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スタープレックス
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スタープレックスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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異星人混合の宇宙船の冒険物語。そう言ってしまうとスペースオペラっぽい何かを思い浮かべてしまうのだが、時間旅行あり、ワープ航法ありのハードな内容のSFに「冒険もの」という脚色を施した代物と表現する方が適当だろう。その上ダークマターが実は○○であるとか、宇宙の膨張をそんなとんでもない方法で止めるとか、これ以上にスケールの大きな話は滅多にないほどの超巨大な法螺話が次々と披露される。場面が次々と移り変わり、しかも宇宙の描写がかなりイメージしにくいものだったりして、序盤は読み進めるの苦労するかもしれないが、ダークマターとの「本格的な接触」あたりからは物語は怒濤の展開を見せる。色々と詰め込みすぎて一つ一つが散漫な印象はあるが、それでも力作であることは確かだろう。 | ||||
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読みはじめはなぜか時間がかかった。登場人物(登場生物?)の姿などを理解するのに手間取ったからだろう。最初の50ページを過ぎたら、いつものソウヤー作品のように、ぐいぐいと読み進められた。内容は、ソウヤー版のスタートレックと言われることもあるが、宇宙を舞台にした冒険だけではない。ダークマター(暗黒物質)の謎などをソウヤー流に解決しているミステリー的要素もふんだんだ。世界の設定はスタートレックだけでなく、ゲートウェイやスタータイド・ライジングなど著名なSF作品をヒントにしたのではないかと思われるものが散見される。そして物語の最後には、とんでもないスケールのネタが仕込まれており、荒唐無稽ながらリアリティがある不思議な感覚に陥る。結局ものすごく楽しめた作品だった。 | ||||
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冗談ではなく本気で、100億年の時と銀河を股にかけ、宇宙の運命の謎を巡るものすごい話なのに、それほど凄い話を読んだと感じないのは何故だろう。軽いのかな? ソウヤー版スタートレック。という評価は本当で、感情的で女好きだが内省的な指揮官。好戦的なライバル種族。壮大でビジュアルなイベントの連続など、TVドラマ・シリーズのイメージがあふれています。 アイデアも、新旧の傑作SFから寄せ集めてきたような豪華絢爛で奇想天外なネタがアップデートされて、おしげもなく投入されています。 読んでる途中はワイドスクリーン・バロックなのかなとも思ったけれども、そうでもなかった。きれいにまとまり過ぎていて、WSB特有の破天荒さが見当たらない。 ワクワクするような多くの謎も、ほとんどが結末までにきれいに説明されるのだけれども、満足感を感じない。決して納得できないわけではないのだけれど。 自分に合わなかったということでしょうか? レッテルを貼るのは良くないと思っているけれど、自分の感情を整理するために、現代的なスぺオペと呼んでみます。(良い意味と悪い意味を兼ねて。) という評価をした翌日、スラム族のことが気になってちょっと読み返してみると、やっぱりクライマックスの10ページほどを読み急いでいたことに気付きました。やっぱりソウヤーは読み急いではいけない。でも、素直に納得できないところがあるのも事実。 話が盛り上がってくると必ず妻リサとの関係が気になってくるキースがうっとおしさの根源かなあ。これもソウヤーの特徴なのだろうけれど。 | ||||
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ソウヤーの作品はいずれも読みやすいのが特徴ですが、本書は、ソウヤーの他の作品にくらべ物理学的な専門用語が続出するため、最初は少し引いてしまいます。 しかしながら、そこはやはり、ソウヤー。 夫婦間の危機問題や人間と宇宙人との対立などを巧く取り込み、良くわからないまま読み進んでいるうちに、いつの間にかわかったような気がしてきます。 そしてグレッグ・イーガン等の超ハードな作品に比べると、遥かに読みやすいことに気がつきます。 ソウヤー作品の特徴は、いずれも価値観の違う人と人との対立とその解決案が示されますが、本作ではそれが人と宇宙人という構図になっています。 人間であるキース・ランシングはスタープレックス号の指揮官だが、同船に同乗するウォルダフード族の物理化学部門責任者ジャグの態度に我慢ならない。心の中では「あの豚野郎が」といつも思っているが指揮官だけに、それをぐっと抑えている。ジャグ自身も人間と仲良くやろうという気持ちはまったくない。 そんな異星人と理解しあうことが果たしてできるのか。 これが人間ドラマとしての本作における最大のテーマでしょう。 また、二人の仲介役として登場する異星人イブ族や言葉をしゃべるイルカが操縦する宇宙船など、個性的な登場人物がとても楽しいです。 もちろん本作は、SF小説としての醍醐味は満載です。 暗黒物質の正体や銀河が渦を巻いている理由やとてつもない距離をひととびできるショートカットの存在など、知的好奇心がくすぐられます。 あまりハードなSFは苦手だけれど、それでも知的好奇心を満足させたいという方にはお勧めできます。 | ||||
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既に素晴らしいレビューが有りますので、全くの蛇足レビューとなりますが、 それでもこの素晴らしい一冊にレビューがもう少し多くても構わないでしょう。 さて、注意が一点。 各レビュアー様のハッピーこの上ないレビューをそのまま信じて読み始めますと、 恐らく多くの方々が、導入段階、というか、3分の2程度まで続く鬱々たるムードに 完全に面食らうと思います。 暗いぞう。本当に。 しかし、それが完全な伏線となっており、 後半3分の1は、雪崩を打って明るい物語となり、 最終的に全てが見事にハッピーエンドに終わりますので、そこは安心してこの希代のストーリーテーラーに付いていきましょう。 本当に気持ちの良い終わり方です。 最終的に悪い奴が一人もいない、実に道徳的な終わり方。 それでいて、信じられないほど壮大であるという… 全くやられたぜ。素晴らしい。 勿論この一冊の本質は、やはりエンターテイメントハードSFである、ということでしょう。 それ故、この一冊を本気で楽しむためには、やはりある程度の現在宇宙物理学の知識が有った方が良いのです。 それで、その方面に不案内な方は、まずは、 「量子論」を楽しむ本―ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる! (PHP文庫) 宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書) をご一読されてからの方が、この希代の名作を心ゆくまで楽しめると思いまする。 いずれも、この一冊に負けず劣らず、センスオブワンダーに満ちておりますので。 | ||||
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普段SF小説を読まない私ですが、ロバート・J・ソウヤーだけは別。 SFミステリの傑作「イリーガル・エイリアン」を読んで以来、順次著作を読んでいます。 本作品の舞台は、2094年という未来世界。 人類は、宇宙空間に設けられた「ショートカット」を発見、何億光年も離れた場所への宇宙旅行も可能になっていた。 このことで出遭うことの出来た異星人、ウォルグフード族とイブ族とともに建設した宇宙船、スタープレックス号に彼らとともに乗り込み、未知の宙域探査を始めたのだが…。 本作品は、ミステリではないけれど、いくつもの「謎」が提示され、物語の中で「真相がきちんと説明されている」ところは、ミステリの要素を含んでいると考えられます。 特に、「宇宙規模の謎」に対する答えが示される点は、ジェムズ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」を彷彿させるもので、ミステリファンにもオススメしたい作品です。 この作品で評価したいところは、人類に遠方の宇宙旅行をもたらした「ショートカット」については、「誰がいつ、どのように作ったのか不明」とし、論理的な説明はない、とはっきり述べているところです。 これが、説明可能かも、という曖昧な提示になっていると、結末で明らかにならない場合、ミステリを読み慣れている人間は、「不満」を感じることでしょうが、最初に断り書きがあれば、「そのような設定の小説」と認識でき、物語にすんなりと入り込めます。 これに対し、その他の(ここでは多すぎて説明は省きますが)「謎」については、きちんと、合理的な説明がされています。 しかも、それが適度に科学的−−つまり、高校レベルの数学の知識しかない私のような人間でも理解可能であり、多くの読者が楽しめる作品となっているのではないかと思います。 今後も、著者の作品は順次読んでいくこととしたいと考えています。 | ||||
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タイトルがバクスターっぽい(ってフラックスに似ているだけか?)から、 面白いかもと思って買った。 期待以上の傑作であった。 タイムスケールは百億年で空間スケールは六十億光年の バクスター以上にスケールのでかいSFである。 最近のホーガンよりはハードSFとしても仮想論理の展開が凄くて素晴らしい。 本書は人類とイルカと豚型宇宙人とゲシュタルト型宇宙人の科学者が千人乗り込んだ、 宇宙船スタープレックス号が、暗黒物質と銀河の生命誕生の謎を解くお話である。 7個目と8個目のクォークをでっち上げた科学論理が素晴らしい! 量子力学のシュレディンガーの猫問題から、 矮小な人間原理を導き出したつまんない科学者もいたせいか、 価値の相対化をはかるべきSFにおいても、 人間万歳の古臭いテーマも最近みられるが、 本書における人間を含めた全ての知的生命体が生まれた理由が、 どえりゃあSFしてる。 宇宙に知的生命体が発生したのは、単なる偶然である。 結果として生命体が発生してしまったが、 宇宙に生命体が発生する条件は、生命体の為ではないのだ! この本当の目的が空前絶後の新ネタである。 生命体は宇宙という大海に浮かぶ単なる泥カスのようなものである。 宇宙の歴史においては、生命体の歴史はあまりにも短すぎる。 観測者なんていなくても宇宙は存在して来たのに、 くだらん人間が宇宙に必要だという人間原理は大笑いである。 生命体は宇宙のオマケだが、生命として発生してしまった以上は、 絶望してしまってはいけない。 無意味な存在である生命体にも、 宇宙に対して素晴らしいことを出来ると気付くラストは SF史上もっともスケールの大きなハッピーエンドである。 僕って何?とか、自分探しの好きな人にぜひ読んで欲しい。 ハイフリック限界を持つたった百年程度の生命体が悩むなんて爆笑もんだよ。 本書を読めば人間生活の悩みはすべて吹き飛びます | ||||
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メインとなるアイデアは「勉強になる宇宙論」に大法螺で、ヨクヤルヨと下あごがダランと下がるくらい面白い。 んで、舞台・登場キャラはまさにスタートレックのようです。 多彩なエイリアンが巨大宇宙艦で、個性をぶつけ合って実に楽しい。ドラマのクライマックスで「壮大な宇宙論」っていうのは最近のSFのお約束みたいですが、そこはソウヤー、わかりやすくて楽しく語ってくれます。 SFは絵だねえ。(野田大元帥語録よりw) | ||||
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宇宙物理では、現宇宙がエントロピーが増大してやがて熱死を迎えるのか、それとも無限に拡散して絶対零度に向かうのか、完全な結論は出ていないようです。いずれにせよ、宇宙の全質量がその運命を決定するということがわかっているようです。本書は、突拍子もないSF的手法で熱死でもない絶対零度でもないナイフエッジ均衡を実現しようというのがメインのアイデアです。でも、このお話は単にそれだけじゃない、壮大なホラ話になっています。ソウヤーでは比較的ハードSFよりの作品ですが、SFは良質のホラ話だということを身をもって示しているソウヤーですから、読んでいて飽きがきません。 | ||||
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