなあ。そういうことであったか」と、心地よく騙された気持ちのほうが強い。 六つの作品からなる話はどれも面白かったけれど、なかでも、切ない気持ちに駆られた「犬」、冒頭からぐいと掴まれた「土」、スリリングな展開にぞくぞくさせられた「声」、この三編が印象に残る。 | ||||
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グロテスク、ホラー、殺人事件などなど、そちらの雰囲気が駄目な方には薦められませんが、それ以外の方なら文句なしにオススメのミステリー・ホラー小説です。物語の概要は、他のレビューを見れば分かるので省かせていただくとして(笑)自分なりに思った「GOTH」のウリは、・「文字だけ」の世界、小説でしかできない表現・ 巧みな伏線の潜ませ方・ 奇想天外なオチ(この三点は、本著に限らず乙一の作品全てを通しても言えることですが…)・ 空気(雰囲気)のリアルな描き方・「異常に見えて普通な人間」と「普通に見えて異常な人間」の書き分け読めば分かります、としか言いようがない小説です。というか、自分で一度読まなければ絶対に面白さが分からない。乙一が作り出した文字列以外では、細かな面白さがボロボロ零れ落ちてしまうようで、正直言って説明していて歯痒いです;「文字」の面白さ、一度じっくり味わってみてください。できれば夜、一人で…。 | ||||
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これでまた少年犯罪が増えなければいいが・・・と思うほど、ある良い意味で不謹慎だ。殺人、死に興味のある者たちの気持ちが、リアル。特に理由も無く、その興味や衝動が先天的なものとして書かれている。「作者、人とか殺していませんよねえ?」と疑問に思ったくらい。恐ろしいけど、面白い。ミステリ。。。。とは言えないかもしれないが、騙される。暗い世界が広がってました。 | ||||
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異常殺人に深い関心を抱く主人公。しかし自ら犯すわけではなく、犯人を突き止めて警察に突き出すわけでもない。ただ見たい。ただ知りたい。その欲求の元に動く、限りなく黒に近い傍観者。彼が見つめるものは恐ろしいが、その瞳自体もまた恐ろしい。けれども、読み手を強く惹きつける。プロットがしっかりしていて、結末へと結びつける伏線が見事。ミステリーに興味のある人には、是非読んでもらいたい。 | ||||
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