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2の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 21~37 2/2ページ
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パンドラ解散あたりのくだりで、また大袈裟なハッタリだなぁと思ったものの、過去作に比べてツッコミで足踏みするところがあまり無かったのは、すでに過去作の中で「こいつは天才なのね」と承認したキャラでストーリーが動いていくのと、途中までは学術的な見識で説得力を構築していたためだろうと思う。四角形と五角形の中間なんて言うより、こういう描写の方が素直に乗れる。 ただし最後の最後で「神が生まれるw」「天使www」とはなった。ただこういう感覚はいつものことなのでもう慣れた。その上でハッタリだけで「うるせえな、とにかく何だかすごいところにこの作品はたどり着いているんだぞ」と読者を酔わせる腕力はすごい。 現実的に即したすごさや説得力は期待しても無駄なのはすでにこちらとしては了解していて、その上で「そのハッタリで物語はどこにたどり着くのか」という点にワクワクしている自分がいる。自分をこういう気持ちにさせたパワーはいったい何だったのか興味深い。 実際、多くの人がこの作風に酔っているという事実がある。真剣になりきれていない自分でも☆5ぐらいに楽しく読めたのだから、真剣に酔えている人にとっては作者は神のように感じられることだろう。 理桜ちゃんが一番好きなので、理桜ちゃんをもっと出して欲しかったぞ俺。 | ||||
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野崎まどワールドの一つの到達点。今までの作品全て、この1冊に凝縮され、破壊され、再構築されている。knowでも似たような哲学が現れる。/「2」、シンプルの極み。題名も物語も、全て2に還元される。0と1ではない。/結論、これは凄い、としか言いようがない。 | ||||
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映画で言えば、さしずめアクションスターが豪華に共演する「エクスペンダブルズ」、あるいは人気アメコミヒーローが大活躍する「アベンジャーズ」といったところだろうか。または「オーシャンズ11」とか。 つまり。 本作には、野崎まどの「2」以前の作品、「[映]アムリタ」、「舞面真面とお面の女」、「死なない生徒殺人事件」、「小説家の作り方」、「パーフェクトフレンド」に登場した主要キャラが勢ぞろいする。 一連の作品を読んできたファンにとっては面白いことこの上ないストーリーかもしれない。かく言う私もその一人。 しかしそうではない人にとっては、あるいは野崎ファンであっても少し冷静に本書を読めば、結局何が言いたかったのか分からない作品だ、という印象しか残らないかもしれない。 なぜか。 「2」以前の作品に存在した圧倒的な展開力、読み手を驚愕させる「どんでん返し」が、この「2」にはないのである。 いや、それらしきものは確かにある。しかしそれは「この人は、実はあの人だった」「あの人は、実はこんな状態だった」といった類のもの。物語の展開ではなく、読者には知る由もない、キャラクターの素性明かしに過ぎないのだ。 「超人類」とも言える「進化した人間」を、「映画」というありふれた題材によって誕生させるという奇想天外なコンセプト。その「進化」を「創作とはなにか」という視点から登場人物にとことん考えさせるスタンス。そんなせっかくの素材とキャラクターを活かしきれていない。 だから、なんだか物足りなさが残る。 そこまで深く考えなければ十分楽しい作品であるのは事実なのだが。 | ||||
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面白かったのですが、パーフェクトフレンドの読了後に感じた優しい気持ちが台無しになった感じがします。理桜ちゃんとさなかがちゃんと元の生活に戻れたのかがはっきりしてないというか……パーフェクトフレンドを特に気に入ってしまった人は正直読まない方が良いかもしれないです。 | ||||
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レビューを参考にシリーズを順番に読み終わりました。 読み終わってみて、結末までたどり着いて。 少し残念です。 天才が創作の果てに成功する成果物が天才を超えているように見えないからです。 作者は天才を想像することはできても、天才が創造する完成物(天才を超える超存在)がどういうものになるかまでは、想像することはできなかったのでしょうね。(概念としては言及していますが表現出来てはいないと思います。) もちろんそんなことは誰にも出来ないとおもいますが。 そこに目を瞑れば、そこにいたる物語はとても面白かったです。 | ||||
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毎回、天才であったり不死であったり何かしらの超越したものと周囲の関わり・コミュニケーションを中心に物語が紡がれますが、この作品では最原最早という始まりにしてもっとも超越していた創作の天才の物語です。最終的に一人の天才のために周りのすべての余計な出来事が徹底的にそぎ落とされて、その天才だけがみえる理想形のようなものに近づいていく描写は圧巻でした。創作とは何か、人間とは何か、愛とは何か、感動とは何か、哲学的でもあり根源的でもある疑問にある意味納得できる一定の答えを提示している作品のようにも思います。 創作活動はもちろん、日常の色々なことを試行錯誤しながらだんだんうまくなっていくことはよくあります。しかし、作中にあるように完全な答え、絶対に正しい答えを目の前に提示されて自分には決してそれができないと気付いた時、人間はその事実に耐えられるものではないのだなと感じます。ではこの場合は創作活動についてですが、その答えを知っている天才たちはいったい何を目指すのかについての後半部分は驚きと感動でいっぱいです。どうやったらこのような超常現象に近い人たちの物語を期待以上でかつ破綻なくまとめることができるのかという点でも感心しました。利己的な遺伝子、ミーム等を読んでこの物語に至ることも非常に興味深いです。 他の方のレビューにもありますが、メディアワークス文庫で「アムリタ」から始まる一連の作品の集大成であり終着点にある作品です。今までの作品を読んでからこの作品に臨んだ方が楽しみが多いと思います。この作品によって今までの作品の意味・捉え方もいくつか変わってきます。全作品群を一ヶ月で読んだことは少々もったいなかったかなと思いますが、非常に楽しむことができました。 | ||||
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他のレビューに重ねて書かれているが、読む順序が大切である。大切なので何度でも書いておこう。(私も先行レビュアーに感謝) この本「2」を読む前に最初に「[映]アムリタ」を、その後「舞面真面とお面の女」「死なない生徒殺人事件」「小説家の作り方」を読み、「パーフェクトフレンド」を楽しんでおくことは必須である。 そこで今巻を読むと、過去作の登場人物がわんさか出てきて個性豊かに振舞う中でダイレクトに「[映]アムリタ」に繋がり、映画創作に始まり映画創作で閉じる全6冊の円環構造が完成する。それは自らの尾を飲むウロボロスではなく、円形になった蛇が自らより進化した子蛇を口から生み出す形だ。この子蛇も円を重ねるように成長し、同じように孫蛇を吐き出すだろう。ぐるぐる螺旋を描きながら進化し続ける創作者たちの物語と言えよう。 しかし残念ながら次の輪は著述されないだろう。何故なら次の輪は我ら現代の人間の理解を超える高度な創作をめぐる話になるからで、いかに野崎まどとはいえ、今は書けない。 そんな創作の限界を探求した超天才映画監督 最原最早の物語である。 純粋なミステリーではないものの、説明抜きの直感的人間の行動を論理的に解明していこうと試みるので、読後感は推理小説のそれに似ている。いつもの重層的どんでん返しもあり、著者は読者の期待を裏切らないし、これまでの巻と諸々が完璧に整合しているし、見事である。ただ、そのために理が勝ちすぎていて、感動より納得が先に来てしまうのがちょっと残念。最原最早が持つ人の枠を越えた魅力、例えば艶やかさや可愛らしさをもうちょっと確認できると、最後の衝撃がもっと大きくなっただろう。この衝撃度だけでいえば「[映]アムリタ」の方が上だと思う。(まあ、最初に読んだからかもしれないが) ところで、前5作には全て最後にあれはどうなったのかなと悩む「解明されないもの」が説明するまでも無いとして残されていたが、今巻ではそれらのオープンマターを相当拾ってくれているのがすごい。ひょっとしたら第1作の時から、遅くとも「パーフェクトフレンド」を書く前に、「2」の構想は出来上がっていたに違いない。逆に言えば、今巻を読まないと実は前5巻を読み切ったことにならないということである。だから読むしかないのですよ、あなた。但し、順序を守って最後にね。 | ||||
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気がついたら最後まで読んでしまっていた。 この小説はやばい。 面白すぎる。 | ||||
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最初の方。 劇団にある女性が入るシーン。 そこでのたった一言を繰り返す場面。 たった数ページ。 それを見た瞬間、感動とも違う似た感情が鳥肌を伴って眼球と全身を刺激した。 この場面を見るために、私はそれまでの作品を読まされて、そしてこの本を買わされた。 この作者には何度も「悔しい」と思わされる。 それの頂点が、たったこの数ページの場面でした。 内容は今までの作品の総括といってもいいかもしれませんが、物語はあり総括という名の合体です。 それまでの登場人物などはやや強引さはあるものの、上手い具合に絡めています。 後半の伏線に関しても疑問は残るものの、問題と呼ぶほどではありません。 面白い、これは買いです。 ただ、今までの作品を読んでいないと面白さが半減すると思います。 なので、既刊を読まれてから買われた方がいいです。 是非とも、アナタだけの【悔しさ】をこの作者から受け取って下さい。 | ||||
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”今回はどうする気なのだと不安になるような導入から始まり、 どう動くのか全く想像できない乗り物に乗せられて、 気付いた時には見たこともない星に連れていかれている。 その先の見えない旅が何故か最高に心地よい” 本文中にある文章ですが、正にこれが野崎さんの作品に言えることだと思います。 レビューや感想を読んでから本作を読むのもいいですが、 個人的には、本作は感想・レビューをできるだけ読まずに、 できるだけまっさらな状態で読むことを個人的にはオススメしたいです。 ただ、過去の五作品は読んだ方がいいと思います。 アムリタは特に。 以下は過去作品も含めて、ややネタバレ。 本作では主人公(主演男優)とヒロイン(映画監督)が映画を制作します。 そしてこの作品には作者の過去作品の主人公や、ヒロイン、脇役が数多く登場します。 (『小説の作り方』の主人公以外は出てきます) 『妖怪』、『永遠の命を持つ生徒』、『この世で一番面白い小説のアイディアを持つ女性』という、 過去作品のラスボス級(?)キャラクターが次々に登場し、 映画を製作する主人公達の協力者となっていきます。 作者の方は、最初から本作を想定して過去作品を書いたのではないかというくらいに絶妙に物語に絡んでいきます。 そして、映画が完成へと近づいていく終盤。 怒涛の展開、終盤に近づいていけばいくほどどうなるか分からない。 正直、“その先の見えない旅が何故か最高に心地よい”とか、 そんな余裕かます間もなくページをめくっていました。 最後の1ページまで油断できません。 作者の苗字が『野”崎”』ではない、という事実と同じくらい油断ならないです。 本来の”さき”だと文字化けするようなので、仕方なく”崎”表記にて失礼します。 ちなみに、アムリタを読んだ人は誰もが思う「あいつはどうなったのかなぁ」という人物。 彼が登場するシーンは感動しました。 | ||||
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野崎まどの作品を刊行順に読んできたが、まさに集大成といった内容だった。 いったいいつからこの構想は考えていたのか、作者には驚かされるばかりである。 この作品でひとつの到達点に辿り着いたが、次回作以降はどういう作品を出してくるのか 期待と不安がありつつも今1番注目している作者です。 | ||||
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クライマックスは本気でビリビリ来ました。 今までの野崎作品が好きだった人は文句なしで買いでしょう。 読んでない人や、読んでもつまらなかった人は、読まんでいい気がします(笑)。 次作も期待しています。 | ||||
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「2」は、アムリタから始まる野崎まど氏の作品に登場したキャラクターが集結し 新しい一つの物語を編むといった構成――いわゆるスターシステムの形式を取った作品です。 作品全体の構成は野崎氏の過去作を踏襲しており、軽快な文章と愉快なキャラ同士の掛け合いで読者を物語に惹きつけ、 外連味の効いた設定を軸に最後はお決まりのどんでん返しで締めるといった、正に野崎ワールドと言える一作でしょう。 500ページを超える文量も苦にならず、一気に読むことができました。完成度は非常に高いです。 以下はネタバレになりますので未読の方はご注意を。 冒頭から始まる少し長めのプロローグは、「登場人物(最原最早)の天才性」を読者に分かりやすく伝える為に 野崎氏が用意した新しいアプローチと言えます。 これを冒頭に置いた理由は「天才」という言葉をただひたすらに並べただけであったアムリタからの反省でしょう。 もちろん多くの伏線も隠されていますけれど。 そして物語は、その「天才」が創り出した2つの作品――「2」と「最原最中」を遭逢させることにより 神の領域へ足を踏み入れようとする二人の人物をメインに展開されます。 その中で気になった点がひとつ。 天才の作った二つの作品、ここまでは設定上なんとか納得できました。 気になったのは、その媒体が「映画」である必然性です。 天才最原最早が情報伝達手段として不完全とも言えるツール(映画)に何故あそこまで拘っているのか、 それがイマイチ理解できないのです。 完璧な表現者と完璧な鑑賞者の2つが備わったのであれば、次には必ず「完璧なツール」が必要となるはずです。 そうでなければ、芸術を通して神の領域に踏み出すというのは少し無理があるように思えてしまいます。 (元々無理じゃん、というツッコミは置いといて) もちろんアムリタから続く作品ですので映画を題材にする必要性があったのかもしれませんが、 そうであるなら最後の一ページは、最原最早や主人公が、映画ではない新しいツールに挑戦する事を匂わせる内容にして欲しかったです。 そうすれば、彼女達がこれから更なるステップに進むという想像を読者が働かせることができ、 「2」はより完成度の高い作品になったのではないかなぁと少し残念に思います。 とは言え、この作品が面白かったのは事実です。出来れば高校生くらいの年齢の方に読んでほしいと感じました。 興味が湧いた方は是非アムリタから順番に読んで下さい。 | ||||
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ネタバレになるので内容は書きませんが、氏は漫画、CGやアニメ、実写でも表現できない表現法で正に『活字』から脳へ直接作り出される『ビジョン』を巧みに操る天才だと思う。元々小説というのはそういったものと言えばそれまでだが、それでも映像化(映画化)される作品は世の中沢山ある。お金さえかければ基本的に小説は映像化・音声化出来るのだというのが持論だった。 しかし、[アムリタ]と、この作品はそういった別の媒体への展開は無理だと断言する。(仮に出来るとすればそれは斬新な演出法だ。) 全編を通して人を食ったかのようなセリフ回しと、スナック感覚で読める軽い文体(に、感じる)の裏でいくつもの伏線が気が付かないうちに進む。読後感はまるでパズルを解くのに使った頭の様な疲労を覚える。でもそれは決して苦痛なものでもない。むしろ快感だ。 [2]はそういった氏の集大成の作品である。一つ余計なことを申し上げるなら氏の発表した全作品を読んでから読んで欲しい。世の中のどんな作品でもそうだが[2]というタイトルのものには必ず[1]の存在が前提となる。これ(2)が、2番煎じなのか、昇華するのかは作者の力量といったところだが、氏の[2]はそういった枠から更に大きく逸脱する。これには戦慄さえ覚えた。 次にどんな作品を発表するのか?目の離せない作者である。 | ||||
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野'アまどワールドガイドとして、最初に読むべき作品なのかもしれません。 なぜなら「最原最早」の名前がわかるだけで、中盤からの展開が読めてしまう人もいるかもしれません。 何をやりたいのか、ではなく、どうやろうとしているのかという点で。 それほどまでに『[映]アムリタ』は印象的な作品でありました。 もちろんアムリタの続編というわけではありません。 他の作品のその後が垣間見られるのは野'アまど作品が好きな読者なら喜べるところです。 人脈が最原最早を中心に構築されており、諸作品のキャラクターたちの名前に見覚えがあれば、役どころや正体がわかってしまうため、不親切と言いますか説明を省いてるように感じがなくもなく。 序盤、特に0.1は大変好きな感じではありましたが、いつものどんでん返しの引きこまれる終盤とは違った味わいでしたので、評価は4としました。 劇団の話が好きならば、有川浩『シアター!』は面白いですね。 | ||||
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まど先生の次回作をまだかまだかと心待ちにしていたため、 出るとわかって狂喜しました。 そして今回も一気に、そして非常に楽しく読ませて頂きました。 いや面白かった。是非読んでみてください。お勧めします!! ただ、本作を読まれる方には 先にまど先生の他作品すべて読まれることを強くお勧めします。 最低でもアムリタ、パーフェクトフレンドは読まれた方がよいです。 これ書くのすらネタバレになりそうで嫌なのですがf^_^;) 本作で初めてまど先生作品を読んだ場合どう感じるかはわかりませんが、 まど先生も編集さんもそんなことは織り込み済みなんでしょうね。 人智を超えた天才を表現することは非常に困難だと思うのですが、 まど先生は非常にうまく表現されているなぁとアムリタでは衝撃を受けました。 本作では欲を言えばもっと「2」人のボケとツッコミが読みたかった気はします。 でもそれは構成上致し方なかったりしますね。 なんとなく釈然としない部分もあるにはありますが、読み返したり 考察サイトでも巡りつつ脳内補完していくのもまた楽しみです。 よくもまぁこれだけ壮大に風呂敷を広げて収束させられたものだと感じました。 まさに集大成、まど先生ファンにはたまらない作品に仕上がっていると思います。 まさか本作がまど先生「最後」の作品ではないですよね? 少しだけ不安になりました。 | ||||
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この作品をこれから読もうとする方へ まず野崎まどのデビュー作「[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)」と前作「パーフェクトフレンド (メディアワークス文庫 の 1-5)」を読みましょう 読み終わったら残りの野崎まど作品3本、すなわち「舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)」も「死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死 (メディアワークス文庫)」も「小説家の作り方 (メディアワークス文庫)」 も読みましょう。話はまずそれからです 読み終わりましたか? …さあ、これで貴方も立派な「観賞者」です。「創作者」である野崎まどにそういう風に仕立て上げられてしまってます 今作は過去の5作品全てを読み終えている読者にとっては特別な意味をもたらします。これ単体でも作中で重要なキーワードとして 語られている「創作者」と「観賞者」の関係は理解できますが、過去作すべてを読み終えた読者には更に別な形で 「実感として」このテーマの意味する所が理解できてしまう。そういう作りになっています どこをどう語ってもネタバレになってしまうので語る事が難しいのですが叱られる事を覚悟で一つだけネタバレすると この作品のヒロインは最原最早、そうデビュー作「アムリタ」で主人公と読者をラストシーンで凍りつかせた彼女です そして前作である「パーフェクトフレンド」で解き明かされなかった部分、最原最中が出会った魔法使いの正体も ラストシーンで僅かに登場した「母親」の姿の意味も全てが明かされます これまで毎回ラストで「ちゃぶ台返し」を入れてきた野崎作品ですが、この作品はそれ自体が巨大な「ちゃぶ台返し」です 読者をこんな目に遭わせた上で野崎まど=最原最早という悪魔がどこかでケタケタと笑っているんじゃないか、と思うと薄ら寒くなってきます しかし、それでもまた「アムリタ」から全五作品を読んだ上で本作を読み直したくて仕方無い。たぶん私を含め野崎ファンは悪魔に魅入られているのでしょう | ||||
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