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Op.ローズダスト



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【この小説が収録されている参考書籍】
Op.ローズダスト(上)
Op.ローズダスト(下)

Op.ローズダストの評価: 3.62/5点 レビュー 61件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.62pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全61件 1~20 1/4ページ
No.61:
(5pt)

【ネタばれ】ベッタベタな話なんですが読ませてしまうのは流石!

展開が知りたくない人は読まないように・・・と前置きしますが、
読んでも構わないと思います。この作品の魅力は先の見えないドキドキ感ではないのです。

色々な過去作品のエッセンスを詰め込んで構成されているので、目新しいものは全くないと言ってもいい。
それでも読ませてしまう福井晴敏先生は流石としか言いようがありません。

・福井作品によく出てくる設定
「『昔は青臭い理想に燃えていたが、現実に打ちのめされて燻っている心の底の火は消えていない中年』が
 『超人的戦闘力を持つがトラウマを抱えている若者』をサポートして戦う」構図はそのまま。

さらに過去の小説やアニメ作品ならもはや定番と言ってもいい設定。
・恋人を悲惨な形で失ってトラウマを負った主人公とライバル
・ライバルが破滅的な方法でテロリズムに走るのを、主人公とそのサポーター(中年+新ヒロイン)が
 食い止めようとする。
・ライバル陣営にもそれぞれ過去を背負ったメンバーがいてそれぞれの想いを抱えながら散っていく。
・最後は一騎打ち

いやホント冷静に見ると「何回もどこかで見たよくある話」なんですよ。
でもよく考えるとベタな話をしっかりと描いた作品ってあったかな?と思わされます。
この手の話には皆どこかで出会っているでしょう。ただこの作品は「肉付け」が素晴らしく良く出来ている。

登場人物や状況をしっかり丁寧に掘り下げているから、ここまでしっかり読めるんでしょうね。
話の展開は読めますが、それでもそれぞれの見せ場をしっかり描いていて読ませてしまうのは凄いです。

実写化は予算的に不可能でしょう(ロケとか特に)。
何よりこの作品の素晴らしさである「人物の掘り下げ」を描くには2時間の映画では足りないので、
映画化したらホントに「どこかで見たようなことのある話のCG満載アクション映画」にしかならないかと。

半年とかのアニメ化なら何とか可能かなと思います。
ただProduction I.G・押井守クラスの監督でないと難しいでしょうが・・・
Op.ローズダスト(上)Amazon書評・レビュー:Op.ローズダスト(上)より
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No.60:
(4pt)

手に汗握る展開

手に汗握る展開についていくのがやっと。登場人物が多くて名前が覚えられず。
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4163245006
No.59:
(4pt)

次が楽しみ

この人のものはいつ何を読んでも内容が深くておもしろい。何分テーマやストーリー展開が硬派なので、老若男女を問わずウケる超ベストセラーにはなりにくく、その意味で読者を選ぶだろう。しかし、それならなおのこと、日本では貴重なこの作風をいつまでも貫いて欲しい、と切に願う。

 で、このお話。上巻だけを読んだ感想は、もう少し展開が早いといいな、というもの。言葉を換えれば、それだけが唯一の不満なので、後は皆抜群の出来ということ。下巻が楽しみ。知的な意味で体力がいるけれど(笑)。
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4163245006
No.58:
(4pt)

しっかりと緊張感が持続してます

何とかやっと読み終えた。「旅」が終わってしまったという虚脱感と、読み切ったという達成感とで、今は何だか不思議な感覚を味わっている。この作者の作品を読了した時はいつもそうなのだが。

 上巻の緊張感はあまねく下巻にも持ち越されている。その意味で、全編を通じて破綻のない展開ということは言える。読者はただただ書き手を信じてついて行けばよい。リズムが合っているのだろうか。私には実に心地よい。

 唯一不満らしい不満があるとすれば、時々筆が走り過ぎて説明不足の箇所があるところ。その反対に、軍事的な知識についてはやたら饒舌なところがあり、両者がアンバランスに感じられる。この作者はいつもそうで、そのバランスの危うさが良いというファンもいるにはいるのだけれど。

 平和ボケへの警鐘という意味では、村上龍の「半島を出よ」と似たようなテイストを持つが、登場人物の心理描写や背景説明では「半島」の方に一日の長がある。エンターテインメントとしてのスペクタクルももちろん楽しみたいのだけれど、やはり人物(主人公だけではなく、端役も含めて全て)が魅力的でなくてはと思う。
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No.57:
(4pt)

興奮させられた

この作者も好きな作家なので大いに期待していた。やはり面白かった。
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No.56:
(1pt)

知夫

新品とのことですが疑問です。
ページの折れや栞の状態、カバーの擦れから見てあまり状態の良くない中古です。
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4163245103
No.55:
(5pt)

プライベートですから(トモキ)脈はない(並河)

ローズダスト下
なるだけネタバレなしで
若杉とローズダストの密談からです
逃亡中のチームに不意に接触してきた組織とのやり取りに驚き
トモキのプライベートですからに爆笑
チームは二手に分かれ
並河の上司との対決で上司も人であるために大変なんだ
所詮は中間で並河と同じで心底の鬼ではない部分に
先にも書きましたが登場人物全て好きの一端
そして戦場へ
どうローズダストを止めるのか?
女性とSOFの二人の視点を増やし語られ佳境へ
並河のピンチを救う場面は感動鳥肌です
羽住も本業で大活躍
未だに縦割り行政
もみ消し優先で対ローズダストに専念できないジレンマ
しかし進んでいく状況に両者減っていく戦力
絡む主人公
そしてローズダストが空に舞い
物語は収束へ
その際のバイク送迎後の
脈はない
には爆笑

以下ネタバレあり
個人的には事後の並河娘とトモキの再会が欲しかった
と思うのは読み手の想像力の欠乏からの願望ですかね?
結局ルミから並河助けた時以来会ってないし
でも赤坂との距離感は読んでて巧いなと思った
他にも悪い迫られる状況の中でもって
戦力が他に振られるために
主人公達がギリギリ動ける場面の作り方が秀逸
非放射能核は物語中で爆発しないとタカをくくってたので驚き
ガンダム以外での福井作品はローレライ
イージスしか知らなくて
結構戦場化する市街地を書かれるのを知らなかったので
心底楽しんで読み進められました
事前に6ステイン
川の深さは
などを読んでいると予想できるんでしょうが
初回にローズダストは最高に楽しんで読み進められると思う
この後に上記の二作を読んだのですが
中年刑事(刑事崩れ)と若いSOF(元SOF)
のコンビはたびたび登場
それでもまたか
とは思わなくて来た来たこのパターン!
と同じ状況の中今回はどう展開するよ?
そして毎回違った展開にワクワク納得でタモシメマス
その最長小説ですので福井作品で一番好き
そして敷居が高くとも一番最初に読むべき作品とも思います
とは言え縦割り行政
縄張り争い
近代戦争に興味がないと分からないので
6ステインのみ最初に噛むのが無難カモですが
Op.ローズダスト(下)Amazon書評・レビュー:Op.ローズダスト(下)より
4163245103
No.54:
(5pt)

登場人物紹介

ネタばれはないです、読む前の気になった選んだ点は
絶対に映画化できない
と言ううたい文句でした
どういう部分が実写化に向いていないのか
上巻で数点
中間で数点
下巻は手つかずで未評価
まずは現実に忠実すぎる北朝鮮との関係と
外交関係でしょう
まだ活字での発表なので
韓国人は読めないし
北朝鮮には国交上伝わらないので問題化しませんが
北朝鮮との外交問題やら
戦後の各国との立ち位置
911テロの見方など
映画化されると一気に見られる人口が増えるので
これは右翼左翼警察公安防衛省と
国内外からフィクションでもこの表現はいただけない
との意見が多数寄せられる悪寒です
でもまあそれだけ現実に肉薄するからこそ
おもしろい
リアリティって奴でしょう
福井作品にはよく出るらしいダイスが登場します
防衛省の秘密機関でしたっけな?
存在自体秘密なので警察の
SAT
SIT
よりも隠密で防衛省の機関のため更にデリケート
確か亡国のイージスに出てましたよね?
ストーリー
例えて言うと日本のヤフーと
その役員が3人がある組織によって
殺害と大損害を与える予告を受け取り
既に役員が一人殺されてるところからスタート
主人公はダイスの青年と
公安の中年
悪者の組織と主人公のダイスの青年はなぜか因縁がある
最初は主人公の二人の組織と
その立場とポジションの説明に終始
二人の微妙な立場を理解した頃に
なんか距離が詰まっていくところがほっこり
でもでも立場はそれを許さないし
事件は起こっていくしで
だらだら感はない
常に組織のひも付きであることが
軽快に動けない原因になるのだけれど
秘密の国家機関であれド
上司には逆らえないサラリーマンですしお寿司
中盤で敵組織と相対し
妨害防止策もむなしく
実行されていく悪の組織の作戦
各登場人物の顔と名前と性格と現在のポジションは紹介完了
ってところです
次の巻でさらに個々の性格や過去の関係性がわかり
物語も急展開って所でしょう
久しぶりの活字リハビリでも楽しめる作品です
中下も購入済みで今は中の台場のあとです。
Op.ローズダスト(上)Amazon書評・レビュー:Op.ローズダスト(上)より
4163245006
No.53:
(3pt)

「新しい言葉」が正しいとは限らない

他の方のレビューで概要は解ると思うので、シリーズを通しての私個人の感想を少しだけ書く。まだ一周しかしてないので、間違いがあるかもしれないことを先に断わっておく。

本作ではやたらと主人公やローズダストたちが「新しい言葉」を連呼し、若杉の目指す国家像を「古い言葉」だとして全否定している。確かに若杉の言葉は「古い言葉」かもしれないが、それと同時に「正しい言葉」でもあったのではないか?問題なのは「新しい」か「古いか」ではない。「正しい」かどうかだ(「正しい言葉」は一つではないだろう)。

作者は主人公サイドやローズダストたちに(結果的には)戦後日本を擁護する役割を担わせているが、そんな彼らからは若杉のいう「古い言葉」よりも具体性がある魅力的な「新しい言葉」はとうとう聞けなかった。(作者は「希望」や「ローズダスト」を「新しい言葉」だと言いたいようだが、抽象的すぎてこの国の進むべき道を指し示す「言葉」にはなり得ないだろう。大体、「希望」という言葉は主人公サイドやローズダストたちが否定した「古い言葉」そのものであり、戦前には日本を満州事変や太平洋戦争に導き、戦後には高度経済成長や構造改革、政権交代に導いた言葉ではないか。結局は彼らにも「新しい言葉」を示すことが出来なかった。)

作者の作品では、決まって「悪役」が死ぬ運命にあるが、そうではなく、(「新しい言葉」ではなく、「正しい言葉」を見つけた)主人公サイドやローズダストたち、そして若杉を中心とした「集まり」が、立場や思想の違いを超えて、最終的には共闘して日本を変えていく展開でも良かったのではないかと考えてしまう。「悪役を殺して終わり」では、ただのB級西部劇である。

本作の最後では、結局日本を誰も変えることは出来ず、米国も直接介入は見合わせたものの、米国にとって都合のいい「戦後日本」のままで終わる。並河はマル六との会話の中で「集まり」を一匹ずつ潰していくと語るが、それは日本を守っているようで実は米国の利益を守るために無意識に操られているだけではないかと危惧してしまう。私からみて本作の終わり方は本当の「希望」や「救い」のない最悪のバットエンドだった。
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4163245103
No.52:
(5pt)

面白い

あっという間に読んじゃいました。
今の日本なら十分ありえる話です。
Op.ローズダスト(下)Amazon書評・レビュー:Op.ローズダスト(下)より
4163245103
No.51:
(1pt)

全くおもしろくない

タイトル負けしている。全くおもしろくない。作者のひとりよがりである。亡国のイージスがおもしろかったので、期待して最後まで一応読んだが、がっかり。
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4163245103
No.50:
(3pt)

不必要に長すぎて疲れる

ひとつひとつの行動ごとに 長々と気持ちや背景の解説的な文章、既出の内容、その都度その都度の詳細がひたすら書かれていて 非常に読みにくい。 そういった箇所を斜め読みして飛ばしていかないと ストーリーが進まず 非常に疲れる。
そんな詳細を細々描写する書き方をしているにも関わらず、最後のしめ方は 普通。 なんだこりゃ?
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4163245103
No.49:
(4pt)

面白いですね

福井さんがガンダムを好きだと聞いて
読んでみました。
テロリストの非情な行動をきちんと描いている
ところがすごいと思った。
テロリストを追う捜査側の反応や警察および防衛庁の
内情にもリアリティーを感じました。
ラストの戦闘場面ではほんと息をのみましたね。

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4163245006
No.48:
(4pt)

いつもの「おっさんと青年」コンビが大活躍の痛快冒険小説

さすが、福井晴敏。良作なエンタテインメント小説。

 現実に近いさまざまな事象を絡み合わせ、日本という国家と国民のあり方を問いながら、娯楽作品として成立している。

 また、作品ごとに毎回毎回スケールがおおきくなっているが、今回は臨海副都心が沈むだ沈まないだの大騒ぎ。いつもの「おっさんと青年」コンビが大活躍の痛快冒険小説でもある。

 映画化するのはいいけど、またフジテレビなんだろうなぁ。。そしてまた、がっかりするんだろうなぁ。。
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4163245006
No.47:
(4pt)

たまらんですなぁ〜

福井ファンにはたまりません しかぁし『川の深さは』や『TWELVE Y.O』あたりから読まないと世界観が……………
Op.ローズダスト(上)Amazon書評・レビュー:Op.ローズダスト(上)より
4163245006
No.46:
(4pt)

帯は「復讐」でした。

最初はなにがなにやら。
話が進むにしたがって少しずつ明らかになっていく。
「話が長い」なんてレビュー結果もありましたが、文庫で3冊もありますので私はかえって「今わからないこともちゃんと説明してくれるのだな」と安心して読むことが出来ました。
国や組織のエゴ、それに対して反撃することが出来る力と意思を持った人間はどのような行動をするか。
導入部としてぐいぐい引き込まれます。
冒険活劇とくくってしまうにはもったいない。多くの人に是非オススメしたい。
Op.ローズダスト(上)Amazon書評・レビュー:Op.ローズダスト(上)より
4163245006
No.45:
(4pt)

帯は「希望」でした。

テログループの最大のテロが実行されます。
これから読む方のために内容についてはなるべく避けます。

今まで伏せられていた点もすべて明らかにされます。
確かに能力があれば復讐に乗り切るだけの理由があります。上巻冒頭を振り返りちょっと読んでみました。

テロリストも防ごうとする人たちも泥だらけになって立ち向かいます。
われわれが踏みしめているこの地表がいかにもろいものであって、攻撃側がたまたま攻撃しないから成り立っていないだけであると再認識しました。
切ない、誰も勝者の居ないラストですが感無量です。
上巻や中巻で死にそうな人が生き残ったのはちょっと予想外でした。よかったよかった。
終末に私は満足しています。死んだ人には出来れば生き残ってほしい人も多くいました。でも本人も死んでほっとしたような描写もあり複雑です。
テロリスト、防ぐ側が導いた結果は「希望」となりえるか。
・・・
内容はやっぱり「おじざんと少年(青年)」なのですね〜♪。
Op.ローズダスト(下)Amazon書評・レビュー:Op.ローズダスト(下)より
4163245103
No.44:
(3pt)

福井晴敏ファン以外にはお勧めできない

他の方もコメントされていますが兎に角長い。導入部・伏線だけで上巻終わってしまうんじゃ?と心配に
なるほど。時間が無い身にとってはなかなか終わらず、とても困りました。

福井晴敏的世界が好きで好きで堪らない人には良いのでしょうが、この路線では「亡国のイージス」を超える
作品は中々無いと思うし、「またDAISが出てくるのか…」と言う感じで、正直途中で読むのが辛くなりました。

書いたとおり、福井晴敏を最初に読むなら、本書では無く、「ローレライ」か「亡国-」をお勧めします。
でも、どちらも長いんで「川の深さは」くらいから入るのがちょうど良いのかな。
Op.ローズダスト(上)Amazon書評・レビュー:Op.ローズダスト(上)より
4163245006
No.43:
(1pt)

ぐだぐだと長過ぎ

読了するのに1ヶ月以上掛かった。 
他に面白い本がいくらでもあるので この冗長な本を読む気になかなかなれず、
上巻だけは普通のペースで読んだが中巻の途中からガクッとペースが落ちた。
数ページ読んでは本を置き、他の本へ。
また暫くしてから単なる義務感だけで また読み続け・・・。
もう下巻なんか どうしようかと正直悩んだ。
そりゃあ国家のあり方について言いたい事があるのは分かるが、職業作家なのだから
このグダグダの冗長度は何とかならないか。
同じ事を何度も何度も色々な場面で繰り返し繰り返し言われても
いい加減に「分かった分かった!」 と言いたくなる。
斜め読み、飛ばし読みに絶対の自信を持っていて、かつ当面読みたい本の無い読書家以外には
勧められません。 (つまり大概の人には勧められない と言うこと)

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4163245006
No.42:
(1pt)

作家の信条の垂れ流し

この作家の作品は以前はほとんど読んで、いつも同じ登場人物の設定、浪花節的心理描写、くどい情景説明等々にうんざりして、しばらく手にとっていなかったが、今回魔が差して読んでしまって正直後悔している。だらだらとどこまでも続く長さはおくとしても、他の作品の中でははっきり出てきていなかったこの作家の歪んだ信条が全く抑制もなしに垂れ流しにされているのには驚き呆れた。この作家がこの作品の中で言いたいメッセージは一言で言うと「日本はアメリカ様のご機嫌を損ねたら生きていけないのだから、真の自由と独立をなどと言い出す輩(作品中では「集まり」と呼んでいる)は今の見せ掛けだけでも平和な暮らしを崩壊させる悪の権化として”ひとつずつつぶしていくしかない”」という極めてわかりやすいもの。日本人でありながらアメリカのスパイを恥知らずにも務める「丸ロクの作業玉」と呼ばれる女は妙に持ち上げて描写されるのに対し、日本のあり方を憂えて、本当の独立を勝ち取ろうとする人間たちは単に愚かな利己主義者として描かれる。念仏のように繰り返される「新しい言葉」は作中では一言も語られることはなく、結局アメリカ様を怒らさないように生きていくのが一番という結論に落ち着くばかり。自身の信条を作品で語るのは作家の自由であるのは言うまでもないが、あまりにも直截で稚拙な思いを金を出して読まされる読者はたまったものではない。物語の中から自然にメッセージが立ち上がってくるのが優れた小説というものだろう。オペレーションローズダストはそういう意味では政党や宗教団体の機関紙の連載小説かなにかと思って読むべき類の小説である。アメリカ大好き人間には超お奨めだ。
Op.ローズダスト(下)Amazon書評・レビュー:Op.ローズダスト(下)より
4163245103

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