■スポンサードリンク
ナイフ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ナイフの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全67件 41~60 3/4ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初に読んだ時は「ありえない」と思っていましたが、 ナイフを読んでから学校生活を送るうちに 「本の内容と似たようなことは、私の学校でも起こっている」 ということに気付かされました。 “「ハブるのはゲーム感覚」” “いじめる気は無くとも、いじめを止める気も無くて見物客になる” “いじめている側といじめている側が親友になる” そういうリアルな物語にに胸がチクリと痛みます。 私にはこの本の話の一つ一つがフィクションだとは思えません。 中学生もその親もこの本を読んで いじめの実態を知り、理解するべきだと思います。 ただ、いじめについて書く上で仕方ないことだとは思うけれども、 性的描写もあったので、そこだけはちょっと読みずらかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この書では、「いじめ」の問題をいくつかの短編によって、いじめられる側、傍観者側、親側など様々な視点から描いている。「いじめはいけない」というメッセージは全編を通じて伝わってくるが、各物語で語り手の視点が違うことにより、いじめている側の不器用な心理、親の子に対するもどかしい心理なども共に感じられ、読み終わると多くの感情を抱えこんで頭が整理されていない気分になる。 また、少しバーチャルな部分が各話に挿入されているところが、シリアスさを緩和あるいは強調していて効果的だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これほどリアルにいじめに関わる子供の心情を書いた小説は見たことないです。 ただ、いじめられるのが「辛い」「憎い」ということだけではない。 多感な時期の子供達はいじめをどう受け止めるのか。 彼らの社会でいじめられるということはどういうことなのか。 大人ならかつて一度は味わったことのある恐怖を思い出させる 怖い本だなあと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いじめを取り扱った作品。 個人的には重松清の中でエイジに続いて好きな作品。 とにかく、いじめの描写がリアルで、それにともなう子供の感情があまりにリアルだと思う。日本の子供たち全てに読んで欲しい秀作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いじめられている子どもとそれをなんとなく感づいている親の気持ちがどれだけのものかわかり、胸が引き裂かれるようだった。 少年野球を教えている自分は、やや多動な子どもをついしかってしまい、他の子どももそれをなんとなく察し、その子を嘲る風潮がある。その子どもはまだ小学生だが、本人がどこまで傷ついているかわからない。しかし、自分がしてあげるべきことははっきりした。いじめている方にそれが当たり前だと思わせてはいけないし、自分も配慮しなければならない。すごくためになったと思っている。 自分が親になってのことも考えた。正直「ナイフ」の父親のような男にはなりたくない。劣等感を感じながら生きている親の姿。それはなんとなく子どもに伝わると思う。凛とした父親でありたいと思った。 また、変に強がって先輩ぶっていた頃の自分を思い出した。作品中でのいじめになんとか耐えようという子どもの姿と、現実での自分が先輩として強がる姿が重なって思えた。今思えば後輩からは滑稽に移っただろう。「何がんばっちゃってんの」と。 強さとは何だろう。 この本を読んで考えた。それは、自分を律し自己啓発を行うことだと思う。そしてそれを周りが認めた時、それは「強さ」となるのではないだろうか。 もちろん、「根性、気合のない子っている」という作品中の言葉も印象深いが、自分は強くあるぞ!と思った。 作品中、ビタースイート・ホームだけは雰囲気の違う作品で、結婚したらこんな風に妻を思える夫婦になりたいなとも思った。 いい作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いじめをテーマにした短編集。 この作品では、ここまでするかと思うような酷いイジメも描かれています。自分が小・中学生だったときには、確かにいじめはありましたが、ここまでは無かったと思う。しかし、実際には起こっているとも聞きます。 第一に、本人と周りの人間の葛藤に考えさせられる作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んでいて、なんと言うか、心の中の弦をそっと弾かれるような、そんな感じの表現が随所にある。 内容はイジメを扱ったもので、重松氏の描写が素晴らしいので、そのせいで非常に辛く感じる部分もあった。 しかし、最終的にどの話も読後感が良い。 登場人物が苦しみながらも前に進む感じが良い。 前に進むといっても、大きな一歩を踏み出すのではなく、ほんの少しだけにじり進むという感じ。 作中人物のその小さな一歩を、読んでいて応援したくなる。 架空の人物だと分かっていながらも、ついつい応援したくなってしまう。 涙がこぼれるというほど心を揺さぶられるわけではないのだが、ほんの少しだけ前向きになれる。 そして、そのほんの少しの前向きさが長く続く。 そんな良い本。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んでいる途中、ちょっとしんどくなった。 でも「イジメ」って大事な問題だし、逃げちゃダメだと 最後まで読みました。 その分、描写が上手いんです。 そしてよくココまで生々しく書いたな!って思いました。 でも一冊を通して、登場人物のみんなが、弱くても 負けずに闘っているんだよなぁと思って ちょっとあったかくなりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
特に、『ナイフ』の父親のセリフ「お父さん、臆病者だから、なにもできないど、でも、一緒にいてやる」「お父さんのこと、嫌いか?情けないと思うか?でも、お父さん、それしかできないんだ」は、泣けました。 いじめは、本当に嫌だ。どんな理由があっても、絶対に許してはいけない!絶対に、いじめられる側を攻めてはいけない!いじめる側を、ほんの僅かでも正当化してはいけない!でも、いじめる側も、エビスくんのように、実は大きな心の傷を負っているという事を、みんなが真剣に考えなければいけないと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私が初めて読んだ重松本が「ナイフ」です。 文庫ではなく1997年に発売された、単行本で読みました。 それ以来、重松清さんは大好きな作家の1人になりました。いじめをモチーフにした短編集ですが、「エビスくん」で号泣。 小学6年生のひろし、重い心臓の病気を抱える妹ゆうこ。 ある日ひろしのクラスにエビスくんという男の子が転校してきます。 最初から泣ける、中盤で泣ける、ラストでも泣ける。 泣きたい方読んでください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ワニとハブとひょうたん池で」を読んで、衝撃を受けた。 ここに描かれていることは、みんな生だ。 作家はどうやってこんな小説を書いたのだろうか?すごい。 少女の痛さや強さがとてつもなくリアル。いじめに対する作家の観察眼に脱帽。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
確か重松さんの作品ではじめて読んだ作品です。若い方向けなのが丸解りなので学校の図書館に置いてありました。 読んだ時は少しびっくりするのと同時に、やはり大人の目から見たらいじめというものは完全悪なんだろうと実感させられます。ただ、その子供達が本当にリアルというか、心描写がとにかくリアルです。確かに普通の中学生が読めば「わかるわかる!」となるのが多いのですが私は初めて自分の客観的視点が本当の自分の視点と重なるような気がしました。 そんな中学生ばかりじゃないんだよ、と言いたいところもあります。 でもやはりいじめという在り来たりで陳腐なテーマものなはずなのに、読みやすく心地よくしてしまうのは重松さんの文才だと思います。ふと振り向くと其処にある日常、の筈です。いじめをやめよう、という呼びかけとかが入ってないいじめ題材の本を読んだのはこれが初めてなので、嬉しかったです。別に自分がいじめてるわけでもありませんが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ここに描かれているのはイジメの現状です。親に知られたくなくて必死に隠す者、妹のために耐え忍ぶ者、幼なじみを救えない者・・・。遠い話のように感じるけれど、すぐそこにある現実です。 かっこよく戦うわけじゃない。守ってくれる友達がいるわけでもない。でも、これが現実。はっきりいって、かっこ悪い主人公たちです。でも、かっこ悪いけれど必死に戦う主人公たちはとても素敵です。暗い話だと思われるかもしれませんが、読み終わったとき明日も頑張ってみようかなと思える話です。疲れたときにぜひ読んでみてください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本に著者の写真が載っていて、最初は「著者おじさんじゃん。」って思った。 でも本を読んでいくうちに、「これほんとにおじさんが書いたの??」って思った。 すごい子供の視点から『いじめ』を見ていて、驚いた。 いじめられている子供の気持ちや、その家族の姿を上手く書いていると思う。 自分自身、共感できる部分が多々あった。中学生の人達に、是非読んで欲しい一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内容としてはちょっと期待はずれでした。もっと刺激が強いのかと思ってたけどなんか「う~ん・・・」って感じだった。 でも、親の気持ち、子供の気持ちはよく解ってるな~って思いました。 あと、どの作品とも終わり方がさっぱりしてるし、読みやすいから「読んだ!!」って気にはなります。(←大げさ?)一番は「キャッチボール日和」かな。イジメられた大輔みたいな男、個人的に嫌いなんだけど、それを見ていた幼馴染の女の子の微妙な気持ちがよく出てたと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
いじめがテーマとなっている短編小説です。 私が思うに、重松さんは決してきれいごとは言いません。 ひどく人間くさく(良い意味で)、読んでいて小説のなかの出来事だ、では片付けられない真剣さがあります。今悩んでいる人にこそ読んでいただきたいです。やはりいじめがテーマであるし、比較的リアルに表現されているので読んでいて目をそらしたくなるような場面もあります。ですが楽しいばかりが現実ではないですよね。苦しみながら戦う主人公の話を読み終えたとき、私はいつも、明日も頑張ろう、と思うんです。希望とか勇気とかおおげさなものではなく、明日はやり過ごせそうだ、くらいのものです。それでも小さな悩みは消してくれるパワーをこの小説はもっています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は小中学生たちを主人公にして、「いじめ」を扱っている短編集である(最後の「ベタースウィート・ホーム」だけはテイストが異なっている)。主人公たちのいじめられ方が尋常ではなくて、思わず活字から目をそらしたくなることもあった。ここで逃げずに読み進めると、「希望」という言葉は安直かも知れないが、何かが心の中に残った。一番印象に残った作品は「エビス君」である。東京から転校してきたエビス君とねじれた「親友」になることになったヒロシ。エビス君はヒロシ以外とは誰も口をきかずに、あらゆる手段を使ってヒロシを執拗にいじめ抜く。さらにヒロシにはゆうこという生死の境をさまよっている妹がいる。生まれたときから心臓につながる血管に異常が見られていて入院生活を余儀なくされているのだ。ヒロシはある種の板ばさみ状態に追い込まれていく。読んでいてかなりつらかった。その先にあるものは、是非本書を手にとって感じてもらいたいと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
重松清の作品集のうち,とくに好きな一冊がナイフだ。なかでも「エビスくん」は,みんなに是非一度読んでほしい。主人公の少年は,ケンカがからっきしだめである。学校でも弱いがゆえに辛いことも多々ある。クラスでもとりわけ暴力的で気むずかしいエビスくんの,必殺のキックをたびたびあびてしまう。でも,少年は学校生活も,エビスくんも大好きだ。生きていること,毎日の生活,瞬間瞬間がいとおしくてならない。すべてが,とても美しく見える。なぜか。少年には先天的に重い病を抱えたいもうとがいる。かれは可憐で,可愛いいもうとが,なにより大切でならない。幼いいもうとの,いつ途切れるともしれない生命を,愛してやまない。だから,少年はいもうとを思うあまり,みずからも末期の目を獲得してしまったのだ。夕べには終わるかもしれない,いもうとのまなざしで,すべてをみている。だから,少年の目に,世界が美しく映えるのだ。このときのことを述懐して少年は言う。あのとき,僕は世界に恋をしていた,と。いもうと思いの少年も素敵だし,エビスくんと少年の奇妙な友情も心に残る。重松作品のマイ・ベストである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者は現代の普通の家庭を描くことが、とてもうまい人だと思います。この作品では、いじめの問題が全面に採り上げられています。中には、凄惨なリンチの様子に、思わず気分が悪くなったり、また結局いじめは終わらない現実にがっかりしたりするような場面もありました。しかし、なんとかして家族を大事にしたいと、最後はみなが取り組む様子が救いだったと思います。閉鎖的な学校という場所に閉じ込められた子供たちは、親が思う以上にストレスを感じたり、辛い日常と向かい合っているのでしょう。でも、最後には相手を思いやる心を感じ取れたらいいなと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
重松清はうまい。「エイジ」もそうだったが小学生や中学生や高校生のときの視点・感じ方・考え方を失っていない。 経験体験は違っていても、あの頃の思いが鮮烈によみがえってくるような思いに何度もとらわれた。そういう思いを思い出させてくれる稀有な作家の一人だと思う。中短編集である本作品の底流には、「いじめ」の話がある。凄惨なほどの状況も描いている。でも作品中、解決は呈示されない。それが現実だから。中島みゆきの「ファイト」を思い出した。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!